響ヒビカセ心ニ届ケ(仮題)   作:高町魁兎

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ではでは、語り部キョウカで〜前回のおさらいターイム!
「えっと、まずは僕とキョウカが地下で遭遇して…」
で、一悶着ありまして‥そのあと黒い船と銀色の怪物がやって来て!
「さーてどうなる事やら。」
どうなるんだろ?
じゃ、先週のおさらいはこれでOKかな?
「うん♪、ザックリしすぎだけど良いんじゃない。」
Ok♪
「じゃあ今週もはじめよっか。」


#03 カナリア、飛び立つ

 ……いきなりこんな状況になっちゃ流石にパニックは不可避だよね……

 私は不時着後、本部への連絡も前戦に出ることもできないためさりげなく救助活動を行う事にして早くも30分以上が経っている。

 けたたましく鳴る警報の中目につく範囲の人は少なくなってきた。

「|______《……キョウカも、コウタも大丈夫かな……ちゃんと避難できてるかな?》」「あぶないっ!」「えっ!」

 私服姿の彼女は背中側に落ちてきている瓦礫に気付いていなかった為、ヘッドスライディングする様に突撃して場所をずらしつつ、小さな魔力弾で瓦礫を破壊して、彼女をお姫様抱っこする様に抱えたまま着地、あれくらいなら目立ってないはず……

「あっありがとうございます」

「※Are you injured there(そちらこそ御怪我はないですか)?」

 なんでキョトンとされた!? ……ってあっ、ヤバ……アレが機能停止してるから翻訳も使えないんだった……でも日本語ならギリギリ自力で会話できるはず……

 私は咳払いをして、恐らく発音がちょこちょこ変かもしれない日本語で話してみた。

「| ____________《英語……っぽいけどアメリカ圏の言い回しっぽくないし》| ──────────────《……てか英語かも危ういなぁ……キョウカに聞けばわかるかな? あの子……》」

「あー、んン……驚かしてしまって申し訳ありません、つい母国語が出てしまいました。

 それで、お怪我はないですか?」

「……あ、はい、おかげさまで……」

 よかった、通じた、みたいだ。私の先生がこっち(日本)出身の人だったのがこんな時に吉と出た。

 とりあえず私は彼女を降ろして一番近くのシェルターは満員だから迂回するよう促した。

「……じゃあ、お気をつけて」

「あの! あなたは逃げないんですか?」

 そういえば、これ系聞かれた時の返し考えてなかったや……私の組織ってこっちの世界じゃ一般認知されてないし……誤魔化すにもどうしよ……かっこつけようかな? 、それとも……

「ご想像にお任せします、強いて言うなら……シークレットポリス的な? やつですよ」

 着ているジャケットの胸に縫い付けられたエンブレムを右の親指で挿しながらこれだけ言い残し、彼女にニッと笑いかけ、その場を走って立ち去る、しばらく走った先にはこんな状況でスマホを構えて撮影してる強者も居た、度胸どうなってんの? 

 とりあえず一喝してそこを離れてもらって……

 そしてさっきの彼女はこの後少し離れたシェルターに無事辿り着いた。

「姉ちゃん!」

「コウタ! 無事でよかった……」

 彼女……いや、水原愛緒(みはらあお)は無事に弟の水原航太(みはらこうた)と避難先のシェルターで無事合流し、お互いの安否が分かり安心しているが、彼女にはまだ、懸念している事があった。

「あとはキョウカが無事ならいいんだけど……」

「キョウカぁ? どーせ、また道草食ってたまたま無事だったりするんじゃない? だから心配しなくてもさぁ?」

「コウタ、あんたねぇ?」

 実際に電話もメールも通じず、既読がつかないどころか、圏外にいるのか送信に失敗する状態だったそうだ。

 さてさて、私のフェーズは一旦終わりにして、そのキョウカに語り手を移そうか。

 

 

 

 

 同刻、廃墟地下の格納庫にて

「じゃあまずはその笛から鍵を出して差込んで、右に回す」

「この笛に鍵?」

「口をつける部分の逆っ側に出っ張ってる部分があると思うんだけど、その中の小さいツメの部分押してみて」

 私は母さんの機体のコックピットシートに体を預け、シートベルト状の固定具を嵌めたあと、彼の説明に従い発進準備中だ。

 でさっき言われた通りに出っ張った部分の中に小さなツメががある、コレを内側に入れると内側のツメが外れた音がしてクルンっと鍵が180°回転して現れた……母さんそんな大事なもの私に託してたの!? 

