遊戯王世界でテスタロッサとアリスとアウトレイジ   作:不知火勇翔

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地縛神 リターンズ2

 ネオ童実野シティに敷設されたデュエルレーンを、赤と黒のバイクが走り抜ける。

 片やその両腕とバイクでネオ童実野シティを救い続けた不動遊星。もう一方は、盗んだデュエルディスクを腕につけ、これまた盗んだバイクで走る、白髪の老人だった。

 Dホイールというバイクに乗りながら行うデュエルを『ライディングデュエル』といい、これからある世界大会WRGPもこの形式で行われる。

 スピードワールド2という特殊ルールがあり、ターンごとに増えていくスピードカウンターを使って色々な魔法カード(スピードスペル)を発動できる。初見には入っていきずらいように見えるが、スピードスペルも、要は魔法カード。分からない人でも結果だけ注意して見たら、ちゃんと面白くはなっている。

 そのライディングデュエルだが、バイクで行うため移動範囲がやたらと広い。なのでテスタロッサ達6人は、クロウのバイクに映る映像から遊星のデュエルを見守ることとなった。

「貴様ら、あのダークシグナーと戦ったのだろう?どんな戦い方をする奴だったのだ?」

 ジャックがテスタロッサとアリスに聞くと、テスタロッサは肩をすくめた。

「あの時は後攻ワンキルしたから、そんなに知っていることなんてないぞ。…そうだな、1ターン目で『地縛神』とかいうのが出てくるぐらいしか…」

 

 

 

 

 

 

 フィールド魔法『死皇帝の陵墓』を発動し、朝の時と同じ流れで『使神官ーアスカル』と『赤蟻アスカトル』を特殊召喚した老人は、そのまま『地縛神』を召喚した。

「2体をリリース!」

「くるか、『地縛神』」

「今再び五千年の時を越え、冥府の扉が開く 我らが魂を、新たなる世界の糧とするがいい!光臨せよ、『地縛神 Aslla piscu(アスラ ピスク)』!」

 

《地縛神 Aslla piscu(アスラ ピスク)》効果モンスター

星10/闇属性/鳥獣族/攻2500/守2500

(1):「地縛神」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

(2):フィールド魔法カードが表側表示で存在しない場合このカードを破壊する。

(3):相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。

(4):このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。

(5):また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが、このカードの効果以外の方法でフィールド上から離れた時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの数×800ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

 

 

「先攻は攻撃できない。俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド」

「俺のターン!」

   遊星スピードカウンター→2

    老人スピードカウンター→2

   遊星手札→6

「相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しないとき、手札の『アンノウン・シンクロン』は特殊召喚できる。来い、『アンノウン・シンクロン』!」

 遊星が乗る赤いバイクの横に、カメラのレンズがついた鉄くずの固まりのようなモンスターが現れた。

 

 

 

《アンノウン・シンクロン》チューナーモンスター

星1/闇属性/機械族/攻0/守0

「アンノウン・シンクロン」の①の方法による特殊召喚はデュエル中に1度しかできない。

①:相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

「更に俺は、手札の『救世竜セイヴァードラゴン』を墓地へ送り、手札から『クイック・シンクロン』を特殊召喚!そして『ドッペル・ウォーリアー』を通常召喚!」

 

 

 

《クイック・シンクロン》チューナーモンスター

星5/風属性/機械族/攻700/守1400

このカードは「シンクロン」チューナーの代わりとしてS素材にできる。

このカードをS素材とする場合、「シンクロン」チューナーを素材とするSモンスターのS召喚にしか使用できない。

①:このカードは手札のモンスター1体を墓地へ送り、手札から特殊召喚できる。

《ドッペル・ウォーリアー》モンスター/効果

星2/闇属性/戦士族/攻800/守800

①:自分の墓地のモンスターが特殊召喚に成功した時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。

②:このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。自分フィールドに「ドッペル・トークン」(戦士族・闇・星1・攻/守400)2体を攻撃表示で特殊召喚する。

 

 

「俺はレベル2の『ドッペル・ウォーリアー』に、レベル5の『クイック・シンクロン』をチューニング!集いし怒りが、忘我の戦士に鬼神を宿す! 光射す道となれ!シンクロ召喚!吼えろ! 『ジャンク・バーサーカー』!」

