響ヒビカセ心ニ届ケ(仮題)   作:高町魁兎

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前回のおさらいターイムってなんで君が相方なの?
「どうも、赤いリボンの少女です。
さて前回は、キョウカがチームKeyの真也さんに呼び出されお誘いを受けまして。」
はいはい‥で、その翌日もう一つの機体のパイロットとコンタクト。
「あっちの組織も何か動いてたね。」
さてどうなることやら‥今週もはじめようか。って意外に悪くないね。「でしょ♪」


#10 噛み合う歯車

 4月28日の夕暮れ時、

 地下格納庫にて。

「……ライト、居る? ‥ライト!」

 ただただ広い空間に私の声だけが響く、ライトが戻ってきてるのか確かめるべく、放課後来てみたけど‥ライトも居なければ、1号機もない。完全なる蛻の体だ。

 どこ行っちゃったんだろ……とりあえず、もう一つの目的を果たすべく、まだ中身を見ていない引き出しを開けてみる……ほとんど空だったけど、机の一番下にあった引き出しには、沢山の書類が入っている‥そしてその下には、風化し色褪せた‥いや色褪せすぎている書物が入ったガラスケースが隠されていた。

「……」恐る恐るそれに触れようとしたけど、踏み止まり、一旦手を離した。

 その書物の見た事もない字たちは、異様なオーラを放って、本能的な恐怖を感じたからだ。

「これ以上ガサ入れするのはよそう」

 掃けた資料にも目を通す気だったが、そんな気も失せてしまうほどに、あの書物は、触らない方がいい気がした。

「はぁ‥母さん、私‥ホントに戦わなくちゃいけないの?」

 ソファーに寝転がって呟く、当然答えは返ってくるはずもない。

 襟の中から笛を出して目の前に掲げて……ぼーっとしてみる‥今は吹く気分にもなれなかった。「ライト‥」

 何故か笛を見つめるとライトのことで頭がいっぱいになってきた‥ってなんだなんだ! 恋人でもないってのに! 

 こう言う時は外の空気吸うのが一番かな。と今日は帰ることにするかと、外へ出ると‥携帯が着信音を相馬しく鳴らす‥ってはぁ!? 

 画面を見ると、地震も来てないって言うのに津波注意報が発令されている‥何があったんだ? 、気になってニュースサイトを遡ると、今度は海に何かが現れたっぽいけど、これまでとは違い、蛇の様な姿をし、額に発光体が着いている……ホント最近何が起きてるんだ? 

 って待てよ……今確か海って日出海さんが今起き網漁に出たばっかだったよなぁ……無事であってくれと願いながら地図を見るとその網の位置では無かったが、もし津波が起きたらなら被害圏内だろう……

 とりあえず、急いで避難所‥行かなきゃかな。

 

 同刻、商業区

 背筋に電気が走る様な感覚に襲われた……日本(こっち)でこの感覚に襲われるなんて……いや、待て……普通にレアケースが起きたか、覚醒済みの“アレ”が動いたのか? ……とりあえず、そこまで遠くはなさそうだし、現地へ向かってみるか。

 ……ん? なんでそんな感覚が走るか? ……魔法が使える人は近くに強い魔力を感じると防衛本能で背筋に電気が走る様な感覚に襲われるんだ‥。

 そして、現地に着くと‥海は昨日と打って変わって高波がうねりを上げている‥まるで内側から人為的に動かされているかの様に……だが、この波の動きには見覚えがあった。

「海竜……なのかな」姿は水の中でまだ見えない……だが微かに見える影は大きなヒレを持った蛇の様だった……蛇というよりかは30m級のリュウグウノツカイが居ると例えた方が伝わるかな。

