しかしそれはアリアもまた、同じことだった!
そして決勝戦で対峙する二人…。
果たして勝利するのはどちらか?
「やはり主様はすごいです♪」
「うむ、流石は主だ」
「それほどでもないよ」
一回線目の小日向に勝った後、続く2戦目、3戦目も俺は順調に連勝していった。
「いよいよ次は決勝戦か…」
アリアも勝ち上がっているだろうか…? そう思い、別ブロックでのデュエルも見に行こうとしたときだ。
「うわぁ~! ま、負けた…」
LP0
どうやらこちらのブロックも、たった今デュエルが終わったようだ。
さて、勝者は…?
「ようアリア、どうだった?」
「あ、なんかね…勝っちゃった」
というわけで、俺の決勝戦の相手が決定したわけだ。
………
……
…
「よし、これでAブロックBブロックともに勝者が決まったわけだな。ではこれより決勝戦を開始する!」
テーブルにつく俺とアリア。その間に阿部っち店長が立ち、ジャッジを務める。
「こういうちゃんとした大会でアリアとデュエルするのは、初めてだな」
「う、うん。そうだね。デパートのあれは、公式な大会じゃなかったし」
俺がアリアのデッキを、そして、アリアが俺のデッキをカットする。
「お互いにいいデュエルにしよう」
「うん! 頑張る!」
カットし終えたデッキを、互いのテーブルに戻す。
「準備はいいか? では…デュエル開始!」
「「デュエル!!」」
―――――第14話:「繰り広げられる激闘!」―――――
「先攻は俺がもらう、ドロー!」
このデュエル…さっきのアリアのデュエルを見る限り本気のデュエルになりそうだ。
少しでも気を抜いたら…負ける!
「俺は『マンジュ・ゴッド』を召喚!」
【マンジュ・ゴッド】☆4 光 天使族 ATK/1400 DEF/1000
「『マンジュ・ゴッド』が召喚に成功した時、デッキから儀式モンスター、もしくは儀式魔法1枚を手札に加える。俺は儀式魔法、『救世の儀式』を手札に加える。そしてリバースカードを1枚セットして、ターンエンドだ」
△――――
■――――
手札5枚 LP4000
モンスター:『マンジュ・ゴッド』
魔法・トラップ:セット
「まずは汎用な一手ってわけね。なら私のターン、ドロー!」
アリアの『甲虫装機』は確かに強力なモンスター群だ。
モンスター同士のコンビネーションには、一見弱点が無いようにも見える。
しかし…そこには確かに弱点もちゃんと存在するんだ。
「私は『甲虫装機 ダンセル』を召喚!」
【甲虫装機 ダンセル】☆3 闇 昆虫族 ATK/1000 DEF/1800
「初っ端から『ダンセル』か…!」
『ダンセル』…あのモンスターは、自身に装備されていた装備カードが墓地に送られた時、デッキから他の『甲虫装機』を特殊召喚することができる甲虫装機デッキの展開の要…。
つまりは、こいつだけはなにがあっても効果の発動を止めなければならない…!
「『ダンセル』の効果発動! 私は手札から『甲虫装機ホーネット』を装備! ≪ゼクト・イークイーップ≫!!」
ダンセル:ATK/1000→1500 DEF/1800→2000 ☆3→6
『ダンセル』の右手にパイルバンカーが装着され、攻守レベルがアップする。
だが…『甲虫装機』の真骨頂はここからだ。
「『ホーネット』の効果発動! 装備状態のこのカードを墓地に送り…―」
今だ!