 

 

《ジャンク・バーサーカー》シンクロモンスター

星7風属性戦士族 攻2700守1800

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

自分の墓地に存在する「ジャンク」と名のついたモンスター1体をゲームから除外し、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。選択した相手モンスターの攻撃力は、除外したモンスターの攻撃力分ダウンする。また、このカードが守備表示のモンスターを攻撃した場合、ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊する。

 

 

「シンクロ素材となった『ドッペル・ウォーリアー』の効果発動!フィールドに2体の『ドッペル・トークン』を特殊召喚!」

 

 

 

《ドッペル・トークン》トークン

星1/闇属性/戦士族/攻400/守400

 

 

 

そして俺はレベル7の『ジャンク・バーサーカー』に、レベル1の『アンノウン・シンクロン』をチューニング!集いし願いが、新たに輝く星となる! 光射す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!『スターダスト・ドラゴン』!俺はこれでターンエンド」

 

 

《スターダストドラゴン》シンクロモンスター

星8/風属性/ドラゴン族/ 攻2500守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

①:フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードをリリースして発動できる。その発動を無効にし破壊する。

②:このカードの①の効果を適用したターンのエンドフェイズに発動できる。その効果を発動するためにリリースしたこのカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 

 

「やったぜ!スターダストドラゴンだ!!」

 龍亜が喜び声を上げるが、他の面々は龍亜ほど喜びはしなかった。

 ジャックが龍亜に言った。

「龍亜、確かにスターダストドラゴンは奴の地縛神と同じ、攻撃力2500。だが地縛神は、直接攻撃と攻撃対象とならない効果を持つ」

「でも、遊星なら!」

 明るい性格の龍亜が言った。それを聞いたクロウはニヤリと笑い、祈るように手を組んでいた龍可も暗い顔はしていなかった。

 どんな苦境に陥っても逆転してきた不動遊星に対する、チーム5d'sの面々からの信頼度が高いのが分かる光景だった。

 それを見たテスタロッサとアリスは、自然と笑顔になった。

 

 

 

「ワシのターン!」

     遊星スピードカウンター→3

    老人スピードカウンター→3

「バトル!地縛神で、ダイレクトアタック!」

 巨大な地縛神が、その巨体を不動遊星に向ける。遊星は慌てることなく、手札のカードをデュエルディスクに差し込んだ。

「俺は手札の『バトルフェーダー』を特殊召喚し、バトルフェイズを終了する!」

 

 

 

《バトルフェーダー》効果モンスター

星1闇属性悪魔族攻0守0

①:相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

 

 

 

「チッ、ワシはこれでターンエンド」

「俺のターン!」

    遊星スピードカウンター→4

     老人スピードカウンター→4

    遊星手札→2

「俺は手札から『ターボシンクロン』を通常召喚!そしてレベル1の『バトルフェーダー』に、レベル1の『ターボシンクロン』をチューニング!集いし願いが、新たな速度の地平へいざなう!光射す道となれ!シンクロ召喚!希望の力・シンクロチューナー!『フォーミュラ・シンクロン』!」

 

 

 

《ターボシンクロン》効果モンスター

星1/風属性/機械族/攻100/守500

①:このカードが攻撃表示モンスターに攻撃宣言した時に発動できる。攻撃対象モンスターを守備表示にする。

②:このカードの攻撃で自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。受けた戦闘ダメージの数値以下の攻撃力のモンスター1体を手札から特殊召喚する。

《フォーミュラーシンクロン》シンクロモンスター

星2光属性機械族攻200守1500

チューナー+チューナー以外のモンスター1体

①:このカードがS召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。

②:相手メインフェイズに発動できる。このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。

 

 

 

 

「『フォーミュラーシンクロン』のシンクロ召喚時の効果発動!デッキから1枚ドローする。俺はレベル8のスターダストドラゴンに、レベル2のフォーミュラーシンクロンをチューニング、アァクセルシンクロォォォォ!」

