喰らえ、読者の方々!王手、ヨッピー最新作!
なんかんだで書き終えたよ…、あぁシンジ私を導いてくれ。
「微妙なガンダムネタは、やめぃな。読者から、飽きられるよ?」
!
だが、私は止められない!
では、どうぞ!(`_´)ゞ
「お待たせしました」
カーンカーンカーン
規則正しく鳴り響く作業音。 その音を出している作業場は、近くに人型の後がついた山が近くにありエヴァと同じぐらいの大きさのシートで囲われた建物があった。 外部からは様子は窺うことは出来ない。
ブウゥゥゥゥゥン
キキィィィ
その作業場の近く数台止まる駐車場に、物凄いスピードでパワードリフトを咬ましタイヤ痕を残し決められた定位置に止まるルノーが1台。 中から満面な笑顔のミサトと顔を青くしたシンジが出てくる。
「いやー! 無事、完璧に直りローンも無くなったルノーで走るのは最高ね! ありがとうね、シンちゃん!」
「そりゃ…どうも。 ……なんで、エヴァに乗って使徒と戦っていた時より…恐怖があるんだ…」
ミサトのルノーは、2体の使徒を倒してネルフで作ったカードに振り込まれていた金でシンジがルノーの修理費とローンを支払った。 最初、シンジはカードの中にいくら振り込まれているのだろうと軽い気持ちで見ると驚愕した。 シンジの中ではネルフに働くようになってから、エヴァに乗り自分から書類や開発部の手伝いなどをやって一ヶ月で5~60万と冬月から聞いていた。 早速、給料日にシンジは初給料で普通のサラリーマンより高い給料を拝もうとATMにカードを入れ見てみると、確かに60万が振り込まれていた。 だが、60万の6の前に3つの0と2と書かれていた。 シンジのカードには、20億60万円が入っており彼は最初は目を擦り頬を引っ張り痛みを感じると離して尽かさず携帯を取り出しダイヤル。
『もしもし。 なんだね、シンジ君? 何かあったのかね…』
「冬月先生! なんすか、この金額!? 中学生に与えていい額じゃあないですよ! 確か5~60万って言ってましたよね!?」
シンジは、携帯で冬月に電話してテンパりながら話す。 すると、電話の向こうから冬月の笑い声が聞こえてきた。
『はっはっはっ。 そうだ、言い忘れていたが使徒を倒すと1体に付きエヴァパイロットには特別手当で1千万と言う話。 の筈が、委員会でのシンジ君の評価が高くてね。 使徒の死骸にエヴァの最新武器、国連軍との交渉、そして第3新東京市の少ない被害があって委員会でのシンジ君の評価がうなぎ登りでね。 特例でシンジ君には使徒を1体倒すと10億が委員会から振り込まれるんだ。 そう言う事なんだ、シンジ君。 おや? もしも~し』
それを聞いたシンジはフリーズしていた。 確かに、シンジは本部にいる時は訓練やシンクロテストよりも開発部の件や国連軍との交渉をしていた。 開発部では自分がエヴァに乗っている時に扱いやすい武器を考えて、国連軍との交渉ではシンジの子供とは思えない対応をしていた。
例えば
☆★☆★☆★
『我々はネルフの駒では無い! 民間人を助ける為の国連軍だ! それにこの場に子供を、私と交渉させると言う事態があり得ない!』
『そうですね…。 確かに自分の立場が逆なら、貴方と同じ事を言うでしょう。 ですが、自分には貴方達が必要の為にこの場に立たせて貰っています』
『…何?』
『今は使徒を倒す為には、エヴァを無くして国連軍の貴方達では倒せません』
『喧嘩を売っているのか!!』
『いいえ、言い方が悪いのは謝ります。ですが、ネルフでは出来ないことをやってくれているのが国連軍です。 例えば、民間人の避難、使徒発見の通達、そして使徒の足止めとその他諸々。 これらがある為に今の状態が保ているのです。 エヴァを発進させるにも、どうしても時間がかかってしまいます。 これらが無くなればネルフは第3新東京市に甚大な被害を与え、人類は敗北に導いているでしょう』