「この瞬間トラップカード発動!」
アリア「…っ!?」
「『サンダー・ブレイク』! 手札を1枚捨てることにより、フィールドのカード1枚を破壊する!」
手札を捨てると、突如雷が『ダンセル』に降り注ぎ、『ホーネット』を装備した状態のまま、『ダンセル』は破壊された。
「なるほど、仲間との連携によって戦術を形成する『甲虫装機』の弱点を突いたわけだな」
「弱点…?」
「阿部さん、あの強力なコンボを繰りだす『甲虫装機』にも弱点があるとお考えですか?」
「『甲虫装機』は総じて自身に他のカードを装備させることにより、効果を発動することができる。しかし、装備状態のまま他のカードによって阻まれた場合、もちろん効果を起動することはできない。それだけじゃなく、装備カードによってアドバンテージも取られるからな」
「そういえばこれでアリアさんは手札は4枚になりましたが、弟君は手札とフィールド合わせて5枚のカードがありますわ」
「それが〝アドバンテージを取る″ってことさ。使えるカードが多い分、戦術が広がるからデュエルが有利になるのは当然だからな」
「いいぞ弟! そのまま必殺パワー炸裂だ!」
「『サンダー・ブレイク』…だけにですかw」
「さすがにそう簡単にはさせてくれないか…なら、リバースカードを2枚セットして、ターンエンドよ」
―――――
■■―――
アリア:手札2枚 LP4000
魔法・トラップ:セット2枚
「俺のターン、ドロー」
今、アリアのフィールドにはモンスターがいない…攻めるなら今のうちか!
「俺は『儀式魔人プレサイダー』を召喚!」
【儀式魔人プレサイダー】☆4 闇 悪魔族 ATK/1800 DEF/1400
「バトルだ! まずは『マンジュ・ゴッド』でダイレクトアタック!」
『マンジュ・ゴッド』の幾本もの腕がアリアを殴りつける。
「くっ…!」
LP4000→2600
「続けて『プレサイダー』でダイレクトアタックだ!」
「この攻撃が通れば、早々に弟が有利に立てるぞ!」
『プレサイダー』が剣を構えてアリアに迫る!
「一度目は通したけど…二度目はないよ! トラップカード、『ライヤー・ワイヤー』発動!」
「なにっ!?」
突如、『プレサイダー』の動きが止まる。見ると、全身に蜘蛛の糸が貼り付き、動きを封じている。
「『ライヤー・ワイヤー』は墓地に存在する昆虫族モンスター1体をゲームから除外し、相手フィールドのモンスター1体を破壊する!」
蜘蛛の糸に捕われていた『プレサイダー』は糸に締め付けられ、消滅した。
「…仕方ない、カードを1枚セットして、ターンエンドだ」
△――――
■――――
手札3枚 LP4000
モンスター:『マンジュ・ゴッド』
魔法・トラップ:セット1枚
「私のターン、ドロー! よし…私はトラップカード、『闇次元の解放』を発動! このカードは、ゲームから除外されている自分の闇属性モンスター1体を特殊召喚する!」
「なにっ!? ゲームから除外されたモンスターだと!?」
「ということは…!」
「さっき『ライヤー・ワイヤー』の効果で除外した『ダンセル』がフィールドに戻って来るってわけだな」
「そんな…これではまるで、先ほど弟君の発動した『サンダー・ブレイク』が読まれていたみたいな…」
「くっ…」
「せっかく『ダンセル』を破壊したのに、残念だったね。でも『ダンセル』の効果を使わせず、破壊することは読んでたよ」
「だから『ライヤー・ワイヤー』と『闇次元の解放』のコンボってわけか…うまいな」
「褒めてもらえるなんて嬉しいな♪ そいじゃあらためてゲームから除外されている『甲虫装機ダンセル』を特殊召喚!」
アリアのフィールドの次元が裂け、その中から『ダンセル』が出現する。
「そして私の墓地にはまだ『ホーネット』がいる。いくよ『ダンセル』! ≪ゼクト・イークイップ≫!」
『ダンセル』が右腕を掲げると、そこにはまたも『ホーネット』のパイルバンカーが…―
