「キョウカに押し切られるまま発進して…いろいろあってなんとか勝利。」
なんとか、じゃなくて大勝利!でしょ?「だってとどめ刺してないじゃん」
うう…まあ良いや、とりあえずそのあと私とライトでコンビ結成、どうなることやら…こんな感じで良いかな?
「良いんじゃない。じゃあ、今週も始めようか。」
翌朝、意識がハッキリしてくると、トントントントンと包丁がまな板に当たる音が聞こえて来る‥台所からだろうか?
もしもこの音の主が愛緒ならば、今は7:00くらいだろうか。
聴きながら眠れてしまいそうなほど聞き慣れた
どうりで
「おはよ、キョウカ‥今日は早起きだね〜」「まあ、昨日は寝落ちしてたみたいだし‥ふぁぁぁ……とりあえず、おはようあお」
布団も敷かず、座布団を枕に畳で寝てたわけだからか何故か寝覚めが悪かった、元からいい方ではないけど。
「今日なにか予定でもあるの? キョウカが早起きする日ってたまたまか何か楽しみな事がある時じゃん」
「別に今日はなにもないよ‥あるとしたら月曜日提出の自習ノートやらなきゃってだけだし」
「じゃあ今日は、たまたまなんだぁ」
「なんでつまんなそうなの?」
愛緒は絶賛コウタのお弁当作り中、最近プチ反抗期真っ只中? ですけど、きっちりお弁当作って送り出されてるんだから何かといいお姉ちゃんなのである、私愛緒の妹だったら絶対反抗出来ないって‥それに愛緒が不機嫌な日は余裕で嫌がらせ弁当作って来るから(苦笑)
と、ご飯の話してたらふと昨日浮かんだ疑問を思い出した‥検証してみようかな。
「……ねぇあお〜お弁当、もう1人分作ってもらってもいいかな?」
「いいよ、作り足りないし」
想像以上に簡単にOKされた、まあ愛緒は一家の炊事当番なだけではなく、時々料理したい衝動に駆られる事が‥てかよほどメンタルズタズタにならない限り毎日そう。ぶっちゃけ料理するのが本人曰くストレスの捌け口らしいし、まあ納得の速さだ。
「代わりにちょっと手伝って」「ええ?」
「他の家事やってよ、コウタ多分ギリギリまで起きないもん」
「さてはあお‥今日予定アリか? その素振りはそうでしょ! ねぇ! あお〜あお〜」
「察しがいいねぇ」「ほらやっぱり〜別にまあやるけどさ‥」
「昨日洗った自分の制服のアイロンがけもお願いね〜」
「はぁい‥」
時計を見るとまだ5:42だった、そりゃ丁度日の出くらいか‥
とりあえず洗面台で顔を洗うと少しシャキッとした感じで一気に目が覚めた、そしてカゴいっぱいの洗濯物を抱えてパジャマのまま鼻歌混じりに干していく、それから昨日夜に部屋干しされていた制服にアイロンをかけてから、姿見の前で私服に袖を通す、まあ私は部屋着と他所行きの服は分けないタイプだけどね。
という訳で今日の装いは白い長袖のポロシャツに薄桃色のフレアスカートを合わせて、4月に入りあったかくなってきたから靴下も膝下クルー丈に変え、それからフードのついた蛍光オレンジのウィンドベストを羽織り、髪型は寝癖を直しシュシュでポニーテールに整えて完成だ、学校じゃストレートだけど。
因みに今日の愛緒はと言うと、デニムにオーバーシャツと、The部屋着である。
それから私は去年愛緒が買ってきた青、って言うかネイビーカラーのパーカーなどのあんまり気に入ってないセットアップを1セット鞄に詰めて居間に……いや、航太起こさなきゃだ。
「コータ? 、今日練習じゃないの〜? コータ?」
「────────うるさい‥」
毎度そうだけどドアノックと声掛けじゃ起きないんだよね‥まあいつもの策に出ますか。
「シツレイシマース……はぁい、もうすぐ7:00だよ〜♪ さあ起きた起きた♪」
ガチャっとドアを開けてカーテンを開けると布団に潜るのでそれを引き剥が‥せなかったね今日は。
