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――――バルクが狂竜ウィルス研究所でミツネと共に寝て、マムがライダー達に質問攻めに遭っている頃。
大老殿の部屋の一角に、何名かの人々が集められていた。
「……さて、皆さま、よく集まってくださいました」
一人の竜人が。そう言った。彼は大老殿に関係する者だ。
彼の視界には、そうそうたる面子が集まっていた。
「ええんやええんや。緊急事態っちゅーんならいくらでも協力すっからな!いっつも飛び回っとるから慣れとーやし」
そう言ったのは、
”金色の軌跡”とも呼ばれる、龍歴院所属のハンター、アトラ・ネセティア。赫き彗星と蠢く虚城に鎮座する黄金の女王を制した、一部研究員からなぜか研究対象にされそうになっているハンターだ。
「あたしも同じくだよ。まあ、今回はたまたまドンドルマにいたから一番乗りだったけどね」
ひとまとめにされた青にも緑にも見える髪が左目を隠している。見えている右目は赤い色。
《我らの団》所属のハンター、マデュラ。光と闇を輪廻し続ける龍を討ち、極限に至ってしまった千の刃を凌ぎ、千剣山に巻き付く王を鎮めた、通称「まつげのハンター」である。豪山龍の話も有名だが、触れないであげてほしい。
「……ああ、そうだな」
短い黒髪には青色が混じり、瞳は風や空のような青をしている。
要請を受けてカムラの里よりやってきた”猛き焔”、
「えー?ぼくははやく帰りたいんだけどー……」
眠そうな声で、
桜色の混じった白い髪に、白とも言える色合いの瞳は、眠さからかあくびからか、涙が浮かんでいた。
ユクモ村専属ハンター、マツガ。男女不明の人物だが、実力は確か。つかみどころのない人物だが、依頼を一度も失敗したことがないという話もある。
「なんでボク、こんなとこにいるんだろ……」
蒼い髪は跳ねており、黄色い瞳は怯えたような色を見せている。
モガの村所属のハンター、ギアは、他の面々を見て遠い目をしていた。確かに大海を統べる龍や、希少な海竜をも制した彼だが、それ以上に他の面々があまりにも伝説的な面々だったせいで、あわあわしているのだ。
無論、彼もそのうちの一人なのだが……。
「それは、ジブンも言えることだから……」
ギアの肩にぽん、と手を置いた人物は、ハンターでは無さそうだった。黄色い外套に防御力は見当たらない。
毛先が赤い水色の髪をした、赤橙の目をした彼は、なにやら長方形の石を携えている。
ゼノは、《特派観測隊》のリーダー。遠い大陸から、同じ事件が起こっているということで、フェルジア大陸のライダー達の代表としてやってきたのだ。
「他にも召集を出しましたが、様々な事情により来れなかった方もいますので、そちらには後ほど連絡を入れます」
「おうおう、それについちゃ任せといてや」
「ありがとうござます。それでは、今日集まって頂いた要件についてですが……」
竜人は、話題を切り出すことにした。
「もうご存知の方もおられるでしょうが、狩猟に出たハンター・ライダーが行方不明になり、同時に凶暴化したモンスターが突如増えているということについてです」
「あたしたちの行く先々でもよく聞くよ。けっこう深刻みたいだよね」
「オーレウさんも言ってたなぁ……ボクに愚痴るのはわからないけど……」
各地で起こっている、ハンターやライダー達の失踪事件。失踪した場所は、いわくのある場所だけでなく、よくハンター達も赴くフィールド……例えば森丘や遺跡平原、孤島など、とにかく場所を選ばず起こっている。
同時に、消えたハンターやライダーと同じ数だけ、凶暴化したモンスターが突如として現れるのだ。
タイミングとして、あまりにも不自然過ぎた。モンスターの調査へと赴いた書士隊や、ハンターやライダーの救援に向かったギルドナイトまでもが行方不明となっている。
勿論、何とか帰ってきた者達もいるが、そういう者達は、例えば「運よくモンスターに助けられた」とか、「オトモンが街まで運んでくれた」とか、そんな証言が多い。
「モンスターに助けられた、ねー。あり得なくはないけど、信じがたいかんじだよねぇ~」
「オトモンならよく聞く話だが……」
マツガが首を傾げ、ゼノは考え込む。
「まあなんちゅーか、不思議な話なんよな。深刻な話でもあるんやけど……」
「里ではまだ、起こっていない……が、起こしては、ならない……」
「そうです。皆様方に協力して頂きたく。ですので――――」
竜人は、この場に集う面々を見回し、言葉を続けた…………
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