転生先は、新世紀エヴァンゲリオン   作:㐂眼翔

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西暦2000年。

その時、南極で『セカンド・インパクト』が起きた為に地球の環境が変わる。 その為、日本には季節は無くなり日々日常が夏と変わらない暑い日を繰り返していた。
時は15年が過ぎ、2015年に再び使徒が現れるが選ばれた少年少女がエヴァンゲリオンを動かし殲滅。 目の前の脅威が消えては、同じ人間で争う事になるが1人の少年が和平に持ち込む事を成功させ世界は使徒のいない世界に戻った。 だが、戻ってきたのは平和だけでは無かった。

日本に『季節』が戻った。

その為に春なれば桜が咲き、夏になれば暑くなり、秋になれば落ち葉が増え、冬になれば寒くなる。
そんな季節を繰り返すようになった日本に、ある日がやってきた。 それは…










★☆★☆★☆









「シンジ〜、飾り付け終わったわよ〜」

「お疲れ〜様〜、アスカちゃん。 じゃあ後は料理だけだから〜。 あっ、レイさん。 これを持っててくれる?」

「わかったわ」

3人は、あるイベントの日の為にネルフの食堂を使い準備をしていた。 他にも元ネルフ職員である人間達も、他の作業を行っていた。 過ぎること…一時間。 準備が完了したのか食堂の壁際に台座の上に立ち、ゲンドウが片手に紙コップを持ち間の前に広がる人間達を見下ろしていた。

「…諸君。 長い間、本当にありがとう…。 君達の働きもあり、世界は再び平穏な日々を暮らせるようになった。 長々と話をする気は無い…では、乾杯!」

「「「「「乾〜〜杯〜〜!!」」」」」

ゲンドウの言葉に合わせて、皆も持っていた紙コップを上に持ち上げる。 そして全員は食べては飲んで、皆の表情は笑顔であった。

「レイさん、アスカちゃん、トウジ君、カオル君。 皆にプレゼントがあるんだ」

シンジは、4人にラッピングされた箱を渡した。 そして4人は箱を開けた。

「シンジ君…ありがとう」

自然と笑うレイには、白い宝石の入ったネックレス。

「…まぁ、アンタにしてはセンスあるわね。 …ありがとう」

少し照れながらのアスカには、赤い宝石がはめ込まれたイヤリング。

「ほんま、抜け目の無い奴やで。 センセ、ありがとうさん」

右手を上げながら礼を言うトウジには、黒く染まった腕輪。

「こんなプレゼントを貰えて嬉しいよ、シンジ君」

…少し顔を染めるカオルには、薄く銀色のフレームの伊達メガネ。

そう、今日はクリスマスの日。 そうして長い夜、彼はその日を楽しんだ。









★☆★☆★☆









まだ深夜、静まり返るミサトの家で居間に眠っていたシンジが布団から起き上がると一言。

「……夢か。 も一回寝よ」

そして再びミサトの家は静まり返っていく。






2つの心は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『本日午後3時58分15秒、第7使徒と交戦の後に国連軍によるN2爆弾で攻撃。 これにより使徒の構成物質が52%の焼却に成功』

 

ネルフ本部のブリーフィングルームで、壁から吊るしたシートにモニターを投影する。 その為、部屋は暗くされていた。 それを眺める人間は多数。 映画館のように席は、階段状になっており先頭にはプラグスーツのままアスカが座っていた。

その後ろにはミサト、加持、リツコの三人。 1番後ろには冬月、ゲンドウ、そしてレイがいた。

 

「それにしても…N2爆弾を使用したのに地図を書き直す事が無いとはな。 あの戦闘は良く出来た物だ」

 

冬月は、使徒と初号機の戦闘記録を見ながら呟く。 その呟きがアスカに聞こえたのか、その身を震わせる。 今、この場にシンジがいない理由は戦闘が終わった後に初号機は回収されたのだが最悪の事に、シンジはICU(集中治療室)に行くほどに容体が悪かった。

生憎戦闘の後、シンジの脳は普通に活動開始するが先の戦いでの負荷が強くフィードバックが起きてしまい身体に極度な疲労が伸し掛る。 そして初号機は本来の性能を上回る戦闘により、機体に予想以上の負担の為に大きな修理を行う事になった。

 

『これらが先の戦闘での結果です。 尚、使徒は周囲に強力なA.T.フィールドを展開。 これにより使徒との接触は不可能かと』

 

