Fateシリーズの岡田以蔵がメンヘラ女子大生を更正させる話 作:河内三比呂
「死に晒せぇぇぇ!!」
翌日の夜。早速、一騎の敵サーヴァントからの刺客、恐らくキャスタークラスの使い魔だろう、よく出来た人形の群れと戦っていた。
「はぁ……全く! わしゃ『人斬り』で『人形斬り』じゃないぜよ!!」
文句を言いながらも、敵をどんどん斬って行く。
「以蔵さん、凄いです! ユリア、感激です!」
感嘆の声を上げるユリアに、以蔵は満載でも無さそうに笑顔で答える。
「当然じゃ! わしは剣の天才じゃきに!!」
とりあえず、彼女に『たっくん』の話題さえ出さなければいい事に気づいた以蔵は、なるべくその話題を避けつつ、聖杯を入手するための手立てを考えていたのだが……。
「はぁ、早くたっくんと結ばれたいなぁ〜。以蔵さん、どんどん斬っちゃいましょうね!」
「お、おう! 任せちょけ!!」
(……わしゃ斬れればいいきに……後は考えんでいいが)
自分にそう言い聞かせると、以蔵は人形達を全て斬り伏せた。
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「かぁーっ! 酒が美味いのう!」
人形達を退けた後、敵サーヴァントを探そうとしたのだが、ユリアの一言で彼女の部屋に戻って来たのだ。
「たっくんが帰ってくるんです!」
そう言われてしまうと、下手につつけない。というより、つつきたくなかった以蔵は指示に従い、現在酒盛りの最中だ。
一方、ユリアは何をしているかと言うと、隣部屋の声を聴くべく、妙な装置を壁に押し当て真剣な表情をしている。
(しっかし、厄介な事になったのう)
以蔵が得た知識を元に考えれば、ユリアは間違いなくストーカーであり、そして……『メンヘラ』というヤツだろう。生前ですら体感したことの無い気味悪さに、以蔵は心からドン引きしていた。
(戦えりゃいい。いいんじゃが……。えぇい、めんどくさいのう! 難しい事はわからん!)
以蔵は考えることを止め、酒をひたすら呑む。そうしているうちに酔いが回って来て、サーヴァントなのにも関わらず寝てしまった。
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翌朝。早くに起きた以蔵は、ベッドで例の『たっくん』の抱き枕を抱えて寝ているユリアを見やる。
「……まっこと、奇っ怪やのう……」
冷静になった頭で、改めて部屋を眺める。やはり、慣れない。というか馴染めない。
(いやいや……慣れるわけないじゃろ! こんなん無理ぜよ!)
以蔵は酒を探そうと思ったが、下手にユリアの『狂気』の逆鱗に触れたら……と考え、大人しく窓の外を見つめるしかなかった。
(はぁ……せめて戦えりゃいいんじゃがのう。身体が鈍って仕方ないきに)