『…………』
『自分は、実際にエヴァに乗り使徒を倒していて誰もが自分に目を向けています。ですが、裏には貴方達が誇りある仕事があるからこそ自分は尊敬してます。 民間人の方々は、気づかないでしょうけど自分は《一緒に》戦ってくれる国連軍の人達には感謝してます』
『……い……』
『そして、自分自身は貴方達を必要としてます。 ネルフとしての立場は二尉ですが、ネルフの権限も特例で持っています。 必要あれば自分は、国連軍に出来ることをしましょう。 どうか自分とネルフ、一緒に使徒を倒す為に手を組んでくれませんか!? お願いします!!』
『もういい…』
『えっ……』
『君の気持ち、しかと受け止めた! 気にいったぞ! 子供と言うのに気持ち良い事を言うなんて。確かに我々は、ネルフに嫉妬していた…。 国連軍は人々を助けるのが仕事だ。 実際に被害の無いように人々を避難させて、使徒を発見し報告しているのは我々だ。 だが、誰もがネルフのお陰と言うのだ…。 しかし君は我々をしっかりと見ている、理解している。 だから、我々は君に手を貸そう! 碇シンジ君! 』
『あ、ありがとうございます!』
『今の話は、我が軍の施設全体に放送して流している。』
『…………えっ?』
『今頃、軍の全員は君の言葉が心に響いているだろう。』
『えーーーーー!?』
☆★☆★☆★
その後は、軍全員がシンジの前に集まり敬礼されるほど国連軍は彼の言葉が届いていた。 だが、その為ネルフとは言わず国連軍はシンジにだけ手を貸そうと言ってきた。 それでは、ネルフの本題が解決しない為に彼は説得して何とかネルフと国連軍とのパイプを繋げた。 そして余りに大きな金額のお金を、感謝の意味でミサトの車を全額支払ったお話。
閑話休題
シンジの気分も良くなり、ミサトと一緒に作業場の施設入り口に向かう。 入り口に着くと中から守衛が出てきた。
「作戦部の葛城一尉よ。 サード・チルドレン、碇二尉と一緒に見学に来ました。」
「伺っております。 では、中に入る前にヘルメットを。」
「どうもありがとうございます。」
守衛から渡されたヘルメットを2人は受け取って被り、守衛の後を追うように2人は作業場に入る。 すると、足を踏み出し一歩目からシンジは目の前に広がる光景に驚きを隠せないでいた。
「わ…わあぉ~…」
「どう? ビックリした?」
シンジの驚く顔を見てミサトは、ニヤリとイタズラを成功させた子供のような笑顔になっていた。
「これが使徒なんですね…。」
人より遥かに大きな存在の使徒を目の前にして、シンジは身体をブルッと震わせた。 一体目の使徒も肉眼で見てはいるが、改めて使徒を見ると動かない筈であるのに恐怖が混み上がりそうになっていた。 シンジの顔が少し暗くなるのを見ていたミサトは、その場を移動する為にシンジの手を繋ぎ歩き始めた。
そんな手を繋ぎ作業場を歩く2人を第三者視点で見ている作業員からは姉弟の関係にしか見えていないのは別の話。
シートに囲われた作業場を歩いて数分。 使徒の足元に近い場所まで移動してミサトは周りを見渡す。
「あっれ~、おかしいなぁ?確か、此処にいるって聞いたんだけど…。 おっ! いたいた、リツコ~」
ミサトは地上から数mほど上に組まれた鉄の通路に向かって叫ぶ。 そこに白衣にヘルメットと言う奇妙な恰好したリツコがいた。 それを見たシンジは余りのチョイスに苦笑。
「ミサト? 来たわね、丁度良かったわ。じゃあ、これ解析お願いね」
「了解です、赤木博士」
リツコが作業員に指示をした後、 2人がいる場所に向かう為に階段を降りる。
「お待たせ、2人とも。 今日はシンジ君も見に来たのね?」
