遊戯王 ああっ破滅の女神さまっ   作:ダルクス

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相手の戦う力を奪い、己の力に変える星華の『レプティレス』デッキに苦戦する主人公。
ルインとウェムコの声援も虚しく、『レプティレス・ラミア』の攻撃が直撃してしまう。
そして『レプティレス・ヴァースキ』の攻撃をその身で受けてしまい…?


第13話:「救世の名のもとに」

「主!!」

 

「そんな…! 主様が…負けて…!」

 

「やっりぃ~♪ これで私が決勝でアリアと…―……っ!?」

 

 

 

LP1400

 

 

 

「は…はぁぁぁぁぁ!?」

 

「…なんてな♪ 俺はこのカードを発動していた!!」

 

俺は手を翳し、俺のフィールドで表になっているカードを示す。

 

永続トラップカード:『女神の加護』

 

「女神の…加護……」

 

「このカードは俺のライフポイントを3000ポイント回復してくれる。さっきの『ラミア』の攻撃後に発動してたから、『ヴァースキ』のダイレクトアタックを受けてもまだ1400残るって寸法さ」

 

「あ…アンタ!! よくも私をダマしたわね!?」

 

「そっちが勝手に勘違いしたんだろうが。デュエルってのは、まだまだ最後まで何が起こるかわからないもんなんだぜ」

 

「くっ…なら私はリバースカードを3枚セットして、ターンエンドよ!」

 

△△―――

■■■――

星華:手札2枚 LP3000

モンスター:『レプティレス・ヴァースキ』『レプティレス・ラミア』

魔法・トラップ:セット3枚

 

(まぁいいわ…私のフィールドには、攻撃力2000越えの上級モンスターが2体、そしてこの3枚のリバースカード…『ラミア』の効果でドローしたものだけど、右のカードは相手が攻撃を宣言したとき、相手の攻撃表示モンスターを全て破壊する『ミラーフォース』、真ん中のカードは攻撃してきたモンスターをゲームから除外する『次元幽閉』、最後の1枚は攻撃宣言したときにその攻撃を無効にして、攻撃力分のダメージを与える『魔法の筒』…この3枚があれば、完璧! 次のターンで私の勝ちよ!)

 

 

 

 

―――――第13話:「救世の名のもとに」―――――

 

 

 

 

 

「俺のターン…」

 

さて…なんとかこのターンは凌いだが、小日向のあのリバースカード…『ラミア』の効果でドローしたカードか。おそらくは俺のモンスターの攻撃によって発動するトラップ…ならばこのターンでその張り巡らされた罠を掻い潜ることができるカードを引き当てなければならない。

俺はチラッと、背後で俺の事を心配そうな顔で見ているウェムコを見る。

ウェムコは俺の視線に気づいたらしく、コクリと小さく頷く。

賭けるしかない…このドローに…!

 

「……ドロー!!」

 

 

 

……―!

 

 

 

「何かいいカードでも引いたのかしら? 随分表情が柔らかくなったけど」

 

「ああ…。今の俺にとってはまさに最高のカードを引いたぜ!」

 

「…チッ(ここに来て何を引いたっていうのよ)」

 

「俺は儀式魔法…『救世の儀式』を発動!」

 

「あのカードは…まさか…!」

 

「主様、見事引き当てましたのね!」

 

「『救世の儀式』…?」

 

聞き慣れないカードの名前に、小日向は動揺する。

 

「このカードは、必要なレベル分のモンスターをリリースすることにより、〝救世の美神″を儀式召喚することができる儀式魔法だ。必要なレベル分は7…俺は墓地に存在する2体の儀式魔人、『プレサイダー』と『リリーサー』をゲームから除外する!」

 

墓地に存在する『儀式魔人』は、ゲームから除外することで儀式召喚に必要なレベル分に加えることができるカードだ。墓地にいる『プレサイダー』はレベル4、『リリーサー』はレベル3…合計レベルは7!

