考えて書いて、考えて書いての繰り返しをして1ヶ月…。
とうとうヨッピーは、書き上げたぁ!
ヨニコーンに積まれたプログラム《ヨピス・プログラム》が、提示したシナリオを。(・_・;
今だ、最初の為にヨピスのヨしか書けていないが…。((((;゚Д゚)))))))
さぁ、読むが良い!こんな駄作を読んでくれる心優しい読者さん達よ…。
ヨッピーが書き上げるエヴァワールドは、皆様に予想出来ないように作り上げるのが何代続いたヨッピーの使命…。
「気がすんだ?ヨッピー。」
おう!(=゚ω゚)ノ
「無駄に、ユニコーンネタを使いたいからって酷いなぁ…。後、初めて作り上げた作品なんだから、初代しかないでしょ。」
やかましい!これからも、前書きと後書きはヨッピーの楽しみだ!( ̄◇ ̄)
「どうせ、こればっかり考えてるから作品の方に間違いが出るんじゃ無いの?」
…。(・・;)
「やれやれ。皆様、お待たせしました。ヨッピーの書くエヴァを《良かったら》楽しんでください。m(__)m」
…やばい、ここがシンジに奪われる可能性が…。汗
エヴァ零号機の起動実験は無事に終わり、次回の使徒との戦闘が可能になる。しかし、戦闘が可能と言えど零号機には何個かの問題があった。
今現時点で使徒に戦える人間が、シンジただ一人の為に多少の問題を無視して少しでも戦力を増やす事をする。
その中、暗い空間に長方形のテーブルに光が灯っておりゼーレとゲンドウ含め6人が席に着いていた。最初に独のキール・ローレンツが口を開く。
「では、会議を始める。初めに、先日第4の使徒が襲来し見事エヴァ初号機が殲滅した。次に、その第4の使徒を姿形変えず殲滅した為に第3の使徒とは違い死骸が残った。この為、第4の使徒を解剖して解析、研究して新たに情報を得て人類の危機を遠ざけることができる。これについて意見があるものは?」
するとキール・ローレンツの左隣に座る米の代表が挙手して発言する。
「…失礼。確かに、サードチルドレンは我々の計画に大変貢献していることは認めよう…。だが、勝利はしているがサードチルドレンの戦いはどれも危ない!本来の使徒迎撃予算よりは大きく下回っているが、それ以前にエヴァがやられてしまったら意味が無い!」
米の代表の言葉を聞いた英と霧の代表が頷いていた。彼の言う通り、今のシンジは街を守りながら使徒と戦っている為にシンジの負担が大きく二回の戦闘で二回とも必ず負傷していた。
「その件について、碇君。何か対処しているかね?」
キール・ローレンツは米の代表の意見を聞き、ネルフの司令官であるゲンドウに聞いた。ゲンドウは表情を変えず淡々と答えた。
「…その件でしたら、サードチルドレン自身がネルフの開発部と話をして最新兵器の開発に足を運ばせてます。今は私生活で怪我を負ってしまい、シンクロテストや訓練が出来ない為に本部では赤木リツコ博士に同伴させてます。私も少し資料を見せてもらいましたが、面白い物が出来そうです。確かに、これが実戦に導入したらより一層に勝率が高まるでしょう。」
「そうか…。サードチルドレンには、今後とも身体には気をつけてもらいたい物だ。後ほど、その最新兵器とやらの資料を読ませてもらおう。では、他に意見があるものは?」
誰も意見が無く部屋には沈黙が走る。
「よろしい。では、今回の会議はこれにて終了としよう。碇君、第4の使徒の解析はそちらに任せるぞ。」
「はい。」
「では、終了する。「「「「「「全てはゼーレのシナリオ通りに。」」」」」」
道を歩いているだけで注目の的になるという状況を、シンジはあまり経験したことがなかった。
しかし、今はただ普通に歩いているだけでも道行く人々が彼らの方を見つめ、様々な種類の視線を投げかけてくる。その原因はもちろん分かり切っていたが、彼にはどうすることも出来ないものだった。
「う~ん………。」
シンジは彼の左側を黙々と歩いているレイの方に顔を向けた。愛らしい容貌と人目を引く眩い銀髪、そしていつもと変わらない生真面目な表情が、彼の目に飛び込んでくる。
(綺麗だねぇ……。)
改めて見つめると、彼女の美しさはシンジの知るどの女性からもかなり際立っていた。そんなことを比べるのは失礼極まりないとは思いつつも、身近な異性と比べてしまうのはどうしようもないことであろう。人間の判断基準というのは、大概の場合において相対的なものだからだ。
(でも……こう注目されてると居心地が悪いな。レイさんにとってはいつものことなんだろうけど、元から気にしてる様子もないしなあ……。)
完璧に整った横顔を眺めながら、そんなことを思ってみたりする。 真っ直ぐに前だけを見ている彼女の赤い瞳が、周囲から浴びせられる視線など一顧だにしていないことに気付いたせいである。
(少し前までだったら、俺の存在もそこまで見えてなかったんだろうな…。)
そう思うとシンジの胸と背中がかすかに痛んだ。しかし、今では彼が呼びかければレイはしっかりと反応を返してくれる。
「……ねえ、レイさん?」
「!?」