 遊星の乗るDホイールが、謎の赤い煙を切り裂き始める。

 すると、老人の後ろを走っていたはずの遊星が消え、老人の前に出現する。まさに瞬間移動だった。

「なにっ!?」

「集いし夢の結晶が、新たな進化の扉を開く! 光射す道となれ!生来せよ!『シューティングスタードラゴン』!」

 

 

 

《シューティングスタードラゴン》シンクロモンスター

星10風属性ドラゴン族攻3300守2500

Sモンスターのチューナー1体+「スターダスト・ドラゴン」

①:1ターンに1度、発動できる。自分のデッキの上から5枚めくってデッキに戻す。このターンこのカードはめくった中のチューナーの数まで攻撃できる。

②:1ターンに1度、フィールドのカードを破壊する効果の発動時に発動できる。その効果を無効にし破壊する。

③:1ターンに1度、相手の攻撃宣言時に攻撃モンスターを対象として発動できる。フィールドのこのカードを除外し、その攻撃を無効にする。

④:この③の効果で除外されたターンのエンドフェイズに発動する。このカードを特殊召喚する。

 

 

 

 

 『地縛神』には流石に大きさでは劣るが、前のスターダストドラゴンよりはガッシリしたドラゴンが現れる。『地縛神』が全て倒された後に、不動遊星が未来の敵と戦う最中手に入れたアクセルシンクロは、『地縛神』の記憶にはなく、当然老人も初めて目にしたものだ。

 だが直ぐに老人は平静を取り戻した。

「だが、貴様のドラゴンは『地縛神』に攻撃できんぞ!…ふむ、何か企んでおるな?」

「……」

「そうはさせんよ!トラップ発動!『強制脱出装置』!貴様の『シューティングスタードラゴン』は手札へ戻る。じゃがシンクロモンスターは手札に戻らない。さぁ、エクストラデッキへ帰るのじゃ!」

「何っ!?シューティングスタードラゴン!!」

 

 

《強制脱出装置》通常罠

(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

 

 

 召喚されてすぐ強制送還をくらったシューティングスタードラゴンは、悔しそうにグルルルル、と鳴きながら消滅した。

 『シューティングスタードラゴン』は『スターダストドラゴン』と同じく破壊耐性があるが、強制脱出装置は破壊効果ではないため、簡単に通ってしまった。不動遊星にとっては、無駄にシンクロ素材を消費しただけの結果となった。

「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 遊星手札→1

「ワシのターン!」

     遊星スピードカウンター→5

    老人スピードカウンター→5

「地縛神で、ダイレクトアタック!」

 地縛神が遊星に迫るが、遊星は伏せカードを発動せず、そのまま受けた。

「ぐぁぁぁぁ!」

遊星LP4000→1500

「ワシはこれで、ターンエンドじゃ」

 

 

 

 

 

「「遊星!!」」

 龍亜と龍可が叫ぶ。

 不動遊星のフィールドには、ドッペルトークン2体と伏せカード1枚のみ。対して老人も伏せカードは1枚のみだが、地縛神がいる。地縛神は、単独で強い。このターンで地縛神を除去しなければ、遊星は後々もっと苦しくなってくる。ハッキリ言って、結構なピンチだった。

 地縛神との戦いを経験したチーム5d'sの面々だからこそ、スタートダッシュで躓いた遊星がどれだけピンチかを理解していた。

 テスタロッサとアリスは、それ程心配していなかった。なぜなら…。

「そう言えば貴様ら、遊星にカードを渡していたな。何のカードなのだ?」

 ジャックがテスタロッサとアリスに聞いた。

 代わりにデュエルする遊星が負けないように、デュエルが始まる前テスタロッサは1枚のカードを遊星に渡していた。

「別にいいだろ。必要なら、アイツは勝手に出てくるだろうし」

 

 

 

 

 

「俺のターン!!」

     遊星スピードカウンター→6

    老人スピードカウンター→6

 遊星は、ドローしたカードを見て、驚いた。そして、クロウがデュエルしていた時にアリスが言ったことを思い出して苦笑し、ズルいな、と思った。

「俺は2体のドッペルトークンをリリース!これが、俺と彼らの絆の力!アドバンス召喚!現れろ、『不死帝ブルース』!」

 

 

 

