煉獄杏寿郎と巡るユグドラシル【オバロ×鬼滅】   作:空想病

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※注意※
 R-15
 残酷な描写

 無惨様のターン


第拾陸話  鬼、氷河城に帰還す

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 ・

 

 

 

 

 ヘルヘイム《最奥》──氷河城周辺の山岳地帯。

 ギルド:ワールド・サーチャーズ〔ヘルヘイム方面〕──その調査隊の旗が立っている。

 寒冷地用の純白のテントから、外をのぞく人物が、一人。

 

「見えますか、隊長?」

「ああ──」

 

〔調査団〕のなかで前線調査部隊長を務めるプレイヤーの男は、強風に揺れるテントの中に横たわり、双眼鏡のアイテムをのぞきこむ。

 距離にして1キロ先、吹雪の奥で(そび)える白亜の城──その“入口”である銀色の城門を眺めやると、実に感慨深いものが込みあがる。

 

「ようやく、ここまでこれたよ」

 

 テントの中には、彼と共に調査活動に従事するプレイヤーが四人。全員が雪山登山の装備をしているが、これは〈氷結〉や〈冷凍〉対策のためであることは言わずもがな。そして、彼らはゲーム世界での雪山登山に興じる観光客というわけでは、もちろんない。人種も種族もバラバラの男女五人。探査系職業を数多く習得し、部隊長を就任した人間の男。軽機関銃とサバイバルナイフで武装した女森妖精(エルフ)。調理したスープで暖を取る調教師(テイマー)の小人。ふわふわもこもこの白い毛並みで隊員らをくつろがせる熊系の獣人(ビーストマン)。簡易暖炉に火をともしている火精霊(ファイア・エレメンタル)も調査隊の一員、プレイヤーの一人であった。

 部隊長は今回の活動内容を総括するように語る。

 

「前の調査の時は、第三チェックポイントまでしかこれなかったからな。今回の俺たちで、調査拠点を新しく五つも築けた──大成果だよ」

「いやぁ“致死のクレバス”地帯、あれガチでクソ仕様ですからね。落っこちたら飛行不能、おまけに耐性アイテム関係なく即死亡とか」

「土地探査スキル使っても、秒単位でクレバスの開く場所が変わるとは。あんなフィールド作るとか、運営の奴等ブッとんでやがりますよ」

「ははは、違いない!」

「だからといって、この猛吹雪の空を飛行してたら、五分で〈完全冷凍〉、おまけに最上位の霜竜(グレイテスト・フロストドラゴン)災厄の霜巨人(フロストジャイアント・オブ・カタストロフ)の群れに襲われ、食い尽くされる。ヘルヘイムの氷河城は、まさに天然の要害よね」

 

 火精霊の女プレイヤーが言うように、氷河城の難易度は周辺地域一帯からして極悪をきわめた。それゆえに、ギルド:ワールドサーチャーズをもってしても、これまで本格的な調査は行えておらず、目下のところ、ここにいる五名の調査チームが、もっとも深部に接近していると、そう見て間違いない。城の「数十キロ圏内」は極悪かつ強力なモンスターの巣窟と、耐性や対策なしでは数分とて活動を継続できない永遠の吹雪にとざされている。そんな純白の危険地帯を乗り越え、モンスターの脅威を最低限に狩り取りながら、少数精鋭で「数キロ圏内」に足を運べたのは、おそらく彼らが初であった。

 

「言うまでもなく高難易度ダンジョンでしょうね。あの氷河城は」

「拠点ポイント上限の3000は確実でしょうよ」

「ニヴルヘイムの鋼鉄城と似た外観だし、何より、あそこには二人目の「ヘル」が、腐蝕姫とは違う災厄姫がいるって、黒城を落としたチャンピオンのギルドが確定情報を流してくれたからね」