ギリッ

 

マヤが読み上げた後に、N2爆弾により傷ついた使徒が動かない画像が映される。 それを見てアスカは歯軋りを起こす。 それもその筈、アスカは途中でのリタイア。 そして、呆気なく倒されてはシンジに救出され高い評価を見られる戦闘。 一度は倒れたのにも関わらず、再起動をしては引き分けまで持ち込んだのだ。

プライドの高いアスカには、苦渋が心の中を支配していく。 そんな所にゲンドウがアスカに話しかける。

 

「二号機パイロット…」

 

「っ! はいっ!」

 

突然に最高責任者に話しかけられたアスカは、驚きながらも立ち上がり後ろに振り返る。

 

「…君の仕事は、何かわかるか」

 

「エヴァの操縦と…使徒に勝つ事…です」

 

「分かっているのならいい、私達は負ける事は許されない。 その為の我々ネルフが存在するのだから」

 

そう言い残してゲンドウは退室する。 それを追うように、冬月とレイも部屋から出て行く。 残された4人だったが、ゲントウがいなくなってアスカはその場で両手を握り締めて顔を俯かせる。

 

「「「………」」」

 

それを見ていた大人3人は、アスカに声をかける事が出来ないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンッ

 

アスカは更衣室のロッカーを右手で殴った。

 

(何やってんのよ、私! 私はこんな醜態を晒す為に、エヴァに乗ってわけじゃ無いんだから!)

 

ロッカーを凹ました右手を引き抜くと、彼女の手には傷が出来てしまい血が滲み出していた。 だが、そんな傷が出来ていても今の彼女には痛みを感じていなかった。

 

(結局は全部がシンジに尻拭いされて…私は何も出来ないでいた)

 

既にプラグスーツから制服に着替えていたアスカは、殴ったロッカーをそのままに更衣室を後にする。 暗い気持ちを持ったまま、通路を歩いていると前から加持が現れる。

 

「よっ、アスカ」

 

「か…加持さん」

 

憧れで好いてる相手、加持が現れた事にアスカは名前を呼ぶ事に詰まってしまった。 それを見た加持は、溜息を1つ吐く。 加持は俯いたアスカに近寄るなり、彼女の傷ついた手を取る。 それに対して、アスカは加持に手を取られた事にビクッとなる。

 

「どうしたんだ、アスカ? こんな傷作って。 女の子が傷を残したら、将来困るぞ?」

 

加持は今のアスカの心境を察しているのか、敢えて詳しく聞かず軽い感じに話しかける。 彼もアスカの性格を知っている為に、刺激の無い言葉を送る。だが、その言葉が逆にアスカを刺激してしまった。

 

ポタポタッ

 

アスカの目から涙が溢れ出していた。 先の戦闘、不甲斐ない自分、そして自分を咎める事無い大人達の対応。 それらが混ざり、感情が溢れてしまい外に出してしまうアスカ。 そんなアスカをより近寄り、軽く抱きしめる加持。

 

「…アスカ、自分を責めるのは良くない。 確かに自分で納得出来ない事があるだろう。 でも…次がある。 そこで挽回すれば良いんだよ」

 

アスカの頭を自分の胸に当てさせ、頭と背中をポンポンとリズム良く優しく叩く。 その後も彼女は、加持の胸の中で静かに涙を流していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それらが関係各所からの抗議文と、被害報告書はそれで全部よ。 後はこれが国連軍からの請求書」

 

ミサトは本部から提供された個人専用の部屋にいた。 それと同じ様にリツコもいた。 ミサトの目の前には、デスクテーブルに一塊の紙の束があった。

 

「ねぇ…リツコ。 もしだけど、あの戦闘が惨敗で終わってたらこの量じゃあ済まなかったわよね?」

 

「当たり前よ。 テーブルに乗らないぐらいの書類に、最悪貴女の首が飛んでいたかもしれないわ」

 

軽く言うリツコに溜息を吐くミサト。 本来は戦闘での周りの被害は極小。 しかし、一度ミサトの指示によりN2爆弾を初号機を目標に投下を命じた。 その事に国連軍は激怒、確かに勝たなくてはいけない戦いだが子供が乗ったエヴァに対し人類がエヴァ以外での攻撃力を持った兵器で狙うなど、彼等の人情には無かった。 結果、N2爆弾をエヴァに当たる事は無かったが国連軍は姑息と作戦責任者に集められる書類を全て投げつけた。 だが、1日あれば終わってしまう量だった。 そんな書類を眺めながら、ミサトは椅子に座りコーヒーを入れるリツコに話しかける。

