響ヒビカセ心ニ届ケ(仮題)   作:高町魁兎

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さてさて、今週もおさらい行ってみよ〜!
「僕らはあの格納庫を漁って謎の文書を見つけた後、キョウカがちょっとおかしくなっちゃって。」
いや、違うんだって‥でもまあその後現れた巨大生物を前に、空音たちが覚醒?最活性化状態を引き出すことに成功!
「かなり心強いね。」だね。


#15 モール・チェイス

 少し前……前回の出動時

「囮は上手く動いているようね……」

 あの怪物と戦った裏で蠢めくのはあの2人……その目的は、クリスタルの回収だったが‥その手はすぐに阻まれた。

「これでひと……っ?」「間に合ったな……」「いやぁ、わかりやすいところに……」

 バイクで駆り、その場を抑えたのは、銀と白の鎧を纏った‥さながら騎士の風格をした二人組だった。

「まさか‥あんたが噂の……」「ああ、この世界の都市伝説で語られる、仮面を被った戦士ってとこかな?」

 二人は構える、騎士たちも構える……

「流石に互いの名を名乗らずに遣り合う気じゃないだろうな?」

「何故そんな事……無駄な……」

 刃同士がぶつかり、音が響く……だが、彼らは余裕な素振りで抑えた刃を返した。

「人ってさ‥死んで残るのは名だけってのに……勿体無いね」

 抜群のコンビネーションで制圧したのち、二人の騎士は宝石を拾い上げる……

「……この強さ‥一体?」「‥さあな?」

 あっという間に決着を着けて去ろうとする彼らに、なす術ないまま、去っていかれてしまった……

 

 

 

 

「‥あの騎士と言い、魔導師といい……」

「あなた方がが力量不足なだけではないか? だが、ヴォッサ、お前の怪力でどうにかできる相手じゃないのか?」

 船の二人の、ガチムチな方は何も言わずに己を指差した。

「邪魔なら再起不能にしてやれ」

「フレイル、それは我々の思想には反するのでは?」

「武力を振るう相手だ、遅かれ早かれ消すべき相手だからなぁ……」

 指揮権を渡されたフレイルはそう軽口を叩くが、アンカーは違った。

「確かにあいつは今、本来の武具を扱えない‥一見チャンスに見えるが、彼女‥いや、“あの獣の片方”だけだが、十分にしぶとい」

「どう言う意味だ? アンカー」「まあ、息の根を止めてみろ、そうすればわかる、ただ、派手にやるな、あいつは地味に殺せ」

 こう忠告した後、すぐに彼は部屋を後にした。

「地味に?」「どういう事だ?」

「アンカーのヒントは間に受けるな、アバウトなことしか言わないやつだからな。

 兎も角、エサ見つけてある、行ってこい」

 

 

 

 5月中旬ごろ……

「起きてる〜? ‥相変わらず器用だね」

 あれからそろそろ1ヶ月近くが経ち、私は────────────-

「はい、わかりました、メディカルチェックとかも受けないとですからね……いえいえ、ちょっと寂しいですけど、永遠に来れないわけじゃないですし、分かりました、手続き等々ありがとうございましたm(--)m、はい、失礼します♪ ……あっ! おはようございます♪ ユキさん」