遠慮がちに呼びかけると、レイは弾かれたように彼の方を振り向いて、期待に満ちた瞳を輝か せる。それまではやや物憂げと言っても良かった表情が鮮やかに変化する様子は、初めてシンジがそれを見たとき、思わず面食らってしまったほどに急激なものだった。
「私……役に立てる?」
勢いよく振り返ったときに、シンジが苦心惨憺して切ってやった前髪がふわりと揺れて、光の粒子を撒き散らした。
「い、いや、別に何かして欲しいことがあったわけじゃなくてね、ちょっと話でもしようかって思 っただけなんだけど…。」
「……そう……。」
あからさまに残念そうに萎れてしまうレイに意味もなく罪悪感を抱いてしまう。彼女は数日前からずっとこうなのである。常にシンジの左側に影のように付き従い、彼が両腕を使うだけで別段に不自由なく処理出来るような類のことであっても、それが当然とばかりにレイはその華奢な手を伸ばしてきた。
さすがにトイレまで着いてくるような非常識なことはしなかったが、担任教師に申し出て席を替えてもらったり、昼食のときに自分の食事を後回しにして、シンジのために弁当箱を捧げ持っているくらいのことは平気でやってきた。周囲の冷やかしは凄まじいものになったのだが、レイは断固とした態度でこう言っただけだ。
『先日の件で碇君は私の不注意な行動で怪我をしたわ。完全に回復するまでの間を私が補佐する のは当然のこと。』
それは確かに生徒も教師も問わず納得させるのに充分な理由だった。
だが、現実には彼女の行動を黙認することにしたのは教師たちだけで、生徒たちの追求と冷や かしは激しさを増している。もしもレイが以前のような淡々とした口調と態度で言ったのならば、生徒たちも納得したであ ろうが、そのときの彼女の表情は、明らかに隠そうともしていない喜びに輝き、真摯な瞳はシンジの姿を捉えて離そうとしなかったのだ。つくづく接し方の難しい少女だと再認識させられてしまったシンジである。
「シンジ君?」
「え……。」
「会話するのではないの?」
気が付くと赤い瞳が驚くほど間近で彼の目を見つめていた。
「あっ、ご、ごめんね。」
「……いい。」
口ではそう言っていても、表情と仕草は逆のことを強く訴えている。かすかに唇を尖らせて、眉根が寄せられていた。 実のところを言えば、レイは本当にそれほど気にしていないのだが、この仕草をするとシンジ が考えを改めてくれることが多いと、この数日間で『学習した』らしいのだ。そんな小さな誤魔化しには彼もすぐに気が付いたのだが、実際に目の前でやられると、自分で も情けなくなってくるくらいに毎回引っかかってしまい、何度か自分というものを見つめ直してしまったこともある。
「ごめんね、ちょっと考え事をしてて。それじゃあ……えっと……何を話そうかねぇ……。」
「何でもいい。」
「お、おう……。」
シンジは夕食の献立はどうするかと子供に尋ねた母親のように、レイの返答に口ごもった。人付き合いはそこそこな彼で上手い話し方も持っているのだが、もう1つの理由の方 がこの場合は大きな割合を占めている。彼女と1つの話題を長く続けるのは、実は極めて困難な作業なのである。しかし、成り行きとはいえ、会話をしようと言い出したのは自分の方なのだからと、彼はこの 難行に果敢な突撃をかける覚悟を決めた。
「えっと……そ、そういえばさ、ちょっと前のことなんだけど、学校で最初の頃俺がトウジ君に呼ばれたこと覚えてる?」
「覚えているわ……。その時私登校してたもの。シンジ君が鈴原君に呼ばれて体育館裏に連れていかれてたの。」
「そ、そうだね…。」
(ちゃっかりと見てたのかな?あれは見えてないよな…。)
脱力してしまいそうになった両脚に何とか力を込めて、シンジは首を横に振って見せた。不思議そうに小首を傾げたレイは、次の言葉を待っているようである。
「……?」
「その時にトウジ君に、色々と言われてて俺が本当にエヴァに乗る権利があるのか不安になってね。その後だよね、使徒がきたの。携帯でミサトさんから、連絡が来て俺が本部に向かおうとした時にレイさんが俺を待っててくれてたよね?でも、あの時の言葉ってどう言う意味をもっていたのかなぁって…。」
当時とは比較にならないほど親しくなっているという自信も手伝って、シンジは気になっていたことを口に出してみたのだが、その問いかけは最後まで言いきる前に彼自身によって打ち切られることになった。レイの頬が唐突に赤く染まり、それまで引き離そうとしても絶対に不可能なほどだった視線も逸らされてしまったためである。
「ど、どうしたの、レイさん?」
「……あれは……私……なんとなく傍に行かなくちゃと思って……だから傍に行ったら……シンジ君が…落ち込んでるように見えたから…。」
彼女は俯いたままぼそぼそと呟くが、言っている事はまるで要領を得ない。しかし、それでもおおよその意味は伝わってきた。
「もしかして……、心配してくれたって事で良いのかな……?」
「あ……。」
シンジが自信なさげに問いかけてみると、レイの頬はますます赤く染まっていく。すでに耳朶やうなじの方まで紅潮させて縮こまる彼女の姿は、思わず抱き寄せてしまいそうに なったほどの可憐さである。だが、悲しいかなレイはシンジの左側を歩いており、彼の両腕は未だに思いどおりに動いてく れることはなかった。
