ホロホロしちゃっていいじゃない!   作:てんりょう

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※注意※

本話には重度の独自解釈、独自設定が含まれます。

「イメージが違う」「おかしい」等々感じられる方はブラウザバックをお薦めします。


エタりかけました、すみません。

ゆっくりかもですががんばります。


15話-3 holoxとのかしましツアー後編

 

さて、鷹嶺さんとラプラスさんたちと次?の約束をした後、ふたたびホテルへと足を向けた。もちろん二人の分のドリンク代を払った上で。

 

風真さんや博衣さん、沙花又さんたちがホテルを探検しているとのことだったから、そこに顔を出しに行くつもりだ。

 

しかし、ちゃんと見なかったけど敷地は広そうだしどんなイベントやってるんだろうか。

 

スマホでHPを見ながらエントランスを通り抜け、イベントホールとされているところへ向かう。

 

ホールへと近づくにつれ、だんだんとアップテンポな音楽と何かを叩くような音が聞こえてきた。

 

それにワクワクを覚えながらホールへと入る。

 

「そっち頼むよ、クロたん!!」

 

「まっかせてー!!」

 

入ってまず飛び込んできたのは、博衣さんと沙花叉さんが周囲の光球を叩いたり撃ったりしている光景。

 

博衣さんは緑の銃で遠くを、沙花叉さんは紫のハンマーで近くの球をそれぞれ狙っている。

 

博衣さんがリロードするタイミングで沙花叉さんがフォローし、沙花叉さんが届かないところは博衣さんが撃ち抜く。

 

息のぴったりあったそれに思わず息を呑んだ。

 

ちょうど入った時がクライマックスだったのか、2人が同時にそれぞれ球をたたいて終了した。

 

ファンファーレと共に上空に点数が表示される。

 

それの高低はわからないものの、周囲に飛び散る光の粒子を見る限りいい結果だったのだろう。

 

拍手しながら2人に近づいていく。

 

「あ、トウマ先輩!!見てください!! パーフェクト一歩手前ですよ!!」

 

沙花又さんが紫のハンマーをぽいっと放り投げるとこちらに頭から飛び込んできた。

 

そのまま胸のあたりに頭をグリグリと押し付けられる。

 

まるで大型犬みたいだ。シャチだけど。

 

「それは凄いね!!おめでとう!!」

 

なんとなくほっこりしながらフード越しに頭を撫でてあげる。

 

「!! えへへ〜」

 

なんとなく抱きつかれた腕の力が強くなった気がする。

 

「あー!!クロたんいいな〜、せんぱ〜い、私も褒めてくださいよ」

 

今度は博衣さんがやってきて、撫でてと言わんばかりに頭を寄せてきた。

 

気恥ずかしく思いながらも博衣さんの頭も撫でる。

 

「こらこら2人とも、先輩が困ってるでござるよ?」

 

そうして犬のように頭を擦り付けてくる2人の頭をゆっくり優しくなでていると、風真さんがやってきた。

 

ちょっとこめかみがぴくぴくしてる。

 

「風真さんもこのゲームやったの?」

 

「あ、かざまはまだでして……」

 

「まずわたしとこよちゃんがやってたんですよ。対象人数も2人だったし」

 

「ね~」

 

まあ、そうだろうなと思いながらちらりと周りを見る。

 

空間としては確かにそれなりだが、3人で動き回るには少し狭く感じる。

 

例えば小学生くらいなら3人でも行けるかもだが、それ以上だと危ないだろう。

 

とはいえ壁を蹴って跳ぶ等ができそうなほど狭いわけでもなく、ある程度獣人等の高身体能力の人がくるのを想定しているのだろう。

 

実際知り合いの面子なら桃鈴さん、百鬼さんあたりはやってやれなくもなさそうだと思う。

 

「あ!先輩!!折角だからかざまと一緒にやりましょう?」

 

「え?」

 

「いいね~沙花叉もみた~い」

 

「先輩の~ちょっといいとこ見て見たい♪」

 

ちょっと予想外の展開になった。できるなら遠慮したいところだけど……

 

「先輩~」

 

「ねえねえ~」

 

「みたいみたい~」

 

三人の期待に満ちた視線が痛い。これは断れないか。

 

「う〜ん、わかったよ。でもあまり大したことなくても笑わないでよ?」

 

「「「やった!!」」」

 

そんなに嬉しいのだろうか。三人が満面の笑みでハイタッチした。

 

まあ、たまにはこんなイベントもありだろう。

 

