遊戯王 ああっ破滅の女神さまっ   作:ダルクス

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2月14日、それは男女にとって特別な日。
その日に向けてルインは遊煌に自分の手作りチョコを渡すことを計画する。
しかし、その考えは他の精霊たちにも漏れており…。


第24話:「Valentine for you ♪」

―2月7日―

 

『バレンタインデーまであと一週間前ですね! ここ、ネオドミノデパートでも今からチョコの予約が殺到しており…―』

 

夕食を作っている最中、リビングのテレビからそんな事が聞こえてきた。

リビングの方を見てみると、ルインがニュース番組を見ていた。

 

「主よ、ばれんたいんでぇ…とはなんだ?」

 

俺の視線に気がついたのか、そんな疑問を俺に投げかけてきた。

 

「あぁ、2月の14日に女の人が好きな男の人へチョコを渡すイベントなんだよ。ま、元はお菓子会社がチョコを売りたいがために始めたイベントらしいけどな」

 

「ほぅ、ということは主は毎年チョコを貰っているのか?」

 

「…さて、夕飯作らなきゃな」

 

ルインの疑問をスルーして、俺はキッチンに戻り、ただ黙々と作業を続ける。

…無知とは時に残酷だ。

いや…確かに昔アリアあたりからはチョコをもらったことはある。けれどそれはもう小学生とか、そんな昔の頃の話だ。この年頃、つまり男女間を意識するようになってからは、もらった試しがない。それはアリアに限った話ではないが…。

たまには貰いたいものだな…チョコ。義理でもなんでもいい。

一瞬、そういえばルイン達がいたなと思ったが…こいつらはチョコなんて作れるはずもないし、買うにしたってそんな高そうなチョコを買うお金を持ってるはずもない。期待するだけ無駄か…。

ま、2月14日だからって変に意識せず、いつもと同じように、平常通りで過ごすのが一番かな。

 

………

……

 

(いったいどうしたというのだあの態度…私がチョコの話をきり出した途端に無視されてしまった…)

 

先ほどの遊煌の態度を見て、ルインは疑問に思う。

 

(まさか…主はチョコを貰ったことがないのか!? なんとかわいそうな主だ…)

 

別に貰ったことがないわけではないのだが、ルインは勝手にそう解釈した。

そして、あることを決意する。

 

(よし、ならば今年のバレンタインは私が主にチョコを送ってやろう! バレンタイン当日まであと一週間…その間にチョコを作れるようにしよう! 主もきっと喜ぶぞ!)

 

と、ルインは心の中でガッツポーズをして決心した。

…しかし、そんな遊煌とルインの会話を盗み聞きしている者が、リビングの外に3人ほどいた。

 

………

……

 

「聞きましたか!? ウェムコさん、先輩!」

 

「えぇ、しっかりと♪」

 

「聞いていたが…別にこんなにこそこそする必要はないのではないか?」

 

リビングのドアの外に立っていたフレイヤ、ウェムコ、キリアは小声で話をする。

 

「何言ってるんですか! お姉さまにチョコを贈るためにもにも、サプライズとしてここはこっそりとするべきです!」

 

「そうですわね、わたくしも主様にチョコを贈ったら…きっと喜んで下さいますわぁ♪」

 

「というわけでウェムコさん、先輩、一緒にチョコ作り頑張りましょう!」

 

「はぁ…まったく、なんで私まで巻き込まれてるんだ…」

 

「私一人で手作りチョコなんて作れませんもの。一人で作るよりもみんなで作る方が、きっと美味しくできますよ♪」

 

というわけで、フレイヤとウェムコに連れられ、キリアも半ば強制的にチョコ作りに参加することとなった。

 

 

 

 

 

―――――第24話:「Valentine for you ♪」―――――

 

 

 

 

 

―2月14日―

 

(つ…ついに当日だ…隣のおばあちゃんに教わってなんとか完成させたが…ちょっと形に自身がないな…だ、だが! せっかく作ったんだから頑張って渡すぞ!)

