Re:ゼロから始めるベアトリス生活   作:初代TK

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|ョω・`)......



|ョω・`)......更新がおくれてしまい、本当にすみません。


第二章 『激動の一週間』
禁書庫少女との小さな攻防


 

 

天井まで届く本棚の二段目にある、他とは一風違って怪しげな雰囲気を漂わせている一冊の本──黒い装丁の本に手をかける。

 

 

 

 

「......むむむ...なのよ......」

 

 

 

折れないようにそっと優しく手に取って。

 

 

毎日、毎日毎日毎日毎日毎日毎日。

期待に溢れる表情で本のページをぺらぺらとめくる。

 

 

めくり続ける。

 

 

 

 

 

「......今日も、何も書かれていない......」

 

 

 

先程の見た目相応の綻ばせた笑顔とは一変転じて、少女の顔から感情が抜け落ちた後、また本を丁寧に元あった棚に戻す。

 

 

「まぁ、そりゃそう、かしら......うん、また明日......」

 

 

......って今の自分をリアルタイムで実況してみたりしていたのは正しく!!! 四百年前からのロリ精霊、ベ・ア・ト・リ・スー!!! なのよ!!!

 

 

 

「んふふふふっ......まぁ、『叡智の書』に期待しているのは本当なのだけれど......今はスバルがいるから、全く暇をしないのよ!」

 

 

特に盗品蔵でのシャマク!!! あれはホントに脳が震えr......ワクワクしたのよ!!! あの時ゲートこじ開けて正常にして、魔法教えてあげたベティーの判断は実によかったかしら!!!

 

それに、魔法を教えるのってなんだか先生になった気分でとっても有意義な時間なのよ......シャマクを完全に修得させてやったら、今度は上位版(エル・シャマク)でも教えてやろうかしら?

 

 

 

「ふふふふ......でもまずはあの男、ここに運び込まれてからそんなに時間経ってないから流石にまだ寝てると思うのよ......」

 

 

......ならば!! 今からこのベティー直々に寝起きドッキリを仕掛けてやろうじゃないのよー!!!

 

 

「んふふっふ~♪ さーて、そうと決まれば早速寝室へ......」

 

 

「......誰かがくるまで部屋で寝てよ。もしくは、ありがちな最初の部屋がゴールの可能性......」

 

 

 

 

......へ?

 

 

 

 

 

 

「......おお? なんだこの部屋......本だらけだな......って、.....お、お前......まさかベティーか!?」

 

 

 

あ、えと......こういうときは......

 

 

 

 

「......きょ、今日はいい天気なのよ、スバル......にゃ!?」

 

 

 

「ずっと会いたかったんだよ! いや本当に! お前から教わったあのすげえ魔法は殺人鬼の野郎にもしっかり効いたし、なんだかんだ最初に俺を助けてくれたのもお前だし!......改めて、ありがとな! ベティー! 愛してるぜ!!」

 

 

 

あわわ......スバルが感極まったのかなんなのかはは知らないけれど、ベティーの麗しい体を軽々と持ち上げてきたのよ......

しかも告白付き......!

 

 

 

「お......とりあえず、降ろすかしらー!!!」

 

 

 

「いーや、俺がお前から受けた恩はこんなもんじゃまだ返しきれてねぇぜ? ほらほらー!」

 

 

 

「持ち上げるのは百歩、いや千歩譲っていいとして、ベティーを振り回すのはやめるのよー!!」

 

 

 

 

 

 

......どうしてこうなったのかしら.........?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもとは違う広い天井、いつもとは違う布団の触り心地、そして一目見て上流階級の貴族専用、とわかる一室で目を覚ましたスバルは、ほのかにいい匂いのする枕や布団を心行くまで堪能した後、いつまで待っても人が来ないため勝手に屋敷の廊下を歩いている最中だった。

 

 

 

「こんだけ歩いて、端に着くどころか突き当たりも見えねぇとか、そんなことあるか......? 」

 

 

いつまで歩いても端の見えない廊下にうんざりしていたスバルは、歩いている最中にこれまでの自らの行いを改めて振り返った。

 

 

「まーずは召喚された直後に、果物屋のおっちゃんに話しかけたら追い返されて.....そっから適当にそこら辺歩いてたら、あのクルクルロールの女の子、ベティー......もといベアトリスと出会ったんだよな」

 

 