 とりあえず、早いところ対処しないと津波が起きる……

「あら……こんな所で……」「今度こそお前の首を!」「……」

 フォイと呼ばれていた仮面のアイツと、船の二人が現れ、フォイと呼ばれていた彼は私を見るやすぐに飛びかかってきた。

「覚悟!」「‥aぶなっ‥」

 それを魔力壁で防ぐが……その音で周りでパニックを起こしている人達の一部がこちらに気がついた。

「‥全くあなた方何考えてるんですか……日本沈める気ですか?」

「ニホン? ‥そう言えばここ、そんな地名だったわね。‥まあでも、私たちにとっても、この土地が沈むのは困るわね」

「じゃあなんですかアレは‥」「だれかさんが艦橋を破らなければアレは現れなかったっていうのに‥」

 最悪‥あの時散らばったうちの一個か。

「はぁ‥」「でもあれが居たら面倒だから今回ばかりは協力……」「んな虫のいい話ありますか? ……私の手で勝手に対処させてもらいますから」

 私はそう言ったまま海の方を向いて‥勾玉を掲げ‥「 虚空を割く鋼の刃‥」と詠唱を始めると、フォイが来た‥

「この野郎っ」「……パスワード省略!」

 ため息を吐き、工程をスキップして刀だけを装備し峰で受ける、この戦闘狂め。

「‥中々‥」「もう‥殺生はなるべくしたくないので、やめてもらえますか?」

「……聞いてた通りホントに頑固ね‥じゃあこっちはこっちでやらせてもらうわね」

 そう言って後の二人が柵の外へ飛んだ。

 私もすぐさま後を追って飛び、防護服を纏った。

「刺激を与えたら何が起きるか分かんないでしょうが!」

 そう言いながら刀を振るい、見晴らし台の下で互いに睨み合う……

「殺生はしたくないんじゃなかったの?」

「‥それもありますけど、今の最優先事項はあなた達の逮捕と‥あの海竜の調査……だから下手に刺激する様であれば……」

「‥じゃあ結果的にあの海竜は放ってる事になるけどいいの? ‥」

「ッ‥」

 歯を食いしばったが、図星をつかれた事の動揺は隠せない。

 しばらくの沈黙が続く‥だが、その沈黙を破ったのはどちらでもなく、その海竜が水面から顔を出した音だった。

「あっ……」「こっちの世界でもこんなに育つのね‥ヴァッサ、捕獲しましょ」

「will do」

「──-させないっ!」

 黒い船の二人のムキムキな方に立ち塞がり行手を阻む。

「平和的に済ませたいんですけどっ!? ……」

 地震が起きて体制を崩し、お互いに怯む‥そして先に立ったのは‥アイツらだ。

「まちなさっ……」「個体コードdaughter!」「フォイアル、そっちは任せたわ」

 またフォイが私に飛びかかり、私の首を狙う……こんなとこで死ねるか! 

「もう! ……あなた、なんで私に執着して‥」「何故かな‥この身体が欲してるんだよ‥お前を!」

 そのまま抜刀して居合をかまされるが、バック宙で交わし、そのまま側転して着地する‥けど構え直す前に奴はそこに居た。

「なっ……あぁ“!」

 そのまま腹部を蹴られて体制を崩し、水面に打ち付けられる。

「この前はまぐれか? ……」「‥な訳……」

 強がっては見たものの、ここじゃ得意な戦術は使えない、それにこの武器の扱いも不慣れなままだ‥

 けど、仕掛けなきゃ……やられる。

 踏むたび削れていく浅瀬の砂の上を鈍く走る‥でも思う様に走れない……でも目の前には狂った表情の仮面の男が私を煽る……今に、見てろ! 

「我流炎斬技、回転ノ壱────────」

 ──-海中の岩をなんとか踏んで泥濘を脱し全身を宙に浮かべると‥フォイは関心している様な表情を見せた。

「────-飛竜斬!」

 刃で遠心力を生み、浮かべた身体ごと刃を縦に回すが、刃同士がぶつかり、そこで勢いを殺され彼の背中を前転していく様に慣性で彼の背後に不時着した。

「……これはまだまだ楽しめそうだな‥ッ? ……チッ!」

 彼が舌打ちし、見つめる方向を見ると、昨日も見た‥あの機体が空を裂いた。

 ・

 ・

「こちらMB-05、目標を確認……と付け加え奇抜な服装の団体が交戦中‥」

『司令室、了解‥攻撃許可、奇抜な団体の方は優たちを向かわせる。なるべく陸から離せ』

「了解」

 あの機体は海竜の上を旋回飛行するのを止め、私達にお構いなしで発砲した。

「また来たわね‥でも、これはチャンスかも」彼女は銀色の卵方の塊を懐から出したのが見えた。

……(あれって‥)、ちょっと退いてって!」

 反射的に振った足がフォイに当たり‥その隙を見て彼女の方へ飛んで、それを投げるのを阻止するが‥彼女の手にはその塊はなかった。

「あれ?」「‥あら‥間違えたみたい、‥でもちょうどいいわ」

 卵は水面で割れ、十数体の人形が現れた。

「‥やっぱりメタフルエッグ‥しかも面倒なのを‥」

 アンラッキー続きだよ‥ホントに‥でも頑張りますか! 