《不死帝ブルース》 クリーチャー

星8/闇属性/悪魔族/攻3000/守2000

このクリーチャーをモンスターゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚を墓地に置く。

1ターンに1度、自分の墓地と除外されたカードから召喚してもよい。

このクリーチャーを墓地から召喚してもよい。

 

 

「トラップ発動!『強制脱出装置』!」

 老人が、最後の伏せカードを発動するが、遊星に阻まれた。

「カウンタートラップ、『神の宣告』!これでLPを半分にし、『強制脱出装置』の効果を無効化する!」

 

 

 

『神の宣告』カウンタートラップ

①:LPを半分払って以下の効果を発動できる。●魔法・罠カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。それを無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

 

遊星LP1500→750

「『不死帝ブルース』の効果発動!俺は墓地のレベル8モンスター『スターダストドラゴン』と自身の効果で除外されたレベル1の『バトルフェーダー』に、墓地のレベル1モンスター『救世竜セイヴァードラゴン』をチューニング!」

「ぼ、墓地と除外されたモンスターでシンクロ召喚だと!?」

「集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す!光射す道となれ!シンクロ召喚!光来せよ!『セイヴァー・スター・ドラゴン』!」

 

 

《セイヴァー・スター・ドラゴン》シンクロモンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3800/守3000

「救世竜 セイヴァー・ドラゴン」+「スターダスト・ドラゴン」+チューナー以外のモンスター1体

(1):相手が魔法・罠・効果モンスターの効果を発動した時、このカードをリリースする事でその発動を無効にし、相手フィールド上のカードを全て破壊する。

(2):1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、その効果をエンドフェイズ時まで無効にできる。また、この効果で無効にしたモンスターに記された効果を、このターンこのカードの効果として1度だけ発動できる。

(3):エンドフェイズ時、このカードをエクストラデッキに戻し、自分の墓地の「スターダスト・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚する。

 

 

 遊星の叫びと共に、白銀の妖精のようなドラゴンが現れた。

 悪魔のような外見をした『不死帝ブルース』と隣り合わせに並ぶと、お互いのベクトルが逆方向に強調されるかのように、2体の威圧感が倍増した。

 ちなみに『不死帝ブルース』は闇のアウトレイジとして恐れられていて、テスタロッサの師匠でもあったりする。

「『セイヴァー・スター・ドラゴン』の効果発動!1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、その効果をエンドフェイズ時まで無効にする!行け、『セイヴァー・スター・ドラゴン』!地縛神アスラピスクの効果を無効化しろ!」

 セイヴァー・スター・ドラゴンが鳴き、その迫力で地縛神が固まった。

「バトル!『不死帝ブルース』で、地縛神アスラ ピスクを攻撃!」

 不死帝ブルースは、持っていた巨大な何かを振りかぶると、地縛神の巨体に叩きつけた。その一発で、地縛神は爆散した。

「『セイヴァー・スター・ドラゴン』で、ダイレクトアタック!」

 最後の悪足掻きのように、老人から黒い影が現れ『セイヴァー・スター・ドラゴン』に襲いかかるが、『セイヴァー・スター・ドラゴン』はその身に纏う光る粒子で影をはねのけ、輝きだけで老人を吹き飛ばした。

「グァァァァァァァァ!!!」

ダークシグナーLP4000→3500→0

 

 

 

 

 バイクを派手にクラッシュさせた老人だが、何の偶然か生きていた。

 老人は目を開けると、不動遊星が自分を見下ろしているのが分かった。

「……シグナー」

 遊星はデュエルレーンに倒れ込んでいる老人の隣に座ると、言った。

「あなたがどうして地縛神に縋ったか、俺は知らない。だから何かを言える立場じゃないが、それでも言う。『地縛神』を頼ることは諦めてくれ」

 老人は目を見開き、遊星を見た。

 敵の心情を、老人は考えたことはなかった。まして、理解できるなんて思ってもいなかった。だがこの男は、相手を理解しようとすることを諦めていなかった。

「……ワシの自己満足じゃ。大した理由でもない。息子達だって、殺さたがそれで救われた命も…」

 自然と、老人の口から言葉が出てきた。

「悪かったのぅ、シグナーの少年よ」

 

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