「ああ、“最上位死霊王”さん」

「拠点のボスキャラとの共同統治形式だと、得られる情報は質が違うからね」

「死霊王さんといえば、非実体のアストラル体なのに、あの決勝戦動画、観た? あんなのが可能とか、ほんとチャンピオン勢はどういう脳みそしてるんだか」

「どっちかっていうと肉体(フィジカル)方面の影響が大って聞くけど?」

「なんにせよ、ユグドラシルの貴重な情報をくれた人物だ。どっかの「悪のギルド」さんよりも、よっぽど好感が持てるね」

「うちは、あっちの方が好きよ? PKKを標榜する団体なんて、あまりないし」

「でも、僕は「1500人全滅」には、いまだに納得がいってないです。絶対チートでしょ、あれ」

「運営が正式に『チートじゃないから文句いうな』って表明したんだから、あきらめなさいな」

 

 雑談に興じる部隊員たちに交ざりながら、部隊長は今後の方針を示す。

 

「気象予報のスキルだと、あと十分そこらで吹雪が少し弱まる、そのタイミングで、入口までいけるだろう」

「入口で、仲間を呼ぶ〈転移〉関係が可能かどうか、調べるわけですね?」

「ああ。でも、まぁ、十割無駄だろうな。が、やるだけの価値はある。頼むぞ、皆」

「おお、いよいよか。鳥肌じゃなくて熊肌たってきたぞ」

「はいはい。〈記録〉のカメラ準備して」

「暖炉はギリギリまでつけとくわよ」

 

 全員が承知の首肯を落とし、テント内を片付け、装備をあらため始めたとき、

 

「ん?」

 

 隊長は視線を感じた。

 だが、〈敵感知〉のそれには反応がない。

 本当に、遠くから誰かに見られているような気がして、彼は再び双眼鏡(アイテム)で氷河城の入口を見た。

 

「あれは?」

 

 人影が見えた。そんな気がした。その影は瞬きのうちに消え去った。まるで夢か幻のごとく。

 気のせいだったろうかと首を傾げた隊長は、仲間たちの方を振り返ろうとして──ふと、灯りが消えた。

「どうした」という声を発することはできなかった。

 

「…………え?」

 

 テントの中に、仲間たちはいなかった。まるで微風の粒子に変じたかのごとく、彼の視野から消失した。

 銃火器を帯びた女エルフも。

 モンスターを調教(テイム)する小人も。

 シロクマのようだった獣人(ビーストマン)も。

 寒冷地対策要員の火精霊(ファイア・エレメンタル)も。

 

 誰もいない。

 皆がいない。

 

 いるのは、自分ひとりだけ。

 そんな馬鹿なと思いつつ、彼らの痕跡を探ろうと視線を走らせる。

 あるいは、モンスターの奇襲だろうか。しかし、そんな気配があれば、即座に気づけたはずである──なのに。

 

「な、なんで?」

 

 暖炉のおちたテント内に吹雪の寒風が吹きこんだ。

 隊長は背筋が凍るように感じた。ゲーム内の冷気が、現実の脊髄を貫くがごとく思えたが、それは錯覚にすぎないはず。

 

「……は、ははは。皆、なにして、あ、ああ、あれか? ドッキリか、何か、か?」

 

〈透明化〉や〈不可視化〉の魔法なんて、タチの悪い冗談はよせよと空笑う男は、ふと、自分の手元が濡れていることに気づく。DMMO-RPGではありえないながらも、その触感は否でも肌の表皮を凍てつかせた。

 暗くなったテントの中に充満する液体の正体──

 

「────血?」

 

 このゲーム内ではありえざる嗅覚がかぎつけた、鉄のにおい。

 かすかな粘性を持つ赤黒い液体が、分厚い手袋に包まれた己の掌を染め上げていた。

 尋常でないことが起こっていると理解しつつも、彼はその場から、一歩も動けない。立ち上がることはおろか、身動(みじろ)ぎすら不可能だった。

 テントの外から、再び例の視線を感じ取る。

 感じながらも、首を巡らせることができない。

 肉を噛み、骨を砕き、皮を裂いて血を啜る音色が、酸鼻を極める“食事”の風景が、嫌になるくらい鼓膜を叩いた。

 ありえないことだと思った。ユグドラシルの仕様上、そこまでグロテスクな表現描写・攻撃挙動はできないはず。そう思いながらも、“何か”を喰らう“何者か”の存在を、これでもかと認識してしまう自分がいる。