思い返すと、あの時あの少女に出会えてよかったな、とスバルは内心苦笑する。

 

あの少女と出会えたからこそ、今のスバルがいると言っても過言ではない。

 

 

「んでー、それからベティーにとんでも魔法でトンチンカンを倒してもらって......目覚めたらなんと、目の前には超絶美少女のエミリアたんがいて、急いでいるのに俺を助けてくれた、って訳だ......いやー、あの子を助けようと色々動き、どんだけ苦労したことか......まぁ、エミリアたんのあの笑顔を見ればそんなどうでもいい事は一瞬で吹っ飛ぶけどな!」

 

 

スバルは確かに何度も命を落としたが、それと同時に多くの出会いや経験をしてきた。もっとも、命と比べれば些細なものな気がしなくもないのだが。

 

 

ぽつり、と呟く。

 

 

 

「......あいつ、どこ行ったんだろうなあ......ベティー......」

 

 

思えば、彼女は初めてスバルに優しく、まっすぐに正面から接してくれた異世界人でもあり。

 

 

「初めて魔法を教えてくれた俺の偉大なる大師匠、なんだがな......まだお礼も言えてないぜ......せっかく、あいつから教わったシャマクがあの腸大好きサディスト野郎に役に立ったってのによ......あ、命の恩人も追加しとくか」

 

 

なんて、どれだけ感謝を伝えても感謝し足りないほどの恩を、何を求める訳でもなく無償で与えてくれた彼女に、スバルは今一度会ってあの時の事について感謝したい、と思った。

 

 

 

「......うん、なんかいつまで経っても端見えねえし、誰かくるまで部屋で寝てよ。」

 

 

スバルは先程まで自らが寝ていた寝室に戻って時間を潰そうと、ドアノブに手をかけて扉を開いた先に見えた光景には──

 

 

 

 

 

 

 

 

「........あ?」

 

 

 

 

 

 

 

「.......あ」

 

 

 

 

 

 

 

本来ならば、その周りにあるまるで壁のようにそびえ立つ本棚と、隙間なくぎっしりと詰め込まれた無限とも思える本の数々に目は行くのだろう。

 

 

 

だが、スバルはその本だらけの棚よりも、その本棚に囲まれる様にして中心に座りながら本を読んでいる、一人の少女に目が移った。

 

 

 

 

そう、その少女の名は───

 

 

 

 

 

「ま、まさかお前は.......ベティーか!?」

 

 

 

「......え?」

 

 

 

 

恐らく、何かの本を読んでいたのであろう。

熱心に間近まで本を近付けて熟読していた少女は、突然の予知せぬ来客に、度肝を抜かれたように驚いている。

 

 

 

 

「ス.....スバル!? にゃ!?」

 

 

 

「うおおぉ!!! ベティー!!!......なんでこの屋敷にいるのかは知らないけど、お前だけがこの世界での唯一の恋愛対象外の癒し枠なんだよ!!!」

 

 

「何言ってるのかは分からないけどとりあえず馬鹿にされてるって事だけはなんとなく理解できるかしら!!!」

 

 

 

 

がばっと、感極まったと言わんばかりの勢いと速度で、スバルは幼い魔法使いの体を抱き上げる。

 

 

 

「ずっと会いたかったんだよ! いや本当に! お前から教わったあのすげえ魔法は殺人鬼の野郎にもしっかり効いたし、なんだかんだ最初に俺を助けてくれたのもお前だし!......改めて、ありがとな! ベティー! 愛してるぜ!!」

 

 

 

スバルは、数年ぶりに仲の良い親友と出会ったと言っても過言ではない喜びぶりで、金髪のクリーム色がかった髪の少女に今まで受けてきた恩への謝礼と、言葉だけでは表しきれない愛情を少女に捲し立てながら話しかける。

 

 

 

 

そんな、まるでノリと勢いと感動だけで構成されているとしか思えない言葉を真に受けた少女は。

 

 

 

 

 

「......~っ.........」

 

 

 

普段のこの見た目の少女にはそぐわない、何にも流されない堂々とした態度も忘れて、スバルの言葉にただ、顔を赤らめて、手で覆っていた。

 

 

 

「......ん...んんっ!.........と、とりあえず降ろすかしら。そうすれば、お前の今までの恩を仇で返すような今の行いを不問にしてやらんこともないのよ」

 

 

 

