響ヒビカセ心ニ届ケ(仮題)   作:高町魁兎

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ハイハーイ、深海咲でーす♪さてさて‥前回のおさらい行くよ?
「今日はキョウカじゃないんだ。」
まあまぁ‥
「とりあえず、前回は君は帰還して‥挑発に乗るキョウカを静止‥そして」
そこから始めようよ?、みんなは大天使の誕生をまだ見てないんだし‥私もまだだからさ‥
「じゃっ、そこからにしようか‥」


#19天音強化計画

 通信越しに‥インカムから‥空音の‥音が聞こえる‥その音で、ある衝動に襲われる‥でもその感覚には覚えがある……母さんの残したMDから聞こえる音を聞いた時と、同じ衝動に襲われる‥、歌いたい‥この音に乗せて‥歌いたいっ! 

「はしれ‥はしれ‥心に届く‥聞こえる、呼んでる……あの日の声〜♪ ──」

 2つの機体は、異なる場所で、桜と瑠璃の色の光を纏っていき‥街が凍てつきゆく……

 空音はアンカーの行動を全て先回りする様に阻み善戦するが、私とライトは‥現状最大出力であるフルテンショニングの状態で、ようやくまともに相手できる程度だ。

 変形した片腕が私を突き刺しにくる‥それに対して真っ向から向かっていくと、また‥機体後部が脚の様になり、その上を走り無効化し‥気がつくとまた‥あの時の様に‥腕の様な部分が展開されていき‥また徐々に人型へ近づいていく。

「燦然照る太陽の様に♪ 思いは燃えてるよ〜♪」

 それに気がつかないまま私は歌って舞う‥だが、急に体に違和感を感じ始めた。

「語りかける勇気が♪ 明日を連れて‥」

『天音? ‥どうしたの? 、天音!』

 私の身体が急に熱を帯びる‥それは、私だけで出なく‥ライトにも同じ症状が出ている様だ‥

「わかんない、なぜか、身体が熱くて」「体内の何かのエネルギーが行き場を失って、どうにかなりそうだ……爆ぜる様な、固まっていく様な……なんなのっ……これ……」

『どう言うこと?』『もしかして‥過剰活性化(テンショニングオーバー)?』

『そんなこと‥ありえるの?』

 怪物は私たちに迫るが、二人揃って動けない‥

 そんな中、咲ちゃんが下での一戦に決着をつけた‥

『ゲームは終わりだ。お前とのお遊びもここまでの様だな‥』『逃しは‥しなっ!』

 アンカーが集中の切れた空音を振り切り遥か上空へ逃げていく……でも、次の言葉を聞いた空音は‥追うのをやめた。

『アイツが巫女の器なら‥きっと良いものを見れるだろう‥』

 そうして彼が去っていき‥放置された怪物は推進力を失い落ちていく私たちの機体に近づくが‥その瞬間、椅子が急に下がりきって、下に沈んで消えると、隣にライトが居る……そして、徐々に意識が曖昧になり‥ハッキリすると、さっきまで窓越しに見ていた景色が、自分の目で見えた‥そして、背中には、経験したことのない違和感を感じ‥全身がV字に浮上した。

『成功だな‥何故あの時プログラム上不可能な動きが出来たか、何故共鳴駆動炉に二人分のスペースがあったか‥そして何故、以上な数のシリンダーやフレームがあったか‥その答えがこれだ』

 司令から急に通信が入った‥宙に浮いたまま自分の手を動かすと‥目に映ったのは‥機械の腕だ‥でも、VR映像の様な非、現実感を感じた。

「すごい‥どうなってるの?」『お前は今、その機体の駆動炉に身体を置いて‥神経で機体とシンクロしている‥そして、駆動炉核士(コアドライバー)とも……つまり‥今その機体はお前たちの生み出した余剰エネルギーを最大限に使えるように、最適な姿に変形した訳だ‥名付けるなら‥真姿化(オリジンライズ)‥だな』