 ────────獅童家の皆様のお厄介になる形で数週間をすごし、そろそろこの土地とも、しばしの別れかと言うところまで仕事の引き継ぎが終わっていた……

 という訳で、机の下で淹れていた紅茶のマグカップを右足で取り、手に持ち替えて少し啜る、まだまだ熱いや。

「お仕事も随分とできる様になったんだね‥」「もう、ただの景色が好きで旅好きなだけの女の子じゃないですから」

「頼もしくなっちゃって、“背丈も見た目も変わらないのに”中身はすっかり大人だね」

 そう言われると少し顔が赤くなってしまった。

「そういえば、“私が15の時”ですもんね、ユキさんたちと知り合ったの」

「うん、あれからもう2年ちょっと‥気が早いけど、また遊びにおいでよ?」

「もちろんきますよ、日本には、大事な人の家族だって住んでるんですから」

 やっぱりいろんなところ行ったけど、やっぱり日本はのどかで大好きだ。

「じゃっ、朝食べて、今日のお仕事行こうか?」「はいっ!」

 ・

 ・

 ・

 同時刻、燈ヶ浜商業区……

「────────情けない欠伸して……どうした? 寝不足?」

「いやさぁ……なんかまた変な夢見てさ‥寝付けなくって」

 日曜日の早朝、青空の下で今日もお仕事……てな感じできたはいいけどさ……

「──────-‥ねぇライト‥」「なぁに?」

「暇」「仕方ないって、警備と巡回も僕らの大事な活動なんだから‥」

 てな感じでほぼ立って見張ってるだけの状態。

 私たちが何故こんなところに繰り出されているかというと‥私たちチームkeyはああいう武装組織であるんだけど、当然自衛隊と別に存在できる訳がちゃんとある。

 ……この話のどこが繋がるのって? 最後まで聞いて。

 一応私たちは名義上、対テロリスト及び特別災害対策組織として存在が許可されてる都合上、こう言う大型施設の警備、巡回をしなければならない‥

「まだ優さんたちに扱かれる方がましだぁ‥」「嘆かないの、僕らが暇してるってことはすごくいいことなんだよ」「わかってるけど‥」「‥ご苦労様です」

 私服警備員の方に声をかけられて、すぐに「そちらこそ、ご、ご苦労様ですっ!」

 とオドオドしながら返した。

「私たちって一般公表されてないのに、意外と‥」「うん、警察と自衛隊には僕らの存在が漏洩厳禁の情報として共有されてるからね」

 そう言えば七音遊撃隊(オクターヴ・ウィングス)のことはよく母さんに口止めされたなぁ‥

「とりあえずキョウカ、ミオから連絡があるまでは、我慢して」「はぁ‥了解」

 嘆く私は、空音たちの作業完了を待ちながら、空を仰ぐのであった。

 ・

 ・

 ・

「あれか‥」「あの奥ね……」

「お前ら、あの女に囚われすぎじゃ無いのか?」

「不服そうね、フォイ」「知るか」‥

 少し遠くから出てくるタイミングを見張る影三つ、もはやお馴染みになっている彼らだが、一人、何やら様子が違った。

「あの女、殺して金になるのか? 、目的に近づくのか? ‥」

「うるさいわね、あなたは黙って従いなさい」

「‥なんか変な気分だ、今日ばかりは報酬がどうでも良くなってきた・」

「どこに行くの? 、フォイ‥あなたも止めなさい!」「oh.」

 フォイエルは二人から離れ、やーめたっ、とでも言いたげに飛び降りて、自由に散策し始めた。仮面は被ったままのため、かなり怪しまれてるけど、そして‥しばらく歩いた先の噴水広場にて──────────-「.識別コードdaughter……いや、シャーキィーとか言ったか?」

「ッ!? フォイエルっ? ‥こんなところでッ……後私はサキ! っちゃんと覚えて!」

 ────────キョウカたちと合流する為に訪れた私と鉢合わせた。

 

「おいおい、警戒するなって。命令もねぇのに丸腰のお前は狙わねぇよ」

「なんだ、ちょっとは常識あるじゃん」

 私は構えるのを辞め、両手を下ろす、だが、お互い蛇と蛙の様に睨み合い、互いに冷たい視線を向けた。

「まあな、だが、あんまり情報は吐かねぇぜ」

「だと思いました。‥」

 ため息を吐き、少し瞬きすると、彼の姿は、私のすぐ隣に居た。

「何か御用ですか? 、ないなら行きますけど?」

 すると、耳元でやつは囁いた。

「よく聞け、お前を狙う影が二ついる‥警戒しな、俺と遊びたいならな」

「それ、どう言うこっ……」

 真横に手を回し捕まえようとするが、今度は背中に彼がいた。

「一度しか言わねぇよ、それにな、あんまり怒られることはしたくねぇんだ、俺は飯で雇われてっからな、食ってくためにゃ、楽しくねぇことしなきゃいけねぇ……だからこそ、いい玩具は残しておきたくてな」