(キャアアアアアアアアアアアア!ナチュイイイイイ!!《造語・ナチュラル可愛いの意味》くっそ!なぜ、俺の腕はこうもアホなのだ!こんなナチュイ物がそこにいると言うのに、抱きしめなれないだと…。)
そんなシンジのそんな心境の中、両腕にある程度以上に力を入れてしまうと背中が痛むのでシンジがガッカリしていると、気が付かないうちに顔が力を入れていた。普段ならば人の前ではそんな表情はしないのだが、このときは少々注意力散漫にな っていたのだろう。当然、その様子を見咎めたレイは、心配そうに彼の左腕を両手で包み込んでくる。
「……シンジ君、痛むの?」
「え……いや、そんなことない…よ!!」
「でも、つらそうな顔をしたわ。」
他の部分に比べると、わずかに体温が低くなっているように感じられる彼の左腕を、自らの体温で温めようとでも言うのか、レイは大事そうに胸に抱え込んだ。
「ホ、ホントに何でもないんだよ……う、うわわっ!?」
まだ完全には治りきっていないと言っても、力仕事をしなければ支障の無いほど動かすことが出来る程度には回復しているのである。シンジはとろけるような感触に慌てふためいて身を離そうとした。否が応でも全神経が集中してしまうような行為をされれば、自然に彼女の柔らかさと温かさを感じ取ってしまうのだ。
「……どうして逃げようとするの?」
「だ、だってさ!その……む、胸が……当たってるし……。」
必死に言い訳をしようとするが、レイの不満げな視線に見つめられると、声が尻窄みに小さく なっていく。何と言っても、正直なところこのままでいたいのだ。成熟したシンジと言えど大多数の少年たちと同様に、彼にとっても異性の胸というのはある種の憧れを抱く部分である。しかもそれが美少女のものとなれば、セイレーンの歌声もかくやといったところだ。
「や、やっぱり、まずいよ! みんな見てるからさ!」
一瞬、誘惑に負けてしまいそうになったシンジだが、ちょうど擦れ違っていった男子高校生の 視線で我に返ったらしい。
「他の人なんて関係ないわ。シンジ君の腕を温める方が大切なことだもの。」
「その気持ちは、とても嬉しいんだけど……。」
周囲からの視線が鋭い毒針のように突き刺さってくるのを感じたシンジは、何とかレイに思い止まってもらおうとしたが、彼女が急に寂しそうに表情を曇らせたことで言葉を途切れさせた。
「嫌なら止めるわ。でも、私はこれくらいしか出来ないから……他に碇君の役に立てることがない……。」
「う……。」
(そんな捨てられたダンボールに入った子猫みたいな顔しないでよ…。)
そう言われてしまうと、シンジは何も言えなくなってしまう。確かにレイが彼の生活にとって助けになってくれているとは言い難かったのだ。
「私には出来ることが他にないの……。」
「レイさん……。」
洗濯などは機械が全自動でやってくれる。この一週間の中、レイはミサトの家にまで来て色々と家事を手伝ってくれた。重たい物や高い所にある物を取って運んでくれた。その時のシンジは余り動かす事も出来ない為に、入浴が困難であったがミサトの悪戯心で「一緒に入ったら?」と笑った顔をしながら言ってきたがシンジは拒否。
レイは料理などはやったこともない。結果、レイが彼のために出来たことと言えば、かろうじて掃除や物を運ぶと言った手伝いくらいだったのである。買い物や細々としたことなど、彼女にも出来ることは何でもやっているのだが、やはり彼自身に何かをするという方が充足感を感じるのだろう。
「こうして温めて治ってくれるのなら……私は……。」
言いながら精一杯の気持ちを込めてシンジの腕を掻き抱く。決して強い力ではないが、それを振り払うことは出来そうになかった。彼女の胸に包み込まれた腕から感じるものは、シンジに気恥ずかしさを覚えさせる柔らかな弾力だけではなく、左腕に本当に活力を吹き込んでくれそうな温もりがあるのだと気が付いたからかも知れない。
「……わかったよ。でも、このままだと歩きにくいね」
「そう……かも……。」
レイはシンジの肘から先の部分を抱いていたが、さすがにそれではまともに歩くことは出来なそうである。
「……。」
視線を自分の胸元に落として暫し考え込んだ彼女は、抱き締めていたシンジの腕を名残惜しげ に解放すると、すぐに二の腕あたりに掴まる格好に体勢を変えた。自分なりに納得できる状態を選択したらしいが、これにより彼は目眩がするような幸福感と、 見知らぬ同性たちからのさらに強まった嫉妬の視線に晒されることになり、もはやまともな思考 など出来なくなったのは言うまでもない。しかし、そんなシンジを余所にレイは不思議なほど安らいだ表情で目を細めている。
「……これ……気持ちがいいわ……。シンジ君を……守れてるみたい…。」
「え? な、なに?」
うっとりとした瞳にどぎまぎさせられながらも、シンジは何とか問いかけることが出来た。
「シンジ君の傍に居ると不思議だわ……急に身体が変になることもあるけれど、普段はとても気分が 良くなるの……。」