「じゃあ、先輩はどの道具選びます? かざまはこの青い剣にするつもりなんですけど」

 

そのまま風真さんに手を引かれ、脇に設置してある棚へと連れられる。

 

そこには四つの武器があり、うち二つはさっき沙花叉さんと博衣さんが使っていたものがあり、あとは銃と剣が一体化したようなものと金色のコウモリ状の鍔がついた剣が置いてあった。

 

風真さんは青い狼の鍔がついた波状に刀身のうねった剣を既に手に取っている。

 

「なら僕はこれかな」

 

風真さんが剣ならある程度遠くを狙えるものがいいだろう。

 

そう考えて銃剣一体型の武器をとる。

 

「で、真ん中に立つとゲームが始まるでござる。最後見られてたようなので知ってるとは思いますが、飛んでくる光を持ってる武器で叩くか撃つかすればOkでござる」

 

「なるほど了解。風真さんはどんどん動いていいよ。もちろんこっちも動くけど、取りこぼしはフォローするから」

 

「了解でござる!!」

 

二人で並んで中央に立つとカウントが開始された。

 

ゲームが始まる感じはなんだかんだ緊張する。

 

カウントが0となり、軽快な音楽が流れ始める。

 

それと同時にはじめはぽつりぽつりと。

 

次第にさながら雨のように光が周囲から飛び込んできた。

 

風真さんも僕もなんとか処理できている。が、これが続くのは正直きつい。

 

てか、さっきより飛んでくる光の量多くないかな?!

 

「ちょ、ちょっと待つでござる!?さっきはここまででは……!?」

 

「あ、さっきこよが難易度あげてくださいってお願いしといたよ」

 

「なにしてくれてんの~!?!?」

 

「ちょっ?!聞いてないんだけど?!」

 

道理でおかしいと思った!?

 

とはいえ今更変えられるはずもない。

 

弾数に注意しながら風真さんの取りこぼしや死角から飛んでくるものを撃ったり剣で斬ったりしていく。

 

今のところは取りこぼしはない。

 

僕がこぼしたところも風真さんがうまくさばいてくれている。先輩としては情けないところだけど。

 

どれくらい時間がたっているかあいまいだが、一曲およそ4分くらいのはずだからそろそろ終わるはず。

 

曲調も終わる感じに向かっていっている。

 

ちょうど弾も撃ち切って、流れている光も途絶えた。

 

その時、ふと頭上へと視線を向ける。意味なんてない。たまたまだ。

 

そこには今までの光とは違う形状のものが浮いている。

 

いや、ただ浮いているだけじゃない。

 

徐々に上へと上がっていっているように見えた。

 

流石にこれは厳しい。

 

「……いや、あれは、どうしようもないのでは?」

 

風真さんのちょっとあきれた声。どこか残念な感じもこもっている。

 

気持ちはわかる。

 

半ば不意打ち近くにあんな風に出るのは流石に対処が難しい。タイミング悪く撃ち切ったのも痛い。

 

だけど、あきらめるのも癪に障る。

 

手に持った銃剣を投げ捨て、両手をフリーにする。

 

「風真さん!!こっち!!」

 

「え?……はいっ!!」

 

両手を組んで腰を落とし風真さんに声をかけると、一瞬疑問符を上げたものの意図を理解してくれたのかまっすぐこちらに走ってきてくれた。

 

そしてこちらの組んだ手へと飛び乗った。

 

「「せーのっ!!」」

 

そのまま僕は彼女を上へと持ち上げ、彼女もその勢いを利用して高く跳躍した。

 

その勢いはゆっくり上昇する光より速い。

 

「ええい!!」

 

光まで到達した風真さんが剣を振り、それを叩き斬った。

 

 

 

 

 

 

 

side: Iroha Kazama

 

この瞬間まで私は何も考えてなかった。

 

しれっと難易度を上げられていた怒りと、先輩と一緒に遊べる嬉しさと興奮。

 

これで冷静さを失っていたのだと思う。そしてそれは先輩と同じで。

 

先輩の協力を得て頂点に輝くスペシャルアイコンを叩くことができた。

 

あとはこのまま着地するだけ。これくらいの高さなら余裕。

 

そう油断したのがダメだったのだろう。

 

斬った瞬間

 

”Congratulation!!”