 隊長は浅い呼吸を繰り返しながら、全神経を総動員し、全身に残る勇気を振り絞って、背後を振り返った。

 そして、見た。

 

 

 

 ──白色の闇の中に鎮座する、臓物(そうもつ)の肉塊。

 ──尖鋭な爪牙(そうが)と暴悪な眼球による、異形。

 

 

 

 観測者たる彼が理解できたのは、そこまでだった。

 仲間たちの死骸を食い散らかすバケモノを飼いならすように──あるいは体の一部であるかのように(うごめ)かし、足元に這いずり回らせ蠕動(ぜんどう)させる、『恐怖』の具現。

 氷点よりも冷えきった視線を投げかけてくるのは、人であって人ではない、男の姿。

 ……直感が告げていた。

 ……あれは“鬼”の()だと。

 

 

 

 

 

 一秒後、彼は悲鳴を上げる間もなく、肉の濁流にとらわれ、頭から(むさぼ)り食われた。

 

 

 

 

 

 その日以降、氷河城至近まで到達していた調査チーム五名はギルドから、

 (いな)

 ユグドラシルそのものから、永久に姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 ・

 

 

 

 

 

 ヘルヘイム・氷河城。

 最上層・最高階──“災厄姫の間”。

 氷柱で構築された大伽藍と、雪の結晶を思わせる硝子窓に覆われた城の尖塔は、猛吹雪の中にあっても堂々と屹立したまま、冥府の純白の天蓋にその全容を隠している。だが、その内部ではひそかな変動が起こって久しいことに、気づいているプレイヤーは限られていた。

 その変動の中心人物たる男は、城内の傀儡人形(マリオネット)らを供回りに従え、城に帰参。

 そうして、本来はヘルヘイムの支配者たる女城主が座すべき玉座に傲然と腰掛ける男──鬼舞辻無惨は、口の周りを鮮血と臓物で汚すような醜態を見せず、しかしながら、久方ぶりに味わった“食事”に対し、特上の満足を覚えつつ頬杖をついた。

 

「やはり(かつ)えていると、肉の美味なることを思い出せて良いものだ……、……ッ」

 

 それを過日教えてくれた哀れな女の幻影を思い起こしたことを一瞬ながら不快に感じ、男は玉座の傍に控えている少女──清楚かつ華奢な裸体を縛鎖と首輪につながれた、氷河城の旧女主人を肉の鞭で叩いた。

 痛みをこらえる少女は、手に持っていた人血入りの酒瓶と銀トレイを取り落とし、けたたましい騒音を発して、城の新しい主人をさらに不快にさせる。

 

「せめて女中(じょちゅう)ぐらいの役割でも十全に果たせんのか? ──この愚か者めが」

『も、もうしわけ、ありませ……ひぐ、ぅう……』

「そんな無様(ぶざま)をさらして、この冥界の主人のつもりか? まったくもって惰弱(だじゃく)の極み。己の分をわきまえるがいい」

『ううぅ……パパ……パパぁ……』

 

 ヘルは屈辱に頬を真っ赤に染めて自身の父を呼んで(はばか)らないが、無惨は一向に興味がない。

 はなはだ鬱陶(うっとう)しい。これ以上すすり泣くようならば、その両目をくりぬいてやろうかとも思う無惨であったが、その試みは実現しない。理由としては、二つ。半死人たる彼女を害したところで、傷は瞬きの内に修復されることが、ひとつ。いまひとつは不愉快な思いを埋めてやまぬ感慨の源泉──待望していた者の帰還を、肌で感じ取ったから。

 

「ふふ……戻ったか」

 

 ほどなくして、災厄姫の間の大扉が、開く。

 

