響ヒビカセ心ニ届ケ(仮題)   作:高町魁兎

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第ニ篇 Excellent Ear
#13 mission:母の日


 5月7日の放課後‥ああ前回派手に校舎壊れたけどって? 

 それがねぇ‥ある頭おかしい建築会社がいてね、GWの間にすんなり直しちゃったんだ。

 さて話を戻して、休みも明けた今日の放課後、久しぶりに愛緒と寄り道して帰る事になって、商店街、ほぼ市場だけど‥そこでウィンドウショッピングする事にした。

「真っ赤だねぇ‥」「来週母の日だからね」「そっかぁ、第二日曜か」

 毎年日付違うから忘れちゃうんだよなぁ‥っとぶらぶら歩いていると、アンティークショップで見覚えのある顔と出会った。

「空音」呼びかけると過剰に驚いてから振り向いた‥

「何しに来たの」「見かけたから声かけただけなんだけど」

「あらそう……天音、今一人?」

 なんで人数を聞いたんだ? 「いや、あおと‥」「キョウカ? ‥あっ」

 いいタイミングじゃないって今は‥

「へぇ〜空音さん♪ こういうの興味あるんですね〜いつも勉強勉強のイメージでしたけど」

「ええ、少しだけ……母の日も近いので」ったく、私以外がいるとこじゃ愛想振りまきやがって、GW中に気がついたけど、空音が冷たいのは誰に対してでもだけど、特に私に一番冷たい気がする。

「ねぇ、キョウカ、いつから交流あったの?」「勘違いしないでよ、友達じゃ、ないから‥」

「天音‥お借りしてもいいですか?」「どうぞどうぞ〜♪」

「ちょっ待ってって」

 空音は私を人目の少なそうな場所に連れて行くと、少し顔を赤くして案外大した事ない質問を投げてくる。

「天音……あなた、プレゼントで貰うならなにが嬉しい?」

「プレゼント? ‥そーだねぇ‥ってわかったぞ、母の日の贈り物選んでた?」

 そういうと、空音は目つきを悪くした。

「そんなわけないでしょうが‥」「ちょ、ストップストップストップ! ごめんっ! 何か気に触った?」

「いえ、別に」

 そうしていきなり機嫌を悪くした空音は、逃げるように店を出て行ってしまった。

「……なんだったんだろ?」

 

 

 

 

 

 

「────-ってことがあってさ」

「ふーん‥もしかしたら、キョウカと同じ境遇なのかもね」

 私はライトに空音のことを話した、因みにこの休みを通して毎日同じ屋根裏で寝起きするようになって、ライトとはかなり仲良くなれた気がしてる。

「でもキョウカ、プライベートな事情だから、付け込みすぎない方がいいんじゃない?」「だよね‥」

「だけどさ‥僕は澪のことよりもさ、贈り物に込められた意味って話の方が気になるかな?」「ライトってロマンチストじゃないんだね‥」

 やっぱりこの子の頭の中身は母さんが教えたあれこれくらいしかないようだ、だけど、無知な分色んなことに興味を示しちゃうところは可愛くてしゃーない。

「まあでも‥靴と香水は避けた方がいいって事だけは覚えといたほうがいいかな? あと、ライトは男の子だから櫛も気をつけなきゃだね?」

「なんで?」「靴は踏みつけるものだから、見下す。香水は遠回しにあなた臭いよと受け取られるし、櫛は「苦」や「死」を連想させるから、生涯あなたと苦難を共にしますという意味じゃないなら避けた方がいいね」「じゃあ、咲ちゃんってそういう相手がいるってこと?」

「なんで?」「櫛って髪留めのことだよね?」

「違うよ‥髪留めまた別、しかも装飾で意味が変わるんだ、咲ちゃんだとリボンだから‥絆や約束って感じかな。本人も言ってたけど、あのリボンは自分の名付け親が寂しくないようにってつけてあげたって言ってたじゃん」

「思ってたより難しいかも‥‥」「でも、相手側が気にしてなかった場合は、普通に空回るだけだからね‥」

 ‥弟といるお姉ちゃんってこういう気分なんだろうか? ‥航太? ‥あの子はずっと生意気だったから‥ノーカンだノーカン。

「結局空音‥あれ、誰宛の見てたのかな?」「さぁね‥ミオの家庭環境ってあんまり知らないし‥、「あっ!」」

 二人一緒にひらめいてお互いに顔を合わせてから携帯の連絡帳を漁る、この人なら知ってそうだし聞きやすいや。

 