 

「墓地のモンスターを使って儀式召喚ですって!?」

 

「これで条件はクリアした!『プレサイダー』と、『リリーサー』よ、〝救世の美神″にへとその身を捧げよ!!」

 

フィールドに祭壇が出現し、墓地に存在する『プレサイダー』と『リリーサー』の魂が、その祭壇にへと捧げられる。

 

 

 

 

 

―全ての慈悲を抱きし天壌の救世神(メサイア )よ―

 

―煌めく雄姿は新たなる秩序となりて…―

 

―救済の名の下に、我が元へ降臨せよ!!―

 

 

 

 

 

「儀式召喚!! 舞い降りろ…『救世の美神ノースウェムコ』!!」

 

二体の儀式魔人の魂は、祭壇中央に安置されている魔装具にへと吸収され、その魔装具に実体が宿る。

光の粒子が身体を構成し、やがてそれは、金色の髪に群青色の魔装具を纏った救世神、『ノースウェムコ』へと姿を変える。

 

【救世の美神ノースウェムコ】☆7 光 魔法使い族 ATK/2700 DEF/1200 儀式

 

「あれがウェムコが宿りし精霊のカード…」

 

「主様ならきっと、その力を使いこなして下さいますわ♪」

 

「こ、攻撃力2700ですって!? (でもいくら攻撃力が高くたって…私のリバースカードがあれば…!)」

 

「儀式召喚に成功した、『ノースウェムコ』の効果発動!」

 

「えっ…!?」

 

「『ノースウェムコ』は儀式召喚したとき、儀式召喚に使用した生け贄の数だけフィールドに表側で存在するカードを選択する。そのカードがフィールドに存在する限り、『ノースウェムコ』はカード効果によっては破壊されない!」

 

「なんっ…!? なんですってぇ!?」

 

「俺は自分の『女神の加護』と、お前の『レプティレス・ヴァースキ』を選択する! ≪インビジブル・サンクチュアリ≫!」

 

『ノースウェムコ』の周囲を風と光の膜が覆い、まるで外からの攻撃を寄せつけんとばかりに輝く。

 

(やっかいな効果ね…これじゃ『ミラーフォース』が使えないじゃない。まぁいいわ…『ミラーフォース』が使えなくても、まだ『次元幽閉』も『魔法の筒』があるもの。アンタが攻撃してきたら…それでドカンよ)

 

「…バトルフェイズ」

 

(きたっ…!)

 

「…の前に、墓地の『救世の儀式』の効果発動!」

 

「…え?」

 

「墓地のこのカードを除外することにより、このターン、俺の儀式モンスターは相手の魔法・トラップ・モンスター効果の対象にはならない!」

 

「う…嘘…!?」

 

『ノースウェムコ』の周囲を更なる光の障壁が覆い、外敵の攻撃を寄せつけんとばかりに輝く。

 

「その反応…やはりそのリバースカードは『ノースウェムコ』を破壊する、もしくはなんらかの方法で対象にとるトラップカードだったみたいだな」

 

「…っ!」

 

この小日向の表情を見る限り、どうやら図星だったようだ。

 

「これで最後の仕上げだ! 更に手札から魔法カード、『ダブルアタック』を発動! このカードは、手札からモンスター1体を捨て、捨てたモンスターよりもレベルの低いモンスターはこのターン、2回の攻撃を行うことができる。俺は手札からレベル8の『破滅の女神ルイン』を捨てる!」

 

『ルイン』の影が『ノースウェムコ』に重なり合う。

 

「これで〝救世の美神″は〝破滅の女神″の力を得た。いけ、『ノースウェムコ』!! 蛇頭の化け物に攻撃だ!」

 

『ノースウェムコ』は上に跳び、上空から『レプティレス・ラミア』に手に持つロッドの切先を向ける。

 

「この光が魂を救済へと導く! 赫奕たる一撃…≪グレイス・エクセル・セイヴァー≫!!」

 

ロッドの先より放たれた閃光は、『ラミア』の邪悪な身体を浄化していくかのように包み込む。閃光が消えると、『ラミア』は跡かたもなく消滅していた。

 

「くっ…私の『ラミア』ちゃんが…!」

星華:LP3000→2400

 

「次はその四本腕の番だ!」

 

(でも大丈夫…このバトルフェイズで『ヴァースキ』もやられたとしてもまだ私のライフは残る…フフッ♪ 詰めが甘かったわね♪ アンタのターン終了とともに『救世の儀式』の効果は切れ、オマケにアンタのフィールドのカードは『ノースウェムコ』と『女神の加護』のみで手札も無し…次のターンで態勢を立て直せば…!)