「そうよ、実際に戦うのはシンちゃんなんだし。 こんな機会は滅多に無いから」
シンジは2人の会話が聞こえておらず、周りをキョロキョロしながら観察していた。 そんな仕草にリツコはシンジを子供らしいと思い、少し笑う。 すると、シンジは気がつきリツコに挨拶をする。
「おはようございます、リツコさん」
「おはよう、シンジ君。 さて、2人とも私について来て見せたい物があるの」
★☆★☆★☆
リツコに案内され2人は、シートの隅にある解析室へと立ち入った。 複数台のパソコンが設置されているそこでは、調査で得られた膨大なデータの分析と解析が行われている。
「本当に理想的なサンプルね。 殆ど傷が無くコアだけを貫いたお陰ね、見事よシンジ君」
「殆ど無我夢中でやっての結果ですよ…。 まぁ、喜んでいただけるなら」
科学者のリツコは、この先現れる使徒も良い状態のサンプルにして欲しいのが本音だが彼の戦闘を見ると彼が悪いわけでは無いが辛勝の為に言えないでいた。 もし、そんな事を言えばシンジはやってはくれるだろうが彼の危険が高まるだけでリツコは決して言えなかった。
「それで何か分かったの?使徒の事」
するとリツコは無言で端末を操作して、パソコンの画面を2人に見やすいように動かし画面に指差す。
そこにはただ一行。 『601』とだけ数字が表示されていた。
「何よ、この数字?」
「コード601、解析不能って事」
「結局使徒の事について、何も分からなかったのね」
「あら、何もじゃ無いわ」
落胆した様子のミサトに、リツコは心外だと反論する。
「例えばこれ、使徒独自の固有波形パターンね。 構成素材の違いはあれど、その信号の配置と座標は人間の遺伝子と酷似してるわ。 99.89%ね」
「それって…、エヴァと」
リツコの言葉を聞いて、シンジは頭の中でジグソーパズルのように使徒の事を考えていく。
(それって…。 簡単に言えば使徒は人間に近い…、それと同じサイズのエヴァ。 今の所は、現れた使徒とエヴァを比べれば左程サイズは変わらない。 …………! もしかして、エヴァと使徒は同一の存在!? 今、ミサトさんも呟いていたし。 エヴァも人間の遺伝子と99.89%は人造人間だから解るけど…。 調べなくちゃいけないな、これは…)
シンジが考えている中、彼の後ろから話し声が聞こえてきたので振り返る。 ミサトとリツコは、専門的な話し合っている為にシンジの様子を見ていなかった。 振り返ったシンジの視界には作業服姿の人達の中、ネルフの制服にヘルメットと一際目立つ二人。司令のゲンドウと、副司令の冬月だった。
「冬つ……」
呼びかけようとして、シンジはふと声を引っ込める。 ここで声を掛ければ、仕事を邪魔になると考えたシンジは2人の動きをその場で眺めていた。 ゲンドウと冬月は、作業服の男性から熱心に説明を聞いていた。 そして頭上から降りてきた真ん中に空洞になっているコアを、興味深そうに手で触れながら調べている。
(おろ?お父さん……火傷しとる?)
コアに素手で触れるゲンドウ。普段白い手袋に隠された両手には、真新しい火傷痕が痛々しく残っていた。
(まぁ、何かあってあぁなったんでしょ。深く考え無くても…)
「シ~ンちゃん!」
ポンッ
「うおっ!魚!?」
ゲンドウの方に気を取られていたシンジは、不意に背後から肩を叩かれ驚きをあげる。
「…なんて、驚き方してるのよ。 どうしたの、シンちゃん? 碇司令を見てたでしょ」
「え、えぇ…。 父親の手に火傷があったんで、どうしたのかなって」
ミサトはシンジが言ったゲンドウの手を遠目で見て確認した。
「あらま、本当。 リツコ何か知ってる?」
「えぇ、知ってるわ」
話をかけられたリツコは面白くなさそうに話す。
「以前零号機が起動試験中に暴走したのを知ってるかしら?」