 

ルインの手には、ピンク色の包みに黄色のリボンをあしらった長方形の箱があった。

それをしっかりと抱きしめ、ルインは遊煌が学校から帰ってくるのを今か今かと待っている。別になんてことはない、自分の作ったお菓子を渡すだけのことなのに…何故か緊張してしまって顔が熱くなり、身体が強張る。

なるほど…何故このイベントに男女間がぎくしゃくしてしまうのかがわかった気がする。しかし…渡さなければならない。これはほかでもない、主のために作ったのだから。そしてその機会は、今日をおいてほかにはない。

 

「ただいまー」

 

(帰ってきたか…!)

 

 

 

(はぁ…案の定、学校ではチョコもらわなかったなぁ…アリアもまだ休んでるし、どうやら今日は本当にただの平日として終わりそうだな…ま、それもいいけど)

 

元から期待なんてしてはいなかった。それでももしやとは思ったが…うん、やっぱりだった。別にチョコなんて貰っても嬉しくもなんともないし、その逆もしかりだ。

さて、夕飯の支度をしなくちゃな。

 

 

 

「(よ、よし…今だ、行くぞ!) あ、あるっ…―!」

 

「おねーさまっ♪」

 

遊煌にチョコを渡そうとリビングから出ようとした時、突然目の前にフレイヤが現れて呼び止められた。

 

「ふ、フレイヤ…何か用か?」

 

「はいこれ♪ 私からの気持ちです、受け取ってください♪」

 

そう言ってフレイヤはハート型の青色の包みをルインに手渡す。

 

「わ、私に…? ありがとう…」

 

そう言ってルインは包みを受け取る。

 

「だがフレイヤ、バレンタインとは女が男にチョコを渡すイベントなのだぞ?」

 

「そんなこと気にしなくていいんですよ♪ 女同士だって好きな人相手にならチョコを贈ったっていいんですよ♪ 開けてみてください♪」

 

「あ、あぁ…」

 

言われるままにルインはチョコの包みを剥がしていく。

 

「こ、これは…」

 

剥がしたハート型のチョコには、ピンク色で「I LOVE YOU」の文字が書かれていた。

 

「どうですか?」

 

「う、うむ…なかなかによくできているな。ということは…このチョコも手作りか?」

 

「はい♪ 近所で無料のお菓子教室を開いていたものですから、みんなで作ったんですよ♪」

 

「そうか。…まて、今“みんな”と言ったか!?」

 

「え? えぇ、私と先輩とウェムコさんの三人で作りましたよ」

 

「しまった…! こうしてはおれん!」

 

ルインはフレイヤからのチョコをテーブルの上に置くと、慌ててリビングから外に出た。

 

「あっ、お姉さま…! もう…そんなにあの男がいいのかしら…」

 

……

………

 

「さぁて、今日の夕飯は何するかなー」

 

と、自室で制服から私服に着替えているときだった。

 

コンコン

『主様、よろしいですか?』

 

「ん? ウェムコか?」

 

部屋がノックされ、ウェムコの声が聞こえた。

俺はすぐに着替え終え、部屋のドアを開ける。

 

「どうしたんだウェムコ?」

 

「あ、あの…これ、もしよかったら受け取って下さい」

 

そう言ってウェムコは金色のリボンがあしらわれた赤い包みの長方形の物体を俺に差し出す。

 

「こ、これは…?」

 

「チョコですよ。ほら、今日バレンタインですから♪」

 

「俺に…?」

 

「もう、他に誰がいるんですか? あ、いらないならわたくし自分で食べちゃいますよー?」

 

「い、いるいる! ありがとうウェムコ!」

 

そう言って俺はウェムコからチョコを貰いうける。

感激だ…! まさか本当にチョコを貰えるなんて…!