 

「この瞬間、儀式召喚の素材となった『儀式魔人プレサイダー』の効果が発動する!」

 

「…えっ?」

 

「このカードを儀式召喚のリリース素材とした儀式モンスターが相手モンスターを戦闘によって破壊したとき、俺はデッキからカードを1枚ドローする。ドロー!」

 

(ふ、ふん…今更どんなカードを引いたって)

 

「……小日向、悪いな」

 

「な…なによ?」

 

「このデュエル…俺の勝ちだ!」

 

「…はぁ!?」

 

「俺が勝ち進み、アリアと決勝でデュエルする! いくぞ『ノースウェムコ』! 『ダブルアタック』の効果で二度目の攻撃!」

 

『ノースウェムコ』が再びロッドを構え、『ヴァースキ』目掛けて突っ込む!

それに対して『ヴァースキ』も迎撃行動に移る。

 

「な、何をするのかは知らないけど…『ヴァースキ』がやられても私のライフはたった100削られるだけ、次のターンになれば…!」

 

『ヴァースキ』が迫る『ノースウェムコ』に向けて≪マハーカーラ・シヴァ≫を放つ!

 

「言った筈だぞ小日向、俺の勝ちだと! 俺は手札から『オネスト』の効果を発動!」

 

「なんっ…!?」

 

「『オネスト』は光属性モンスターが相手と戦闘を行う場合、そのダメージ計算時に戦闘を行う相手モンスターの攻撃力を対象にした光属性モンスター1体の攻撃力に加える!」

 

「ってことは…!」

 

「そう、戦闘を行う『救世の美神ノースウェムコ』攻撃力2700に、お前の『レプティレスヴァースキ』の攻撃力2600を加える!!」

 

救世の美神ノースウェムコ:ATK/2700→5300

 

「こ…攻撃力が5300ですってぇ!? そ…そんな…! この土壇場で、そんなキラーカードを引き当てたっていうの!?」

 

「行け、『ノースウェムコ』!! 天壌の輝き! ≪グレイス・オネスティ・セイヴァー≫!!」

 

『ノースウェムコ』の背中から一対の光の翼が生え、その翼は『ノースウェムコ』を包み込み、『ヴァースキ』の攻撃から自身を守る。そして光を増し、放たれた攻撃は『レプティレス・ヴァースキ』を包み込み、光に溶かされながら『ヴァースキ』は消滅する。閃光の余波は凄まじく、星華にも襲い、ライフポイントを奪い去る。

 

「きゃああああああああああ!!」

 

 

 

星華:LP2400→0

 

 

 

………

……

 

「ふぅ…なんとか勝てたか」

 

デュエルが終了すると、デュエルテーブルのソリッドビジョンが消え、デュエルを見ていた本物のウェムコとルインが寄って来る。

 

「やはり主様は凄いですわ♪ わたくしのカードを、あそこまで完璧に使いこなすなんて」

 

「あぁ、流石は主だ」

 

「そ、そうでもないよ。今回勝てたのは完全に運だったし…そもそも、あそこで『オネスト』引くなんて完全に予想してなかったし」

 

「運も実力のうちだ。この調子で決勝を目指せよ!」

 

「ん、ありがとうな」

 

ルインたちとそんなことを話していると、小日向がテーブルから立ちあがり、俺の方に無言で歩み寄って来た。

 

「…」

 

「な…なんだよ…?」

 

「…今回は私の負けにしといてあげる。だから…アリアとのデュエル、期待してるわよ」

 

そう言って小日向は、ギャラリーの中に紛れていった。

 

「なんだったんだ? あいつ…」

 

「きっとあの人なりに主様のデュエルに敬意を表したんですよ」

 

「全く…あいつらしくもないな。さて、アリアは今頃どうしてるかな?」

 

俺も席を立ち、別ブロックでデュエルしているアリアの様子を見に行った。

 

………

……

 

「僕のターン! この瞬間、『黒蛇病』の効果3ターン目! 君に800ポイントのダメージを与える」

 

「くっ…」

アリア:LP1400→600

 