レイはシンジの肩にふんわりと頭をもたれさせながら、囁きのような声で呟いた。薄く開かれた唇の隙間からは安らかな溜息が洩れ、このときの彼女がまさに快い気分でいると 言うことを気付かせる。
「な、何か照れるな……。」
彼女が無意識に放っている不思議な雰囲気はシンジの心を絡め取り、周囲の視線をも感じさせ なくさせていく。もはや彼の目には、足を踏み出すたびにふわふわと揺れて肩をくすぐるレイの髪以外は、何も 映っていなかった。そのあまりの親密さには、周囲の目も諦めたように散っていった。
数日後
シンジの怪我も治りレイに礼を言うと、レイは少し悲しそうな顔で言ってきた。
「…もう良いの?」
美少女であるレイの捨てられた子猫のような表情を見たシンジは、内心は血涙が流れるほど葛藤していたが必死に顔に笑顔を浮かべて礼言い、今度何か買いに行こうと約束した。するとレイは嬉しそうな表情を浮かべた。
そして、全快になったシンジはミサト家にリツコを呼び料理をご馳走しようとしていた。影ながら本部では、彼女には世話になったのでシンジが開発部と話をして終わって偶々帰り途中でリツコと会いシンジが礼としてミサト家に招待するとリツコは必死な顔で言う。
「わかったわ!いつになるかしら?日程分かり次第、教えてもらえるかしら。その日は絶対に空けるわ!」
余りの形相で言うリツコに、シンジは若干引き気味なりながら頷いた。
「は~い、出来ましたよ。」
シンジは出来たての料理を居間のテーブルに並べた。並べられた料理を見たリツコは、余りの出来に吃驚していた。
「本当に凄いわね、シンジ君…。なんでも出来るのは知っているつもりだったけど、これほどとは…。」
「そうよ!シンちゃんは凄いのよ!」
何故か既に出来上がってるミサトがビール缶を片手に自慢する。
「…貴女が言う事じゃないと思うけど、ありがとうねシンジ君。招待してくれて、こんな美味しそうな物まで出してくれて。」
「いえいえ、リツコさんにはお世話になってるんで。遠慮無く食べてってくださいね。あっ、カロリーも抑えられるものは抑えてるで。お酒は何がいいですか?ある程度、ミサトさんに買って来てもらいましたが。」
(本当に14歳とは思えないわね。でも、ギャップもあっていいかもしれないわね。見た目は女の子のように、男らしい対応…。益々、私の下で働かせたいわ!)
リツコの考えが漏れたのか、シンジの身体がブルリと震えた。リツコのワイングラスにワインが注がれ、シンジも座り準備が出来ると3人で手を合わせる。
「「「いただきます。」」」
「クエッ」
3人と1匹の声が部屋に鳴り響くと最初にリツコがシンジの作った料理に口に運ぶ。
「!!」
(言葉が出ないわ!素朴では無く味も濃くも無く薄くも無く飽きが来させない味!…これほどとは。)
リツコが料理を噛み締めながら食べ、飲み込み少し目を閉じ考えている所。シンジは、リツコの口に合わなかったのかと思い聞いて見た。
「リ…リツコさん?お口に合わなかった…ですか?」
リツコは返事を返す前に、ワイングラスを取りワインを少し口に含みゆっくりと飲み込むと口が開かれた。そして、シンジの両手を取りリツコは真剣な顔で言う。
「結婚しましょ!」
「ヘッドハンティング、超えた!?そして、この流れがテンプレ化!?」
余りの言葉にシンジは、いつものツッコミにキレが出せなかった。
「ちょっとリツコ~!目の前でプロポーズしないでよ。シンちゃんは、私の嫁なのよ。」
「ミサトさんも何を言ってるんですか!?」
パクパク器用に食べながら、ミサトがリツコに張り合うように言う。ジト目をしながらリツコはミサトの方に顔を向ける。
「どうせ、貴女。シンジ君をここに住まわせたのは、家事をやらせる為でしょう。初日にでも家の片付けでもやらせたんじゃなくて?」
「何故それを!?」
「まぁ。元から知っていたけど、本当にやらせるなんて…。」
「うぐっ!」
そんな2人の攻防を見てシンジは苦笑していた。そして、リツコは再びシンジの方に向いた。
「シンジ君、今からでも遅くないわ。私の家に来ないかしら?」
「ヘッドハンティングするな!リツコー!」
シンジにリツコがそんな誘いをしていると、それを止める為ミサトは声をあげてリツコの名を呼ぶ。その状況にシンジは心の底から笑みを浮かべる。そんな笑みを見た2人は黙ってしまった。
「いや~、良いですね。平和で。こんなやりとりしながら、皆でワイワイ騒いでゆっくり生きていたいですよ。その為にも早く使徒を全部倒さないと…。」
そんな事をシンジが呟くと、ミサトとリツコも笑みがこぼれる。
「そうね…、早く全ての使徒を倒して皆で宴会でもあげましょ。」
「いいわね、リツコ。美味しいお酒が飲めそうね!」
「貴女は唯単に飲めれば良いんじゃない。」
「うっ…。」
リツコに図星をつかれたミサトは言葉を詰まらせる。そんな2人のやりとりを見ながらシンジは、心の底から世界を平和にして皆で宴会をすることを心に決意を決めた。皆が笑顔にさせる為に……。
その後も3人で、楽しく料理に箸を運びながら会話をしているとリツコが突然、ハッと表情をとる。リツコは自分の隣に置いたショルダーバッグを開き何かを探し始める。