 

「ねぇ、初号機の修復…どれくらいかかる?」

 

「あの戦闘での負担、機体ダメージだとフルピッチで10日間って所かしらね。 二号機は2日程度よ」

 

「使徒は?」

 

「現在自己修復中。 第二波は10日間とMAGIは予測してるわ」

 

「残ったエヴァ2機による殲滅は出来ないの?」

 

「残念ながら、零号機ともに二号機はA.T.フィールドが張れない為に使徒に近寄る事すら出来ないわ」

 

「…手も足も出せないか」

 

今の使徒は自己修復してる為か、強力なA.T.フィールドを展開していた。 常に肉眼に見えるほどのA.T.フィールドは、ドーム状に展開され正に結界となっていた。 その為、零号機と二号機はA.T.フィールドが張れない為に中和すら出来ず近寄る事も出来ないでいた。

 

「MAGIの計算だと、あの暴走状態の初号機がやったA.T.フィールドでしか破れないらしいわ」

 

「…本当に初号機は規則外の機体ね。 一度動かなくなっては、再起動して圧倒的な戦闘能力。 でも気になるのが、突如のシンちゃんの容体が悪化。 リツコは何か分からない?」

 

椅子の背もたれに寄りかかりながら、ミサトはリツコの方に首を曲げる。 聞かれたリツコは、少し難しい表情をとっていた。 それを見たミサトは、不思議そうに見ていた。

 

「どうしたのよ…リツコ?」

 

「…予測なんだけど、あの暴走は暴走じゃあ無いんだと思うわ」

 

「何よそれ…」

 

本来、エヴァはネルフが誕生してから作り上げられた物。 その際、製作途中でのエヴァの暴走は多数あった。 殆どが暴走したエヴァは暴れ回る物ばかりだったが、今回の戦闘では野性味は無く人間らしい戦い方をしていた。

 

「MAGIも使って検査したけど…一 時的にシンジ君の精神が、エヴァ初号機に乗り移ったと見ているわ」

 

ガタンッ

 

リツコの言葉にミサトは、勢い良く立ち上がり椅子を倒していた。 ミサトは身体を震わせ、リツコに近寄り両手で襟元を掴む。

 

「ねぇ…リツコ? あんたまさか、この件知ってたんじゃあないの!? シンちゃんが初号機にこう言う事になることを!!」

 

ミサトは声を荒げてリツコに叫ぶ。 それに対してリツコは、静かに経緯を述べていく。

 

「事の始まりは…シンジ君が二号機に乗った時よ」

 

話し始めたリツコを見て、ミサトは手を離して再び椅子に座った。

 

「私は実際に見た訳では無いけど…ミサト。 貴女は見たわよね、使徒を倒す所を」

 

「…えぇ」

 

「その時の記録を細かく調べたんだけど…倒す前の瞬間。 二号機からシンジ君の反応が消えているのよ。 私も最初は機械の不具合での事だと思ったわ…だけど、違っていた。 本来、今でもアスカでは張れないA.T.フィールドがあの時は張れた理由はシンジ君のお陰なのよ」

 

「リツコ…それは本当なの? 確かにあの時の二号機にはシンちゃんとアスカが乗っていたわ。 最後、使徒を倒す時は…まさか!」

 

ミサトは何かに気づいたのか、顔を真っ青になっていく。 そんな彼女を見て、少し落ち着く為にコーヒーを一口飲むリツコ。

 

「そう…その時のアスカのシンクロ率は過去最高の96.8%を出した。 今は71.5%なのに…。 エヴァは本来、選ばれたチルドレンしか乗れないのはミサトも知っているわね?」

 

「…マルドゥック機関から選抜され、私は詳しく無いけどエヴァと繋がりがある少年少女しか乗れない話よね」

 

「そうよ、それに対してシンジ君を乗せた二号機はアスカを乗せてる時と同じに変化が無かった。 本来はあり得ない事よ…。 1つの機体に2人のパイロットを乗せれば、少しでもアスカのシンクロ率に変化が起きてもおかしく無い筈。 それなのに、逆にアスカのシンクロ率は上昇して…A.T.フィールドまで張れるようになった。 使徒を倒す瞬間に、アスカのシンクロ率が96.8%まで上昇してシンジ君の反応が消えた。 後は、分かるわね…」