「ッ! 人をおもちゃ呼ばわりっ? 、ちょっと大人しくしてもらおうか!」

 逃げて行こうとする彼の手を掴み、反対の手を握れるだけ握りしめて一発やろうとしたとき、目の前が真っ白になった後青いもやっとした人型のようなビジョンが見えた。

「────────なんだぁ‥今のは」「っあ! チャンスッ……」

 視界が戻ると、彼も同じ場所に居たが、手を振り払われそのまま逃してしまった。

 ────-にしても、今見えたものに見覚えがあった‥だけど、そんなはず‥ないよね、絶対‥あの子はもう……いないはず‥‥なのに。

 脳裏に蘇る苦い思い出、あの10月がまた、私の中で蘇っていく‥鮮明に、はっきりと‥だけど、その回想を引き裂く様に‥通信が入った。

『咲ちゃん? 今どこ? ‥もしかして緊急事態?』

「ちょっと前までそうだったけど、治ったから、そっち向かうね」

 フォイエルの忠告も気になるけどとりあえず、戻らなきゃ。

 

「とりあえず、回収したクリスタルがこれです‥」

「OK、ちょっと確認するね……」

 右手で静かに目を閉じて鑑定してみると……多少だけ魔力を感じる‥他人の意思なしに発動する可能性は十分に有り得る程度の力を……。

「ここだとたまたま発動しちゃう事もあるからね‥何事もなしに回収できたのはラッキーだったね。じゃあ、始めるよ」

 息を静かに吸い、大きく吐いてから、呪文を唱え始めるが……澪は何かの違和感を感じたのか、耳を澄まして警戒し、それに気がついた響花の声で、私も気がつき、詠唱をやめてしまった。

「空音?」「……」「澪、何か聞こえた?」

「何かが、来る」と告げようと口を開く……だけど、もう遅かったようだ。

 私のてのなかにある緑色の小さな宝石を、頭上から近づいてきた影が奪い去る。

「‥これはあたりね」

 そう‥その頭上を横切ったカゲは‥よく知った人物だった。

「ブレッサ‥あなた……」「これは戴くわね」

 立膝の体制から消える様に彼女が姿を消す‥いや、東へ走る‥追いかけないと! 

「みんな追って! 、逃したらまずいっ!」

「OK‥いくよっキョウカ」「私いない方が速度出るんじゃないの?」

 緊急事態につき、ライトは上着を脱ぎ捨ててキョウカの手をとって空へ舞った……でも、騒ぎを大きくしてくれた方がこっちも追いやすい! 「風音を越す音速の銀狼……来よ、翼狼ウィンドルガ! 従獣召来!」

 残る二人を置き去りにし、私はウィンドルガに跨がって、先回りした。

「いい加減にしてください、窃盗の現行犯で捕まりたいんですか?」

「そんな気はないわよ」

 彼女は余裕そうな表情を見せると、宝石を私の後ろに投げた。

「っ‥ヴォッサ!?」

 ラガーマン体型のアイツが受け取り、逃ていく‥もう‥そう言う連携プレイは厄介だぞ? 

「……見つけたっ! ‥パラライザーON……ありゃりゃ?」

 ライトの手から離れて行手を阻んだキョウカ、だけどトリガーロックを解除し忘れる凡ミスだ……

「そりゃハッタリか?」「甘いっ!」

 ライトが急降下して、後頭部付近に蹴りを入れて着地した、それで怯んだアイツの手から宝石も転がり落ちてナイスフォローだ。

「もう、バカキョウカ」「ごめんっ‥ドジやった!」

「掴めた‥あとは‥」「ミラ、こっちにパスして、足は私の方が速い」

 ミラが宝石を拾い澪へと投げるが、その軌道を遮ってブレッサがそれを掴み2階へ跳んだ。

「ウィンドルガ、交代……おいでっラープリューム!」

 ウィンドルガを小さな宝石に戻して、今度は赤い宝石を掲げて、あの鳥を呼び、背中に飛び乗る。

 流石はラープ、私が雛から訓練させてた甲斐あってか、看板や入り組んだ道を器用に避けて追尾する……アイツが見えてきた……

 銃を構え、行手に一発、さらにあえて外した位置へ数発威嚇射撃した後、階段を用いて彼女が逃げて行った3階へ、策を飛び越して飛び乗るが、服の裾を掴み損ねてまた逃した。

 ・

 ・

 ・

「全然いない‥やっぱり凄いや‥咲ちゃん‥」

「ええ、あんなに走り回って、まだ体力が残ってるなんて、子供みたいね‥」

 ・

 ・

 ・

「しつこいわね‥」「私はしつこいのが売りなんでねっ」

 4階のとある吹き抜けに出たところで彼女は1階へ飛び降りた、すかさず私も続いて飛び、指笛を吹く。彼女の方向に視線を向けながら、ラープの背中に彼女もろとも乗せて羽交い締めにするが、地面に向かって彼女は宝石を落とした。

