ホロホロしちゃっていいじゃない!   作:てんりょう

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※注意※

本話には重度の独自解釈、独自設定が含まれます。

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最近キレがない気がする 


15話-2 holoxとのかしましツアー中編

 

 

「「「「「わあ〜!!!!」」」」」

 

彼女たちに引き摺られるまま電車に乗り、揺られること2時間。

 

僕たちはホテルWake up!! FEVAR!!へと到着した。

 

え、抵抗しなかったのかって?

 

まず風真さんは普段はぽやんとだけど武術の心得があるからあれでこっちが離れないようきっちり極めてきてるし、博衣さんは獣人だからそもそも身体能力が高い。

 

無理やり振りほどけなくもないけど、二人に乱暴するくらいならあきらめた方がましという考えだ。

 

不安な点は僕の名前だからしょうがなく一緒に……という展開でないか、ということだろうか。

 

普段の皆と接している限りそんなことはないと信じたいが。

 

噂の方は……なんとかなることを祈ろう。

 

最悪ロボ子先輩に依頼しよう。

 

後のことを考えると重くなる頭を抱えながら、目の前の建物を眺める。

 

どこか西洋のお城を思わせるデザインにところどころ金と赤で彩られたドラゴンが飾られている。

 

名前とモチーフにあるドラゴンの共通点がわからず首をかしげながらエントランスへと入ると、中には上品なバイオリンの音が聞こえ、まるで玉座の間のような雰囲気だ。

 

「いらっしゃいませ。チケットとお名前をご確認させていただいてもしよろしいですか?」

 

受付まで歩を進めると、少し色素の薄い髪の人のよさそうな笑顔を浮かべる男性のホテルマンが応対してくれた。左胸には紅と名前の書かれたネームプレートがつけられている。

 

「あ、はい。これです」

 

僕はチケットと免許証を手渡す。

 

ホテルマンはそれを受け取ると何かしら手元のPCを操作する。

 

「はい、6名でお越しの矢上トウマ様ですね。確認が取れました。すぐにご案内いたしますので少々お待ちください」

 

そういうと彼はピンマイクに向かって話しかけ始めた。

 

「さて、とりあえずこのあと荷物を下ろしたら……」

 

「吾輩はまずは買い物かな。近くの土産屋とか回ってみたい」

 

「私はラプについていきますね。補導されても厄介なので」

 

「なんだとー?!」

 

ラプラスさんと鷹嶺さんがホテル近くにあった土産屋巡りを表明し、

 

「あたしはホテル内探検しま〜す!なんかちらっと見たら面白そうな施設もいっぱいありそうだし!」

 

「拙者も同じくでござる」

 

「こよも一緒かな」

 

沙花又さん、風真さん、博衣さんがホテルの探検を挙げた。

 

「そっか。なら僕はちょっと一休みしようかな」

 

「「「え~」」」

 

「わかりました。でも、余裕ができたら合流してもらえると嬉しいです」

 

「拙者たちも先輩と一緒にいたいでござる」

 

「わかってる。ちょっと休んだらそれぞれのところにちゃんと行くから」

 

「「約束ですよ(ござるよ)」」

 

「皆様、お部屋の準備ができましたのでこちらへどうぞ」

 

「ど、う、ぞ」

 

いつの間にやってきたのか、燕尾服に似た衣装のスーツをまとった大柄な男性スタッフがそこに立っていた。

 

「彼がお部屋までお連れいたします。また皆様のスマホが部屋の鍵となるよう設定いたしました。たった今からチェックアウトまで有効となります。何かわからないことがあればフロントまでお気軽にお問い合わせください。じゃ、力、頼んだよ」

 

「わか、った」

 

そういうと力と呼ばれたスタッフはスタスタと歩き始めた。

 

「じゃ、とりあえず部屋に行こうか」

 

「「「「「は~い」」」」」

 

そういって僕たちは揃って案内される部屋へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おっと、寝ちゃってたか」

 

荷物を置いてそれぞれ外出した彼女たちを見送った後、座椅子に座って休憩していたらいつの間にか寝てしまったようだ。

 

ちなみに、部屋は和洋室8畳+ツインベッドとなっている。備え付けの露天風呂もあるから1人で入るには十分だろう。

 

夜?それはみんなが寝てから洋室のソファーで寝るしかない……。

 

それはともかく、とりあえず外に行こうか。

 

時計を見る限り寝ていたのは30分程度っぽいし、まだ余裕はあるだろう。

 

言ったからにはそれぞれに合流したいし、お土産も買いたいから。

 

そう決めると財布とスマホを手に持って部屋を出る。

 

そしてエレベーター、エントランスを通過し、そのまま外へと出る。

 

洋風なホテルが近くにあるから合わせてなのか、周辺もどこか西洋の街並みを模した雰囲気で統一されている。

 

そんな街並みがいい観光資源となっているのか、観光客らしき姿もそこそこ見受けられた。

 

