さて、今回は(今回も)作者の趣味モリモリです。今回とか次回とか、割とバゼルギウスの生態を捏造しています。ご注意をば
サイレンのような鳴き声と共に、爆鱗が降り注ぐ。衝撃を加えられた爆鱗は着弾すると順に爆発しようとしていく。
が、着弾する直前、ミツネは泡をまき散らして爆鱗を遠くへと滑らせ、俺達はひとまず無事だ。
バゼルギウスは対空したまま、ちらりとマムの方を見た後、こちらを見つめてくる。
……ん?なんかこう、こいつ、どこか違和感があるというか……?
それでもとりあえず警戒するに越したことはないので、カカルクモナキに手をかけて警戒する。
先に動いたのはバゼルギウス。炎の球を吐き出してくる。
ミツネの吐き出した大きな泡とぶつかり、球は届かない。
この隙に攻撃を加えるべく、翔蟲を用いて飛び上がる。接近と同時に抜刀、そのまま身を翻しながら急降下、頭部に斬撃を叩きこむ。
うまい具合に入ったのか、バゼルギウスはスタンしながら落下、その衝撃で爆鱗が爆発し、爆風で少し吹き飛ばされながらダウン。
追撃。気を溜めながら尾を狙い、ステップを踏みつつ攻撃を加える。
爆鱗が胴にないこの間にと、ミツネは跳び上がって急襲……洗濯機のような回転を加えた体当たりを放つ。
一歩退き、カカルクモナキを構えて一気に距離を詰めて斬りつける。
が、丁度バゼルギウスは体勢を立て直し、後退するように飛び退いたせいで、桜花鉄蟲気円斬はバゼルギウスの尾に当たった。
「機動力が高いな……」
マムは逃げただろうか……と思ってチラリと見れば、その場で立ちすくんで一切動いていなかった。
バゼルギウスの方を見れば、既に空中にいる。あの構えは確か、特攻機のように突っ込んでくるものだ。狙いは、俺達より後方……マムの方だ!
「危ない!」
「ひゃえ?!」
叫ぶと、マムは我に返ったのか回避行動を取ろうとする。しかし、それには遅い。
俺達もなんとかしようと動くが、俺は翔蟲がまだ帰ってきておらず、ミツネも泡を用いて滑るが、体格によりバゼルギウスに追いつけない。
バゼルギウスは特攻機が如く勢いでマムに突っ込む。そのままマムは突き飛ばされ――――――――なかった。
『クルルルル……』
「ひゃああああ?!」
バゼルギウスはマムの目の前で急停止し、そっと地面に降りると、甘えるような鳴き声を出しながら、マムに頭をこすりつけていた。
「……何だあれ」
『……キュゥ』
なんだあれ。心の底からなんだあれ。そう思うのはミツネも同じらしく、呆れたように鳴いた。
襲っているというか、いや襲っているんだけど、どっちかというと襲撃という意味の襲うではなく……
「た、助けてーーーー!」
『クルル……!』
とりあえず引きはがそうと思い一歩踏み出すと、途端にバゼルギウスは振り向き、こちらを威嚇するように低く唸ってきた。
「あー……ちょっと待て。今出るかな……」
「な、なにする気なの?」
「話す。」
「は、話す……?」
とはいえ、完璧にモンスターの言葉とかがわかるわけではない。俺はライダーじゃないし。ニュアンスと片言でゴリ押す感じだ。
まあ、ミツネだけは例外的に何を考えているのかわかるし、ミツネも俺のことや言葉を理解してくれているようだが。
あと、俺のできる鳴き声ってバルファルクだけなので、後ではちみつを舐めないと喉を傷める。人間の声帯では、あの甲高い声はかなり負荷がかかるのだ。あと、調子次第では出ない時がある。
「きあー、ぁー、あーあーあー……キァァァ……」
よし出た。「おいそこの竜」と、若干高圧的な気もする感じで話しかければ、バゼルギウスは驚いたように目を見開いた。まあ、そりゃそうだ。人間がモンスターの、それも古龍の鳴き声だしてきたら驚くだろう。多分俺も驚く。
「キィィィィ……ァァァ、キィィ……?」
『クルルル……ガァウゥ』
「?!き、キィィ、キィァァ……」
『クルルルル!ガウゥ』
マジで?という顔になってると思う。いや俺、異種婚姻譚は嫌いではないが、あまりにもこのバゼルギウスは、なんというか……
「えっと……なんて?」
「あー、えっとな。アンタに一目惚れしたって……」
「はあ?!でたらめ言ってんじゃないわよ?!」
「でも実際そうだから、俺に言われてもな」
『クルルルル』
そう、俺が「何故その娘に構うのだ」みたいな感じのことを聞いたら、『この娘がオレのヨメだから』みたいなのが返ってきた。あまりにも驚いたので、「えっ、それマジで言ってんの?」と言ったら、自信満々に、だいたい『もちろんだ、だからお前らにはやらせん!』みたいな返事が来た。
正確ではないが、大体あってるはずだ。
「で、でも私、何か惚れられるようなことをした覚えは……」
「あー、キィィ……?」
『クルルル』
「……『寝ていたところを起こしてくれた』、だそうだ」
「へ……?あ、あの時起きてたの?!」
何か心当たりがあるらしい。
あー、喉痛い。一応「そっちが来ないなら襲う気はない」とだけ伝えたし、もう鳴かないでいいだろう。ロイヤルハニー、帰りに採ってこ……。
「はあ……なんかこう、逆に落ち着いてきちゃったわ」
「しかし、狩猟するわけにはいかなさそうだしな……ん?」
『キュ!』
飛来してくる何かに向かい、ミツネが高圧ブレスを当てて撃ち落とす。
「大丈夫かいなーーーって、なにしとるんや?!はよ離れ!」
「今、助ける……」
「ストップストップ、ちょっと待ってください!?」
声の方を見れば、クルガさんとアトラさんが驚いた顔をしていた。飛来物は、アトラさんの放った斬裂弾だった。よく反応できたな、ミツネ。
とりあえず、2人に対して全力で事情を説明する羽目になるのは見え見えなので、俺は面倒くささを感じてため息をついた。
閲覧ありがとうございま( ˘ω˘ )