「あっ。確か此処に有ったはず…、有ったわ。ごめんなさい、シンジ君。今日のシンクロテストの時に、渡すのを忘れてて今日までなのよ…。古いネルフのIDカード。古い方だと、明日ネルフ本部に入れなくなってしまうから明日の朝にレイに渡してくれない?」
リツコはシンジにレイのIDカードを渡す。渡されたシンジは快く了承する。
「わかりました。任せてください、明日の朝にレイさんの家に行って来ますんで。」
「ありがとう、お願いね。」
礼を言われたシンジは、リツコに頭下げお辞儀をした後リツコから渡されたレイのIDカードを見ていた。
(そう言えば俺、レイさんの家に行くの初めてだな……。まぁ、ちゃちゃっと渡しますか。)
それを見ていたミサトは、アルコールで顔を少し紅くしながら悪戯でもしてやろうかと思う子供のような顔でシンジに問いかけた。
「あっれ~、シンちゃん?うふふ、レイのカードをジッと見て何を考えているのかな~?レイの家に行って2人っきりの部屋で、あーんな事やこーんな事でも考えているの~?ふふふっ…。」
ミサトは、日頃にシンジに構っては返り討ちにされ続けて今が1番からかう時だと思い孔明の様な《ミサトの中で》策でシンジを慌てふためく姿を見れると思っていたが…。
「日頃、俺にしていることをリツコに言っても良いんですね?ミ・サ・ト・さ・ん?あーんな事やこーんな事を。」
誰もが恐怖を覚える笑顔で、シンジはレイのカードを団扇のように扇ぎながら笑った。誰が見ても、シンジをからかえる人間は存在しないと思わせる姿であった。紅く染めていたミサトの顔は、段々青くなっていった。流石に親友に、ミサトがシンジ相手にからかい方が余りにも酷い為にこれをリツコに言われた日からは職場では白い目で見られる事に。
それは阻止する為にミサトは、プライドを捨ててシンジに向かって土下座をした。ペコペコと頭を下げた。それを見ていたリツコはミサトに白い目を向けながら、その光景を眺めていた。
「無様ね…。」
ボソリと呟くリツコ。
次の日 早朝前の深夜
コンクリートがむき出しな簡素な部屋。そこに置かれた家具調度はほとんど無く、わずかに人の手が触れているとわかるのは窓際に置かれた寝台とそのすぐ横にある小さな衣装棚くらいのものである。特にそれらが古ぼけているというわけではない。では何故そんな印象を受けるのか?その理由は強いて言うならどの家具もみな一様に新しく、人に使われることによって必ず起こる柔らかい円みが見られないことだ。家具は未だに鋭角さを保っており、この部屋に住んでいる者が他人に対して見せることがある無意識の拒絶を象徴しているかのようにも見えた。
開け放たれた窓には白いカーテンが揺れている。それは差し込んでくる太陽の光を遮り、時には迎え入れもして、寝台の上に制服姿のまま横たわっている少女に複雑な彩りを添えていた。彼女の名前は綾波レイ――以前はこの無機的な室内の様相と同じように単色の少女であった。しかし、今の彼女にその表現は適切ではない。喩えるなら風に揺れて刻一刻と変化していく水面を照らす陽光の煌めきか、それとも今この瞬間にカーテンの揺らめきで色づけられていく彼女自身こそが、現在のレイの心を表現するのには相応しいだろう。あまりにも幼く不安定な心を持つ少女が彼女なのである。
「……ん」
レイはベッドの上で小さく身を捩ると、どうしても寝付けない自分に苛立ちを隠せない様子でゆっくり目を開ける。動悸が治まらず、精神を落ち着けることが出来ない。学校から帰宅して訓練の予定が入っていない日や何もしてない時には、出来得る限り身体を休めておくようにとリツコから言われていた。レイは自分の身体がそれほど丈夫な方ではないことも良くわかっている。激しい運動をすれば持久力に欠ける彼女は相応の休息を取らなければすぐに体調を崩してしまいがちであったし、それはこの緊迫した状況下において許されることではないと理解していた。その後、再び目を瞑り数分後には寝息を静かな部屋に鳴り響いた。
しかし、以前のレイは眠ることが出来なかった。目を閉じるとつい最近に体験した恐怖が襲いかかってくるのだ。彼女が待機している時に、使徒に腹部を貫かれた初号機の姿を発令所のスクリーンで見ていたとき。通信機から響いてくるサードチルドレンの苦痛の呻きを聞いたとき。レイは自分が何故そんな思いを抱かねばならないのかと自問自答したくなるような胸の痛みを感じたのである。だから気を失った状態に陥っていた彼の病室を訪れた。そうするしかなかったのだ。
その彼が病院からネルフの独房に移ったことを知ってから最初の数日間は、今後にもこのような自体に陥ったときのために訓練を強化することで余計なことを頭から閉め出そうとしていたレイだったが、そうして自分の心を誤魔化すには限界があった。眠ろうとすれば彼の苦しげな絶叫が頭に木霊して不快な寝汗をかいて目覚め、食事を摂ろうとしても猛烈な吐き気に襲われる毎日が続き、睡眠の不足と空腹のために弱っていく自分に為す術はなかったのである。しかし、彼が独房から出たことを知ると気分と体調は少し戻り学校で顔を合わせると気持ちが高まった。そして、いつも通りに昼時は一緒に食事をとり、その時に話をしていた自分が誤解をしてシンジに平手打ちをしたと言うのに怒らず、分かりやすい説明をして笑った。
