◇◇◇
ユクモ村近く、渓流。水と緑豊かな地には、ガーグァやルドロス、ジャギィをはじめとした、多くのモンスターが住まう。
水辺では
面々だけを見るなら魔境だが、それでもまあ、風光明媚で穏やかな場所だ。
一時はかなり物騒ではあったものの、ユクモ村の村専属のハンターや、龍歴院のハンターの活躍などもあり、いまでは(個体差故かかなり穏やかなナルガクルガやラギアクルスが居るとはいえ、)なかなかのどかな場所となっていた。
さて、そんな渓流に一人のハンターが訪れていた。全身をユクモノ装備でかためた、ハンマーを装備したハンターだ。おそらく、駆け出しなのだろう。
素材を求めてか、ぽかぽか日光浴をしているナルガクルガの横を通り抜け、ハチミツを舐めるアオアシラを一瞥して、奥の方へと進む。
目的は魚。ただ、それならばロアルドロス達のいる方へ行くのが無難なはずだ。
「あれぇ………?」
……そう、とどのつまり、彼女は迷子なのである。
このハンター、魚と同時にユクモの木も採取しに来たはずなのであるが、どうもオトモともはぐれて迷い込んでしまった様子なのだ。
帰り道がわからなくなり、キャンプと反対方向に進んでいくと、地図より外側へと出てしまう。
川のせせらぎが少々遠くに聞こえるそこは、普段狩りにも来ない場所。何が潜んでいるのか分からない。
つまり、普段渓流にいるはずも無いモノに出会う事になるかもしれない。
「あ、あれは!」
と、少々遠くに倒木が見える。ユクモの木を採取できる目印だ。
せめてあれを回収していこうと彼女は駆け寄る……が、彼女は木々の間から姿を現すのを躊躇った。
そこは、開けた場所になっていた。小川が流れる穏やかな場所。
そこですやすやと昼寝を行う巨大な松ぼっくり……もとい、『爆鱗竜』バゼルギウス。『恐暴竜』イビルジョーと同じく、しかしつい最近有名になった超危険生物だ。
彼女はゆっくりゆっくりと後ずさる。小枝を踏まないように、静かに、静かに。
ある程度距離を離してから、小さな声で
「ひゃ〜………!」
と叫びながら来た道を駆けて行った。
だいたいおよそ、彼女の対応は正解だ。ただ一つ、彼女は、その逃げていく背を爆鱗竜がじっと見つめているのに気が付かないまま行ってしまったことは、気がつくべきだっただろう。
閲覧あ!!!りがとうござ!!!