「ただいま、戻りました……無惨、様」

 

 後背に引き連れた隷属ども──モーズグズらを連れて、(こうべ)を垂れてつくばう少年──竈門炭治郎の姿を見て、無惨は何の逡巡もなく純白の玉座から身を離した。

 

「おお、炭治郎。よくぞ戻った!」

 

 快声をあげ、まるで凱旋を祝すように両手を広げる鬼の始祖は、足音も高く己が生み出した炭治郎のもとへ歩み寄る。

 

「こ、此度の外征に際して、ま、誠に、弁解のしようもなく」

 

 怯え震える炭治郎を、だが、無惨は暖かくやわらかな抱擁でもって迎え入れる。

 対する少年は、恐懼(きょうく)に震えながら、創造主の言葉を耳朶(じだ)に直接たたきこまれた。

 

「なにか怪我などをおってはいまいな? 私に匹敵する再生力があるとはいえ、あの女拳士に埋められたときなどは、さすが肝を冷やしたぞ?」

「も、申し訳ありません。あ、与えられた力を存分に生かすことが出来ず、ま、ましてや、あの、あのキサツタイ、抹殺の命に沿うこと、かなわず」

「よいよい。()いと言っているだろう、炭治郎?」

 

 外界は永劫の冬による寒風が吹きすさぶ中、広間の温度は適温を維持している。にもかかわらず、緑と黒の市松模様の羽織を纏う鬼は、全身から冷や汗を滝のごとく噴出させていた。

 無惨は彼の汗の一滴すら()でるように頬を撫で、そして語を紡ぐ。

 

「あのような雑魚など、どうでもよい。私が作った最高にして絶対の“鬼”であるおまえさえ無事であれば、それでよいのだ」

 

 まるで我が子を心から慈しむ父のような表情と語調であるが、それも一瞬のうちに転変を余儀なくされる。

 

「──だが、確かに。あのような下賤(げせん)な輩が糾合(きゅうごう)しつつあるのは、不快である事実に変わりない」

 

 その変転ぶりに炭治郎は、不可視の掌で心臓と脳髄を握りつぶされるような恐怖に支配される。

 炭治郎は震える己を御しきれない。

 この世界の鬼殺隊(キサツタイ)を葬り去れなかった、事実。

 その責任を無惨は追及し指弾することはないが、その身の内に隠した不快感の溶岩流は、氷河城を焼き融かさんばかりのありさまであった。

 主人の感情の矛先が自分に向かっていないことを理解していても、炭治郎は怖気(おぞけ)と吐気が込みあがるのを感じざるを得ない。

 無惨は、そんな少年の心情を知ってか知らずか、ただただ、優し気な口調で(さと)し続ける。

 

「おお、炭治郎。先ほども言ったであろう? おまえさえ無事であればそれでよい。此度の失敗ごとき、我らには何の痛痒(つうよう)にもなりはしない」

「は…………はい」

「しかし、無論、次は確実に奴らを葬り去らねばならん。私の“意思を継ぎ”、最強にして絶対の存在(オニ)、神をも超克(ちょうこく)せし完璧な生命であるおまえこそが、この世界において完全なる覇を唱えるためにも、な」

「…………は、い」

 

 炭治郎はうなだれるように拝跪(はいき)した。

 

「よくぞ無事に戻った、炭治郎。今宵はじっくり休め。城の物をいくらでも費やして構わぬ。なんとなれば、そこの(ヘル)に寝所の相手でもさせようか?」

 

 無惨の提案に、悲鳴を飲み込む少女に感応したわけでもなく、炭治郎は頭を床に向けたまま固辞する。

 

「い、いえ。それ(・・)は無惨様の戦勝品・所有物であれば。僕ごときが手を付けるべき正当な理由など」

「ふむ。そうか。おまえは今少し戯れることも覚えるべきだろうが……まぁ、よかろう。私はおまえの意思を尊重するとも、炭治郎」

 