『────────澪が? ‥そっかぁ、それはあの子の気に触っちゃうよ』

 私たちが電話をかけた相手はオペレーターの颯さんへだ、この人だったら空音と交流多いし、平時はかなり暇そうだったから、かけてみたら出てくれた。

「やっぱり、今機嫌悪いです?」『まぁね‥だけど仕方ないって、響花ちゃんはまだ知らないもんね‥』

「えっと‥なにをですか?」『澪の家庭環境についてだよ、あの子、複雑でね。

 澪は、ある事情があって、ミラと二人暮らしなんだ』

 両親とは一緒に住んでないんだ‥意外だなぁ。

『まあその事情はね‥響花ちゃんも知ってた方が良いことない気がするけど、本人が人に話してほしくないっていうから、ごめんね‥教えられないの』

「ですよね‥」確かに私も実際実家じゃないとこ住んでるもん‥探られたくないのはわかる。

『だけど、そのお店覗いてた理由に心当たりならあるよ』「‥こっそり教えてくれません?」

『いいよ‥次の日曜日、5月11日はミラの誕生日なの』

 ほーん、全部繋がった‥気がしたけど‥じゃあなんで母に日ってワードで過剰な反応を見せたんだろう。

 ・

 ・

「じゃあ、おやすみなさい」

「‥誰と話してたんですか?」「響花ちゃんだよ」

 基地では電話を切った颯さんの元にちょうど澪がいた‥またシャワー浴びて仮眠室行く気だろうか? 

「キョウちゃんですか‥」「うん、澪を商店街で見かけた時に逃げちゃったってね」

 澪は目を擦りながら「まあ、はい‥そうです」と答えあくびした。

「やっぱり、響花ちゃんのも‥“聞こえちゃうの”?」「ええ、でもあの子‥本当に私のこと忘れてるのが、わかっちゃって‥辛いんです」

「そっか‥」「やめてください、私は子供じゃないんですよ」

 鈴原さんは澪を宥めるように視線を合わせて手を出してみたけど、未然に阻止された。

「だけど、あの子の声は、“外のも中のも綺麗なんです”、だからこそ‥やっぱり昔のあの子に戻って欲しい‥ただのワガママですけど」

 鈴原さんは静かに微笑してから優しく語った。

「真也さんが言ってたんですけどね‥元も子もない話だが、その部分の脳細胞が死なない限りはアウトプットは可能なんだ、呼び出すトリガーさえ見つければな。って優さんの記憶が吹き飛んだ時言ってたし‥だからそのうち戻るんじゃない」

「トリガー‥ですか?」「一回キョウちゃんって呼んでみるとか?」

「それは絶対嫌です‥あの子が思い出すまでは絶対そう呼びたくない‥今のあの子は天音であってキョウちゃんじゃないもの」

「そっか‥じゃあとりあえず時間も遅いから早く寝た寝た。何時だと思ってるの?」

「うっ‥わかりました、おやすみなさい」「はい、おやすみ」

 澪が廊下に出ると、そこに居るのは腕組みした私である。

「ごめん、澪‥盗み聞しちゃった」「いいですよ深海さん‥聞かれて困ることなんて、私にはないですから‥」「みーおっ♪」

 そのまま去ろうとする澪を抱きつくように引き留めた。

「離してください、何のつもりですか?」「硬いなぁ‥そろそろ名前で呼んでくれてもいいのに」

「いいじゃないですか、支障ないですし」

「まーそこは本題じゃないからどーでもいいとして澪‥中の声ってなに?」

────────(邪なのはほとんど感じない‥)あなた、聞いてた通り、ホントに好奇心の塊なんですね‥やむを得ない場合以外は今から言うこと、漏らさないって約束できますか?」

 ・

 ・

 ・

 翌日、昼‥

 私はいつものように歌いながら屋上への階段を駆け上っていく‥まあどーせ誰も居ないだろうしね、とドアを開けると。

「近くにも冒険がまって♪ いるかなぁ〜‥あ?」

「ご機嫌ね、天音」「ここ気に入ったの? 空音」

「いいでしょ、どこにいても」

 珍しく先客がいた‥だけどまあ、捕まえる必要無くなったしいっか。

「とりあえず、昨日はごめんなさいっ!」「‥何故あなたが謝るの? 、謝るべきは私なのに、だからここに伏せてたのに」

「伏せてたって‥言い方よ‥」

 彼女は風に吹かれながら、平常を保っている‥そして雰囲気を崩したせいで、私の謝り損である。

「でも、プレゼント選びしてたんだよね‥付き合おうか?」

「余計なお世話よ‥」

「────-ふーん、素直になりなよ。澪」「わっ!」「あっ貴方どこから!?」

 なんの前触れもなく、何故か屋上に咲ちゃんがいる‥なんで? 