「はい、ミサトさんから聞きましたし前にレイさんが入院した理由ですね」
「その時、オートエジェクションが……エントリープラグを強制的に排出する装置の事ね。 それが作動してしまって、レイの乗ったプラグが実験室の壁や天井に激突してしまったの」
本来パイロットを救い出す為の強制射出機能だが、屋内で作動してしまえば逆効果となる。勢いよく排出されたプラグは、無防備で障害物にぶつかる事になるからだ。
「だからレイさんは怪我をしたんですね 」
何故起動を失敗しただけであれ程の怪我をしたのか。 シンジは以前から疑問だったが、リツコの話で納得できた。
「その後、床に落下したプラグに司令が駆け寄って、手動でハッチを開けたわ。 当然排出されたばかりのプラグは高熱を帯びているから、その時に手を火傷したの」
「へぇ~、あの碇司令がね。 正直信じられないわ」
(ふ~ん、そう言うことね。 あの人も、ちゃんと人を助けられるんだな…。 ちょっと安心した。)
シンジは、心の中で安堵の溜め息をついているとミサトは彼の様子を見て話しかける。
「どうしたの、シンちゃん? もしかしてレイに嫉妬してる?」
ニヤニヤしながらミサトは、シンジにちょっかいのつもりで言うがシンジはヘラッと笑いながら答える。
「いやいや、俺の父親にそんな一面があって良かったと思ってただけですよ。 火傷と引き換えに、レイさんを助け出した事は立派だなって」
シンジは笑顔で言うが、2人には彼の笑顔には影を感じていた。 彼もまた中身は成熟していても子供らしく、父親に甘えたい歳頃と言った所なのだろう。
☆★☆★☆★
シンジは使徒の死骸を見終わり、本部に向かっていた。 リツコ曰く。
「シンジ君は、今までエヴァの訓練とシンクロテストやってないのよ。 だから今時間ある時にもやっとかないと、いつになることやら」
確かにシンジは色々とタイミングが悪いと言えるのか、一体目の使徒を倒してから碌に訓練もシンクロテストもやっていなかった。
そんな訳でシンジは本部に着き、私服からプラグスーツに着替えてエントリープラグに搭乗する。
「いや~、考えてみれば戦闘以外にエヴァに乗るのは初めてだな」
シンジは力を抜きながら、マッサージチェアに似た椅子に身を任せる。エントリープラグは、エヴァの後ろ首に近い穴に挿入される。
『では、シンジ君。今から シンクロテストを始めるわ』
「了解」
するとエントリープラグ内に、LCLが流れ出しプラグ内を満たす。 LCLが満たされたプラグ内を見て、シンジは肺にある酸素を吐き出し顔を歪める。
「うえっ…、いつもながら慣れないな。この味は」
『シンクロテスト、開始!』
リツコの号令が入ると、シンジとエヴァはシンクロをし始める。 その中、シンジはプラグ内で違和感を感じていた。プラグ内では彼1人の筈なのに、違う存在が自分の近くにいる感覚に襲われていた。
「…んっ? なんか見られてる? 違うな…、懐かしい感覚がプラグ内に漂ってる雰囲気が感じるな。 まぁ、悪意とかも無いし別にいっか」
シンジは余り深く考えず、シンクロテストの為にプラグ内は何も表示されておらず目を閉じていた。 しかし、何か違和感があり気になったシンジは誰もいない空間に話しかける。
「今プラグの中にいるのって俺だけじゃ無く、他にいるんだな?」
すると、声や音では無くシンジの感覚に反応があった。 姿形は無くとも目を瞑り話しかけると、すぐそこに誰かが彼に話しかけようとしている感覚が感じられた。 そんなシンジは不気味さが2で好奇心が8と言う割合で目を閉じ頭の中でエヴァに話しかけてみる。
(…初めましてかな? 色々と振り回されて、俺が初号機に乗って痛い目を合わせてゴメン…。 謝って済むことじゃないが分かってる。 だけど、この先に現れる使徒を俺と一緒に戦って欲しい!頼む!!)