 そして、その鍵を差し込み右に回すとカチッと言う感触が手に伝わる、その直後様々な装置が光を灯し、二つの操縦桿の間にあるディスプレイにはOSの起動画面であろう画面が表示された後に、「welcome to rasing=angel」と表示され、次に「Check if Core driver is connected normally」と表示された。

「コアドライバーとの接続を確認してください?」

「それは無視していいよ」

 無視していいんだ……「continue」をタッチして次の確認画面が表示されると「Confirmed that Core driver is connected normally」と書かれている、どうやら問題ないみたいだ、また「continue」をタッチして確認画面を進める、次は「Scans for devices connected toconnect rail」と書かれている。

「コネクトレールってどれのこと?」

「一応機体下や側面にある拡張レールのことだよ、でも今回は全部ダミーカバーが嵌っってるはず」

「じゃあ飛ばしていいんだ……」

「英語、得意?」

「ふぇっ? 、まあ、勉強は苦手だけど……いろいろ事情があって英語は……得意だよ」

 痛いところつかれたなぁ、とりあえず次の画面で「checked the dummy cover on the connect rail」と表示されたつまり問題なしと、すると確認が終わったのか次の画面では「please Store landing gear and main wing」と表示された、まあ既に格納されてるけど……ってなんでこんなこと確認するんだろ? 

「主翼はわかるとして、着陸脚をしまってってでてるけどなんで?」

「一応超電磁射出機構(リニアディスペンスシステム)を採用してるからね、リニアモーターカー的な方法で発進するんだ」

「へぇ……、continueっと」

 画面を進めると、「All check complete,standby ready?」と表示された。

「よし、キョウカ……初陣だよ」

 私は息を大きく吸って、意気揚々と叫びながら操縦桿を押し込み機体を前に進めた。

「天音響花、ライジング=エンジェル……発進!」

 滑走時に身体にかかるGは想像を遥かに超えていた、でも頑張れば耐えれなくない、けれど気になったのは滑走中に背後の道がどんどんハッチで塞がれていくことだった。

「な、な……なんでハッチがぁぁぁぁぁぁぁ……」

「そりゃぁこのカタパルトの出口は、海中にあるからね」

 最後はハッチが閉じるのではなく、目の前のハッチが開き暗闇に突っ込むと、バシャーンっという潔い音と共に暗闇が消え去って空が見えた。

『……海中より何かが近づいてます!』

「海中? ……熱源反応のデータ送ります」

『データ着し.これって!』『1号機、ライジング=エンジェル……天音奏叶と共に消えた機体そのものだな』

 どうやらこの機体が海面を抜けると同時に司令室は大騒ぎだったらしい、けれどその当時の私も私でパニックだった、機体は空中に投げ出されても角度も速度も安定しないのだ。

「早く主翼開いて! 、推進装置だけじゃ落ちる!」

 主翼……これか! 、パチンっとスイッチを一つ跳ね上げると主翼が開き機体速度が安定してGが緩くなった、ようやくまともに喋れ‥いや、息が上がって全然無理、でもウィンドウから覗く景色は今まで行った場所の中で最も高い場所であると言われずも判るほどに美しかった。

「ふぅ……離陸成功……確かにフライトシュミレーターでやってたって言うだけはあるね。さて、作戦は?」

「はぁ……はぁ‥あ、作戦? ないよ突っ込んでどうにかするだけ! 見よう見まねでどうにかなるはず……多分!!」

「‥やっぱり君じゃなかったかもしれない」

 操縦桿を手前にグッと引き寄せてギュインッっと高度を上げて急降下しながら機銃をお見舞いする、がほぼ当たっていない。

「ありゃりゃ?」「銃火器は見様見真似で使えるもんじゃないって……君はカナの真似事がしたいの? (見よう見まねだけでここまで出来たってのも恐ろしいけどさ)」

「ええ‥」「とりあえずムダ射ちは被害を広げるだけ、ちゃんと今の状況を見て」

「今の……」「さっきの説明思い出してよ、あの怪物に対してなんて言った? 分からないなら隣の機体を見て」

 

「あれ……ホントに例の“消えた機体のひとつ”なの?」

「一応エネルギーの波形パターンも、機体外観も同じ‥でも挙動は別物、違う誰かが乗ってる可能性が高いわ。(ライ‥あの子奏叶以外の子とは波長があったことなかったし、合わせようともしなかったのに、奏叶以外の子と? 6年で何があったって言うの?)」