「いや、どこから出てきてもいいでしょ、こう見えて魔導士だよ?」

「だとしてもだよ!」

「まあ、この前来た時にここ風通し良さそうだったからさぁ‥だから来ちゃっただけ。邪魔したね」

 そう言うとすぐに駆けて行って、階段の方へ行ってしまう‥追いかけてみたけど、何故かドアを開けても中にはいない──────実際には壁に張り付いて死角に居たんだけど。

「いない‥」「神出鬼没ね」

 ・

 ・

「────-ふぅ‥あぶないあぶない‥だけど、確かめたいことは確かめれた」

 天井から踊りおどり場へ着地してあたりを少し警戒し‥誰も通って来なそうなので脱出は容易っぽい。

 とりあえず、イヤホンしてる時はあまり効果がないことと、響花の歌から感じた魔力は‥どちらも気のせいじゃないことは裏付けれた、これだけでも収穫だな。

 でも‥響花が歌ってない間もちょっとだけするこのざわざわなんなんだろう。

 まっ見つからないように敷地の外出ますか。

 ・

 ・

「──っ、いつになく風強いなぁ‥」「それもそうでしょうね」

 空を見上げると、鳥が騒がしく飛んでいくのが見えた。

「なんか最近変なことばっかだね」「そうかしら?」

 結局一緒にお昼にすることにした私たちは特に話すことなく寂しくお弁当を食べ終える。共通の話題すら見つけれなかったや‥

 そして去り際「放課後、下駄箱で待っててくれる?」と彼女は私に言った。

「OK♪ 付き合ってあげる」「じゃあ、また」

 やっぱりこの子ってば無愛想だ‥絶対笑顔引き出してやるっ。

 

 だけど‥そんな平和な放課後は来なかった、6限目が終わったくらいだろうか? ‥

「よーし……」「ご機嫌だね、キョウカ」「何かあったのかぁ?」

「まあね、今日は待ち合わせあるから、じゃ、またねベル、あおはまた後で」

 私はHRのあと一番に教室を飛び出しして下駄箱へ行くと、そこに空音の姿は見当たらない‥鞄を見ると通信機が騒がしく揺れている……要件を聞きながら私は屋上へ階段を駆け上がると、そこには空音がいた。

「ごめん、遅くなっちゃった」「いいわよ‥さっさと済ませましょう」

 真後ろから来る機体をバッチリ視認して通り様に乗り込み、鍵を回した。

「「セーフティリリース、ユニゾンッ、ゴー!」」

「‥ミオ、ごめんなさい‥」「なんであなたが謝るの?」

「だって、今日は寄り道するって‥」「こうなってしまった以上は仕方ないでしょう」

 二人の会話は通信越しに聴こえた‥空音、やっぱり楽しみにしてたんだ。

『C-61地区に水晶獣(レプリカビースト)出現、お前たちの今回のミッションは地図で示した位置まで誘導すること、封印はアイツがやる」

 表示されたレーダーウィンドウを見ると、解体途中のビルへ誘導しろと言う内容だ‥だけど、ちょっと遠くないか? 