 

「きゃっ?!」

 

盛大なファンファーレと共に響く祝いの音声に驚いてバランスを崩した。

 

さっと血の気が引く。着地失敗する姿がイメージできた。

 

思わず先に来る未来を予想して目をつむった。とりあえず頭を守ろうと腕を上げる。

 

しかし、次に来たのは予想したのと違う感覚だった。

 

痛い、でなく温かい。

 

「おっと」

 

そしてなんで先輩の声が近くで聞こえるんだろう。

 

恐る恐る目を開ける。

 

まず見えたのは先輩のほっとした表情だった。

 

次に見えるのは天井だった。だけど見える範囲が狭い。

 

なんで狭いんだろう。

 

そうか、先輩の顔が近いんだ。それで天井が隠れているんだ。

 

視線を下へずらす。

 

自分の脚とそれを抱える先輩の腕が見える。

 

「〜〜〜〜?!?!」

 

そこまで見て、やっと私は先輩に抱えられていることを認識した。

 

同時に気付く。肩にも彼の腕が回されていて、バランスを崩した私を抱きとめてもらったのだと。

 

一気に体温が上がった気がした。

 

顔が真っ赤になるのを自覚できるくらい熱い。

 

「せ、せせせせせせせんぱい?!?!」

 

「良かった、その様子だと怪我はないようだね」

 

「けが?……はっ、先輩こそ怪我は?!大丈夫ですか!?」

 

「僕は大丈夫。風真さんは?どこか痛めたところはない?」

 

「は、はい。私は何とも」

 

「よかった……僕が言い出したことで怪我させちゃうかもって思ったから」

 

安堵の表情を受かべる先輩。

 

できると思ったから先輩の意図を汲んだんだけど、ちょっとやりすぎだったかも。

 

「いえ、私がもっと注意してれば……心配かけてごめんなさい」

 

「いやいやそもそもあんな風に僕が構えなかったら」

 

「……じゃあ、間をとってお互いが悪かったということで」

 

「なんか申し訳ないがたつけど、わかったよ」

 

先輩は私の申し入れに困ったように眉をひそめながらも同意してくれた。

 

私的には譲れない一線だったのです。

 

そんな私の考えを察したのか先輩はクスっと笑い、私もそれにつられてクスクス笑ってしまった。

 

「ね~え~いつまでいろはちゃんとくっついてるんですか~!!」

 

「先輩、念のため立ってもらえます?一応様子を見たいので」

 

そんな時クロちゃんとこよちゃんがやってきて、私は先輩の腕の中から引っ張り出されてしまった。

 

むう、もうちょっと先輩のぬくもりを感じてたかったんだけど

 

でも先輩のことだから痛くても隠してる可能性があるし、ここはこよちゃんに見てもらうのも含めて大人しく移動しよう。

 

合わせて立ち上がった先輩をこよちゃんが先輩の体に触れながら反応を見て本当に大丈夫か確認している。

 

……それにしては触りすぎじゃないだろうか。

 

ちょっともやもやしていると、まるで狼のようなワイルドな雰囲気を持ったスタッフが近づいてきた。

 

「おめでとうございます、お客様。こちらをどうぞ」

 

「あ、ありがとうでござ……る?」

 

渡されたのはこのホテルの無料宿泊チケット(ペア)。しかもロイヤルスイート?!

 

思わずチケットを二度見して、渡してくれたスタッフを改めて見た。

 

「本来あれはクリアできない想定でしたので。まあ、有効利用してください」

 

そういうと、スタッフさんはちらりといつの間にかクロちゃんにも弄られている先輩へ視線を向けた。

 

「なかなかライバルは多そうだが、あの彼と来れるようせいぜい頑張るんだな」

 

「っ……あ、はい」

 

スタッフらしからぬ横柄な言い草だったが、全く面識のない人から指摘されると流石に気恥ずかしさが勝る。

 

落ち着いた頬の熱さがまた戻ってきた。

 

「うん、本当に問題なさそうですね」

 

「だから言ったでしょ、問題ないって」

 

「先輩には前科があるから無理で~す」

 

そうしていると先輩たちが戻ってきた。

 

思わず反射的にもらったチケットを後ろ手に隠してしまった。

 

「あれ、いろはちゃんなんかあった?」

 

「な、なんでもないでござるよ?」

 

「? へんなの。ま、いいや。ルイ姉たち帰ってきたよ。ほら部屋に行こう?」

 

「あ、うん」

 

先を行くこよちゃんに連れられるように歩き出す。

 

もらったチケットはそっとポケットへと忍ばせた。

 

(ちょっとくらい、いいよね?)

 

ほんの少しだけの優越感をにじませつつ。

 

 

 

side out......

 

 

 

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