「このダメージは互いのプレイヤーが受けるが…僕には全てのカード効果のダメージをゼロにしてくれるこの『デス・ウォンバット』がいる。よって、ダメージは君にのみ与えられる」

 

【デス・ウォンバット】☆3 地 獣族 ATK/1600 DEF/300

 

「そして僕はトラップカード、『トラップ・スタン』を発動! このターン、全てのトラップカードの効果を無効にする。そして『デス・ウォンバット』をリリースし、『ホルスの黒炎竜Lv6』をアドバンス召喚!」

 

【ホルスの黒炎竜Lv6】☆6 炎 ドラゴン族 ATK/2300 DEF/1600

 

「レベル4以上のモンスターのため、本来なら僕の発動した永続トラップカード、『グラヴィティ・バインド―超重力の網―』の効果で攻撃できないが…『トラップ・スタン』の効果でこのターン、全てのトラップカードの効果は無効となる。よって、『ホルスの黒炎竜』は『グラヴィティ・バインド』の効果に束縛されずに攻撃できる! 行け、『ホルスの黒炎竜Lv6』! ≪ブラック・フレイム≫!!」

 

『ホルスの黒炎竜』が放った黒き炎がアリアの守備モンスターを焼き尽くす。

 

「…守備モンスターは『甲虫装機 ホーネット』、破壊されます」

 

「ならばリバースカードを2枚セット。そしてエンドフェイズ、『トラップ・スタン』の効果が切れ、『グラヴィティ・バインド』の効果が復活する。更に相手モンスターを戦闘破壊した『ホルスの黒炎竜Lv6』は、『Lv8』へと進化する!」

 

【ホルスの黒炎竜Lv8】☆8 炎 ドラゴン族 ATK/3000 DEF/1800

 

「この『ホルスの黒炎竜Lv8』は発動した魔法カードをプレイヤーの任意で打ち消すことができる。これで君はもう魔法カードを使用することはできない!」

 

「…」

 

「ふっふっふっ…さぁこの鉄壁を攻略する手段はあるかな? 次のターンが来れば何もしなくても『黒蛇病』の効果でダメージを与えて僕の勝ちさ…ターンエンドだ」

 

△――――

□□■■―

LP4000 手札2枚

モンスター:『ホルスの黒炎竜Lv8』

魔法・トラップ:『黒蛇病』『グラヴィティ・バインド―超重力の網―』、セット2枚

 

「やってるやってる」

 

「なんだ…? アリアの奴、負けているのではないか?」

 

確かに…フィールドの状況をよく見てみる。

 

―――――

■――――

アリア:LP600 手札0枚

魔法・トラップ:セット

 

相手のフィールドには、魔法カードの効果をプレイヤーの任意で打ち消すことができる『ホルスの黒炎竜Lv8』…そしてレベル4以上のモンスターの攻撃を封じる『グラヴィティ・バインド―超重力の網―』に、毎ターンダメージを与える『黒蛇病』…どうやらロックバーンデッキのようだ。

一方のアリアは、残りライフはたった600、フィールドには1枚のリバースカードのみ、手札も無い…圧倒的に不利な状況だった。

さらに、相手のあの伏せられた2枚のリバースカード…あれはおそらく、モンスターの攻撃によって発動するトラップカード…『魔法の筒』のようなダメージを与える系か、それとも『攻撃の無力化』のような攻撃を封じる系か…。

 

「ここからどう巻き返す…アリア」

 

「私のターン…ドロー! よし…私はリバースカード、『リミット・リバース』を発動! 墓地から攻撃力1000以下のモンスターを特殊召喚できる。私は『甲虫装機 ダンセル』を特殊召喚!」

 

【甲虫装機 ダンセル】☆3 闇 昆虫族 ATK/1000 DEF/1800

 

「さらに私は手札から『甲虫装機 ギガマンティス』を『ダンセル』に装備! この効果で装備したモンスターの攻撃力の元々の数値は2400になる!」

 

『ダンセル』の両手に『ギガマンティス』の鎌が握られる。

 

甲虫装機ダンセル:ATK/1000→2400

 