 声は聞こえないけれど隣の機体のコックピットでは何やら揉めているようだ……とりあえず、思い出せ……確か‥

「エネルギーの塊であるコアの周りに液体金属で体表を構成している生命体……ってところ?」

「そう、だからカナが得意としてたあの動きは弾を散らす為の挙動、でも今必要なのは?」

「ピンポイントな一点突破?」「そのとうり、じゃあ‥ッ! ……ァぁぁ!」

 その会話の最中にもさっきの乱獲射撃で怒ったその怪物にマークされ大量のエネルギー弾を撃ち込まれるとライトが重たそうな声を出した、するとひとりでに操縦桿が切られ、あたかも板野サーカスのような形で華麗に全弾回避し、縦横無尽に縦へ横へと機体が回転するため十二指腸が飛んでいくような感覚に襲われいまにも酔いそうだ、って言うか何か上がって来たのを感じて、なんとか飲み込んだ。

「ヒャッ! ……あぅぅ、うげぇ……」「はぁ……ごめん、咄嗟のことだったから‥でもさっきの固定具が外れてなければ無事なはず……」

 彼の息が上がっているのが声だけでわかる、とりあえず私は無傷ではないけど、自覚症状から察するに打撲や骨折はないっぽい。

「うん、とりあえず私は無傷っぽい……てか君一人じゃ動かせないんじゃなかったの?」

「その気になれば、出来なくないけど……安定した動力供給が難しくなるし、結構こっちから操縦桿動かすのはすっごく体力持ってかれるから‥というか、キミ丈夫だね」

「そうかな?」

「これだけ振り回しても怪我なし吐き気なし、普段何してるのかっておもっただけっ、あ“あ”!」「キャッ!」

 またひとりでに機体が一回転して私の手が何かにぶつかった、めちゃくちゃ痛い……とその瞬間から聞き覚えのあるメロディが機内に流れ出した。

「あの機体のパイロット、どうなってるの?」

「さあ、一つ言えるのは多分あの子、まともな訓練受けてないのかも」

 隣の機体から好きかって言われてる気がする……

「イタタタ‥」「キミがちゃんとしてくれなきゃ僕の負担が増えるだけ……!?」

「このメロディ……母さんの?」

 私の手がさっきぶつかった場所を確かめてみるとキーボードの下に「MD IN」の文字と再生や停止のボタンが付いている、まるでカーステレオのように。

「なんでこんな機体に……」「答えは簡単、僕らのシンクロ率が上がると機体出力が安定し、僕のテンション等でも出力は変動するんだ」

「それとどういう関系があるの? ‥ってどこまで追ってくるのっ!」

 機体を旋回させ今度は自力で回避行動をとった、意外にもこの揺れでも音飛びが起きていない。

「説明するまもなさげだね……」

「ええっ!」

 ここで母がよく私に歌っていたあの歌のメロディがとまり、次のトラックが再生されるが、そのトラックはインスト音源で歌が入っていない……だけど何故かこの曲に乗せる歌が胸の奥から湧いてくる、無性に歌いたい、この歯抜け感を埋めたい……何故かそんな衝動に強く襲われ、気がつくと口ずさみ始めて、そのまま私は無我夢中で歌いながら右へ左へ舵を切り始めていた。

遍く(あまねく)空に響く声♪ この声は、届いていますか♪ 

 遥かなる空の色♪ 、鮮やかな青に……」

「ちょっ!? どうしたの? ……(戦闘中に歌い出すってカナと同じ……なのか? 、でも操縦はさっきと比べ物にならない程にいいから止めないでおこ‥?)」「ライト‥なんかわかんないけど、今すごく歌いたいんだ」

「だとしても今? (疑ってたけどやっぱりこの子、ホントにカナの子なんだ)」

 私はその歌のメロディに乗せたまま答える、とライトがフフッと静かに笑い、機体が桜色の光を放つ。

 後で聞くとライト曰く、歌っている間の私は目が一番生き活きとしていたらしい。

 

「光った?」「最活性化状態(フルテンショニング)に入ってるわね」

「それって共鳴駆動炉動力核(シンクロニングエンジンコア)の最大出力を持続させてる状態?」

「ええ、あの子……ライジング=エンジェルは歌が好きな子なの、だからきっとパイロットの子が今、歌ってるのかしら?」

 そのまま私の機体は速度をどんどん上げながら怪物を撹乱し、胸部付近に弾を集中させては、大きく旋回して注意を背中に引き、振り向き終わる頃には背中を取って攻撃を仕掛ける。

「──────-世間も知らない〜♪ まだまだ未熟な……」

 この辺りで一旦撃つのをやめて、中央のディスプレイから機銃のモードを連射から、収束砲に切り替えて溜めながら旋回し、回避行動を続ける、相手も体表をかなり削られているため動きがずいぶん鈍くなってきた、これなら当たるっ! 