「ギリギリまで寝かせろよ‥」「いいじゃん、いいじゃん、早くしないと朝ごはん冷めちゃうよ」「あんだよ、うっさいな……早く出てけ」
「はいはい、じゃ、早めに降りてきてね」
階段を降って居間戻ってくると朝食が既に広げられている。
「いいタイミングで戻ってきたね〜♪ どっちもできたてだよ」
「じゃ、お先に‥」「コウタ降りて来るまで待とうよ」
昨日は色々ありすぎたけど、何も変わらない休日の朝が来てそのまま何事もなくすぎていくのだった。
同日7:30、燈ヶ浜市商業区のとあるマンション
「おい、起きろユキ‥」「優くん‥今日は土曜でしょ?」
「何年この仕事やってその台詞言ってるんだ? これからリモート会議、その後取材来るんだぞ?」
「やっば! そうだった!」
ここは
だけど、2人には第3の顔もある、その会議と言うのは‥
「おはよう御座います、獅童隊長方」
「あれれ? なんでミオが‥あっ昨日家に泊めたんだった」
「ったく、ミオ、そう硬っ苦しくなくていいぞ、任務中じゃないからな」
「ですが、規則ですし──」『さて、集まったところで会議と言うよりかは朝礼だな────────』
獅童家のリビングのソファーに並んで座り、画面の中の司令官との会議が始まる。
『とりあえず昨日はご苦労、成果としては申し分ない、被害範囲の復興状況も来週には全て現状復帰が可能だ。
だが、俺がこんなニュースのためだけにこんな会議を開く様な男じゃないのは既に知ってるだろ?』
「「まあ、十分以上には」」
隣に座る彼女を置いてけぼりにする様に2人が息ぴったりで返すと彼は「相変わらずお似合いだな、お前ら」と言った後に本題を切り出した。
『エクステンドエッジに付着した物資の成分や、爆散した死骸の回収分から分析して分かったが、あの怪物は間違いなくメタフルのうちかなり巨大な個体だ、それにその後の現地調査によって卵型のカプセルが発見されたが、このカプセルからは、あの体表の液体金属を圧縮するテクノロジーであろう物が組まれていた』
「って事はあの個体は誰かが携帯していたってことか、しかも難なく持ち運びできるサイズならこれ一個で終わりってことはなさそうだな……」
『ああ、しばらくは頻出する可能性が高そうだ‥そしてこのカプセルを用いているのは恐らくあの黒い船の輩だろう』
「海堂司令、質問いいでしょうか?」
『ああ、なんだ?』「あの船と‥
『どちらも不自然な場所で反応がロストした、あの船の隠し場所が何処かは他の組織にも調査依頼を出してる最中だ‥それとお前を助けた機体だが‥無線の周波数は探れている、次回遭遇時に対話を試みてくれ』
「了解しました」
『ではこちらからの共有事項は以上だ、そっちからの報告事項は?』
「ユキが寝坊した以外何も」「ちょっ──」
『また映ってない部分はパジャマか、そんな気はしてたが』
「海堂司令まで私のこといじるんですか!」
YUKIさんはジタバタと子供のように反論している、そしてそれを放って置くような形で彼女が……
「では、基地に出頭s──」『しなくていい、たまには休め……今日は出動待機から外してあるからな』
「海堂司令! 、私が外れたら他は‥」『はあ‥ミオ、たまには遊びに行ってこい、俺から見ればまだお前は子供だからな‥若いうちは遊んでおけ‥学校と常時出動待機で休暇を渡さない訳にもいかないしな』
「わかりました、1日‥」『トレーニングも今日は禁止だ、いいな?』
彼女は少し不機嫌そうな顔で渋々了承して席を立った。
8:00、例の廃墟近辺
「確かこの辺だったはず‥」
昨日吸い込まれた足場を探して踏んでみるけど何も起きない‥どう言う動作条件になってるんだろ?
