Traveler in Another world ~夢と絆と音楽と~ 作:世界一うるさいチンパン
「ふわぁぁ…。眠っ…」
俺の名前は霧島玲。一条楽たちがいる世界での生活を終え、世界を渡り歩く扉を使いこの世界に来てからはや3日。
次元の神を名乗るウィンディーネとかいう女神から行くように指示されたのは、この『プリキュア』とかいう少女たちがいる世界だった。俺は歩きながら夢の中したウィンディーネとの会話を思い出す。
◇◇◇4日前◇◇◇
『プリキュア?なんじゃそりゃ?』
丁度腹が減っていたので、夢の中でスルメイカを食べていたころである。ウィンディーネがその名を口にしたのは。
『世界を救うために生まれた選ばれし者たちがなれる、伝説の少女の名前です』
『少女?』
『はい』
俺は少し驚いた。世界を救う?それも、少女?その話を聞いて俺はその瞬間に芽生えた質問をウィンディーネ投げかける。
『少女って、何歳くらいなの?』
俺の年齢と体質は、その世界の主要人物となるものの年齢と同じに設定されている。もしそのプリキュアとかいう奴らの年齢があまりにも低かったら、その体質に慣れるまで時間がかかるのだ。
まして、ここ最近は出会ってきたものの年齢が17くらいの人ばかりだったので、そこに関しても少し不安があったのだ。
(出来れば大幅に下がらないようにお願いします…)
と祈ってみたが、ウィンディーネの口から発せられた回答で、俺の望みは杞憂で終わることを瞬時に悟った。なぜなら彼女が口から出した答えは
『う~ん…中学2年生ですから、ざっと14歳でしょうか?』
嗚呼、オワタ。
『じ、14…』
こりゃ体質に慣れるまで1週間…。いや、2,3週間くらいか。などと俺が一人で軽く絶望している間に、ウィンディーネが話を戻してた。
『とにかく、貴方にはそのプリキュアの世界に行ってもらいます』
『行ってどうするの?』
『いつもと同じです♪』
『やっぱりか…。あと、何気なく語尾に音符マークつけるのやめてもらっていいですか?』
ウィンディーネからの安定の依頼。『その世界の主要人物と共に行動し、共に物語を終焉へと導け。』これが夢で彼女と話す度に、彼女から言われるミッションだ。
『はぁ~…。今回は終焉までどれくらいかかるやら…。』
『おや?先ほどと比べて随分と元気が無いようですが?』
『やっと平和に過ごせる世界に来たっつーのに。なんで平和な世界での旅はこうも早く終わるんだ?』
俺は平和な世界での暮らしが早く終わることに少し落ち込んでいた。しかし、いつまでも過去に縋り付いていちゃ意味がない。それは『あの世界』で学んだはずだ。
俺は手に持っている歯形の残ったスルメイカを口の中に入れると、覚悟を決めてウィンディーネに告げた。
『オッケー。やるよ』
『いつも通りの返事で安心しました』
『俺は未来を向いて歩いていく。あの時そう誓ったから…』
俺はそう言って自分の衣服の腰あたりに縫い付けてある三日月の刺繍が施されたネクタイに触れる。それを見たウィンディーネはフッと笑みをこぼす。
『そう言ってくれると思って、今回は私から一つ貴方に力を与えました』
『力?これまた何で?』
『これからの世界では、貴方に今まで以上の脅威が立ちはだかることになります。そうなってくると、もはや生まれつきの能力だけではとても太刀打ちできない…』
今まで見せたことのない、真剣なウィンディーネの表情をみて俺は思わずゴクリと喉を鳴らす。ウィンディーネは話をつづけた。
『しかし私が分ける力があれば、その脅威にもある程度は太刀打ちできる。しかし…』
『俺自身の成長も必要不可欠になってくると…』
俺の言葉にウィンディーネはコクリと頷いた。
『分かった。ありがとう』
『いえ、こちらこそ。そろそろ現実では朝を迎えます。今昇った朝日が完全に沈んだ頃…。これが次の世界へと続くドアが開く時間ということをお忘れなく』