 

そう、本来エヴァは選ばれた子供しか乗れない兵器。 1つの機体に乗れたとしても、他のエヴァとの互換性が低く乗れたとしても本来の能力は出せないであろう。 シンジが乗る初号機はテストタイプ、アスカが乗る二号機はプロダクションモデル。 この2機の違いは大きく、乗れるパイロットも変わってくるものである。

しかし、シンジはその常識を覆し難なくと二号機に乗る事を成功させる。 そして、先の戦いで二号機とアスカの間を中継したのがシンジであった。 その為、シンジは二号機と一 時的な融合を果たし彼が二号機を通してA.T.フィールドを展開させアスカのシンクロ率を底上げしたのだった。

リツコからの説明にミサトは、身体を震わせていた。

 

「まさか!? あの時のシンちゃんは、二号機と同化したって言うの!」

 

「そう見るのが適切ね。 だから私は、前にシンジ君にシンクロテストをやらせた時にエントリープラグ側にリミッターをかけたのよ。 …だけど、呆気なく意味を為さなかったけど」

 

リツコも、先の戦闘データを見て対処を行ってはいたが効果を発揮する事は無かった。 それを聞いたミサトは、立ち上がりリツコに向かって頭を下げる。

 

「ごめん! リツコ。 貴女もシンちゃんの為に対処していたのに…私は貴女を責めてしまった」

 

「いいのよ、結果として私のした事は無意味だったわけだし。 でも、今回のデータでこの件は対処出来るわ」

 

「なんか良い案でもあるの?」

 

「えぇ、前から決まっていたシステムの雛形である『ダミーシステム』を元に作れば金輪際はシンジ君はエヴァと同化する事は無いわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ピッ…ピッ…ピッ…

 

規則的なリズムで鳴り続ける機械。 その音を知らせる機械は、ベットに横たわるシンジにコードが繋がれていた。 ICUから普通の病室に移動され、シンジはネルフ直属の病院で眠っていた。

 

「………」

 

そんな彼の横に、レイはパイプ椅子に座って眠る彼の顔を眺めていた。

 

(今回も…私は戦闘に参加出来なかった。 いつもシンジ君に助けられてばかり…怖い。 彼が…もし次の戦闘で死ん…でしまうかもしれない。 駄目……シンジ君が居なくなってしまったら、また私はあの暗い世界に戻ってしまう)

 

少しずつレイの表情は険しくなり、膝に置いた両手に力が入る。 彼女にとって、シンジは光を照らす存在になっている為に彼が居なくなる事になれば今度こそ心が壊れてしまうだろう。 一度壊れかけた時は、彼が身体を引きずりながらも彼女の部屋に足を運んでは沈む彼女の心を掬い取った彼のお陰とも言える。

嫌な想像をして身体を震わせながら、レイは布団の中に手を入れ彼の手を探し出す。 シンジの左手を見つけると、布団の中から引きずりだして両手で包み始めた。

 

(あったかい…落ち着く。 これがあったから、私は戻ってこれた…。 そして笑顔。 私を照らして…中からも暖めてくれる。 昔までなら、司令さえいれば良いと思っていたけど…今は違う。 貴方が私にくれた様に…シンジ君。 シンジ君を私が暖めたい…そして笑って欲しい。 私には…それしか出来ないもの…)

 

レイは彼の左手を自分の額まで持って行き、祈る様に目を瞑っては自分の体温を彼に渡すかの様に少し力を込める。 すると、彼女の髪に変化が見られ始めた。

元々、青空のような色を持った彼女の髪の毛の色が根元から少しずつに白くなっていく。 そして、左手を彼女に掴まれて眠るシンジにも変化があった。 眠る彼の胸から、布団越しで優しく光が灯っていく。 すると、最初は青白くなっていたシンジの顔は徐々に血の気が戻り始めた。

そんな変化は、彼女が彼の手を握る力が抜けると同時に彼女の髪は戻り始めて、彼の胸からの光は消えていった。

 

「…んっ」

 

祈るのを終えたのか、彼女は彼の手の感触を確かめるように頬擦りを始めた。 少しして堪能したのか、彼女は目を開き若干だが口の端を上げていた。 そんな所に彼女のスカートのポケットに入れた携帯が震え始める。

 

ブーブーブー

 

ピッ

 

「…はい」

 

『レイ…至急、本部に来て』

 

「了解」

 

ピッ

 