「って事は‥」「今この機体は‥僕やキョウカの手足として‥」「って事は‥この背中の違和感って‥羽根!?」

 そう会話をしてる間に、怪物の攻撃を一発喰らってしまう‥でもなんの因果なのか機体の耐久性が上がっていたため、これだけでは堕ちない‥でも‥私たちの体に鈍痛が走る。

「‥キョウカ、僕に合わせて」「‥合わせるってどうやって?」

「‥じゃあ分かった‥キョウカは好きに動いて‥僕が合わせる」「わかんないけど‥わかった‥やってみるっ!」

 神経でコネクトされ、自分の体の様に操作できるため‥大体の動きは考えた様に出来る……

 コアがあると推定した位置に飛び‥ひたすら蹴って殴って体表を抉っていく‥が、そこはハズレだった‥しかし、逆に行こうとすると、両手が阻むが‥手足がある今なら‥

「あっぶないなぁ……」

 ガシッと掴んで防ぎ‥片方を投げ、鋭い刃の方の腕を一気に下降してへし折ってやる、これはかなり効いたようだ。

「これじゃ効率悪いかな?」「そうだっ! アクセルカノンなら!」

 底に落ちた切り離した後のユニットを腕のレールに嵌める‥再充電すれば行けるっぽい。

「よし‥ライト‥充電に集中してて‥」「待って‥でも飛び方は‥」「感覚で掴めたっ!」

 大地を蹴り羽をはためかせ‥空を舞いながら逆手で次の予想部分を攻撃すると‥確かな熱を感じる‥間違いない‥ここだ。

「‥はぁ‥1/4くらいだけどなんとか‥一発なら‥イケるかも」「よしっ!」

 私はそこに狙いを定め‥ないで近づき、その位置に銃口を突きつける。

「威力不足でもこれなら……「アクセルカノン‥ドライブ、イグニッション!」」

 2人で声を重ねて‥収束砲を放つと、その位置はバッチリコアを捉えており‥体表の液体金属が、檻の中で蒸発し‥檻が消えた。

「‥間一髪‥だったね」ライトのその声で、私がほっとして気を抜くと、機体は勝手に元の形へ戻っていく‥「ほんっと‥疲れた‥」

 もう、ライトが機体を動かす力も、私の体力も、ほとんど底を付き‥帰投するので精一杯だった。

 

 

「格納完了‥MB-01、自力で降りれますか?」

 基地に戻った頃には、もう2人揃ってぐったりで‥「お疲れ様、そしてただいま、キョウカ、ライト」咲ちゃんに手伝ってもらってなんとか外に出た。

「‥大丈夫? 立てないレベルか‥誰か車椅子持ってきて!」

 降ろしてもらった後で地面に立とうにも‥体が痺れていて‥上手く立てず、司令室まで車椅子で行くこととなった。

 

「──-という訳で、本日付で正式に貸し出されることとなりました、時空管理局の深海咲です‥これから前戦メンバーとしてお世話になります!」

 今回の反省会の後、咲ちゃんの着任式が簡易的に行われる‥全員から拍手で迎えられ鼻高いようだ。

「それに伴い、空音澪、ミラージュ=エルフ、ライジング=エンジェル、それから天音響花を獅童隊から解任し、深海咲を加え、新たな小隊、“younger”編成する、そのリーダーに天音響花を推薦する。異論はないか?」

 私が? ‥

「私は誰であっても付いてくよ、澪はどう?」「ええ‥賛成よ」

「ちょっと‥待って‥なんで私なの? ‥」「じゃあ、推薦権を渡そう‥4人から好きに選べ」「じゃあ‥私は空音を‥推薦します」

「私でいいの?」私は即答した、選ばれた空音は困惑した‥でも後の3人は納得の表示を浮かべた。

「うん‥だって、空音は私のブレーキだから‥空音が私を導いて」

「──-わかった、仕方ないわね‥異論ありません、役職を全うさせていただきます」

 こうして、新たな5人小隊が生まれた‥親友を助けた心強い恩人を加えて。

「それと‥真姿化(オリジンライズ)の後遺症はないか?」「身体が‥痺れてます」

「やっぱりか‥」

 司令は私への問診を急に始める‥順番どーなってんのこの人‥

「身体の神経系の電気信号を増幅させることによる、神経リンクは見直したほうがいいか……とりあえず、今日は以上だ、本緊急作戦に参加したものに帰宅を命じる、しっかりと休息を取れ。それと‥咲‥いや深海隊員‥天音響花を送り届けろ」「了解」

 

 とまぁそんな事があって‥身体の痺れが取れるまで待った後、私はかなり嫌ではあったが‥

「そろそろ、大丈夫だって‥自分で歩けるから」「だーめ、無茶した人のことは聞かないよ、念のため。だって、痩せ我慢で酷くしたら大変だよ?」「‥それ、どの口が言うんですか、この前消火剤かけられて運ばれた人が‥」

「無茶と痩せ我慢は私の専売特許だからね」

 こうして咲ちゃんの背中に背負われて、水原家へ向かうのであった。

「まぁ、まぁ‥愛緒に説明する人も要るしね」「‥ライトまで咲ちゃんの味方なの?」

 そう言い合ってる間に、咲ちゃんはインターホンを鳴らしていた‥はぁ‥これ大変なことなるぞ。

『はい』「キョウカ届けに来ました」

 ‥なんで誤解されそうな言い回しするのさ! なんか慌ただしい音するぞ? 