ウィンディーネの忠告に対し、今度は俺がコクリと頷く番だった。
そして一条楽や、桐崎千棘、小野寺咲達と別れを告げた俺は、3日間の旅を経て今日にいたるのだった。
◇◇◇
「と言って来てみたはいいものの…。」
今俺の目の前に見えるのは、若干小さめだが目的の町と思われる景色が見えていた。しかし、ここで問題が一つ。
「ウィンディーネはプリキュアは沢山いるって言ってたけど、どのプリキュアに会えっていうの忘れてたからな~」
そう。俺の導き役である彼女としたことが、目の前に見える町にどんなプリキュアがいるのか伝え忘れていたのである。
「考えるのは一旦やめて、とっとと町の方行くか。《グゥ~…》俺の腹も限界だし…」
俺はこの3日間何も飲み食いをしていなかったので、そろそろ空腹で限界だった。だから思考は一度放棄し、食料にありつくことが俺が何よりも先にやらなければならないことだったのだ。
こういうことですら考えることがままならないため、3日ぶりの飲食実現にむけ町の入口の方へ足を進めることにした。
足を進めること約15分、俺は町の前にある森の中を歩いていた。どうやら、町へと行くにはここを抜けなければならないらしい。
「それにしても、緑がすげえや。横なったら昼寝できそう…。くぁぁ~…。ヤバい眠すぎる」
この3日間ずっと歩きっぱなしで、飲食もしていないとなると疲労が溜まりに溜まるのは当然のことである。
「まだ明るいし、昼寝でもしよ…」
俺は用心のために良さそうな木を見つけると、それを登る。枝分かれしている部分までたどり着き、すぐ目の前に見えた太い枝を力任せに揺らしてみる。
「これなら大丈夫か」
枝が十分丈夫な強度だということを確かめ、荷物を腹の上に置き木の幹に持たれ少し昼寝をすることにした。
「プリキュア…早く見つけねえと」
俺は気づけば既に目を閉じており、そのままゆっくりと永遠の眠りにつくのであった。
(勝手に殺すな作者…)
オホン、失礼。…今度こそ寝たようだ。このまま彼が起きる時間まで時を進めるとしよう。
◇◇◇ピッタリ24時間後◇◇◇
「ん~…。むにゃむにゃ……ハァ!!!」
ヤバイ。あれから何時間くらいたった?結構寝ていた気がする…。寝すぎた。
「やっちまった~!」
両手を頭に抱え、天を仰ぐ。その時だった。
《♪~》
町の方から、小さいながらも壮大な音楽が流れてきたのだ。
「これって…。確かヴェートーベンの交響曲の9番第4楽章の『喜びの歌』だっけか?」
偶然にも登った木が周りの木よりも少し高かったので、落ちないように幹で体を支えながら立ち上がる。
目を細めて町をじっと見てみる。すると広場と思われる場所に人だかりができており、その手前には指揮者、そして演奏者たちがいた。音の発生源はそこに違いないと踏み荷物を持ち降りようとする。
「よっと。それにしても大分カラフルな町だったな…。それに見る限り近くに飲食店とか会ったっぽいし」
もう少しだけじっくり見ようと前のめりになった瞬間
《ズリッ!》
「あ…」
俺は足を滑らせて地面に落ちた。幸い土がクッションとなり、土ぼこりを思いっきり顔に浴びただけで済んだ。
「イチチ…やっぱ高いとこは気を付けねえとっていった傍からこれだよ…ん?」
顔をしかめながら頭をさすっているとふと自分の足元へと目が行く。目に見えたのは自分の足と、俺が落ちたことによって少し抉れた地面。そして…
《ピョコ!ピョコ!》
地面の上で跳ねている何かだった。
「んだコイツ?」
俺はその何かに向かって手を伸ばすが、そいつは慌てて逃げ出そうとした。しかも手を伸ばそうとしたときに見せた目は、何かに怯えているかのような、恐れているかのようなそんな感じだった。
(コイツ…誰かに追われてきたのか?)