「手を繋いで♪ 隣でずっと、伸ばしていこうよ♪ 、互いに成長中!」

 1コーラスを歌いきった所で収束砲を喰らわす、体表が全て剥がれ落ち、エネルギーの塊であるコアが露出した。

「ドライブウェポンも無しに? あの機体、やるわね」「ミオ! 、感心してないで止めいって!」

 コアを露出させて一旦距離を置くと、もう一つの機体の底面につけられたユニットがパタパタと展開し、先端に電気が走る刃のようなものが現れた。

「ドライブウェポン、エクステンドエッジ! ……アタック、イグニッション!」

 機体ごとコアに突っ込んで刃を突き刺す……どころか貫通して機体もろとも通り抜けて距離がある程度離れた後、行き場を失ったエネルギーが熱となって体表の液体金属を蒸発させ、跡形もなく爆散した。

「「任務完了」」「よしっ! 勝てた……守れたんだよね、この街を」「危なっかしかったけど、まあキミはどうやらセンスはかなりあるっぽいことはわかった、疑ってごめんねキミはやっぱりカナの子だって確信が持てたよ」

「やっと信じてくれた? やったぁ!」「とりあえず、仮の相棒としてだったらなんとかやってけるかも……」「ふえっ?」

「今ここに乗ってるってことは、カナの代わりにキミが僕と戦ってくれるんでしょ? 、ねっ♪」

「ええ〜……でもまあ、悪くないかも、正義の味方っぽいし」

「じゃあ決まり、よろしくニューバディー、キョウカ」

「うん、やれるだけ頑張るよ、よろしく、ライじ……」「ライトでいいよ」「わかった、よろしくライト」

 それから、入射角をライトに調節してもらいながらさっきのカタパルトの方へ逃げるように潜って、格納庫に戻りレールに沿ってカタパルトを下り切ると、転車台の様に最後のレールが反転してむきが向きが直るとキャノピーが開いた。

 そしてコックピットから降りて床を踏みしめると体がふわふわとして上手く立てず、そのままステンと倒れて階段から落ちた……3度目の転落、今日何回落ちるんだろ。

「ハハッ、丘酔いだね」「船なんか乗ってないよ?」

「でも症状はそれそのものだよ」

 さっきまで冷たい顔しかほぼしてなかったのに、私が天音奏叶の娘と確信してくれた後はすごく表情が柔らかくなっていた‥手のひら返しもいいとこだよ。

「お疲れ様」「あはは、情けないよね、これじゃ」

「とりあえず休みなよ」「そうしたいけど、私、帰らなきゃ」

「カナのお婿さんところに?」

 そのワードを聞いた途端に私の頭が凍りかけた、確かに順当に考えればそうだよね……

「ううん、今は幼馴染の家で居候しててさ」「そうなんだ……って待って。キョウカっていくつなの?」

「16才だよ、逆にライトは?」「僕? 僕は……長いこと寝てたし、明確にいつ僕が生まれたかは記憶がないんだ」

「そうなんだ、じゃあ一旦気にしないことにするよ、でここからはどうすれば出れるの?」

「それはキミが持ってるその笛、それがあれば出入りできるよ、そこの扉がエレベーターになってて、翳せば起動する」

「そうなんだ……ねぇライト、緊急時以外もここにきていい?」

「好きにすれば、今のところカナとキョウカしかここに出入りできないし……別に……寂しいわけじゃ、ないから」

 そう言いながらライトはソファーの背もたれに身を隠してしまった、意外とツンデレ? 

 ソファーを除くと疲労からか既に寝息を立てている、彼の体に毛布だけかけてあげてこの部屋を後にした。

 扉が開くと、真っ暗な星空が顔をのぞかせてい!? 、外に出た途端に聞いたこともないほどの回数通知音が鳴った、早く帰らなきゃ。

 移動しながらメールを確認すると、17:00頃に母さんのアドレスからあの場所へ行ってライトに会いに行けと言う内容のメールが届いていた、このメールが来てから出会ってればもっと円滑に事が進んでたんだろうなぁ……でも、何故か返信ができなくなっている、もしかすると送信予約による自動送信メールかもしれないし、なりすましかもしれない、でもアドレスは本物だから、母さんの居場所はわからないけれど、生きている可能性は高そうだと思えた。