ちょっと壁に近づくと昨日と同じように相互に認識がされている様でまた発光とともに吸い込まれ、また滑り台の様な通路を抜け、今日はしっかりと着地する。
さて、ライトは……まだ寝てるのかな?
ソファを除き込むと毛布だけが残っている、ほぼ仕切りがない部屋でこんなにも見つからないことあるだろうか?
とりあえず何かしらの音が欲しい、流石に話し声も無く雑音も少ないんじゃ落ち着かないし‥とりあえず
しばらくすると、音に気がついて機体の下からひょこっとライトが現れた。
「ん? ……なんだ、キョウカか、来てたんだ」「う、うん、おはよライト」
仕方ないけどぎこちない挨拶になってしまった。
ライトをよく見ると黒ずみだらけで機体をかまっている最中だったようだ、あっ、そっか‥ライトが自分で整備するしか無いのか……
「マメだねぇ……」
「昨日ロクに点検せず使ってガタガタだったからね。
とりあえず、何かあったら動かせる様にはしたけど‥現状一個問題があってね」
彼が横の箱に視線を向ける、蓋が開いており中身が見えるが、無機的な銀の袋が見える‥恐らくパサパサとした固形タイプの
「とりあえずあるだけましだけど、味気ないアレしか無いのが唯一のネックなところ……」
「やっぱり、食事はいるんだ」
「まあ、永久機関が作れないのと同じように、何もなしにエネルギーって生まれないからね‥ああ因みにエネルギー源は食物から取れるから」
聞く前に答えが出た、と言うことなら頼んで正解だった。
「ならさ、これ食べる?」「お弁当……キョウカが作ったの?」
「ううん、これはあおに作ってもらった」
「じゃあ‥なんかもらうのが忍びないなぁ」
「でも、ライトに食べて欲しくて、おなか‥空いてるよね?」
ライトは少々渋った後に「じゃあ、いただきます」と言ってから蓋を開けると、スクランブルエッグに大きめに切られたレタスのシーザーサラダ、そこにご飯とソーセージ‥今朝と同じ献立である、しかもあんまり常温に置かない方がいいメニューって、食べるの私じゃ無いってバレてた? ‥だとしたら愛緒察し良すぎでしょ。
それから、ライトが口に卵を運ぶとふっと顔が緩む‥それから‥
「愛緒って、キョウカの幼馴染なんだよね?」
ここで「秘密基地」が終わった‥
「まあそうだけど‥なんで?」「……直接お礼言いたいなって思っただけだよ」
「あ、ああ‥そっか……でも外歩く時に羽、隠さないと‥だよね?」
「‥そこなんだよね、このまま外、歩けたら楽なんだけど」
私も何回か忘れそうになってるけど、彼の外観を説明すると、私より背丈は低くてちょこっと童顔‥なのに加えて、背中から背丈の半分ほどの大きさの羽が生えている、そのため女性用衣類で時々見るベアバック、つまり背中の空いた服を着て羽を自由に伸ばせるようにしている……だけど畳めば服の中収まりそうなんだけどなぁ。
「その上に上着羽織れば収まりそうだけど?」
「……窮屈だからやだ」
さっきまで笑ってたのに、いきなりしかめっつらだ‥
「えぇ……そんなにいや?」
「畳みっぱなしなのが嫌って言うより、圧迫感が嫌、確かに羽が背中から生えてたらそりゃ驚かれるし目立つよ……だけどやっぱり……窮屈でくすぐったいから、このままがいい……」
ダメだ、私背中から羽生えたことないから共感できない悩みだなぁ……いや世の中で恐らく彼だけが抱える悩みでしょ絶対これ……
「そっか、ならちょっと一緒に外歩いてみたかったけど‥やめにするよ」「えっ待って」
「えっと、なに?」「だから、今なんて?」
