現在地、大社跡。神が去りし、廃忘の社。カムラの里からほど近いこの場所は、タケノコにキノコ、それからホオズキが代表的な特産品だ。
特に、一度だけ食べたことのある逸品タケノコなんて、普段肉や魚を好んで食べる俺でも、野菜(?)なのに「美味い」と言ったレベルだ。ルドロスよりも圧倒的に美味い。
支給品をポーチに入れ、いざタケノコ採取!
タケノコが取れる、エリア4近くの山岡の上に来ていた。ヒトダマドリ達を見つけつつ、エンエンクとクグツチグモを念の為遠回りして捕獲してからやってきた。
少し探せば、タケノコはすぐに見つかる。割と目立つのだ。
ただ、問題はその中から「特産タケノコ」と呼べるようなタケノコを選ばなければならない。
目利き自体は教えこまれているし出来るのだが、質が悪いのはもちろん、良すぎてもいけない。良すぎると、「特産」ではなく、「厳選」や「逸品」になってしまう。あくまで今回のメインのものは、「特産タケノコ」だ。
「お、これだな。こっちはただのタケノコ……特産は……4か。結構あるな?」
この場にある特産タケノコをポーチに収め、次の採取ポイントに行こうとした時、聞きなれた鳴き声が聞こえた。
『キュ!』
「ミツネ?!おま……里で留守番してろって言っただろ?!」
『キュー?』と首を傾げ、咥えていたものを置く。「特産タケノコ」だ。
「いつの間についてきたんだ……」
里に戻れと言いたいところだが、戻る途中で迷いかねない。それに、ミツネはキラキラした目(とはいっても、視力の低い片目しか見えてないので言葉のあやだが。)で見てくるので、こう……ほおっておけない。可愛いと思ったとかじゃないぞ。
まあ、クエストを手伝ってくれようとしているのだし、いいか。オトモみたいなものと思おう……オトモミツネ?俺はハンターなのでオトモンとはまた違うのだが。
と、いうことで、ミツネも連れて次の採取場所へと向かう。翔蟲を使って移動しても、器用についてくる。見えてないのだろうが、感覚とかだろうか。
次は、最も近い東側の群生地。いわゆるエリア3近くのやつだ。
ただ、ここで見つかったのは二つだけ。物欲センサーでも反応しているのだろうか。残り3つ。そう思いながら、いわゆるエリア7近くの群生地でも2つ。特産タケノコになりそうだが、あと一歩の大きさが足りていないものばかりだった。タケノコ荒らしみたいなモンスターでもいるのだろうか。イメージ的にファンゴとか。
「うーむ……とりあえず、次行ってなかったら、もう少し隅々まで見てみるか」
『キュ』
朽ちた建造物を視界の端に捉えつつ、群生地を見つける。そこには、かなりの量の特産タケノコがあった。ここに密生していたのか。
「ま、一個だけ持っていくか。ミツネ、一個選んで――――」
突如、真横に泥の礫が通り過ぎた。幸い、俺もミツネも荷物のタケノコも無傷だ。
何事かと思い、カカルクモナキに手を掛ける。ミツネも警戒態勢だ。
廃屋が並ぶ方、エリアの方向からゆっくりと近づいてくるシルエットは――――『泥翁竜』オロミドロだった。
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