 無惨は心底からの笑顔と共に、炭治郎一行を見送った。

 広間の大扉が閉まったあと、中から嗜虐に耐えるヘルの喘ぎが聞こえてくるが、それらは一切無視する。

 

「…………」

 

 炭治郎たちは階段をくだり、ひとつ下の階層にある武者だまりで歩みを止めた。

 そして、炭治郎は柱の一つに肩を預け、ずるずるとその場に座り込んでしまう。

 彼の身を案じた銀髪褐色の女騎士──モーズグズが、彼の肩に触れながら呼びかけてみる。

 

『────炭治郎様』

 

 途端、モーズグズの右頬を衝撃が襲った。

 通常人類であれば頸椎が捩じ切れるほどの一撃を浴びたことで、割れていた眼鏡が完璧に砕け、石畳の上を転がる残骸となる。

 炭治郎は彼女の胸ぐらをつかみ、語気を荒げて(ただ)した。

 

「……誰の許しを得て、……この僕に触れた?! ああッ!?」

『──申し訳ございません』

 

 牙を剥いて理不尽に拳を振るった主人に対し、女騎士は丁重に罪を謝する。

 炭治郎はモーズグズを突き飛ばすようにして解放した。

 

「いいか。おまえたちは、僕の言う通りに動け。そのためだけの存在だ。そのためだけに、僕の“血”を与え、僕のシモベとなした。僕からの命令、それ以外のことなど、いっさい何もするな。僕は最強の存在──我が父、我が主、我が創造主──鬼舞辻無惨様が生み出した、最強にして最凶の“鬼”なんだぞ?

 そんな僕を、貴様まさか、気遣(きづか)ったのではないよな?」

『……いえ』

 

 応じたモーズグズではあったが、彼女の裸眼には嘘の微粒子がちりばめられていた。

 炭治郎は姿勢を正し、圧倒的な創造主の主張に即するべく、自己を冷徹に規範する。

 

「僕は最強の存在……そう、最強だ……なのに、何故、あんな雑魚どもを狩りつくせなかった! 無惨様の命令は絶対、そう、絶対なんだぞ!?」

 

 創造主の与えられた役儀に反した──そのことが、被造物である竈門炭治郎──その外形をかたどっただけの鬼の心を千々(ちぢ)に乱した。

 うずくまる炭治郎は、腰に差していた刀を鞘ごと胸元に抱きしめ、己の思考の迷路に()まり込む。

 

「まだ、まだ足りないのか? もっと、もっと多くのシモベを作るべきか……しかし、無惨様の許可もなしに、そのような勝手な……」

『ふむ。それでは、今宵はここでお開きということで。あとのことは頼みましたぞ、モーズグズ卿』

『あ、えと、あの。それじゃ、また……』

『じゃあ、また明日ね、グッナーイ、炭治郎ちゃーん♪』

 

 ぶつぶつと己の不甲斐なさに理由付けを試みる炭治郎の姿を見つつ、シモベであるヴァフスルーズニルたちはそそくさと散会した。

 残されたモーズグズは、壊れた眼鏡を拾って、動こうとしない主人を見やる。

 

「煉獄杏寿郎──煉獄杏寿郎──あんな、あんな人間ごときに、何故、僕は──僕が──」

 

 ガタガタと身を震わせ、いつまでも自己嫌悪と自己反省の渦に耽溺する、竈門炭治郎と称されし“鬼”。

 

 あの決戦の時。

 鬼舞辻無惨が鬼殺隊士・竈門炭治郎の細胞を取り込み、一時は支配下において、最強の鬼となしながらも、無惨は竈門炭治郎から切り捨てられた──その時の細胞の残滓をもとに、無惨はこの世界で最強の“鬼”を生み出し、さらには細胞の情報から記憶まで本人のそれを再現しうるように調整されたのが、この竈門炭治郎──創造主曰く、“完璧なる生命”──

 

 そんな彼に忠節を誓う女騎士(モーズグズ)は、片時も彼の傍を離れようとはしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




無惨を見た〇〇先生「まるで成長していない…!」
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