そんな事を頭の中で念じると、エントリープラグ内が暖かい雰囲気が漂う。 最初不信に思って、エントリープラグ内を見渡すが何も確認できずにシンジは考える。 そしてハッとシンジはこの現象がエヴァからの返答と勘づく。
(悪い、先に決めとけば良かった。 肯定が暖かい雰囲気で否定なら冷たい雰囲気を出してくれ。 じゃあ、一つ質問な? お前はエヴァである)
するとシンジの周りは暖かい雰囲気に包まれる。
(…お前はエヴァではない)
否定するようにプラグ内は冷たい雰囲気が漂う。 シンジはエヴァと意思疎通に近い物を見つけると意気揚々と、昨日の休日での話を心の中でエヴァに告げる。 シンジがエヴァに話しかける間に、彼の座るインテリアがプラグの前に引き寄せられるように移動していた。 その間も暖かい雰囲気はシンジを包んでいた。 エヴァがシンジの話に興味を持っているかのように。
☆★☆★☆★
エヴァのテストルームと隣接した場所に管制室が設置されていた。
「プラグ深度、限界値ギリギリです」
管制室に設置されているモニターを見ながらマヤが、状況報告を行っている。 エヴァのエントリープラグは、構造上はパイロットが座るインテリアが前に進めば進むほどエヴァとの繋がりは強くなる。 逆に後ろに行けばエヴァとの繋がりは弱くなる。 だが、繋がりが強まり過ぎるとパイロットは精神汚染の危険性が高まってしまう。
今のシンジは精神汚染が起こってしまう瀬戸際の所まで、エヴァに近かった。
「プラグを固定して。 それ以上の進行は決して行かせちゃ駄目よ…」
「了解です、先輩」
シンジを精神汚染から守る為にリツコは素早く指示をマヤに言い、エントリープラグのインテリアの進行を止める。 ひとまず最悪の状況は免れてリツコは溜め息を漏らす。
「…毎度ながら、シンジ君には驚かせられるわね。 シンクロテストで、シンジ君を引き寄せようとするエヴァ。 意思があるのが分かるわね…」
「えっ? エヴァに心があるの」
リツコの言葉に、反応するミサト。 テーブルに置かれているタブレットをリツコが持ち上げ、少し操作した後にミサトに渡す。 渡されたミサトは、タブレットの画面に映し出している情報を見て顔が驚きに変わる。
「なんで、人造人間であるエヴァ初号機のスペックが最初の頃より上がってるのよ!?」
現時点のエヴァ初号機は、シンジが乗る前のスペックが比較的上がっていた。 改造などは一切していない初号機は、2体の使徒を倒してからはパイロットとエヴァとのラグが短くなった。 当初は、パイロットの思考からエヴァとのラグは0.82秒と言った所が0.59秒と短縮され、パイロットが思考を発生させれば自分の身体とほぼ同じ感覚でエヴァを動かせる事が可能になった。
もう一つエヴァの上がったスペックは、最初のエヴァと今のエヴァは動ける可動域が広がっていた。
本来、装甲で曲げれない角度などが関節部分がある程度の伸縮性を持ち、今は開脚ができるほど。 リツコは推測で、エヴァがシンジの想像する動きを対応する為にスペックが変化したと見ている。 そうなれば、エヴァ初号機に心があると見ても不思議ではない。
「私は、自信持って科学者と誇りを持っていたけど…。 この初号機の変化を見ると自信を失うわ」
リツコの中では、初号機の事を完璧に把握してるつもりが実際そうでは無かった事に落ち込んでいた。 それを見たマヤはフォローする。
「先輩! そんな事ないですよ、実際にエヴァを知っているのは先輩じゃないですか」
「ふふっ、ありがとう。 マヤ」
「良い後輩、持ってるじゃないの~。 リツコ」
フォローするマヤを見て、リツコは微笑みミサトは羨ましそうにしてその場の雰囲気は和んでいたがマヤの顔には曇っていた。 その時、誰もマヤの顔は見ていなかった。
★☆★☆★☆
シンクロテストが終わり本部に用は無く家に帰る為、シンジはプラグスーツから私服に着替えミサトがいる駐車場に向かう為、通路を歩いていた。 すると、十字路に差し掛かる所に右側からマヤが突如現れる。
「きゃっ!?」
(やべっ!?)