 そしてしばらく帰路を辿っている間に私はその幼馴染と無事合流した。

「キョウカ! 、もー、制服のまんまどこ行ってたの?」

「どこって……私も知らない所にいたからさぁ‥」

「ほら、やっぱり寄り道しててたまたま無事じゃん」

「コウタ‥冷めた反応やめな? ……ってキョウカ! 制服こんな汚して……今日金曜日だからいいけど、明日授業あったらどうする気だったの?」

 あ‥全然気にしてなかったけど学校の帰り道であの格納庫にたどり着いて、それからそのままの格好で廃墟に入り込んで迷って、挙句の果てに戦ってたせいで自分が思っていた以上にいざ確認してみると焦げや砂や埃だらけでおまけに汗びっしょりだった。

「早く帰ってさっさと着替えて、お風呂沸いてると思うし」

「こんなに色々あったのによくそのテンションで入れるね……」

「いや、キョウカさ、後で鏡見て……結構ばっちいよ?」

 そしてギリギリ21:00時回らないくらいの時間に水原家に着いた、この辺に侵攻する前に食い止められたおかげでほとんど無傷だ‥

「「ただいま〜♪」……さて、夜も遅いしサクッと軽めにするか」

「ねぇあお、結海(ゆうみ)さんは?」

「お店が被害範囲の近くだったから、片付けで遅くなるってさ‥」

 結海(ゆうみ)さんと言うのは愛緒と航太のお母さんで、魚市場の中に併設されているお食事処に勤めている、けれど翌日の仕込みや、朝早い搬入作業があるので帰りが遅くなる事が多かったり早出のために21:00時頃で既に就寝している事は度々ある、なので家に子供だけになる事が多いから必然的に愛緒が台所に立つ事が多い‥だけど結海さんの料理も愛緒の料理も絶品なのだ。

「じゃあキョウカはさっさとお風呂、GO

 そのあとコウタね」

「はぁい」

 湯船に浸かって今日の事を思い返すと、結構いろんな事が一気に起きた‥でもわからない事もたくさん増えた‥でもとりあえず今言えることは一個だ、疲れたぁ‥だから今日は休んで、また明日にしよう。

 

 

 少し時間戻って19:30、響花が帰路についた頃のとある基地では

「04、ミラージュ=エルフと空音澪、帰投しました」

『澪、わかってるよな? 、今回は結果オーライだったが、所属不明のあの機体が来なければ勝てていなかった』

「ですけど、私が引いたらもっと……」『優たちが居る‥まあ初陣だからな、今回は許可したが、次は滅多にないぞ』

 無線の先の海堂は意地悪そうな笑みを浮かべている、当然彼女は知る由もないが。

 

 同刻、黒い船の飛び去っていった先

「来たか」

 その場所に着くと、船に乗っていた2人が仮面の男に挨拶し、その直後何かを投げ渡した。

「※It would be inconvenient without a translator(翻訳機だ、ないと困るだろ)

 その装置を受け取り装着するのを待ってから仮面の男は話を続けた。

「とりあえず、伝言だ……今後ここを拠点として使えと」

 その場所は怪しい組織のアジトらしからぬ豪邸である‥親玉の別荘か何かだろうか。

「ご報告致しますと、こちらへ渡航中、魔導士一名も付いてきてしまい、クリスタルの一部も喪失しました」

「そうか、だが1人なら大した事はない、それにクリスタルもこの世界には持ってきたんだろ? なら親父たちの財力でどうにかなる」

「ですが、その魔道士は‥」

 仮面の男はその名前を聞くや顔を顰めた。

 

 

 場面戻って、水原家の居間‥

「「「いっただきまーす♪」」」

 サクッと言った割には出された献立は鰆の照り焼きにこだわりの味噌汁、それから青菜のおひたしとお米といった具合である、これを30分程度で全部用意するのだから愛緒ってやっぱり手際が良いなぁ‥

「姉ちゃんおかわり」「コウタ早っ!?」

「だって、非難だなんだで練習潰れてイライラしてんの」「ふーん」

 だとしてもさすがは食べ盛り‥まあそんな康太を横目に鰆を頬張る、漬け込みだれがよく染みていて、だけど愛緒好みの味付けに仕上がってるから甘辛いというより優しい味わいが広がる。

 そういえば、ライトって‥メタフルって食事‥必要なのかな? 

 味覚とかあるのかな? 

 

 To be continue

 




とりあえず私は母さんからライトの相棒に指名された訳で、彼の事をいろいろ知るべくデートに誘ってみることにした。
けど私、男の子と二人っきりってそんなに経験ないんだよね…
次回、第4話「お出かけしてみよう」
セーフティリリース・・・ユニゾン、ゴー!
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