「おかえり! どうしたの? なにかあった!?」

 勢い良すぎだって‥戸を開けて出てきた愛緒はすぐに、こちらを見て‥ちょっと怒った顔を見せた。

「別に‥ちょっと、ね?」「ちょっとってなに?」「まあ‥急に電話きてさ‥来れないかって?」「授業放り出して? 靴まで置いてって?」

 ‥忘れてた、だから咲ちゃん頑なに私下さなかったのか。

「まあなにがあったかは私と‥この子から説明しますから」「なら、上がってってください‥ちょうど皆揃ってるので」

 あっ‥待て? 今日日出海さんいる日だったか。

 そして、結局私は主導権を握れず、そのまま咲ちゃんが入っていかれてしまい、片方は呆然とし、片方は驚いた顔をした。

「おっ、元気そうだね、航太」

 咲ちゃんは私を座布団に下ろすや、航太に対して微笑む‥そしてその隣では、ライトと日出海さんがお互いに視線を交わし合った後、縁側へと行ってしまった‥そう言えば知り合いなんだっけ。

「じゃあ、やることも済んだので、帰ります」

 ……今日宿なしなのに? 

「あっ、折角ですし、一日泊まって来ませんか? 、旅の人なんですよね?」

「まあ、そうですけど.ご迷惑じゃないですか?」「いえいえ、ちょっと夕食、作り過ぎちゃいましたし、折角なので‥」「──-じゃあ」

 ホントなんだなぁ‥咲ちゃんタダ飯に弱いって‥そして、愛緒の偶然と察しの良さは最早予知能力者かと疑いたいレベルだと思えてくるよ、もはや怖い。

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「ひさびさだね、ヒデ‥」「ホントに帰ってくるとはな‥奏叶と一緒じゃないのは残念だがな」

「ごめん、僕が行方を知らなくて」「いいんだ、ライ‥あいつは巫女の血筋だからな‥」

 ライトと日出海さんは2人で、話している、でもその内容は、私たちのは聞こえてない。

「‥ところで海の様子は?」「ここ数年なにもなかったが、あの船が来てから、遺跡あたりの波がおかしい‥」「やっぱり、なにかよくない事が起こる兆しなの?」「いや、まだ何も言えないな‥ただ一つだけお前に言わなきゃならない事がある」

「なんだい?」「“天秤の守人”としての頼みだ奏叶の子を‥響花のそばに、居てやってくれ‥そして守ってくれ」

「‥わかった、くる時が来るまで近づけない、そして」「ああ、決して殺すんじゃない、いいな?」

「2人とも、準備できたよ?」「ああ、今行く……どうした? ライ」「‥別に」

 今日は賑やかに7人で食卓を囲い‥鍋をつつく、1人多いが水原家流の大黒柱の迎え方をし、楽しく食事を終え‥お風呂も済まして‥

「5月とは言え寒くない?」「大丈夫、私これで寝起きしてたんで」

 咲ちゃんは、庭に1人用のコンパクトなテントベットを淡々と組み始めた。

 一応咲ちゃんの事はヒッチハイカーと言うことで通っているので怪しまれはしなかったんだけど‥「折角ですから‥中で」「いえいえ、夕食とお風呂までいただいておきながら‥」「でも、湯冷めもしますし‥」「──-わかりました、お言葉に甘えましょう」

 すったもんだあってから、客間に布団が敷かれた。

「やっぱり、ちょっとズレてるよね‥咲ちゃんって」「だよね‥でも「なんかあの子らしい」」

 声が重なる‥ライトとは1ヶ月一緒に過ごしただけなのに気がつけば、口に出ることは同じになる瞬間が増えていた。考えが似て来たのだろうか? 

「そういえばキョウカ」「なぁに?」

「もしもだよ‥僕がキョウカのクラスメイトだったら、どう思う?」

「どうって‥急にどうしたの?」「いや、もしもの話だから」

「そう? ‥まぁ、居たら‥か、なんか女子人気高そうかな? ライトって可愛い顔してるし」「もう‥」「でも、羽はどうするの? 今だって‥制服から出す訳にいかないでしょ」

「まあ‥そうだね‥それは、我慢するしか?」「できる?」「ムリかも」

 ライトは微笑する、この質問の意図に気が付いたにはもうちょっと後だったけれど、今はちょっと可愛い質問だと思える自分がいた‥

 って‥また勘違いされそうな発言しちゃったや、違うからね? 