シンジは、少し気づくのが遅くマヤとぶつかってしまう。 シンジは咄嗟に後ろに飛び、マヤに衝撃を無くそうとしたが最悪の事にぶつかった時に彼の足はマヤに踏まれており、シンジは後ろに体重移動している為に倒れる。 それに追いかけるように、マヤも倒れてきた。 シンジの上に覆い被さるように。
ドサッ
「いたたたっ」
マヤがシンジを押し倒したような格好になり、下敷きになっているシンジはマヤの胸で顔を覆い被さり息が出来ないでいた。
「ん~!? ん~~~~!!」
「きゃっ!? ゴメンなさい、シンジ君…」
「ぷはっ!」
謝りながらマヤは上体を起こすと、シンジは顔の前に何も無くなり再び呼吸を開始する。 ゼーハーゼーハーと息を切らしながら、呼吸を整えシンジはマヤに話しかける。
「大丈夫でしたか? 伊吹さん」
「えぇ、本当にゴメンなさい。 私、ボーとして前を碌に見てなくて」
「まぁ、自分も注意力が無かったんで…。 そして、伊吹さん…。 とりあえず、退いてくれます?」
「えっ?」
今の2人は、通路でマヤがシンジを押し倒して跨っている状態であった。 第3者から見た光景なら、兎に角凄い状態でしか見えないであろう。 やがてそれに気づくマヤは、少しずつ顔が赤くなっていき素早くシンジの上から退いた。
「ゴメンなさい、ゴメンなさい! 本当にゴメンなさい!」
「いや、良いんですよ。 怪我無かったんですから、自分は気にしてませんよ? 事故なんですから」
「う~、私ったら本当に駄目…。 これじゃあ、見てくれないわ…」
落ち込むマヤを見て、シンジは立ち上がり声をかけようとしたが右足首に痛みが走りよろめいた。 先ほど2人が倒れる際にマヤが彼の足を踏んだまま倒れた為に捻挫した可能性が。 それを見てマヤはシンジに近寄る。
「大丈夫!? シンジ君! 何処か怪我した!?」
「ははっ、右足首を捻挫したかもしれませんね。 まぁ、家帰ってシップでも貼れば治りますよ。 気にしないでください…」
「駄目よ! 早く医務室に行きましょう!」
「は、はい…」
余りの気迫でシンジは、マヤの言葉に空返事に近い物を返すとマヤの背に担がれシンジは医務室に運ばれる途中、通路ですれ違うスタッフ達からその姿に驚かれていた。 マヤはシンジを医務室に運ぶと意思が強く周りが見えておらず、マヤの背に担がれているシンジは少し恥ずかしい気持ちに駆られていた。
☆★☆★☆★
医務室
シンジは医務室に運ばれるが、その時はタイミングが悪いのか担当の者が不在だった。 その為に、マヤがシンジの怪我を治療する事になった。 シンジをベッドに座らせて床に膝をつき、足首にシップを貼り包帯を巻いていた。
「へぇ~、伊吹さんはこういうの慣れているんですね」
「違うの、ネルフ入る前に医学系の事を少し覚えなくちゃいけなかったから出来るだけよ。 …シンジ君、本当にゴメンなさい。 私の不注意で怪我させて…」
包帯を巻き終わり真剣に落ち込んで顔を下に向けるマヤ。 それ見てシンジは彼女が、何処か悩み事があるよう見えた。 そう思ったシンジは、笑顔でマヤに聞いてみた。
「伊吹さん、何か悩み事があるんなら自分で良ければ聞きますよ?」
マヤは、シンジの言葉で顔を上げると彼の笑顔を見て少し暗い顔が明るくなる。 人は暗い気持ちの中、誰かに暖かく接してもらうと気持ちはその人に頼ろうとする場合がある。 マヤの心境は、それに近くシンジを年下と言う事を忘れて彼の隣に座る。
「…じゃあ、聞いてくれる?」
「是非」
笑顔でシンジは答える。 見た目は子供なのに、大人の対応で少し可笑しくマヤの顔はより一層明るくなっていた。
「あのね、私赤木博士の同じ大学での後輩なの。 最初、ネルフに入った時先輩がいるのを知らなかったの…。 でも、ある日私は先輩の部下になったの。 その時は嬉しかったの。 私が大学時代の尊敬する人が先輩だった。 そんな尊敬する先輩の下で働いて、期待してるって言われたけど最近思うの…。 私は本当に先輩の期待されるほどなのかって…」
マヤが一通り告げた後、再び顔に明るさが消えていく。 その中、シンジは静かに聞いていた。