しばらくは、何も考えずにただ固まっていた少女だったが、突如思い出したかのようにいつもの近寄りがたい、子供が背伸びをするかのような口調に戻った。

 

 

だが、そんな事ではスバルは止まらない。

 

 

「いーや、俺がお前から受けた恩はこんなもんじゃまだ返しきれてねぇぜ? ほらほらー!」

 

 

「ひゃあああぁ!??」

 

 

 

ぶんぶんぶん、とスバルは彼女を抱き抱えたままその場で子供をあやすかのように、少女の体を優しく振り回す。

だが、勢いが強過ぎて、風が唸りを上げているようだ。

 

 

「ちょ、おろっ......降ろすのよー!!!『ムラク』!!」

 

 

「ふんどぅるらればっ!?」

 

 

 

だが、そんなスバルのターンは長くは続かず。

スバルは、少女の起こした謎の魔法で突然宙に浮かされた後、ドアの外へ乱暴に追いやられた。

 

 

 

 

 

「い、いってえ......だが、これもあいつなりの不器用すぎる愛情表現だと言うことを俺は知っている!」

 

 

完全に二人の思惑はすれ違っているとも知らずに、スバルは再び追い出されたドアを開ける。

 

 

 

「......ん?」

 

 

 

だが、ドアを開けた先に見えた光景は。

先程まで、スバルが寝ていたと思われる屋敷の寝室の一部だった。

 

 

 

 

「んー......これはつまり、あれだな.......運ゲーって奴だな」

 

 

スバルはしばらく屋敷の廊下を走り回った後、己の勘だけを信じ、再びドアノブに手をかけた。

 

 

 

 

「んふふ~♪ 今日はにーちゃと会える日.......」

 

 

 

「ビンゴ! 俺って実はすげえ奴だったりする可能性ありそうだな!......ところで、なんでそんな楽しそうにしているんだ?」

 

 

 

楽しそうに、即興と分かる鼻唄を歌っていたのを聞かれた少女は、再び部屋に入られた怒りからか、顔を赤らめてプルプルと震えている。

 

 

 

 

「おー、中々に可愛い歌だったな。......もうちょっと歌唱力上げれば、子役としてデビュー出来ると思うぜ!」

 

 

「 本角アタック!!」

 

 

「あばーっ!?」

 

 

 

 

流石にやりすぎた、とスバルは内心、遅すぎる後悔をした。

 

 

 

「ちょ、おま......本当に痛......い.....」

 

 

 

痛みに呻くスバルを、ちらと横目で見た少女は、はぁ、と深いため息を付いた後に、スバルを治療した。

 

 

 

「次この禁書庫内ではしゃいだら、本当に追い出すのよ。......分かったかしら」

 

 

 

「お、おう......」

 

 

 

 

スバルは、この少女がただ優しいだけの子供とは違うという事に、改めて身をもって気付かされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベアトリスと再会できた嬉しさが大きくて気付かなかったが、改めて見たそこは──まさしく、『書庫』と呼ぶにふさわしい部屋だった。

 

 

部屋の広さは先程スバルがいた部屋の倍ほどもあり、天井まで届く本棚がそのスペースを埋め尽くしている。

 

本棚にも本がぎっしりと並べられていて、その蔵書数は想像するのも難しい。

 

 

「で、こんだけ本があっても俺が読めそうな本はなし.....なんかちょっとがっかりすんなぁ......」

 

 

パッと本棚を見渡しても、もちろん日本語表記の背表紙は見当たらない。アルファベットの類いもなく、王都で見かけた象形文字の数々──この世界の公用文字であろう文章が、ずらりと並んでいる。

 

何度見ても読み取れない文字を見やり、スバルは思わずため息をこぼした。

 

 

「他人の書架をずけずけ眺めて、おまけにため息。......ひょっとしてケンカを売ってるのかしら? だったら買ってやるのよ?」

 

 

「さっきの事は悪かったって......そんなツンツンしてると可愛い顔が台無しだぜ? ほら、スマイルスマイル」

 

 

「ベティーが可愛いなんて当たり前かしら。お前に見せる笑顔なんて、嘲笑で十分なのよ」

 

 

頬に指を当てて笑顔を作るスバルに、少女は愛らしい顔に呆れの混じった笑みを貼り付けた。

 

 