 

「でも…どうしたんだこれ? どこで手に入れたんだ?」

 

「ふふっ♪ 近所でちょうど無料のお菓子教室が開いてました、それに行って来たんですの♪ わたくし、チョコを作るのは始めたなものですから美味しくできているかどうか…どうぞ食べてみてください」

 

「お、おう。それじゃ…いただきます」

 

包みを開き、その中にあるトリュフチョコの一つを摘み、食べてみる。

 

「どうですか…?」

 

「…うん、おお! 美味い! よくできてるなぁ、とても初めて作ったとは思えないよ」

 

口の中に入れた瞬間、表面の固まったチョコの殻が破れ、中の生チョコがふわっと口中に広がり、香ばしい風味を奏でる。

うん、お世辞ではない、正直にこのチョコは美味しかった。

 

「そうですか! よかったですわぁ…主様のお口に合って」

 

「ありがとうなウェムコ、俺の為に用意してくれて」

 

「いえいえ♪ いつもお世話になってる主様のためですもの♪ これぐらいは♪」

 

微笑ましく話す両者。その光景をルインは、二階に上がる階段の影に隠れながら眺めていた。

 

 

 

(くっ…遅かったか…! 私が一番乗りになりたかったのに…し、しかも美味いだと!? ウェムコのやつめ…だが私のチョコも負けては…!)

 

 

 

「あー…ん“んっ、その……マスター殿」

 

俺がウェムコからのチョコの話で盛り上がっていると、今度はキリアが咳払いをしながら来た。

 

「どうしたキリア?」

 

「その…わ、私もマスター殿に渡したいものがあるので…こ、ここでは渡しづらいので私の部屋の方まで来ていただけますか?」

 

「あ、あぁ…わかった。…って、もしかしてキリアも俺に!?」

 

いつもと様子が違い、少し目線を逸らしてもじもじしているキリアの様子に違和感を覚えた俺は、瞬時にそれを察した。

 

「ふふっ♪ キリアさんのはちょっとすごいですわよ♪」

 

ウェムコが悪戯っぽく笑いながら俺の後から付いてくる。

 

「こ…これを…どうぞ」

 

そう言ってキリアが自分の部屋から持ってきたのはかなり大きな…長さ80センチくらいはあると思われる、円筒状の物体だった。

 

「こ、これは一体…なんだ?」

 

「どうぞ、開けてみてください」

 

言われるがまま倒さないように、包装紙を少しづつ剥がしていく。

包みの中身は…案の定チョコだった。しかし、その形状は俺が思っているような形のチョコではない。

細いチョコ糸をいくつもいくつも重ね合わせ、それはまるで宙を舞う天使の如く、その姿を形作っていた。しかも全身には金箔が張られ、土台部分にも高クオリティなチョコ細工が施されている、煌めくチョコの天使像…。

これはもはやチョコではない…芸術品だ。

 

「ま、また凄いものを作ったな…」

 

「お気に…召しませんか…?」

 

「と、とんでもない! ちょっと食べるのがもったいなさそうだなって思ったけど…ありがたくいただくよ。キリアの気持ちがよく伝わってきたよ」

 

「そうですか、ありがとうございます」

 

 

 

(うううっ…あんな凄いチョコまで用意していたとは…! 私のチョコとは…雲泥の差ではないか…)

 

ルインは自身を無くしてしまったのか、階段を下りてリビングに戻った。

 

 

 

ピンポーン

 

と、その時玄関の方からチャイムの音が聞こえてきた。

 

「お客? 誰だ…?」

 

二つのチョコを抱えてそれらを部屋に置くと、俺は階段を下りて玄関に向かった。

 

ガチャッ

「はーい」

 

ドアを開けると、目の間にいたのは…。

 

「こんにちは、遊煌君」

 

「アリア!? お前…もう身体の方は大丈夫なのか!?」

 

「うん、もうすっかり平気♪」

 

「でもここ最近また休んでばっかだったじゃんか…」

 

「あ、あれはその…大事をとってだよ! あはは…(本当はこれを作るために練習していたなんて…言えないよね)」

 

「それで、今日はどうしたんだ? わざわざ俺の家まで来て」

 

「え、え~っとその…た、大した用事じゃないんだけど……私達、昔はよく交換し合ったよね?」

 

「何を?」

 

「だ、だから……チョコを」

 

「お、おう」

 

アリアのこの挙動不審な態度…俯いた目線…赤い顔…そして後ろに回した手…これはもしや…!

 

「だからさ、えーっと…また昔みたいに仲良くやっていこうっていう意味も込めて……はいこれ!」

 

意を決したように後ろに回した手を俺に差し出すアリア。

その手には…やっぱりだ! チョコの包みがあった! しかもハート型!