活気に満ちた街並みを歩きながら、ラプラスさんと鷹嶺さんの姿を探す。ついでに自分のお土産も。

 

しばらく周囲を歩いていると、

 

「あ、先輩!! こっちですよ!」

 

「お、早かったな先輩」

 

少し離れた喫茶店のテラスからラプラスさんと鷹嶺さんがこちらに手を振っていた。

 

店名はカフェ・マル・ダムールとなっている。

 

僕はそのまま2人のもとへと近寄る。

 

「先輩、ここにどうぞ」

 

慣れた手つきで椅子を引く鷹嶺さんに甘える形でそのまま席に座る。

 

間を置かずにラプラスさんが店員を呼んでいてくれたのか店員が注文を取りに来てくれた。

 

そのままオススメのコーヒーを頼む。

 

「先輩、来てくれたんですね。てっきり来てくれないかと思ってました」

 

「え? なんで?」

 

そんなに疲れてるように見えたのだろうか。

 

いや、鷹嶺さんには不覚にも体調の悪い姿を見せてしまっているが。

 

「先輩、ルイは無理に連れてきてしまったのではと気に病んでいるんだ」

 

「ちょ、ラプラス?! そっちだって『先輩に無理強いしちゃったかな』って落ち込んでたくせに!!」

 

「おまっ?! それ言うのは反則だろ!!」

 

「先に言ったのはラプでしょ!!」

 

なるほど。あんなノリだったけど気にしてくれてたのか。

 

それはそれは……

 

「ま、まあまあ2人とも。僕としてはよかったと思ってるから」

 

「「えっ?」」

 

「まあ、やり方はあれだったけど僕と一緒に旅行に行ってもいいって思ってもらえてるってことだからね」

 

「先輩……」

 

「ならよかった!! ほら先輩が頼んだコーヒーがきたぞ」

 

「お、待ってました」

 

ちょうど注文したコーヒーが届いたのでそのまま受け取る。一瞬鷹嶺さんとラプラスさんが視線を交わしたような気もしたが……

 

「……うん、すっごいおいしいね。これ」

 

「そうなんですね。私たちは紅茶にしたんですけど、先輩の口にもあってよかったです」

 

「フハハハハ! 吾輩がチョイスした店もなかなかのものだろう?」

 

「流石ラプラスさん」

 

そうやってコーヒーを楽しみながら2人から散策した様子を聞いた。

 

どこの店の雑貨がかわいかったとか、お菓子がおいしそうだったとか、女の子らしい会話が続く。

 

「そういえば先輩、吾輩聞きたいことがあったのだが」

 

「聞きたいこと?」

 

なんだろう、僕なんかに聞くことなんかあっただろうか。授業の過去問の有無かな?

 

「トワ様と何かあったのか?」

 

「ブフッ?!?!?」

 

予想外の質問に思わずコーヒーを吹き出してしまう。

 

「トウマ先輩??」

 

「いやいやいや!?何もないよ!?前に飲み会したきりで特には何もなかった……はず」

 

だからそんなマジの瞳をしないでほしいです。

 

「え~トワ様たまにぼ~っとしながら顔を赤くして、こうへにゃってなってる姿をたまに見るんですよね。かと思ったら頭ブンブン振り始めるし」

 

だから先輩が何かしたのかなってと続けるラプラスさん。

 

そんなこと言われても。

 

「あ~前の飲み会でトワ先輩、膝の上に乗ってしかも抱きついてましたもんね。きっとそのこと思い出したんじゃないですか?」

 

「そういえば、そんなこともあったな」

 

あのときは大分飲んでたから記憶が不確かなんだけど。

 

「え〜いいな〜吾輩も先輩と一緒にトワ様とお酒飲みたい!!」

 

「そこは常闇さんと、じゃないんだ。いや僕は構わないんだけど……」

 

「何言ってるんだ? 先輩と、もっといえば幹部とかと一緒だから楽しいんだろ?」

 

「ラプラスさん……」

 

「ラプラス、たまには良いこと言うじゃない」

 

「たまにはとかいうな!!」

 

「アハハ、ごめんごめん」

 

楽しそうにじゃれあう二人を見てるとほっこりする。

 

割と僕の周りにはおよそこんな感じのメンバーも多いが、特にこの二人は仲がいい。

 

「そうだね、もし機会があるならまた飲み会してもいいかもね」

 

「本当か?! ならトワ様には約束取り付けるから絶対一緒に飲んでくださいよ!!」

 

「わかった。約束する」

 

「幹部、その時は料理頼むぞ!!」

 

「はいはい、仰せのままに」

 

先の楽しみな予定に瞳をキラキラさせるラプラスさんを見て、鷹嶺さんとクスクスと笑いあう。

 

そんな他愛のない話をしながら、旅先での穏やかな時間を過ごすのだった。

 

 

 

 

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