その後、不注意で階段から転げ落ちる所を勇敢に助けだしレイの体には傷一つ付かなかった。その時、シンジの胸の中でレイは自分の心の違和感に気づいた。落ちる際にシンジはレイの事を抱きかかえていたが、決して抱き締める事は無かった。柔らかく優しくお姫様抱っこを維持をしていた。そのシンジの腕の中で、レイはシンジの温もりを感じて不謹慎ながら嬉しい気持ちや落ち着く気持ちに襲われていた。
元々レイ自身は、人と触れ合うことは少ない。そんな中で助けられた時に抱き締められ、シンジの温もりを知った。彼の優しい性格と人を和ませる笑顔や痩せ過ぎない肥満体では無い身体で、自分の身体を包まれた時はレイは親と言う存在はいないが親に抱き締める感覚と感じていた。
その後、シンジを救助をトウジとケンスケを呼びネルフ本部の病院に運ばれた。変わって、レイは学校が終わりネルフ本部に向かい予定にあったエヴァ零号機起動実験を行った。その時にレイは、今後自分で出来る限り彼を守ると決意。
実験も終わりシンジの容体を聞いた後、自宅に戻ると直ぐに制服のままベッドに身を委ねる。レイは後悔をしながらシンジの笑顔と温もりを思い出し、その日は安らかな眠りに落ちることが出来た日であった。
朝
柔らかな日差しの中で眠る美しい容貌の少女と言われれば、おおよそほとんどの者が安らかな呼吸によって上下する胸元と、そこに口付けて彼女を目覚めさせてくれるのを待つように薄く開かれた唇などといったものを想像するのではなかろうか?
今、レイは眠っている。 彼女の容姿だけならば、まさに童話に出てくる姫君のようだと言っても誰1人として反論する者はいないだろうが、その寝姿は目を背けたくなるほどに無惨なものであった。暖かい午後の陽光に全身を晒しているというのに、レイは何か恐ろしいものから自分を守ろうとしているかのように両腕で体を掻き抱き、苦しげな呻き声を上げながら小さく縮こまって眠っていたのだ。
だが、この部屋には彼女1人だった。何故このような苦しみを味あわなければならないのかも知らぬまま、レイは自然な目覚めが訪れるか、それとも悪夢の中で彼女が死を迎えるまでいつも怯え続けている。
「あっ……う……。」
レイは自分の肩口を掴む両手の指に力を込める。柔らかい皮膚を引き裂くことで悪夢から逃れようとしているのかもしれない。夢の世界で姿の見えない恐怖に引き裂かれるよりも、現実の肉体が傷を負う方が楽だと無意識 に感じているためだった。やがてレイの体が激しい痙攣の後に硬直し、暫し室内に静寂が訪れた。
「……。」
やけに古風なアナログ時計の秒針が動く音だけが響く中で、ゆっくりとレイは瞼を押し上げていく。憔悴しきった瞳が完全に見開かれると、彼女はわずかに体の緊張を緩めて周囲の光景に視線を巡らせ、深く静かに溜めていた肺の中の空気を吐き出した。
「…私の部屋……。」
自分がいる場所が悪夢の中ではなく、それまで心が彷徨い込んでいた闇の中でもないことを確認したレイは、あまりにも明るくのどかな外の風景に目を向けた。
「ここは安全……居るのは私だけ。誰も来ない。だから……安全……。」
自分自身に言い聞かせるように呟く。恐らくレイは気付いていない――いや、わからないのだろう。誰も来ない閉められた空間であることが彼女の怯えをわずかながら薄れさせるが、それはレイ自身の心の内側に存在する以上、決して消えることのないものだ。その恐怖から逃れるために必要なのは誰も訪れない部屋などではなく、彼女を見守ってくれる人の温もりなのだから。しかし、今のレイは悪夢に怯え空虚な呪文だけを信じ、それを呟き続けた。
「安全……、ここは怖くない場所……。」
ようやくまだ残っていた緊張が体から完全に抜け落ちた。しかし、それとともに気付かなかった鈍い痛みを肩の付け根辺りに感じたレイはわずかに眉を顰める。
「……。」
無言のまま制服を全て脱ぎ捨てブラウスのボタンを外して雪白の上半身を露わにした。 この年頃の少女としてはやや成長に難がありそうな細い肢体を備え付けの鏡に映すと、肩口に 付いた幾筋かの赤い線が痛々しく腫れ上がっている。しかし、それは彼女にすればいつものことでしかない。本部の医務室に行けば手当をして貰えるのだから特に気にすることもなく、レイは今度は下半身を覆っていた下着にも手を掛けた。 彼女が本当に治療を受けねばならないのは身体よりも心の方であり、そのためにはレイ自身が原因を自覚して克服する必要性があるのだ。不安や恐怖の正体は彼女にそれは望むべくもないことだった。
「汗がひどい…、流さないといけない…。」
彼女自身を隠していた最後の布地をも脱ぎ捨てると、それらをまとめてバスルームの中に消えていく。両手に持った衣服類は洗濯篭に適当に放り込んだ。バスルームの奥からはすぐにシャワーから出る水音が響き始め、かすかに苦痛の呻き声も洩れ出した。両肩の傷に熱い湯がひどく染みたのだろう。