 

「あ、ありがとう…なんか悪いな」

 

「べ、別にそんな大したものじゃないから気にしなくていいよ! あ、あとそれね……一応…」

 

と、ここでまた言葉が途切れてしまうアリア。

と思った次の瞬間、アリアは全速力で走りだした。

 

「本命だからっ!!」

 

「あ、アリア!?」

 

まるで逃げるように俺の元から遠ざかっていくアリアに追いかけようかとも一瞬思ったが、アリアの姿はあっという間に見えなくなってしまった。

最後に何か言っていたような気がしたが…全速力で俺の元から離れるもんだからなんて言ったのか聞きとることができなかった。

 

 

 

(ほ…本命チョコまで渡された…)ガーンッ

 

その光景をリビングの窓から見ていたルインは、とぼとぼと二階の自室へと戻って行った。

 

 

 

「いや~、なんだかよくわからないけど今年はいっぱい貰っちまったなぁ~、まさか一気に3個も貰えるなんてな」

 

アリアから貰ったチョコを手に持ちながら家の中へと戻る。

さっきはチョコなんて貰っても嬉しくないなんて言ったが、前言撤回、やっぱり嬉しい!

 

「ちょっと待ちなさいよ」

 

部屋に戻ってチョコの味見でもしようかと思った時、フレイヤに声をかけられた。

 

「なんだよフレイヤ?」

 

「私からもチョコあげるから、ありがたく思いなさい」

 

マジか!? こいつだけは絶対にくれないと思ってたのに…意外だった。

普段は憎たらしい奴だが、こういう時に優しいのはとても良いことだ。どれ、ここはひとつ、チョコに免じて今までの横暴を許してやっても…―

 

「はいこれ」

 

そう言って俺に渡したのは……10円のチ○ルチョコだった。

 

「…なにこれ?」

 

「見りゃわかるでしょ、チョコよチョコ。あ、私欲しい服とかいっぱいあるからホワイトデーのお返し期待してるからねー♪」

 

…なるほど、そういう魂胆なわけか。

 

「お前なんかに期待した俺がバカだったよ…」

 

「何よその言い方、あんたなんかに私がチョコあげなくても、お姉さま達からいっぱいチョコ貰ったでしょ?」

 

「あぁ、貰ったけど…ん? 待てよ…“お姉さま”ってのはルインのことだよな?」

 

「当たり前じゃない、他に誰がいるのよ」

 

「俺…ルインからはチョコ貰ってないんだけど…」

 

「…え? マジで? じゃあお姉さま今頃…」

 

………

……

 

「はぁ~あ…」

 

先を越された三度のチョコ…しかもそれのどれもが私が作ったチョコよりもクオリティが高い…。

 

「…美味い」

 

自室のベッドに寄りかかりながら、フレイヤから貰ったチョコを食べてみる。…うん、やはり美味い。おそらく、私のよりも…。

やはりこんな出来では…主に渡すことはできないな…。

 

「…捨ててしまうか」

 

目の前にあるごみ箱に狙いを定め、私のチョコを投げ込もうとした…その時だった。

 

コンコンッ

『ルイン、入るぞ』

 

ドアのノックと共に主の声が聞こえ、そのまま部屋に入って来た。

 

 

 

「フレイヤから聞いたんだけど…俺にチョコ渡すつもりだったんだって…?」

 

「…うん」

 

ルインは目を伏せたままだが、その手にはハートの形をしたピンクの包みを握っている。おそらくあれが俺に渡すつもりのチョコなのだろう。

 

「その…なんかごめんな、お前のことも考えずに他の奴からポンポンチョコ貰っちゃって…」

 

「私は…気にしてない。だからもういいんだ、私のチョコは所詮失敗作だ…だから捨てる」

 

「す、捨てる!? なんで?」

 

「なんでって…そんなの私の出来がウェムコ達に比べると…その…下手だからに決まってるだろ!」

 

そう言うとルインは握ったチョコをごみ箱の方に投げようと振りかぶる。

 

「ま、待て待て! 上手いとか下手とか、そんなの俺は気にしないぞ!」

 