「いや、出会って日が浅いし、って言うより昨日初めて会ったばっかじゃん、ライトから教えてもらいたい事もたくさんあるし、だから一緒に出かけたいなぁって思ったけど上着着るの嫌なんだよね?」
「でも、外行けるなら、行きたい!!」「ええ? ‥でもその格好じゃ目立つって!」「我慢する、だから行くっ! いくったら行くっ!」
「駄々っ子か!」
精神年齢が低いんだか高いんだか、だけど‥まあ行くって言うなら最初の予定通り着てもらうか。
「じゃあこれ、着てみて」
リックサックに詰めてきたパーカーをとりあえず着てもらうことにしたんだけど……ダメだ、私のサイズじゃブカブカだ。
「どう?」「やっぱり、くすぐったい‥だめ! むりっ!」
サイズにゆとりがあってもダメか‥あっすぐさま脱いだ。
「とりあえず、残りのお弁当だけ食べてからにする」
「じゃあやっぱり、やめに‥」「いや、行く」
「でも窮屈なの嫌だって……」「だってキョウカかカナがいないと外行けないし、今は自由だけど、カナと一緒だった頃はほぼ軟禁状態だったから」
「やっぱり、これが無いと出入り出来ないの?」
「いや、出れるけど入れないだけ、だってその笛にはいくつか種類があるけど、各種、世界に2本ずつしか無いし」
「って事はもう片割れを母さんが持ってるから──-」
「2本目のAの鍵を持ってるキョウカしか出入り出来ないし、因みに普通はその鍵だけ持っててもあの機体を動かした時“あんなに安定しないんだ”」
えっそうなの?
「ライト……詳しく教えてくれない?」
「あの機体、メロディックバーズは僕らみたいなメタフルと、
「私の歌?」「うん、それがカナが君を選んだ理由であり、そして君にパイロットとしての基礎を仕込んだ理由‥だと思うんだ」
私の歌にそんな効果が?
「つまり、私が昨日歌ってたのって……逆に良かったの?」
「うん、まさか”声“で僕の力を引き出す事を成し得る人間がカナ以外にいたのが驚きだよ」
「‥っていきなり言われても、話が飲み込めないんだけど」
「今は飲み込めなくていい、僕だって少ししか分かってないし……だから新しい相棒としてキミのことをもっと知りたいし、カナが僕に教えてくれた世界を自分の目で見れる機会があるなら、見たい、だから我慢してでも行くっ」
それから数分、エレベーターで地上に出て、船着場へとしばらく歩く……そういえば男の子と2人っきりって経験がほとんどないから……いざ外に出ると人目が気になってしまう……それに隣の彼は、羽を自由に伸ばせないのがストレスなのか、イライラを抑えつけて苦笑いを作っている。
「……やっぱり、やめる?」「……ここまできたもん、がんばりゅ」
うわ、痩せ我慢すご‥でも本人が行きたいって言うんだ、止めないであげよう。
それから2つの島を繋ぐ橋を渡って商業区へ、説明しておくと燈ヶ浜は本土と小さな離れ島が大きな橋で繋がっている、そして本州側の周りを埋め立てて広くした土地が、通称商業区だ。
と言いつつもここまで都市化したのはここ数年の話である。
「こっち側も眠ってる間に随分発展したねぇ……」
「そっか、6年前だから……再開発途中の頃で……」
「いや、僕が知ってる“あの場所”は戦火で焼かれた状態だよ」
戦火で焼かれた、と言うワードだけであの赤い空と崩れ去った街が脳裏に蘇ってきた。
そっか、母さんが居なくなったあの戦いで、ここってもろに被害にあったもんなぁ……再開発が始まったのってその後か。
「ごめんねキョウカ、嫌なこと思い出させちゃったよね?」
「いや、気にしなくていいよ……とりあえず、無難にショッピングモールとか行く? ……ってライト、あれれ? ライト?」