それでも何とか汗を流し終わり、一度栓を抜いた後で浴槽に充分な量の湯を貯め直したレイは、シャワーからの湯を止めてゆっくりと体全体を浸していく。
「……くっ……。」
レイの喉から再び苦痛の呻きが洩れる。 ユニット型のバスであるため少し湯の温度を高めにして貯めるのは普段からの習慣だったが、 裂傷こそ出来ていないとは言え傷ついた肌には刺激が強すぎた。普通ならば悲鳴の1つもあげておかしくないはずだが、他に誰もいない自室であるというのに、それを押し殺してしまうあたりは彼女の性格によるものか。
しかし、出来る限り静かに身を沈めたことと、温度になれてきたおかげでレイの身体の緊張も 少しずつ解れていく。彼女はこの薄暗い密室の中で温かい湯に浸かりながら目を閉じるのが昔から好きだった。
「ん……。」
自分の呼吸と鼓動以外には何も聞こえない静けさは常にレイの心を落ち着かせてくれた。その華奢な体にはちょうど良い浴槽に肩まで浸かっていた彼女は、背中を内壁に寄り掛からせたまま湯に頭も沈めていく。こうすれば本当に自分の内側にある音以外には聞こえなくなるのだ。
(私の中の音。私の中の声。今はそれだけしかない。落ち着く……。)
血液に含まれている酸素が減っていくにつれて少しずつ速くなっていく鼓動だけがレイの世界にある音だった。いや、普段ならばそうであるはずだった。
(……何?)
レイは突然感じた何かに彼女だけの神聖な静寂を乱された。それは外からの音ではない。
(私の中に誰かが居る。誰? ネルフの人? 温かい……温かくて心地よい……これは碇司令? ……違う。同じように見守ってくれるけれど、もっと私に近い人。誰? あなた、誰?)
彼女の心に波を立てたのは、言うなれば彼女自身であった。いつの間にか彼女の心の中に住み始めた人影。次第に大きくなっていくその存在。胸の奥底を掻き乱されるような不安を自分に与えるというのに、悪夢の恐怖に怯えているとき にはその人影に縋り付くことで不思議な安心感を得ることが出来る矛盾した存在に対して、レイが抱いている感情こそが彼女の静穏を乱したのである。レイはこれまでその人影について深く考えたことはなかったが、ついに彼女の聖域にまで影響を及ぼし始めたことで、その存在を直視するしかなくなったのだろう。 そしてぼやけていた人影に心を振り向けた瞬間、あまりにも容易くその正体を見極めることが出来た。
(あなた、サードチルドレン? 碇シンジ。碇司令の息子。私の心を乱すのは、……碇シンジ……シンジ君。)
本当はもうとっくにわかっていたのかも知れない。気になるのだ。第4使徒との戦闘中に彼の絶叫を聞いたとき、レイはその叫び声の大きさと同じかそれ以上の 悲鳴が心の中で響き渡るのを感じていたのだ。だから彼の病室にも赴いた。眠っているシンジの表情に自分が喜び、怯え、安心させられたことを、何故そうなるのか理解 出来ないながらも認めていたのである。
(わからない……私は…、…あなたは……。)
酸素の不足ばかりではない理由によって鼓動がさらに速まっていき、それ以外の何もかもがレ イの中から消え去っていく。後に残るのは最近気付かないうちに見つめてしまっているシンジの色々な表情だけだ。
(私は……あの人を……。)
混乱する心が1つの結論を導き出そうとした瞬間、すでに限界近くなっていた酸素の欠乏が強 制的にレイを水面に押し上げさせる。
「……。」
前髪から滴る水がぽたぽたと水面に落ちる様子をレイは茫然とした表情で眺めていた。これまでレイは命令されたことをそつなくこなし、自分の義務を過不足無く果たしてきたこと を自負している。しかし今、彼女の心が命じているのは論理的な理由など全くない、単なる衝動的な欲求でしかなかったのだ。
「私は…、…あの人を守ると…決めた。だけど傍にも……、……居たい……。」
それは絶望的な響きを伴った呟きだった。 彼の傍に居ると言い様のない恐怖に襲われ、悪くすれば碇ゲンドウに命じられていることさえ も守れなくなってしまうのである。
(碇司令は言った。まずは自分の身を大事にすることを覚えろと。でも、シンジ君の……彼の傍に居ると私は胸の奥が…おかしくなる……)
シンジがこの街に来るまでのレイは考える必要など無かった。必要がなかったから行わず、それ故に彼女はその行為に慣れていない。自分の心がシンジの傍に居たいと欲し、それと同じ心がシンジの存在を守るというジレンマに行き当たったとき、彼女にはどうすればいいのかわからなかった。薄暗いバスルームの中で次第に冷めていく湯に浸かったまま動けなくなってしまったのである。しかし、レイはそのような状態に陥ってもそれほど性急な結論は求めようとしていなかった。
(ここは私の場所。ここには誰も来ない。急ぐことはない……。)
彼女にとっての信仰とも言える呪文。これがある限り、この部屋の静けさがある限り、安全な待避所を持っているのと同じだと信じ ているのだから。だが、それは硝子のように脆い壁でしかなく、これまで安泰だったとしてもレイを囲む世界が 激しく動いている今では、決して彼女が思っているような強固な壁ではなくなっているのだ。
(……何?)