「シャイニー、ちょっと無茶していい?」「of course(止めても無駄ですよね?)

 私はリボンの端を引っ張って髪を解いて、静かに瞳を閉じて────────

 

 

 

 

 澪が現着した頃‥響花は、崩れた商店街の前で足を止めた。さらに初めて空へ上がった日に、崩れたあの場でも。

 立ち入り禁止の線の前に、花が供えられているのが目に止まったからだ。

 やっぱり、被害者は‥死者は出てたんだ。

 私はその花の前に座り込み、黙祷を捧げた。母さんの仕事のせいで人の死に対して余り感傷的になれなくなっていた気がしてたけど、そんなことはないみたいだ‥胸が苦しい

「ごめんなさい‥私が‥」

 やっぱり、私でいいのだろうか‥私じゃ力不足だよね‥

「こんなところで会うなんて‥」

 避難警報が忙しく鳴り響く中、黙祷を捧げる私に誰かが声をかけた。

「碇‥先輩?」

 その人物は、碇礼司(いかりれいじ)‥一個上の先輩で‥中学の頃から私が想いを寄せてる相手だ。

「キミも逃げ遅れたのかい?」「い、いえ‥別に‥」

「そうか……あの戦いが終わっても、こんな悲しみは続くなんて、悲しいよね」

 碇先輩も、花を見つけると、短く黙祷を捧げた。

「でも、昨日、あの2機が来なかったらこれより沢山の花がそえられたのかな‥」

 私はもう、考えること放棄して、こんな事を聞いてしまった。

「もし、先輩があの機体に乗って戦って‥結果がこれだったら、どう思いますか?」

 すると、碇先輩は考えるなもなく答えた。

「奇遇だね‥もしかしてキミも同じこと考えてたのかな? ‥」

 彼は海の方を見つめて話を続ける。

「確かにあの片方を操って戦かえるなら答えはYESだ。

 もしも‥自分が英雄になれるなら、自分の手で救える力があったら‥ってこんな状況の時、思ってしまうんだ‥でも僕らはそんな力はないから、トライする可能性もないのが悔しくなるんだ……幼い頃に見たヒーロー番組のせいかな、こんなこと思うのは」

 クールな立ち振る舞いで語り口は優しく‥やはり惚れてしまう。

 英雄か……私はその器なのだろうか? 救える力は持ってるって言っていいのだろうか? 

「そんなことないと思いますよ、誰かを大切に思うのは不自然じゃないですし‥てか碇先輩もちっちゃい頃見てたんですか?」「ああ、縋り付くようにテレビの中の彼らに憧れたよ‥さて、足止めしてごめん、とりあえず────────」

 憧れ……力‥可能性……

 “一度決めたらやり通しなさい”……そうだ、母さんの言いつけ‥やってみるか? ────────

 その時、背後から大きな物音が聞こえた、後ろを見ると、空音の乗った機体とその海竜が交戦し‥そこにまた、あの銀の翼を持った怪物が現れたみたいだ。

「────-どうした?」「碇先輩、ありがとうございました‥私、やること思い出したんで!」

 そう言い残して私は走り出した。背後で彼がニヤリと笑ったことには気がつかずに。

 

 少しして‥チームkeyの基地内オペレーションルーム。

「ちょっと離してくださいって‥」

「どうした? ‥なんだ、お前か」「司令、お知り合いでしたか?」

 入って早々に侵入者扱いを受け、司令室へと連行され、鶴の一声の様に彼の声で私は解放された。

「何しに来た?」「‥決めたんです、私、戦います!」

「なら質問だ‥お前は何故戦う?」

 そんなの即答できる。

「私は母さんに選ばれた‥私はあの機体で空を駆って、みんなを守れって事だと思うから‥だから私がやらなきゃいけない、私がみんなの為に──-」「帰れ!」

 海堂は私にそう言った‥スカウトしといてそのリアクションって一体‥

「なんでですか? ‥昨日あんなこと言っといて‥」「確かに、質問が悪かったな‥ではこうしよう。

 お前は見ず知らずの他他人であっても、その命を救うために自分が死んでも悔いはないか?」私は目を見開き‥唾を飲んだ、でも答えは一つだ。

「悔やみません‥むしろ私が生贄になります」「ならもう一つ聞こう……お前はここで何がしたい?」「私は‥自分の身を捨ててでも、身近なみんなや‥罪のない人を守りたいんです! 母さんに選ばれたからとか関係なしに‥だから‥だから──-」