「そして、私はシンジ君に嫉妬してるのよ?」
「…えっ!?」
「シンジ君は知らないだろうけど、最近ネルフで働いて休憩中の時に先輩の口からシンジ君の事を話すのよ。 『いつか私の下で働かせてやるわ』って、結構の頻度で…。 確かにシンジ君は、歳に似合わない態度や色々な気遣い出来るし開発部で話していたり、書類だって書ける。 なんでも出来るシンジ君とパッとしない私…。 だから、最近自分に自信が無くて先輩が期待してる事出来てるかなって思うの。 そして、先輩の心にはシンジ君を部下に欲しいと思ってる事に嫉妬してる…」
(…あの人は)
シンジは笑顔のままで、マヤの話を聞いていたが後半から自分の事が含まれている事に内心、冷や汗をかいていたが表に出していないのはファインプレーと言える。 とりあえず、マヤの悩み事を聞いてシンジは口を開く。
「年下の子供が言う事じゃないと思いますが、そんな事無いですよ。 リツコさんは伊吹さんを信用してるから何も言わないだけで、本当に期待に答えてない仕事を伊吹さんがしていたら部下から外してると思います。 俺なんか簡単な物しかやってませんし。 確かに、仕事関係で言われなくなったら不安になるでしょう…。 でも、マヤさん。 自信持って下さい、俺はリツコさんの口から伊吹さんの事を評価してたんですから…」
「本当!?」
「…は、はい」
マヤは希望が持てる言葉を聞いて、シンジの顏近くまで迫る。 シンジはマヤとの顔の距離が、拳一つ分しか無く焦っていた。
「…い、伊吹さん? 嬉しいのは分かりますけど、第3者視点からだとマズイぐらい…近いですよ」
最初、マヤはキョトンとしてから少しずつ顔が赤くなっていき最後にはトマトのようになっていた。 それからおずおずと元の場所に戻る。 マヤが恥ずかしそうに体を小さくしてるのを、シンジは見て可愛いと思った。
(真面目な人なんだな…)
「まぁ、そんな事なんで…。 伊吹さんは自信持って今の仕事をやってればいいと思いますよ。 それでも不安なら、ちょくちょくリツコさんから聞きますよ」
「…本当にありがとう、シンジ君。 貴方と話して気持ちが楽になったわ、今まで自分に自信が無かったから…。 でも、今日から自信持って先輩の下で働いていくわ!」
憑き物が取れたように、最初の自信無さげなマヤから自信に溢れたマヤに変わっていた。 それを見てシンジは柔らかく笑う。
「それは良かった。 じゃあ、この後の仕事頑張ってくださいね?」
「えぇ。 …シンジ君、何かお礼したいんだけど」
「気にしないでくださいよ、俺は話をしただけなんですから。 …まぁ、それでも引き下がれないなら…。 伊吹さん、特技や趣味って何ですか?」
「? 趣味ならお菓子やスイーツ作りかな。」
「じゃあ、一つ作ってきてください。 それが良いです」
「わかったわ、気合入れて作らせて貰うわ! でも、期待しないでね? あ、あと! シンジ君、私の事名前で呼んでくれると嬉しいな…」
今日何回目の赤面するマヤだが、今日一番可愛らしい顔でシンジに照れながら言う。 彼女は、余り男性との関係が無く苦手と言ってもいいぐらいものだったが、今日シンジと話していると少し…慣れたのかマヤの中で彼と言う男性が惹かれたのか名前で呼んで欲しいと彼女は変わり始めていた。 今の彼女は、大人の女性とは違い初めて異性に意識を向けた少女にも見える反応だった。 そんな変わり始めたマヤを見て、嬉しそうに頷くシンジ。
「わかりました、マヤさん。 手作り、期待します」
そうして、2人は約束をした後医務室を後にした。 この後、仕事に戻ったマヤは今まで以上の仕事ぶりにリツコから褒められより一層彼女はリツコの下で働いていた。
そして、その日から3日後。 第3新東京市に新たな使徒が襲来する。 今までとは違う姿を持った使徒が…
そして、彼は…
ピッキーン!
(ヨッピーの中で何かが割れ、目に光が無くなる)
次回はラミー登場!
新たな攻撃・防御手段を持った使徒相手にシンジはどう戦うのか、そして結果は!
次回「彼の敗北…」
期待せず気長に待っててください。
「最後、弱いなぁ」