『了解‥作戦を開始します』

「チャチャっと終わらせます」

 私はMDを交換して‥ライトに問いかける。「ライト、今日の気分は?」

「明るくポップな感じで」「OK♪」

 番号を指定し“stand up”を再生しながら私はそれに接近する。

「始まった‥」

 イントロが終わると目の前まで下降し一気に上へ‥そして注意を引きつけて‥

 閃光弾を用いて傷付けないように道を示す‥すると地を這う巨大なトカゲ、いや竜というべきか? ‥それがこちらへ近づいて来る。

「やっぱりやるわね‥あの子」「ミオも続いて」

 私の動きが良すぎたのか、空音はほぼ手を出さずに居るだけだった。

「──-〜♪ 、よしっ、いいよ〜こっちおいで〜♪」

 1コーラスを歌い上げたところではまだまだついてきている、目標ポイントまではあと少しだ……

 他の建物への被害を出さないように少し回りくどい道を経由して‥残り弾数が一桁になった所で目と鼻の先まで接近する‥

 器用に、ギリギリで閃光弾を放って機体を90°跳ね上げる‥するとそのトカゲは壁に突っ込んだ。

『‥お疲れさん、あとは任せてっ!』「お願いっ!」

 誘導に成功したところで咲ちゃんにバトンタッチすると、起き上がったそのトカゲに真正面に飛び込む────────

火炎ヲ(ファントム)纏フ幻影(ブレイズ)ノ翼よ(フリューゲル)……悲しき獣をあるべき姿へ。

 コール・クルリア・クラシカル‥戻す力をこの手に宿せ……

 遺伝子結晶(マギア・クリスタル)記録種(カインド)電撃大蜥蜴(エレクトリザード)、封ッッ印!」

 ──-刀を差し込み‥そのトカゲにヒビが入って割れる。

 丁度1曲分‥4分半でこの件は解決した。

『ミッション、コンプリートです』『了解‥作戦行動終了、帰投しろ』

『りょうかいっ?』

 咲ちゃんが相槌を打つ特に何か違和感を感じたみたいだ。

「誰っ!?」「‥流石は獣‥気づいたか」

「私は獣じゃない……人間だっ!」

 咲ちゃんの元にフォイエルが現れ、そのトカゲのクリスタルを狙う。

「──-あぶねぇな、だが‥ソイツは狙っていたクリスタルだからな」

 咲ちゃんに敵の手が迫り‥1対1の攻防を繰り広げる‥降りて助けに行かなきゃ‥足手纏いかもしれないけど。

 そう思った矢先、何かの弾で被弾した。

「ッ! ……誰だっ!」旋回してその方向を見ると‥そこには‥

「黒い‥機体?」

 同型と思わしき機体がそこに居た。

「なにあれ‥」『司令、攻撃許可を!』『落ち着け! 澪』

 海堂司令が止めたけど‥時すでに遅く、その機体は私達の2機に対し、器用に間をすり抜ける様に発砲する‥そして‥例の機体から手足だけが生えたフォルムの状態になり、私に遅いかかってくる。

「ちょっ、どういう事!」「兎に角‥逃げるよっ!」

 一体全体どうすれば・本格的な交戦は経験がないため、交わすのが精一杯で全く反撃できない。

『海堂司令、撃墜してもいいですか!』『だから落ち着け! ‥って言って聞く気はない様だな‥自分で考えろ』

『────-わかりました』

 澪はエクステンドエッジを開き、こちらへ突進してくる……

『──ドライブ‥イグニッション!』

 その攻撃は見事に交わされ、2機がスレスレをすり抜けた所を踏みつける様に蹴った。

 上側だった空音たちは、通り過ぎたが、私たちはそのままビルへと突き刺さる様に墜落した。

「っと‥アンタのお仲間が降ってきたか‥」

 咲ちゃんとフォイエルはビルから退避して下敷きを免れたが‥乗っていた私の意識はここで途絶えた。

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「キョウカ‥ライト‥」「おっと隙だらけだ?」

 ビルの方を見つめて‥呆然としているとクリスタルをフォイエルにくすねられた。

「しまったっ!」「じゃ、またな」

 また美味しいとこは持ってかれた‥悔しいけど、あっちの安否確認のが大事だ。

「二人とも! 大丈夫?」

 武装を解除してその機体の突っ込んだ場所を確認する‥幸い燃料が燃料なだけあって爆発の恐れはない‥

 重たいキャノピーを持ち上げて見ると、中には気絶したキョウカと、奥には、荒く息をしているライトがいた。

「片方は脈拍正常……呼吸あり‥もう片方は息切らしてます‥ですけど、骨折、捻挫等はしてないみたいです‥」

『‥ひとまず基地まで二人を運んでくれ、機体は回収班を送る』

 真也さんのハイパークッションスーツがあるとはいえ、この子‥どこまで丈夫なんだ? 

 響花は、あの高さから落ちてもなお、眠っているように気を失っただけで済んでいる。

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 目を覚ますと、無機質な天井が目に入る‥すぐ横では空音とライト‥それからミラの3人に囲まれていた。