「嘲笑とか難しい言葉知ってんなぁ。あと、不機嫌なのは俺が色々好き勝手やりすぎたのと、たまたまだけど一発で正解引いたせいだろ? ごめんな! 俺、こういうのだけ昔っからどうも運がいいんだよ」

 

 

「人がけっこうな労力で領域を構築したのに、それをあんなに適当に.......最悪なのよ」

 

 

再び深いため息を付いた少女からは、先程までの怒りは感じられない。諦めたような表情だった。

 

 

「まぁ、お互い様ってことで水に流そうぜ。とりあえず、ここってどこよ。教えてくれ」

 

 

「ほぼ、いや絶対にお前が悪いのよ。......ふん。ここは、ベティーの書庫兼、寝室兼、私室かしら」

 

 

「俺は額面通りの答えにガッカリすべき? ここで寝泊まりとか自分の部屋がないの可哀相って哀れむべき? それとも、書庫を私室扱いしちゃう部分を微笑ましく思うべき?」

 

 

「少しからかってやろうとしたらなんたる言い草なのかしら!」

 

 

 

 

皮肉を素で返されてご立腹の少女──ベティーは頬を膨らませると、脚立から腰を上げてスバルの方へ歩み寄ってくる。

 

 

「お、なんだどうしたベティー。......まさか、ついにデレて自分から抱き上げて欲しいという些細なアピール......!?」

 

 

「お前、今すぐ衛兵のお世話になった方がいいかしら。......そうじゃなくて、なんでわざわざベティーの書庫へ入って来たのかを聞きたいのよ」

 

 

目の前まで迫ってきた少女の背の高さの所為で上目遣いでスバルを見やる少女のあざとさと可愛らしさに、思わずスバルは目線を本棚にそらしながら答えた。

 

 

「いや、実は俺も最初は入ってくる気なんかはこれっぽっちもなかったんだが......たまたま、当たっちゃってな」

 

 

「たまたまで二回も当てられたベティーの気持ちにもなってみるのよ......」

 

 

がく、とあからさまに気を落とす少女は、プライドをずたずたにされたのか。どこか達観したかのような表情を浮かべた後、目の前で周りをぶんぶんと見回している少年に問いただした。

 

 

「......それで、お前はいつまでここに居るのかしら。さっきからうろちょろと、鬱陶しいったらないのよ」

 

 

「まぁまぁ、落ち着けよベティー。奇跡の再会により、旧交を深めるのは大事なんだぞー?」

 

 

「ふん......ベティーはまず、お前とそこまで仲を深めたつもりなんてさらさらないかしら。変な事言うと頭爆発する魔法でもかけといた方がいいかしら?」

 

 

「多分その魔法、俺だったら掛けた時がピークな気がするんだけどな。爆発四散はまだ体験してないけど、したくもないからやめてくんねえかな......」

 

 

「それは、お前のベティーに対する今後の対応次第かしら?」

 

 

「改めて本当おっかねぇな! このドリルロリ!」

 

 

「その呼び方やめるかしらー!!!」

 

 

 

ぷんすか、という表現が似合うような、いかにもな子供らしい感情を剥き出しにしながら、少女は禁書庫内を走り回る、まるで礼儀を知らない少年を短い足で追いかける。

 

 

 

「はぁ......はぁ......」

 

 

「......はぁ~.........せめて扇風機でもあれば別なんだがな......て言うか、本ばっか読んで体育系のたの字もなさそうなお前が、たの字もない系引きこもり鍛え男子の俺に着いてこれてるのが一番の驚きなんだけど......」

 

「ひゅー......ひゅー......あ、あまりベティーを舐めていたら......いつか痛い目に遭うのよ......」

 

 

「痛い目って意味ではもう死ぬほど遭ってる気がするんだけどな......」

 

 

お互いに軽口を叩き合いながら、呼吸を整えた後にすっきりとした顔になるスバル。

 

 

 

「いや~、うんやっぱあれだわ......子供と遊んでると、俺まで童心に帰れた気がして、滅茶苦茶楽しいわ」

 

 

ははは、とその場で俯きながら呼吸を整えている少女に向けて笑うスバル。

 

 

だが、どうやら今のスバルの発言は、彼女の琴線に触れたらしい。

怒りをあらわにするようにして、体全体をピクピクと震わせている。

 

 

 

「だ.....だれが『こども』なのよ......?」

 

 