再び目を瞑ろうとしたレイはかすかに聞こえてきた音に耳を澄ませる。落ち着きを取り戻し始めていた心臓の鼓動が激しくなっていき、この部屋の不可侵性が失われ ようとしている事実に全身が震えだした。洗い流したばかりだと言うのにドッと汗が噴き出してくる。
「……すみませーん。レイさん、居ないのー?」
「!?」
バスルームから出ればすぐのところに玄関があるのが一般的なワンルームマンションの造りで あり、意図的にドアフォンの回線を切断してあるこの部屋において彼女の在室を確認するには、いま外にいる人物のように声を掛ける以外に方法はない。そしてレイは滅多なことでは返答などしなかった。しかし、彼女は迷わず浴槽から身を起こして立ち上がっていた。
「あれ?レイさん、居ないのかな……。」
どのような心の動きが自分をこれほどまでに急き立てるのか今ではもう理解できていた。 レイはたとえどんなにつらく苦しい思いをしようとも、あの碇シンジという少年の傍に居続けたいと思っていたのである。これほどまでに自分が求めるものがこの世界に存在しているなど思いも寄らなかった。もはやレイは何も考えずにバスルームを飛び出すと、すぐ外に掛けておいた大きなタオルだけを身体に巻き付けて玄関に駆け寄る。
「困ったなあ……。まあ、とりあえず郵便受けに入れておけばいいかな?」
慌ただしくタオルを巻いている最中にシンジの諦め混ざりな呟きと、広告のチラシがいっぱいに詰まった郵便受けがガサガサと鳴る音が聞こえ、レイの混乱に拍車を掛ける。
『待って欲しい』と声を掛けるだけでいいはずだった。しかし、彼女を縛る恐怖の鎖は完全に解けたわけではなく、その言葉を発することは出来そうにない。だからレイはとにかくドアを開けることだけを考えたのだ。
「しょうがない…、留守ならIDカードも分かりやすく郵便受けに刺したし……。よし、帰るか…。」
「!?だ、駄目……、まだ行っては駄目……。」
麻痺していた喉から掠れた声が洩れ、レイは自分の明確な意志を彼女自身の耳で確認する。シンジがそう呟いて踵を返す靴の擦過音がしたその直後、ついにレイはドアの電子ロックを解除してドアを引き開けた。
「…うん?……え?ちょ、ちょっと、レイさん!? 駄目だよ、そんな格好で外に出たら!!」
背後で音がしたことに気付いたシンジは怪訝な表情で振り向き、次の瞬間には顔を真っ赤にして俯きながら大声で叫んだ。彼の視線の先にはサンダルすら履かず、しかも身に着けているのはカナリア色のバスタオルだけという格好のレイが立っていたのだから無理はない。
「レイさん!?早く中に戻ろ!お願いだから…、見られちゃうだろ!!」
必死の思いでシンジが絶叫する。顔をあさっての方向に向かせレイのあられもない姿を見ようとしなかったのは賞賛に値したが、そのためにレイの予期せぬ次の行動に全く対処することができなかった。
「…行っては駄目……。」
囁きよりもか細い声は風の音にすら掻き消されそうだった。しかし、シンジの耳に彼女の意志を伝えるという重要な役割をかろうじてではあるが果たしていた。思い掛けない言葉に驚いたシンジが顔を正面に向けたとき、その視界を蒼銀色のヴェールが覆い隠し、次いで甘い香りを伴った温かくて柔らかなものが彼の首に巻き付けられた。
「え?」
「行かないで…、ここに居て……。」
「レイさん…。」
シンジは自分の目を至近距離から覗き込んでくる赤い瞳の魔力に捕らわれ、指先さえも動かす事も出来ずに凍りつくのだった。
作品をお読みなって、お疲れ様です。m(__)m
いや〜、原作に無い方に無い方に作るのは大変です。w
今回と次回作は、レイさんを軸にしたお話をしていきたいと思います。( ̄^ ̄)ゞ
地味にお気に入りの数が、増えてってるのがヨッピーは本気で嬉しいですね。
そんな皆様の為に、定期的とは言えませんが最近知った活動報告で連絡していきたいと思います。(=゚ω゚)ノシ
ヨッピー、イスラフェル戦まで考えているのだが…。繋ぎが難しい!
そんなヨッピーを、これからも出来たらで良いんで応援してください。(・ω・)ノ
「よろしくお願い申し上げます。(・ω・)ノ」
では、エヴァ最終巻を予約に本屋へ!
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「俺も〜。」
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