「悪いなアリア、俺もそれは読んでるんだ」
「え…?」
「お前が俺の手を読むなら、俺もまたお前の手を読む! トラップカード発動! 『転生の予言』!」
「このタイミングで…トラップ!?」
「『転生の予言』は、俺かお前の墓地に存在するカード2枚を選択し、デッキに戻すカードだ!」
「デッキに…? しまった…!」
「そうだ、俺が戻すのはお前の墓地の『甲虫装機ホーネット』! あとはついでに俺の墓地の『サンダー・ブレイク』を戻すぜ」
「既にアリアちゃんは『ホーネット』を装備するという宣言をした…つまり、このターン他の『甲虫装機』を『ダンセル』に装備させることは不可能…」
「すごいですわ主様! 相手の裏をかくなんて!」
「それだけではない、これでアリアの墓地には装備可能な『甲虫装機』がいなくなった。これからは実質、手札の『甲虫装機』を装備しなければならない。つまり…」
「阿部さんの言う通り、アリアさんの方に手札アドバンテージの不がある、ですね♪」
「むむむむ…」
「どうだアリア? これでお前の墓地にやっかいな蜂野郎はいなくなったぞ」
「流石だね…でも私の『甲虫装機』を甘く見ないでほしいな。私の『甲虫装機』は、なにも仲間を装備することが主戦術じゃないんだから! 手札から装備魔法、『甲虫装機の魔斧ゼクトホーク』を『ダンセル』に装備!」
『ダンセル』の手に1本の大きな斧が握られる。
「このカードを装備した『甲虫装機』の攻撃力は1000ポイントアップする!」
甲虫装機ダンセル:ATK/1000→2000
「攻撃力が『マンジュ・ゴッド』を越えた…!」
「いけぇ『ダンセル』! 『マンジュ・ゴッド』に攻撃! ≪ダンライ・スマッシュ≫!!」
『ダンセル』の剣撃により『マンジュ・ゴッド』は切り裂かれ、消滅した。
「くっ…やるな」
LP4000→3400
「私だって簡単に負けるわけにはいかないからね。ターンエンド!」
△――――
□□―――
アリア:手札2枚 LP2600
モンスター:『甲虫装機ダンセル』
魔法・罠:『闇次元の解放』『甲虫装機の魔斧ゼクトホーク』
「アリアも本気だな…」
「あの方…よほど主様とデュエルすることを楽しみにしていたと見えます。故に手加減は一切しないでしょう」
「だがそれは主とて同じことだ。ということは…主もそろそろ動くな」
「俺のターン!」
いいだろうアリア…お前が本気で俺とデュエルしたいっていうなら、ここからが本当の勝負だ!
「俺は魔法カード、『儀式の準備』を発動! このカードはデッキから、レベル7以下の儀式モンスター1体を手札に加える。俺はレベル7の『救世の美神ノースウェムコ』を選択。そしてその後、墓地の儀式魔法1枚を手札に戻すことができる」
「儀式魔法を…? そんなのいつの間に…」
「わからないか? 『サンダー・ブレイク』の時さ」
「…あ! もしかしてあの時捨てたコストは『マンジュ・ゴッド』の効果でサーチした…!」
「その通り、俺は墓地から『救世の儀式』を手札に加える」
「なるほど、始めから『儀式の準備』を発動することを前提として儀式魔法をコストにしていたのか…うまいな」
「これも〝アドバンテージを取る戦術″というやつか?」
「そうだな、『儀式の準備』の効果で儀式モンスターと儀式魔法の2枚のカードを手札に加えたから+1のアドバンテージを得たな」
「儀式召喚はアドバンテージを消費する戦術ですのに…弟君は極力それを消費せずに戦っている…!」
「このデュエル、最後までわからないな…」
「俺は『終末の騎士』を召喚!」
【終末の騎士】☆4 闇 戦士族 ATK/1400 DEF/1200
「『終末の騎士』が召喚に成功した時、デッキから闇属性モンスター1体を墓地に送る! 俺は『儀式魔人プレコグスター』を墓地に送る」
よし、これで墓地には『儀式魔人』が2体!