「とりあえず、上行こっか」「うん、自分で行ける?」「全然OK、流石に吊り階段は背負われたままだと危ないし」

 ‥改めて思うとここ1ヶ月、6年ほどしていた生活が一変したのに、気が付いたらライトはこの家に馴染んで、私とライトも、愛緒と私のような距離感‥いや、まだちょっと遠いけど、それくらい近づけた気がする。

 やっぱり血縁上の関係はなくとも、同じ屋根の下で過ごせば兄弟みたいに慣れてしまうのだろうか。

 ‥いや、前言撤回、航太って例外がいたな‥お年頃なだけだと思うけど。

「そういえばさ‥日出海さんとなに話してたの? 

「それは‥ナイショ、一応古い仲なんだ‥ヒデとは」「そうなんだ‥」

「って言うか、この話はキョウカにはいつかしなきゃいけないけど、今話したら、ヒデのこれまでを‥全部無駄にしちゃうから」

 ‥それ以上の事は、珍しくなにも言わなかった‥意外と口、硬いんだな。いや、もしくはライトの内面は私が思ってるより、大人なのかな? 

「ごめんね、バディなのに‥隠し事なんて」「良いよ、私だって、ライトに言えないことあるし‥それに、その時が来たら教えてくれるなら待つよ、キミは、誰かのためにしか嘘付かない正直な子だって‥信じてるし」

「キョウカ‥」「秘密があっても、信頼があったら十分でしょ」

 私はニカッと笑って、ライトとジッと目を合わせると、彼もまた、微笑んだ。

「僕も‥キョウカは‥」「うん」「僕に最後まで付き合ってくれるって……信じて良いよね」「もちろんだよ‥一緒にこの街を守ろう」

 

 

 このあとは疲れていたのか、かなり深く眠りについて、ある夢を見た、最近よく見るあの夢を‥だけど、今日は‥ハッキリとそれを見た。

「思ったよりも早く覚醒したね‥やあ、ボクの体の居心地はどうだい?」

 目つきや口調はまるで別人だが、その顔立ち、背丈、そして声も、紛れもない私だ‥私がもう1人、真っ白な空間に寝そべった私を覗き込んでいる? 

「あなた‥一体?」明晰夢ってやつなのかな? ハッキリと発音できた、そしてそれは聞こえてるみたいで、返答も返ってくる。

「ボクはキミであってキミじゃない、だけどキミは今ボクである‥そんな関係かな?」

「どう言うこと?」「もしかして、この6年で忘れたのかい? キミがなにであるか?」

「私は‥天音響花だ‥天音奏叶の娘で‥」「それはボクだ‥キミじゃない」

「なにを言ってるの?」「そのうちわかるよ‥それまでは、ボクの名前で生きてて‥じゃあ、またね」

 もう1人の私は、そっと私の目に手を翳す‥すると急に視界が奪われ、次に気がついた時は、見慣れた屋根裏‥時刻はAM5:00を指している。

 一体‥なんだったのだろうか? 

「‥珍しいね、キョウカが早起きなんて」

 ライトは情けない欠伸をしながら床から出る。起こしてしまったようだ。

「なんか‥変な夢見ちゃって‥」「そっか‥それより、なんか‥知らない音がするんだけど‥」

 ライトに言われて耳を澄ますと、庭の方から音がする‥こんな時間に誰が? 

 気になって2人で外を見に行った‥そこで繰り広げられていた光景は……庭で舞う、咲ちゃんの姿だった。

「おやおや、起こしちゃったかな? ……」

 型を確認しながらそう話しかけてくる‥その姿は、夢で見たことがどうでも良くなる程‥美しかった。

「私は腕っぷし弱いからさ、だけど代わりに人よりもよく見える目がある。

 だからスピードと見切りで隙を突く、そして確実に射抜く……それができるように相棒を改造してもらって、私自身も鍛えてもらった」

 ビシッと決めて、サッと止まる‥その動作だけで彼女が本職の戦士であると気付かされる。そして彼女が努力家であることも。

「だからそれを無駄にしないように、むしろもっと使えるようになるために、教えてもらった事を忘れずにちゃんと毎朝鍛えてるんだ」

 こちらを向き、こう告げてくる。

「初めはすごいキツいだろうけど、2人もやってみる? もちろん回数や距離はキョウカに合わせて調整するからさ」

 確かに真姿化(オリジンライズ)を乗りこなすためにも、必要だと思ったし、彼女について行くことが得だと感じたんだ‥だからこう返した。

「「お手柔らかにお願いしますっ!」」

 

 to be continue……

 




次回予告
 私たちの新たな朝の日課が始まり‥しばらくした後
 空に光の柱が立つ‥
 そして、覆面オークションに白鍵が? 
 なんとか2つ、調査しなきゃ! 
 次回「excellent era 」
 頼んだよ、空音
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