ライトからの返事がなくなった、なにが起きた? ……心配になって振り返ると…………
「あれ……黒いつぶつぶ‥」
彼は移動式店舗を見て目を輝かせている、童顔なせいか異常に可愛い。
「あー結構前にブームなってたやつか‥飲みたいの?」
「いや、カナがよく飲んでたの思い出しただけ、別に飲みたいとか、思ってないし‥」
そういや母さんブームになる前からアレ好きだったなぁ、私がちっちゃい頃よく買ってきてたなぁ、懐かしい‥てか多分ライト、飲みたいんだよね‥分かりやすいと言うかなんというか……よし、買うか。
「〜♪」
そのお店でタピオカミルクティーを奢る、って言うか二人分買って片方渡すと、彼はかなりご機嫌なご様子だ、さっきまで羽根がどうって言ってたのが嘘のように。
私も久々に飲んでみるとストローからモチっとしたものが入ってくる微振動が懐かしく感じる、だけどこの店‥肝心のミルクティーが随分と薄い気がする。
でもライトのご機嫌な顔が見れただけ値段分の価値アリ、さっきお弁当食べてる時も思ったけど写真に収めたいくらいご飯食べる時とすごくいい顔で食べるんだよこの子、カメラ向けたら機嫌損ねそうだからやめとくけど。
と、彼の顔を眺めながらぼーっと啜ってると勢いよくストローから飛び出した粒がダイレクトに喉に詰まった、よくある現象だけど結構これビックリするんだって……
「キョウカ、もしかして詰まった?」
「ちょっ、なんで笑うの! ねぇ!」
私にとってちょっと懐かしく感じたやりとりだった‥お兄ちゃんや母さんと一緒に住んでた頃を思い出す……当時は弟や妹が欲しくてたまらなかった時期だったなぁ。
そういえば母さんが居なくなる前によく一緒に遊んだあの子‥今なにしてるんだろ。
そう懐かしんでいると、聞き覚えのある声が近づいて来た……
「やっほ〜キョウカ、なにしてるの?」
「へぇ〜、キョウカにも一緒に遊びに行く男友達居たんだぁ♪」
「あ、あお? ‥にベルも‥偶然だね‥」
マンガみたいな話だけど、愛緒とバッタリ会ってしまった‥しかも同級生の
「キョウカってこういう子好みなの?」
「別に‥カレシとかじゃないよ、って言うかベルには関係ないでしょ!」
「ふーん、じゃあ一緒に住んでる愛緒はこの子のこと知ってるの?」
「いや、私もはじめましてだよ、って言うかベル、キョウカが可哀想だからやめな?」
さすが愛緒……でも、ライトのことなんて誤魔化そう?
「あー自己紹介がまだだったね、はじめまして、私は水原愛緒、あおでいいよ、でこっちが友達のベル」「ちょっ、愛緒‥んうん、えーとベルこと、水琴鈴‥呼び方は好きにお願い」
「愛緒に、すず……」「君は?」
「僕は……ライト、キョウカとはまあ‥」「たまたま知り合ったんだ、まだ知り合って2日目‥」
「そうなんだ……」そのあと愛緒はライトを見るや‥
「って事は今朝のお弁当ってこの子‥のため?」
「やっぱり察してたの?」
「だって明らかに誰か会いに行くのかなぁって感じでソワソワしてたし、でもキョウカってさ、困ってる人ほっとけないタイプだし、昨日異様に帰り遅かったし、だから多分昨日誰か助けてて、その誰かにあげるんだろうなって気がしてたんだよね……でもその子が心配になるくらい痩せてるの見て確信したよ、予感が大当たりだなんて」
一緒に住んでる期間が長いせいかお見通しか……だとしてもこれはこわいっいぇ
「うわ、愛緒‥そこまで読めるのは流石に引くわ……」
「にゃははは‥やっぱりあおには敵わないや‥」「お弁当、ご馳走さまでした」