「そして『ダンセル』の効果を発動! 墓地の『甲虫装機』1体を自身に装備できる。私は『甲虫装機ホーネット』を選択! ≪ゼクト・イークイップ≫!!」

 

右手の鎌が消え、代わりに『ダンセル』の右手に『ホーネット』のパイルバンカーが装備される。

 

「そして『ホーネット』が装備された時、装備モンスターの攻撃力・守備力・レベルは『ホーネット』の分だけアップする」

 

甲虫装機ダンセル:ATK/2400→2900 DEF/1800→2000 ☆3→6

 

 

 

「惜しい! あと少しで『ホルスの黒炎竜』に攻撃力が届くというのに…」

 

「いや、攻撃力と共にレベルも上昇するから『グラヴィティ・バインド』のロックを抜けることはできない。どうもアリアの狙いは、攻撃力をアップさせることじゃないな…」

 

 

 

「そして私は『ホーネット』の効果を発動! このカードの装備を解除することにより、フィールドのカード1枚を破壊します!」

 

「破壊するのは『黒蛇病』かい? それとも『ホルスの黒炎竜』か…はたまた『グラヴィティ・バインド』を破壊して攻撃を仕掛けるつもりかい?」

 

「どれでもありませんよ。私は…『ダンセル』に装備されている『甲虫装機ギガマンティス』を破壊!」

 

「なにっ!?」

 

『ダンセル』に装備されている鎌とパイルバンカーが消滅し、攻守・レベルが元の数値に戻る。

 

甲虫装機ダンセル:ATK/2900→1000 DEF/2000→1800 ☆6→3

 

 

 

「自分のカードを破壊するだと!?」

 

「何故…? あの状況なら、相手のロックパーツを確実に一枚は破壊できましたのに…」

 

「いや…これは…!」

 

 

 

「この瞬間『ダンセル』の効果発動! このカードに装備されていた装備カードが取り外された時、デッキから『甲虫装機』と名の付いたモンスターを特殊召喚できる! 来て、2体の『甲虫装機 センチピード』!」

 

【甲虫装機 センチピード】☆3 闇 昆虫族 ATK/1600 DEF/1200 ×2

 

「そして破壊された『ギガマンティス』の効果発動! 『甲虫装機』に装備されていたこのカードが破壊された時、墓地の『甲虫装機』1体を特殊召喚できる! 『甲虫装機ホッパー』を復活!」

 

【甲虫装機 ホッパー】☆4 闇 昆虫族 ATK/1700 DEF/1400

 

 

 

「デッキから2体、墓地からも1体『甲虫装機』を特殊召喚だと!? たしか主と戦った時には、デッキからは1体しか出てこなかったのに…」

 

「注目すべき点は『ダンセル』に装備されていた装備カードの枚数だな。『ダンセル』の特殊召喚効果は装備カード1枚につき1体…つまり、2枚装備されていれば2体の『甲虫装機』をデッキから特殊召喚できるってわけだな」

 

「あの不利な状況から…一気にモンスターが4体も…!」

 

こんな見事なコンボを披露するなんて…今戦ってるのは、本当に俺の知ってる加護アリアなのか…?

 

 

 

「や、やるねぇ…だが数ばかり揃えたところでこの布陣は破れないよ!」

 

「私の『甲虫装機』はチームプレーを得意とするモンスター群なんです。仲間がいる限り、『甲虫装機』たちの可能性は無限大です! 『センチピード』の効果を発動! 装備対象は『甲虫装機 ホーネット』。≪ゼクト・イークイップ≫!! そして装備を取り外し、そのリバースカードを破壊!≪ポイズン・バンカー≫!!」

 

『ホーネット』のパイルバンカーがセンチピードに装備され、そのまま針を発射し、リバースカードを破壊する。

 

「うっ…『魔法の筒』が…!」

 

「よし! そして『センチピード』の効果発動! 自身に装備された装備カードが外されたとき、デッキの『甲虫装機』1体を手札に加えられます。私は『甲虫装機グルフ』をデッキから手札に加え、さらに『ホッパー』の効果発動! もう一度『ホーネット』を装備し、あなたの2枚目のリバースカードを破壊します! ≪ポイズン・バンカー≫!」

 

今度は『ホッパー』に装備された『ホーネット』の針が2枚目のリバースカードを貫く。

 

「くっ…『光の護封壁』まで…!」

 

「そしてもう1体の『センチピード』の効果を発動!」

 

(あれ…? なんか僕…死亡フラグ立ってね…?)