「往生際が悪いっ‥」「あなたには言われたくないわね」

「って言うより、あなたたが何したかわかってるんですか?」「ただ落としただけよ?」

「あのクリスタル、封印が曖昧な状態なんです、もし、反応する人が居たらっ!」

「その時はその時よ」「ちぇっ……」

 ・

 ・

 ・

 ・

「見つけたっ! ‥キャッ!」

「まずいことになったぞ‥」

 私は空音に言われた方角を辿って、見事に咲ちゃんが落としたであろう宝石を見つけたはいいけど、真向かいにはさっきのムキムキな人が居た。

「‥※Be quiet……」「ッ……」

 逃げるが勝ちだ。そう判断した私は店舗からの脱出を試みるために、一番近い出口とは反対に走って、逃げ回る事にした。

「wait!」「待たないよ……」

 ひたすら真っ直ぐに道を突っ切る様に走る……だけど、目的の出口に近づくほど、人混みが険しくなる……満員電車並みにごった返す人の群れで足の速度が落ちる‥そのせいか、人混みを問答無用でかき分けて来たあの男がどさくさ紛れに私を少し高級な被服店へ突き飛ばし、私の体がマネキンをなぎ倒し、商品に蹲ると、聞き覚えしかない声がした。

「随分滑稽な姿ね、骨折れてない?」「空音?」「静かに」

 空音は棚の横あたりにから、右手を出して左手の平を指指す、ジェスチャーに込められた意味は、「私が持って脱出する、あなたは囮になりなさい」だろうか? 

 そうだと信じ私は宝石を託すと、空音は真っ先に出口へ走っていく‥そして、やってきたガチムチ男は私の胸ぐらを掴んで持ち上げるが、当然、降ってもポケットを漁っても目的の物はない‥さあ‥どうでるか? 

「残念でした〜」「……? ……」

 これで解放してくれれば良いんだけど……と期待したが、そんな事はなく、彼は私を高く掲げた。追ってきた咲ちゃんに私を提示した様だ。

「? ……つまり? ……」「私を解放しなければ、あの娘がどうなっても知らないってことよ」

「……人質の交換って訳ね‥」

 すると咲ちゃんは自らの身ごと彼女を抱えて舞い降りて────────「ただで返すと思いますか?」────────仮面の位置を狙って蹴りを入れる、見事なクリーンヒットして私は真下に落ちた。

「ごめんねキョウカ、両手塞がってたからさ〜」「‥‥もー、めちゃくちゃ怖かったよぉ……」肩の力が抜けてその場にぐたっ、と倒れ込む‥とりあえず、空音が無事だといいんだけど……

「エヴォルスコアのヴォッサとブレッサ……特別指定異質物の不当な持ち出し、及び、テロ行為、及び……」

 咲ちゃんが罪状を読み上げながら頭を強打したであろう2人に手錠を掛けようとするが……2つ‥不都合が起きた。

「……ッ!? 、まさかっ?」

 一つ……さっきのクリスタルが発動し……空に大きな、怪鳥が現れた……

「咲ちゃん、アレって……」「発動しちゃったか……誘導して、強制封印するか……」

 二つ……さっき蹴ったあの仮面の亀裂が、妖光を放った……

「……グルルァァ……」「なっ……嘘でしょ……」

 

 To be continue

 

 




次回予告
 まさか、戦いになるなんて。
 結局発動してしまったクリスタルをかけて乱戦が勃発。
 必死で戦う中地と空の争いが、悲劇を産んだ。
 次回「兆しと悲劇」
 天音と空音で、張り切りますっ! 
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