ライトが両手を合わせてお礼を言うと、「どういたしまして、今度うちおいでよ」と笑顔で誘う……ここで今朝の愛緒に説明に付け足すと……恐らく自分の料理を美味しく食べてくれる人にはとことん振る舞いたくなるクッキングジャンキーなのだ……私も餌付けされかけたし‥ベルもその被害者になりかけた一人である。
「ねぇねぇ、キョウカ、昨日の騒動の間にn」「邪魔しちゃ悪いし……もう行くね」
「うん、そっちも楽しんで‥」
ベルを引きずるように愛緒がそのテーブルを離れると、愛緒からメールが来る。
ライトと肩をくっつけて文面を確認すると「デート楽しんでね❤️」とお節介メールだ。
「デートかぁ‥キョウカの恋人のフリ、してもいいよ? 楽しそうだし」
「バカ! 私は、もう好きな人とかいるし‥男に飢えてないし‥」
「ふーん‥」
「何その態度」
「じゃあこうしようよ、黒いつぶつぶのお礼に一個お願い聞くって言ったら?」
「……恋人よりかは、弟のフリしてくれる方が……嬉しいか‥」
「じゃあ、これからどこ行く♪ おねー‥」急いで彼の口を塞いだ
「やっぱやめた……でも、折角だからライトの行きたい場所に行こうか?」
「なら、からおけってのに行ってみたいかなぁ‥」
カラオケか……悪くない。
「じゃ、私安いとこ知ってるから行こうか……どうしたの?」
「キョウカ‥やっぱりちょっとそう言う目で僕見てた?」
イタズラが上手くいった時の子供みたいな顔で言われた。
手元を見て見ると無意識に彼の手を握って立っていた……見た目は人間でも体表が液体金属であるためか、人間とは違う生ぬるさを感じる。
「なんだっていいよ、もう‥」
そのまま勢い任せに手を振り払った。
あぁ〜なんでこんなにも今日は調子が狂うんだ! ……からかわれるのは苦手なんだって!
私とライトがこんなやりとりをしている間、愛緒は昨日助けてくれた彼女が駅でため息を吐いてる所を見かけた。
「(
「あ、あのー」「あっ、昨日の! よかったぁ‥無事でしたか‥」
切迫詰まった様子の彼女は愛緒に驚いて少し変な日本語で答えた。
「はい、おかげさまで、ありがとうございました」
「いえいえ、困った時はお互い様って言いますし、私は人助けがお仕事みたいな感じなので‥」
人助けが? と愛緒は首を傾げた、何故なら彼女の装いは見たことないエンブレムが縫い付けられた水色のマウンテンパーカーに健康的な太腿がはみ出すショートパンツ、靴はカジュアルブーツで髪は漫画で見るような大きな赤いリボンで一本にまとめていて、鞄の類もショルダーバックのみだし、警察だとしても消防の方だとしても外見が若すぎる。
「────────昨日助けていただいた時から思ったんですが、普段は何を?」
そう聞くと彼女はかなり動揺したが、すぐに答えた。
「こっちの国だと馴染みない職業だと思いますので、言ってもピンと来ないと思いますが……」
と赤いリボンの彼女が口を開いたところでベルが追いついた。
「愛緒‥いきなり走り出してどうしたの?」
「ごめん、昨日助けてもらった人がさ‥」
と指を指すと、彼女はもう居なかった。
「あれ?」「愛緒‥大丈夫?」
見間違いか幻覚だったのかと思ってもう一回ベルの方に向くと、「よっと、はい、手離したらダメだよ〜」と小さな子の飛んでいった風船をキャッチして手渡したあと、「ごめんね」と言っているかのような口の動きと一緒に両手を合わせて謝っている彼女が見えた、けれどそのあとすぐに人混みへと消えていった。
to be continue
次回予告
さあさあやって参りました、カラオケボックス!
でもライトってどんなの歌うんだろ?
懐かしさ爆発して、私も楽しくなってきちゃった♪
次回、第5話「ファーストホリデイ」
ノリノリで歌っちゃうぞっ♪