「大丈夫? 記憶ある? 痛いとこない?」

 ライトが心配そうに聞いてくる‥少し泣き出してしまっている彼も彼で、手当てされた跡がある。

 そっか、私‥乱入してきた通り魔に墜されたんだ。

「とりあえず、キョウカさん‥立てますか?」「まあ‥一応‥」

 ちょっと痛いけどなんとか立てる、歩ける、とりあえず自力で愛緒のとこまでは行けそうだ‥その様子を見て、ライトとミラはほっと息を吐く。

 だけど空音は‥

「──-この程度で済んでるなんて、あなたどんな体してるの?」

 と冷たく言い放った。

「──-そこまで言わなくても、助かったことを喜ぶべきでしょ?」

「でも、やっぱりこの子……何か怪しいっ‥やっぱりあなた‥作りm‥」「ミオ!」

 手が出そうになったところでミラが止めた‥そして私に謝りながら空音を連れ出そうとしたところで、咲ちゃんがやってきた。

「おや、お取り込み中かい? 邪魔し‥キミらなにしてんの?」

「丁度いいところに来ましたね‥やっぱり天音‥何か変じゃないですか?」

「まー確かに丈夫過ぎかもねー、だけどタフなのに越した事ないじゃん、私なんか紙装甲だもん、そんな事よりお二人さん──-」

「話はまだっ!」「落ち着きなさいミオ!」

「黙ってなさいっ! ミラージュ=エルフ!」

 咲ちゃんは二人をスルーして話を始めた。

「堕ちた機体のことだけどさ‥真也さん修理ついでに解析始めちゃって‥1週間じゃおわんないかも?」

「ええ‥」「てな訳でしばらくは地上班に回ってほしいから‥治り次第訓練ね♪」

「容赦な‥‥てか海堂司令が?」「知らないの? あの人技術者だし、渡米して飛び級して16で博士号取ってるし‥何故か医師免許まで持ってるような人だよ‥オーパーツとか変なもの渡すとすぐ解析して改造しちゃうから」

「‥マジで?」「うん、大マジで」

 この組織‥やっぱり変人だらけだ。

 ・

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 ・

 それから少しして、午後19:00ごろ

 一応この後基地での夜間、深夜待機から私が外れ、咲ちゃんが付いた……そして、ライトとミラが書類処理に回って、私たちが帰された。

「────-ねぇ、空音……今からでも、行かない?」「……」

「いくって‥どこによ?」「プレゼント選び‥してたんじゃないの? ミラの」

「ッ‥誰から、聞いたの?」

 しまった‥颯さんから聞いたのを自分でバラしてしまった。

 正直に謝ろう。

「ごめん、空音‥あの時なんですぐ行っちゃったのか気になってさ‥それで、颯さんに聞いちゃったんだ‥」

「──-親切ね、あなたって人は‥お言葉に甘えない方が恥ずかしくなってきたわ」

 返ってきた答えは意外にも程があった・

 コイツの口からこんな言葉が出るなんて‥

「いい機会だし、付き合って頂戴‥電車の時間までだけど」

 素直じゃないなぁ‥だけどそれがこの子らしさなのだろうか? 

 

 

 少しして、昨日のアンティークショップに訪れる。

 閉店間際だからちょっと申し訳ない気持ちになるけど、一緒に売り場を物色する‥だけど────-

「……」「……」

 驚くほどにお互いが交わす言葉は少なかった。

「天音」「なに?」

 恐る恐る空音が聞いてきた。

「天音は‥何貰うと嬉しいの?」「それ? 」

「ええ」「参考にならないと思うよ、こういう時はプレゼントに意味込めたやつあげた方がいいんじゃない? 、キミはミラにどんな気を抱いてるの?」

 空音は小難しそうに考えた後、小さな声で自信なさげに答えた。

 なぁんだ、可愛いとこあるじゃん。

「──-なるほどね、だったらさぁ……」

 結局この日のうちに、彼女は結論を出さなかった。

「──-つ、付き合ってくれて、ありが‥と」「いいよ、これくらい」

 改札の前で、馴れ初めカップルの様な会話を交わししまう、だけど、このまま帰ろうかと思ったら、彼女は私を止めた。

「──-ところで、悔しくないの?」「なにが?」

「あの黒い機体に墜とされたこと」

 そんなタイミングで聞く奴がいるか? 

「────-悔しくないわけないじゃん、でも、過ぎたことはすぎたことなんだし‥次、こんな事なければッたっ!」

 空音は私の足を踏み付け、「このお人好し、あなたには、戦士の自覚がまだないようね」と耳打ちして改札を抜けて行った‥どういう意味なんだ? ‥なんで今なんだ? 

 この日は、そんな疑問符だらけの1日だったと記憶してる。

 ・

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 ・

「‥やっぱり、いける」

「‥お前の仮説は合ってたみたいだな」

 to be continue




次回予告
 空音が言った言葉の意味‥それがわからないまま休日を迎える。
 心に刺さったモヤモヤは、晴れそうにないまま、また街に魔の手は迫る、まだ修理は終わってないのにっ! 
 次回、第14話「蜃気楼の歪曲(ミラージュ・ディストーション)
「相談乗ろっか? キョウカ」
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