「そして儀式魔法、『救世の儀式』を発動! 合計レベルが7になるようモンスターをリリースし、〝救世の美神″を儀式召喚する! さらに、墓地に存在する『儀式魔人プレサイダー』と『儀式魔人プレコグスター』の効果発動! 墓地のこのカードをゲームから除外することにより、儀式召喚の生け贄分のレベルとして使用できる!」
「『プレサイダー』のレベルは4…ってことはもう一つの『儀式魔人』のレベルは…!」
「その通り…レベル3だ! 2体の『儀式魔人』よ、〝救世の美神″にその身を捧げよ!」
―全ての慈悲を抱きし天壌の
―煌めく雄姿は新たなる秩序となりて…―
―救済の名の下に、我が元へ降臨せよ!!―
「儀式召喚! 舞い降りろ…『救世の美神ノースウェムコ』!!」
【救世の美神ノースウェムコ】☆7 光 魔法使い族 ATK/2700 DEF/1200 儀式
「これが…救世の美神…!」
「『ノースウェムコ』が召喚に成功した時、リリースに使用したモンスターの数だけフィールドの表側カードを指定する。そのカードが存在している限り、『ノースウェムコ』はカード効果によっては破壊されない! 俺は『終末の騎士』と『闇次元の解放』を選択する。≪インビジブル・サンクチュアリ≫!!」
『ノースウェムコ』の周囲を光のバリアが覆う。
「てことは『ホーネット』とかじゃ破壊できないんだ…」
「バトルだ! 『ノースウェムコ』で『ダンセル』を攻撃!」
『ノースウェムコ』は上へ飛び、上空からロッドの切先を『ダンセル』に向け、攻撃を放つ!
「この光が魂を救済へと導く! 赫奕たる一撃…≪グレイス・エクセル・セイヴァー≫!!」
放たれた攻撃によって『ダンセル』が閃光に包まれる。そして装備していた『ゼクトホーク』もろとも、『ダンセル』は消滅する。
「くっ…やってくれるね…!」
LP2600→1900
「この瞬間、儀式召喚に使用した『プレサイダー』と『プレコグスター』の効果が発動する。儀式召喚に使用した儀式モンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊した時、『プレサイダー』の効果で俺はデッキからカードを1枚ドローし、『プレコグスター』の効果でお前は手札一枚を選択し、墓地に捨てる」
「ドロー補充と手札破壊を同時に行うなんて…」
「ドロー。お前も手札を1枚捨てな」
「うん…わかった」
アリアは2枚ある手札のうち、1枚を選択して墓地に捨てる。
「よし、これでお前のフィールドにモンスターはいない。『終末の騎士』でダイレクトアタックだ!」
アリアに『終末の騎士』の剣撃が加えられ、ライフポイントが減少する。
「うああああっ…!」
LP1900→500
「これでリーチがかかったな」
「まだ…私だってまだ負けないよ!」
「その意気だ、俺だってまだお前がまだこんなところで負けるなんて思っちゃいない。次のターンどうするか…見せてもらうぜ。ターンエンドだ」
△△―――
―――――
手札3枚 LP3400
モンスター:『救世の美神ノースウェムコ』『終末の騎士』
「これであいつの手札は3枚に、フィールドにはモンスターが2体。対するアリアちゃんには、モンスターはなし…手札も1枚きり」
「先ほどの『儀式魔人』の効果で、アドバンテージの差というものがこれでさらに開いたというわけですわね」
「よし、この調子ならいけるぞ!」
「いや、どうかな。あんたらもさっき見ただろ? アリアちゃんの逆転劇」
「「…!」」
「アリアちゃんの扱うモンスター群…『甲虫装機』は本当に恐ろしいモンスターたちさ。その気になればカード1枚から状況を変えてしまう」
「確かに…あの時のアリアの逆転劇は見事だった…」
「弟君も…まだまだ油断できないというわけですわね…」
(圧倒的にピンチなこの状況…この状況を打破しないと、私は負けてしまう…)
ドクンッ…
心臓が高鳴る。
このドローで逆転できるカードを引く確率は、ものすごく低いのかもしれない…。
でも…それでも私は…!
…勝テ
「え…?」
我ノ…主君ト成リシ者ヨ……
今回は相手の手の内の読み合いやアドバンテージなど、なかなかデュエルに関する戦術的な内容が多い回となりました。
この決勝戦ですが、おそらくいつもより長くなりそうですw
おそらく3話くらいは続くかなw
なのでこの続きはすぐにでも、明日あたりに投稿させていただきます。
そして最後はなんとも意味深な終わり方ですが…果たしてその真意とは…?