 最後の一言を言う前に彼は私の頭に手をポンっと置いて「合格だ」と告げた。

「えっ‥」「俺は純粋に人を守り、そしてそこに利害を求めない人材以外は部下にしたくないからな、”英雄になりたい“だなんてのは言語両断お断りだ」

 やっば‥言わなくてよかったぁ‥

「ようこそ、チームkey へ‥ぶっつけ本番で行けるか?」

「もちろんです♪」

 そのまま格納庫へ行こうとすると、司令席後方の誰かが私に話しかけて何かを投げ込んだ。

「ちょっと待った、これ着てって!」「わわっ! ……なにこれ、服?」

 キャッチしたその塊を広げると、ちょっとダサいタイツ状の服だった。

「ハイパークッションスーツだよ、あの中での揺れや衝撃を80%以上カットする優れもの、生身じゃ危ないですし」

 前回まで生身で乗ってたから意外といけるものかと思ってた……

「一応シューターに入ったら勝手に装着できるけど、今回は初めてだからね……」

「──-なんかよくわかんないですけど、わかりました! ところであなたは?」

「おっと、ごめんね。君たちフライトチームのオペレーターを務めさせていただきます、鈴原颯(すずはらはやて)って言います」

 彼女は挨拶を済ますとビシッと敬礼した。

「よろしくお願いしますm(──)m」

 私はそのまま部屋を出て、さっき言われたシューターのある場所に着くと、そこで、天使のような姿の少年が待っていた。

「来てくれるって‥信じてたよ」「‥えーっと、どちら様?」

「‥僕だよ、僕────こうならわかる?」

 彼はヘアバンドでかき上げた髪を下ろす‥すると見覚えのある顔に見覚えのない服装の彼になった。

「‥ライト! 髪どうしたの?」「別に、前髪邪魔だっただけ‥あっそうだ、キョウカ、これ使い方わかる?」

「初めて見たけど‥」「一応上のスイッチで番号選んで、あとは滑って降りるだけ‥今回は2番に入ってるから」

 言われるがままにスイッチをパチパチと弾き、02番に設定した。

「あとは降りるだけ、こんな感じで!」「ちょっと待ってって!」

 ライトが勢いよく飛び込んでいくので、私も隣へ飛び込んだ‥すると私の身体には、勝手にさっきのクッションスーツが装着されていた。

「おおー‥」「で、あとは今まで通り」

「ok♪ ‥セーフティリリース、「ユニゾン、ゴー!」」

 鍵を刺して回し機体を起動させると警告画面が現れた。

「ん? …… Unknown unit is (コネクトレールに)connected to connect rail(不明な装置が接続されてます)?」

『それは君へのプレゼント……ピンチになったら使って』

 インカムからさっきのあの人の声がした。

「こんなの載せて飛べるんですか?」『そこは問題なし、安心して使って──-じゃ、早速お願いしまーす』

 彼女の声と呼応して転車台によって機体の向きが変わり、底面のレールと2本のレールが噛み合い、磁力を帯びる、私は深呼吸して、それから喉の調子を整えて‥息を大きく吸った。