 

「先ほど手札に加えた『グルフ』を『センチピード』に装備! そして『グルフ』の効果を発動! 装備を解除することにより、私のフィールドのモンスター1体のレベルを2つまで上げることができます。私は『ダンセル』のレベルを3から5に!」

 

甲虫装機ダンセル:☆3→5

 

「装備が外されたことにより、『センチピード』の効果が発動! デッキから『甲虫装機ウィーグ』を手札に加えます」

 

「ふ…ふぅ。どうなることかと思ったけど、これで君のモンスターの効果はみんな使い終わったね」

 

「…? 何言ってるんですか?」

 

「へ…?」

 

「私にはまだ通常召喚が残ってるんですよ。『甲虫装機 ウィーグ』を召喚!」

 

【甲虫装機 ウィーグ】☆4 闇 昆虫族 ATK/1000 DEF/1000

 

「なんと!?」

 

「『ウィーグ』の効果発動! 墓地から『グルフ』を装備し、装備を解除して『ウィーグ』のレベルを1つ上げる!」

 

甲虫装機ウィーグ:☆4→5

 

「これでレベル5のモンスターが2体…私はレベル5になった『甲虫装機ダンセル』と『甲虫装機ウィーグ』をオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!」

 

 

 

 

 

  ―進化の装甲をその身に纏いて―

 

  ―熱く蘇れ、誇りのエナジー!―

 

―強くあるために…目覚めろ! その魂!!―

 

 

 

 

 

「エクシーズ召喚! 進化せよ、『甲虫装機 エクサスタッグ』!!」

 

【甲虫装機 エクサスタッグ】★5 闇 昆虫族 ATK/800 DEF/800

 

背中の翼を開き、フィールドに降り立ったのは強固な鎧を纏った巨大なクワガタのモンスターだ。

『エクサスタッグ』は両手に持つ巨大なハサミを構え、『ホルスの黒炎竜』の前に対峙する。

 

「モンスターエクシーズか…だが攻撃力はたった800! それじゃあ攻撃力3000の『ホルスの黒炎竜Lv8』を倒すことはできない!」

 

「それはどうでしょう? 『エクサスタッグ』の効果発動! オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手のフィールド、または墓地のモンスター1体をこのカードに装備する!」

 

「なにっ…!? 装備だと!?」

 

「装備対象は『ホルスの黒炎竜Lv8』! 増力捕縛、≪エヴォリューション・キャプチャー≫!!」

 

『エクサスタッグ』の周りをまわっている二つの星のうち一つが消えると、『エクサスタッグ』が両手を『ホルスの黒炎竜』に向ける。腕に装着されているハサミが射出され、『ホルスの黒炎竜』を捕獲する。暴れる『ホルスの黒炎竜』を『エクサスタッグ』は己の方に手繰り寄せると、『ホルスの黒炎竜』は光となって『エクサスタッグ』の身体に吸収される。

 

「そしてこの効果で装備したモンスターの半分の攻撃力分、『エクサスタッグ』の攻撃力はアップする」

 

甲虫装機エクサスタッグ:ATK/800→2300

 

「バトルです! まずは2体の『センチピード』でダイレクトアタック!! ≪ダブル・センチュリオン・カッター≫!!」

 

2体の『センチピード』がカッターを投げつけ、その攻撃によって相手のライフは削れる。

 

「うっ…『センチピード』のレベルは3…『グラヴィティ・バインド』で止めることができない…!」

LP4000→800

 

「そして『エクサスタッグ』も〝レベル″ではなく〝ランク″を持つモンスターエクシーズ、『グラヴィティ・バインド』の効果では止められません! これでトドメです!『エクサスタッグ』でダイレクトアタック! 甲魔性刃、≪ガイスト・シザース≫!!」

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

LP800→0

 

「ふぅ…」

 

「やったなアリア」

 

「ふぇ!? も、もしかして見てたの!?」

 

「あぁ、お前のターンが来たあたりからずっと後ろで見てたぜ」

 