俺はそんな目を見てそう思い、そいつを安心させるために声をかけた。
「大丈夫。俺は敵じゃない。お前に危害を加えたりしない。約束する」
優しい声に反応したのか、その何かは俺にピョンピョンと跳ねて近づいてきた。俺はそいつを両手で救い上げるように持ち上げ、外見をじっと見た後こう思った。
(コイツ…音符だよな?しかもオレンジだし、やけに目デケェし)
俺が助けた者、それは謎に生きているオレンジ色の四分音符の形に酷似した生物だったのだ。俺はそいつを一旦地面に降ろす。すると音符はこれまた跳ねながら移動し、俺の背負っているリュックあたりで移動を停止した。
「お前…腹減ってんのか?」
俺がそう尋ねると、音符はご名答と言わんばかりに先ほどよりも高くはねた。
「ごめんな?俺今食いモン持ってねーんだ」
俺が答えると、今度そんなぁ~と言いたげに顔を俯かせてシュンとした。
「あぁ、泣くなって!一緒探しに行こう。丁度すぐそこが町だから」
もう一度音符を持ち上げ、言い聞かせる。音符は素直にコクリと頷き、そのまま俺の来ているジャケットの胸ポケットに入った。
「コイツも俺も腹減ってるし、早く行こ」
謎の音符を連れていくことになった俺は、目の前に見える町へと更に足を進めることとなった。
◇◇◇
「ようやく着いたぁ~」
町の入口にやってきた俺は、近くにあった電柱に書いてある町の名前を読み上げる。
「ん~っと?『加音町』。はは~んだからか」
町の名前からようやく、先ほど曲が流れてきた理由を察した。どうやらここは音が盛んな町らしい。町を少し散策してみると、店の看板のデザインには必ずと言っていいほど音符や休符など、音楽に関するものが使われていた。
「ひとまず飲み食いできる場所を探すか…」
町の入口付近には飲食店があまりなかったため、俺たちはどのみち再び歩く羽目になった。
そして気が付けば日は傾きかけ、夕方ごろになっていたのだ。
「食料~♪食料~♪」
とまあ、腹が減りすぎてこんな歌が飛び出る始末である。
そして飲食店を探して海岸沿いを歩いているときだった。
「「ヤァァァ!!」」
突如として俺の耳に飛び込んで来た威勢のいい叫び声、砂浜からだった。
「なんだ?この町にゃスケバンがいんのか?」
そう思い砂浜に降りてみると、目に飛び込んで来たのはクラゲ型の何かと戦う人の姿だった。
もっと近くで見ようと歩き出す。しかし、これまで胸ポケットに入っていた急に音符がカタカタと恐怖を感じるように震えだした。
「お前、怖いのか?」
俺の問いかけにも震えたままで何も答えない音符。偶然近くにあった岩陰に隠れながら、戦いの様子を見届けることにした。
目線の先にはクラゲみたいなやつの触手による攻撃を回避し続ける明らかなる戦闘と呼ぶにふさわしい絵であった。俺は未だに震えている音符をなだめつつ、真剣な眼差しで戦闘を見続けた。
「髪の長さとあの衣装からして…女だよな。ッ!もしかしてあいつらが…」
俺は察した。もしかするとあの戦っている2人の少女が、ウィンディーネが言っていた伝説の戦士『プリキュア』なのだと。
この日が、俺と彼女たち『スイートプリキュア♪』の初めての出会いだったのだ。
書いていて、全然プリキュア本編に進まないじゃないかと思ってしまった今日この頃。
次回の冒頭当たりですが、プリキュア視点で行こうと思います。
モチベーションが上がるので、感想を書いて頂けると幸いです。今回も駄文を読んでくださりありがとうございます。それではまた次回。
彼の今後の物語を書く上で主要となる物語を、もう一つ裏で書くつもりなのですがどちら小説が先の方がいいですか?
-
暗殺教室
-
ソードアートオンライン