MB(メロディックバーズ)ー01「ライジング=エンジェル」天音響花‥出ます!」

 音速を超えた速度で空へ投げ出され、すぐさま羽を開き、大きく宙返り旋回して戦場へ、さっきの少しダサい服のおかげか、慣れなのか、今回は酔わずに済んだ。

「パイロットスーツ、なかなか似合ってるじゃん」「そりゃどうも」

 こんな雑談を交わしてもなお、出力は安定している‥他の人だとどうなるのか知らないけど。

「目標‥補足! 、あれ?」

 海上二体のうち、宙を舞う一体を狙い撃つが‥昨日この前の様には行かない。

「ごめん、僕の出力不足だ……」『──────(キョウ‥ちゃ‥)────(じゃない、きっと違うんだ‥)今更何しに来たの?』

「手を貸しにきたんです、空音さん」『ky‥じゃなくて天音、いいわ‥そっちは任せる──-』

「いや、共同でいきましょう! 昼間みたいに♪」『バカなの? あなた‥』「バカでも結構ですよ〜」

 彼女、空音澪とそんな言葉を交わしたあと、司令室から情報が入った。

 どうやら銀の怪物は前回とコアの位置が違うようだ。

「この位置で照準固定してっと……まただ!」「‥ごめん、僕が‥」『もう、素人は見てなさい!』

 ‥この前のはまぐれだったのかな……そんなはず、ないよね。

「折角来といて黙って見てられるかぁぁぁ!」『邪魔しないで!』

 彼女の機体を追い抜き、やけ撃ちする、当たってるのに‥痒くもないみたい。

 なんで‥なんで効かないんだ‥なんで、どうして────-あの時との違いはなんだ‥あの時との────────

『01出力レベルが50%を下回ってます‥』『見込み外れだったか? ‥何が足りないって言うんだ──-』

 そんな無線が聞こえて来る‥足りないもの‥足りない……

 “ メンタルバランスを整えて最大のコンディションと出力になった状態‥それが最活性化状態(フルテンショニング)だ”“ カナやキョウカの歌を聞くと何故か安定するんだ”

 そんなことが頭を過った。

 まさか、ね。

「今年もまた渡る‥鳥たちの歌〜────────」

 私は目を瞑り、あの歌を口ずさむ‥すると、怪物たちが悲鳴を上げた‥効いたみたいだ。

「やっぱり!」「どう言うこと?」

「私が歌うとより安定するとかじゃないんだ‥私が歌うことで、3拍子揃うんだ!」

『────-確かにあの数秒だけ、出力レベルが許容量の70%以上に達成してました』『……鍵、楽器に当たる二人の乗り手‥そしてそれに対応した歌と……なるほどな‥やってみろ!』

「Roger、真也さん」『任務中だ、海堂司令と呼べ』

 私はそのままカーステレオについてるような再生機器を操作し、MDを再生し、深呼吸して、身体の奥底からその声を吐き出した。

「────-遍く空♪ 響く声 その声は聞こえてますか? ‥遥かなる──-」「すごい‥久々だぁ────-この満ちて来る感じ!」

 私が歌い出すと機体は桜色の光を放って速度、威力、反応速度が上がっていきあの時の出力に達していく。『ホントに、歌ってる──────(やっぱり‥ホントにキョウちゃん‥なの?)

「世間も知らない♪ まだまだ未熟な〜♪ ────────」

 ここでその体表の金属を剥がしきり、コアが露出した。

「──-伸ばしてこうよ〜っよし、今だっ!」『ああ、ドライブウェポン、発動承認!」

 私は歌うのをやめてコントロールパネルから、さっきのユニットを選択する

「えーっと名前は‥はいはいOK……「ドライブウェポン、アクセルカノン‥」

 そのユニットの半分が回転し、長い光線銃を形成した。

「フィニーッシュ──-「イグニッション!」」

 引き金を弾き、太い光線を放ち、銀の怪物を跡形もなく蒸発‥いや文字通り爆散させた‥ように見えたが……

「よしっ‥ビクトリー!」『じゃないわよ! ‥』

 コアの一部と残った金属で形成された小さなその怪物の悪あがきに、私は気がつけなかった。

『エクステンドエッジ、フィニッシュイグニッション!』

 私と衝突するかしないかのギリギリで、空音がその残りを突き刺して息の根を止めた。

「────────」『甘いわね、……まああとはあっちの海竜だけよ』────-

 ・

 ・

 ・

 十数体の人型を処理し切ってもう一度髪を結ぶと空中では、大きな爆発音がした‥あいつらがこの人型の後に出した鋼の飛竜が爆散した音だった。

「あれが落とされちゃもうお手上げね、今日は引きましょ」「まった! ‥あぁ」

 結局取り逃がした、ホンッとついてない……って言ってる場合じゃないや。

 あの海竜を落ち着かせなきゃ‥と、空を見ると‥マズいあの2機が狙ってる。

Oh my got. It's time out(悔しいですが‥時間切れですね)」「いや、シャイニー‥多分まだ間に合う」

do you have plan? (どうする気です?)」「“エール”の力を借りる‥いいよね?」シャイニーは乗り気じゃないみたいだけど、反対を押し切って私は小さな宝石を天に掲げた。