「そ、そうだったんだ…なんだか恥ずかしいな…」

 

俺が話しかけると、アリアはいつもの調子に戻った。

俺がすぐ後ろにいることにも気づかないでデュエルしてたなんて…よっぽど集中してたんだな。

しかも前に俺とデュエルしていたときとは全く目の色が違った…これは決勝が楽しみになってきたな。

 

「やれやれ…負けちゃったか」

 

「あ、あの! ありがとうございました!」

 

「完敗だよ、まさかあの状況から逆転されるなんてね…その調子で次も頑張りなよ」

 

「はい!」

 

…そうだ、強くなってるのは俺だけじゃないんだ。

俺も負けてられない…アリア、お前とのデュエル楽しみにしてるぞ!

 

 

 

 

 

~今日の最強カード~

 

主「今日の最強カードは?」

 

 

 

 

 

【救世の美神ノースウェム】

☆7 ATK/2700 DEF/1200 光 魔法使い族 儀式

「救世の儀式」により降臨。このカードが儀式召喚に成功した時、このカードの儀式召喚に使用したモンスターの数まで、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するカードを選択して発動する。選択したカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードはカードの効果では破壊されない。

 

 

 

 

 

ウェムコ「上級の儀式モンスターですわ。儀式モンスターはカードアドバンテージを大量に消費し、召喚するため、カード効果による破壊が最大の弱点とされています。ですが、このカードはその破壊による耐性を持ってますので、デュエルの第一線で活躍することが期待されます♪」

 

主「7という中途半端なレベルなため、儀式モンスターの万能儀式魔法、『高等儀式術』が活用しにくいと思う人もいるかもしれないが、そんなときこそ儀式魔人の出番だ。よく使われるのがレベル3の『儀式魔人リリーサー』とレベル4の『儀式魔人プレサイダー』だ。こいつらが手札・フィールド・墓地のいずれかにいれば、儀式のリリースを軽減し、『ノースウェムコ』を召喚できるぞ」

 

ウェムコ「レベル7という点を活かすうえでは、『儀式の準備』でのサーチも可能です。儀式モンスターはサーチ手段が豊富なので、序盤から召喚することができますわ」

 

主「『ノースウェムコ』の破壊されにくいという効果を活かしたデッキを作る場合、なんといっても他の儀式モンスターとの共存が望ましい。特に同じ魔法使い族レベル7儀式モンスターの『伝説の爆炎使い(フレイム・ロード)』は、魔力カウンターを3つ取り除くことでこのカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊することができる効果を持つ。『ノースウェムコ』召喚時にこのカードを指定しておけば、『ノースウェムコ』は破壊されることはない。また、同じ魔力カウンターを扱うフィールド魔法、『魔法都市エンディミオン』も破壊されにくいうえに他のモンスターに魔力カウンターを分け与えれる効果も持っているから、『ノースウェムコ』と『爆炎使い』、その両方ともに相性がいいぞ」

 

ウェムコ「他にも相性のいい魔法・トラップは『魔法族の里』や『王宮のお触れ』があり、これらに合わせて相手の特殊召喚を封じる『儀式魔人リリーサー』を用いて儀式召喚すれば、相手は魔法・トラップの発動、モンスターの特殊召喚が行えない強固なロックの完成です♪」

 

主「とまぁ、ここまでいろいろこのカードの使い方についていろいろ考察してきたけど、他にも様々な使い方がある。特に儀式モンスターはコンボ性の高いモンスターばかりだから、実際に使っていくうえで自分なりのコンボを考え出すのもいいぞ」

 

「「それではまた次回!」」




前半ではウェムコ初登場&星華さんとの決着を書きました。
出た!遊戯王お得意の「発動していた!」コンボだ!w
ウェムコさんはなんだかんだで他の儀式モンスターと違って破壊耐性を持ってるから儀式モンスターの中でも場持ちするからなかなか優秀だと思います。

後半ではアリアちゃんの活躍をちょこっと。
甲虫装機相手ではロックデッキは意味をなさない…リアルでも同じですねw
エクサスタッグの召喚口上は、クワガタだけに仮面ライダークウガのOP歌詞と仮面ライダーアギトのキャッチフレーズから考えてみました。
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