ルインの前に立ちはだかり、ごみ箱にチョコを投げ込ませないようにする。

 

「わ、私は気にするのだ! どけ主!」

 

「いーやどかない! 捨てるくらいなら……もったいないから俺が食う!」

 

「あっ!?」

 

ルインが隙を見せた一瞬をついて、俺はチョコをルインから奪い取る。

 

「か、返せ! そんなの食べたらお腹壊すぞ!」

 

「俺のことを想って作ってくれたチョコを食べて壊すんだってんなら…構わん! 本望だ!」

 

チョコを取り返そうと躍起になるルインの頭を左手で押さえて、もう片方の右手で器用に包みを開けていく。

 

「ほう、これはこれは…」

 

包みを剥がし、箱を開けると、そこにはハートの形をしたチョコがあった。ただし、ちょっと固めるのが甘かったのか、少し形が崩れており、ピンクの文字で書かれた「Happy Varentine」の文字もちょっと歪んでいた。

 

「あ…や、やっぱり形ひどいから捨て…―!」

 

「いただきまーす!」

 

また「捨てる」なんて言わせないうちに、そのチョコを一口かじる。

 

「うううぅ……(やっぱり不味いんだろうなぁ…)」

 

「…ん? これ美味いぞ」

 

「へ…?」

 

「うん、うまいうまい」

 

そう言って俺はボリボリとチョコを頬張る。

 

「そ、そんな世辞を言われたところで私は嬉しくなど…」

 

「お世辞じゃないって、ほら食べてみろよ」

 

チョコを一欠片割り、それをルインの口に入れてやる。

ちょっと無理やりだが、ルインは目を閉じながら自分の作ったチョコの味を噛みしめた。「どうせこんなの美味くない…」という顔だったが…それも徐々に明るい顔へと変わっていった。

 

「ほ、本当だ…美味しい」

 

「だろ?」

 

ルインのチョコは、見た目ほどひどい味ではなかった。むしろまろやかで、今日貰ったチョコの中では一番美味しい言っても過言ではなかった。

 

「ん…でもちょっと粉っぽいところもあるし…やはりフレイヤ達が作ったチョコに比べると…」

 

「そんなことないって、俺が今日貰ったチョコの中では、ルインのがダントツで一番美味しいぞ」

 

「ほ…本当か…?」

 

「あぁ、これもお世辞じゃない。本当の事だ。だからルイン、来年のバレンタインも待ってるぞ」

 

「…ふふっ、任せろ♪ その時には、これよりももっと美味いチョコを作ってやる!」

 

さっきまで落ち込んでいたのはどこへやら、ルインはいつもの明るい表情に戻っていた。

 

………

……

 

―その夜―

 

「ふわぁ…こんな時間になんだってんだダルキリア?」

 

夜11時頃、寝ようとしていた俺を呼んだのはあのキリアの裏人格、ダルキリアだった。

 

「今日バレンタインデーじゃない? で、私からもマスターさんにチョコあげようとおもってねぇ♪」

 

そう言ってベッドの上に腰かけるダルキリアは、その足元にバケツを用意すると自分の素足をバケツの中に入れる。

バケツの中には溶けたチョコレートが入っている。それを自分の足に浸すと、俺の方に差し出した。

 

「ほぉらマスターさん♪ 犬みたいにぺろぺろしてもいいのよ?」

 

と、ダルキリアが恍惚な表情を浮かべながらその足を俺の前でブラブラさせるが…。

 

「…寝る」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! どうするのよこれー!」

 

付き合ってられんな。

そんなダルキリアの叫びをスルーして、俺は部屋に戻って寝た。




ちょっと遅くなってしまいましたが、バレンタイン回を投下します。
なんとかバレンタインに間に合わせようと急いで書いたので、いつもに比べると文章レベルがちょっと幼稚な部分があるかもしれません、まぁ息抜き程度に読んでいただけたら幸いですw
ダルキリアさんのチョコ、余っちゃうともったいないから欲しい人誰か貰ってってー

さて、次回からはようやくデュエルを予定しています
…遊戯王の小説なのにえらい久々な気分
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