「鏡を破りし長き刃……我が波となりて海をかけ、水晶よりその姿表せ……その名を持って命ず、来よ、我が竜シェルクエール……盾龍招来!」

 その水晶を海へ投げ、自分の魔力で作られた体に閉じ込められた魂を移して、巨大な海竜が姿を表した。

「おいでっ♪ シェルクエール……っちょっと‥くすぐったいてば」

 私をみるや近づいてスキンシップを始めたこの竜は、私の召喚獣の一体、シェルクエール、通称はエール。ったく‥初めて会った時の威厳はどこへやら‥

「久しぶり、早速だけど、お仕事いいかな?」

 彼はすぐに私に背を向ける、そこにしがみつくくとすぐに沖の‥かなり遠い方に行ってしまったもう一体の海竜の方へ泳ぎ出した。

『ー海中より熱源反応‥もう一体何かいます!』『嘘っ!』

 出せるだけの最速を出して浮上した彼の背中で助走をつけて飛んだ私をエールは尾鰭をラケットのように使い私をあの発光物がある額へと飛ばし、刀をその発行物に向けながら私を詠唱する────

火炎ヲ(ファントム)纏フ幻影(ブレイズ)ノ翼よ(フリューゲル)……悲しき怪物をあるべき姿へ。

 コール、クルリア、クラシカル……戻す力をこの手に宿せ……」

 着地して、その発行物へと刀を突き刺した。

遺伝子結晶(マギア・クリスタル)記録種(カインド)海ノ怪物(リヴァイアサン)……封! 印ッ!」

 全て唱え終わると、その海竜は全身が結晶の様になり、ひび割れて消えた。

『アイツは……、優、ユキ‥すまないがそっちが済んだら向かって欲しい場所がある……』

 あちらの司令室でそんな会話がされる中、私は砕けた海竜の欠片に紛れた本体を左手で掴んで海に落ちると、エールが私を見つけて水面に引っ張り出した。

「……おつかれさま‥とりあえず目立つとあれだし、ここから離れよっか‥ってもう!♪」

 彼を撫でながらそう言うとエールは鼻先で私の体をひょいっと宙に投げて自分の背中に乗せて近くの港へ向かった。

『……海堂司令‥』『お前らはよくやった。帰投しろ』『『『『了解』』』』』

 ふと後ろを振り返ると、あの機体たちも帰っていったのが見えたので、静かに敬礼してっと。

 それから十分ほどで陸に上がれそうな場所に着いた。

 背中から低い堤防に登ると、私はふらっと体制を崩して倒れそうになって、エールが受け止めた。

「君のせいじゃないよ‥心配症だなぁ‥」

 彼は不安げな目で私を見つめてる‥確かに召喚は沢山の魔力や体力を使うけど‥

「‥じゃあ、またね」召喚魔法を解除すると、彼は笑って小さな宝石の姿になった。

 それから、コンクリートの堤防に寝っ転がって、月の光にエールの石をかざしてみるけど‥しばらくは動けそうにないや‥手を下ろし、大の字になると、聞き覚えのある声と、バイクのエンジン音が聞こえて‥つい目に涙を浮かべてしまった。

「‥ホントにいた‥久しぶりだな、咲」「こっち来てたんなら連絡してよ〜♪ サキちゃん」いつぶりだろうか‥ちゃんと名前で‥咲って呼ばれたのは……

「優さん‥ユキさんっ! ‥」私は溢れる思いのままに二人の胸に飛びこんだ。

「どうした、どうした‥」「だって‥だって、あの黒い船を追ってきたら地球に来ちゃうし、アークが壊れちゃって連絡もできないし‥知り合いにも会えなくて‥心細かったんだもん」

 優さんに泣きつく私をユキさんが私の頭を撫でながら優しく語る‥

「それは大変だったね‥よくがんばりました」

「とりあえず、俺たちの基地に案内する‥そっからなら連絡取れるだろ」

「基地って‥設立できたんですか、チームkey!」「ああ‥あっ」

「どうしたの? 優くん……」「しまった‥バイク一台じゃ3人は無理か」

 いつも通り仲良く二人乗りしてた弊害か‥でもなんかそれも優さんたちらしいや。

 疲れはどこかへ吹き飛び、私の顔から勝手に笑みが溢れた。

 

 To be continue……




次回予告
こうして始まった私の二重生活‥?いや待て、なんでライトと一つ屋根の下で?
そして、あの船とやってきた組織の正体を赤いリボンの少女が明かす。
次回、第11話「姉弟みたいだね」
次回もセーフティリリース、ユニゾン‥ゴー!
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