Fateシリーズの岡田以蔵がメンヘラ女子大生を更正させる話   作:河内三比呂

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第6話 『人斬り』と

 一人になったユリアは部屋を見渡す。

 

「……酷いな……」

 

 自分の滑稽さに思わず笑ってしまう。そして、冷静になって来て、先程の以蔵の言葉が脳裏を過ぎる。

 

『……マスターはそれでいいんか?』

 

『わしゃ『人斬り』じゃけ。依頼されれば斬るが……。ただ……護衛の依頼ん時は酒が更に美味かったのう!!』

 

「……『人斬り』」

 

 ユリアは机に向かい、パソコンを開く。そして、

 

「岡田以蔵……と」

 

 自分と共にいる彼の事を調べてみる。実はユリアにとって興味の対象は全て『たっくん』だったため、サーヴァントが誰かなんて……気にしていなかったのだ。

 

 そして彼の生涯を知り、ユリアは……。

 

「……ユリアは……幸せになりたいだけなのに……」

 

****

 

「あの……どなたですか?」

 

 以蔵は今、人気の無い路地裏で、たっくんとその恋人と対峙していた。

 

「……お初にお目にかかります」

 

 以蔵が珍しく丁寧にそう言うと、鋭い目つきで、

 

「……おまんらに恨みはないが……死ね」

 

 そう言って斬りかかる……寸前だった。

 

「令呪を持って命じます! やめてください!」

 

「なんじゃぁぁぁぁ!?」

 

いきなり動きを封じられた以蔵が思わず叫ぶと、その声で冷静になったらしいたっくんと恋人がその場から逃げ出す。そうして、ユリアと以蔵だけが取り残され、雨が降って来た。

 

「そろそろえぇかいのう!?」

 

 身体の自由が奪われたままの以蔵がそう言うと、

 

「あ! ごめんなさい! ええと……」

 

****

 

「ふぅ〜……全く。止めるんじゃったら、もうちょいなんかあったじゃろ!?」

 

 両腕を動かしながら、以蔵が言う。

 

「ごめんなさい! でも、以蔵さん、そうでもしないと止まってくれないかなぁなんて思って……ごめんなさい」

 

 素直に謝るユリアに、以蔵は面倒くさそうな顔をし、

 

「もういいきに。んで? これからどうするんじゃ?」

 

「……その!」

 

 泣きそうな顔をするユリアを、以蔵が見つめる。

 

「ユリア、調べたんです! 以蔵さんのこと!」

 

「!!」

 

「それでその……ユリア……ユリアはお願いを変えます!」

 

「ほう? わしを調べて……願いを変えると?」

 

 以蔵が目を細める。その目をユリアは真っ直ぐ見ると、

 

「ユリアは! 本当にユリアを愛してくれる人と一緒になりたいです!」

 

「は?」

 

「だから、本当にユリアを……!」

 

「そうじゃないが! わしを調べて出た結論がそれってどういうことじゃ!?」

 

 思わずつっこむ以蔵にユリアは小首を傾げると、

 

「はい? 確かに調べましたけど、それはそれ! これはこれです! 改めてよろしくお願いしますね! 以蔵さん!」

 

 笑顔でそう言うユリアに、以蔵は一瞬ポカンとた後、大声を上げ笑うと、

 

「おっもしろいのう! ええぞええぞ! これぞわしのマスターじゃ! 今夜は呑むぞ! 酒じゃ酒!!」

 

 そう言ってユリアの肩を軽く叩くと、

 

「わしの願いは金じゃきのう! がはははは!!」

 

「えっ、そうなんですか?」

 

 驚くユリアに、以蔵は笑顔で、

 

「本音言うて馬鹿にしちょったら斬っとたからのう! ほいじゃ、行くぞ!」

 

「はい!」

 

 こうしてメンヘラ女子大生と『人斬り』は町へ消えて行った。彼らの聖杯戦争は始まったばかり……。




最後まで読んで頂きありがとうございました。
初めての二次創作作品でしたが、少しでも楽しんで頂けましたら嬉しいです。
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