「...あ、いや......これにはちょっとした語弊が......」

 

 

 

「いい加減、ベティーを子供扱いするのはやめるかしらー!!!」

 

 

「うおおぉぉぉ!??」

 

 

 

少女が怒りに任せて、禁書庫のドアへ両手を掲げるようにして前に突き出す。

それと同時に、スバルの体は少女の両手に操られるようにして、禁書庫外の廊下の壁へ容赦ない速度で叩きつけられた。

 

 

「が......ふっ......!」

 

 

「あ.......大丈夫......かしら?」

 

 

「大丈夫......だったら......こんな片言にはならねえんだ.....よ......」

 

 

思いの外、速度が出ていたらしい。少年を瀕死になるまで叩きつけた張本人であるのに、少女はやりすぎた、と言わんばかりの表情でスバルの顔を見やっている。

 

 

 

──ああ、こんな状況でも視界に映るアイツの顔可愛すぎて最高。

 

 

最後に彼はそう、独り言を言うまでには少女にぞっこんだったらしい。もちろん、友達的な意味合いでだが。

 

 

しかし意識は一瞬にして刈り取られるようにして、スバルは再び深い眠りに着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、目覚めましたね、姉様」

 

 

「そうね、目覚めたわね、レム」

 

 

 

再びの目覚めは、声質の同じ二人の少女の声から始まった。

 

 

柔らかな寝心地はどうやらさっきと同じベッド。寝起きのスバルの瞼を焼いたのは、カーテンからわずかに差し込む眩い日差し──感覚的に、朝だろうかと思う。

 

 

 

「夜型人間というか、半ば夜の眷族だった俺が朝に起きるとか、胸が熱くなるな......」

 

 

絶賛不登校中だった頃の昼夜逆転生活を思い出しながら、覚醒したスバルは上体を起こす。そのまま首を回し、肩を回し、腰を回して窓の方へ目を向ける。

 

 

 

「今は陽日七時になるところですよ、お客様」

 

 

「今は陽日七時になったところだわ、お客様」

 

 

二人の声が親切に時間を教えてくれた。

 

陽日七時──意味は伝わってこないが、想像できる字面から朝の七時、という認識でいいのだろうか。

 

 

 

「そうすると、さっきの目覚めがノーカンならほぼ丸一日寝っ放したか。まぁ、最高で二日半も寝続けた俺には大したことでもねぇけどな!」

 

 

「まあ、穀潰しの発言ですよ。聞きました、姉様」

 

 

「ええ、ろくでなしの発言ね。聞いたわよ、レム」

 

 

「んで、さっきからステレオチックに俺を責める君らは誰よ。姉様方!」

 

 

 

布団を跳ね除けて勢いよく起き上がると、ベッドの左右からスバルを挟んでいた少女たちが驚き、小走りに部屋の中央で合流。互いに手を取って、顔を寄せ合いスバルを見る。

 

 

身長は百五十センチ真ん中ぐらい。

大きな瞳に桃色の唇、彫りの浅い顔立ちは幼さと愛らしさを同居させていて可憐の一言だ。

髪型もショートボブでお揃いにしており、髪の分け目を違えて、右目と左目を片方ずつそれぞれ隠している。

 

 

その髪の分け目と、髪の色が桃色と青色で違っているのが見分ける特徴だった。

 

 

双子の少女をざっと観察したスバル。

 

その喉が、心を掻き乱されて思わず震える。

 

 

 

 

「なんだと......馬鹿な、この世界にも、メイド服が存在するっていうのか!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......それはそれとして、アイツいないの?......ちょっと髪型が特徴的な、可愛いドリルロリの子なんだけど...」

 

 

「えい」

 

 

「痛った!? なんでチョップ!? いや......痛った!!」

 

 

 

「ふふ、魔法を使わなかっただけありがたいと思いなさい。お客様」

 

 

「それもうどっからどう見ても大事なお客様に対する対応じゃないよね!!!」

 

 

 

 

 

 

陰謀と大きな思惑が渦巻く屋敷、ロズワール邸。

 

 

 

 

ナツキ・スバルの新たな物語(試練)が、始まる──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ようやく、2章に入ることが出来た......

どうでもいいですが、筆者はリゼロスでもベア子大好きマンなのですが、ハロウィンベア子が出てくれないんですよね。
可愛いのにな...可愛いのになぁ......(二回)


ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
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