電話の相手先は、ミサトであったが淡々と要件言いレイも返事を返して通話を切る。 レイは彼の手を再び布団の中に戻して、病室を後にした。 先程の超常現象は無かった様に、再び病室に規則的な電子音が鳴り響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ…これから、訓練に入るわ」

 

ネルフ本部内の訓練室。 床は木の板が敷かれ、周りは出入り口の周り以外はガラスが壁に貼り付けられていた。 そんな訓練室の真ん中に、ミサトと面を合わせて二人の少女が立っていた。

 

「……」

 

「何なのよ…このカッコ?」

 

今のレイとアスカの格好は、カラフルな衣装が着られていた。 それに対して、レイは気にしていないのか無表情。 アスカは、今から訓練として何をするのか理解出来ないでいた。

 

「今回の使徒は、最大4体まで分裂を可能させる使徒。 個々で撃破は無理に等しいと、MAGIの計算で出たので使徒が1体の時にコアを破壊するのが有効らしいわ。 だけど、普通に攻撃しても再生されてしまう為に…一点集中の重い攻撃が必要なの。 目標の使徒は単体になれば攻撃が重く、分裂した分だけ動きが速くなりコンビネーションを使ってくる。 その為にエヴァ三機を使って、コンビネーションで使徒のコアを攻撃して破壊。

この流れを作る為に…貴女達に今から一緒に踊ってもらうわよ」

 

「え〜〜〜〜!!??」

 

「……」

 

ミサトが訓練の説明を終えると、訓練の内容に声を上げるアスカ。 レイは気にしていないのかリアクションは無い。

 

「シンちゃんは、意識が戻り次第でこの訓練をさせるわ。 使徒の再活動予測は10日…もし10日間にコンビネーションが完成しなければ、初号機を囮に使い再びN2爆弾で攻撃。 今世界にある製造された全てを、初号機諸共に…そしてトドメを残り二機で殲滅」

 

「…っ!?」

 

「何よそれ!?」

 

ミサトからの言葉に、2人は表情を豹変させた。 そして、ミサトから説明された2人はより一層に表情が険しくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は遡り、ミサトはシンジの問題が解決の策をリツコから聞くと安堵の溜息を吐いて再び椅子に座った。

 

「ハァ…それにしても、本当の問題は今回の使徒に対してね。 一体のしての攻撃には分裂、最大4体まで分裂しては一体一体の動きが速くコンビネーションまで持っていて…正直な所お手上げね」

 

ギシッと椅子の背もたれに寄りかかり、天井を見上げるミサト。 それを見ていたリツコは、懐ろからフロッピーディスクを取り出した。

 

「ミサト、貴女にとって今の使徒を倒すアイディアがあるけど…必要かしら?」

 

「何よ! リツコ、とっておきの奴でもあったの!? いや〜、持つべきものは友よね〜!」

 

ミサトは懐ろから出したリツコが持つフロッピーディスクを、素早く取り喜んだ。 しかし、リツコの表情は優れなかった。

 

「アイディアの提案は私じゃないわ…」

 

「? じゃあ…誰よ」

 

「加持君よ」

 

「げっ…」

 

アイディアを出した人間の名を聞いたミサトは苦い顔をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンッ

 

部屋にデスクテーブルを叩く音が鳴り響く。

 

「何よこれ!? これが作戦言えないわ!!」

 

「でも、勝算はあるわ。 …少なくともね」

 

ミサトは、両手を叩きつけたデスクテーブルに置かれたノートパソコンの画面を睨みつけていた。

 

「加持の奴! 何考えてんのよ!! コンビネーションの案はいいわ。 だけど、コンビネーションがダメだった時は初号機諸共に使徒をN2爆弾で攻撃なんて…」

 

少しずつ勢いが無くなっていくミサト。 それを見て、リツコは加持の作戦を説明し始める。

 

「この作戦だけど、MAGIも加えての作戦なのよ。 目標は4体まで分裂しては一度に倒さなければ、個々で再生をし続ける。 まして一体の時に倒すには、あの大きなコアを破壊するには最低でもエヴァ2機の一点集中攻撃が必要される。 だから、3人のコンビネーションを完成させるか…初号機を囮にして使徒と一緒に攻撃。 そして、今製造されている全てのN2爆弾で弱った使徒を2機のエヴァで殲滅させられる。 ミサト、決めるのは作戦部長である貴女なのよ。 …まぁ、他に作戦があるなら話は別だけど」

 

MAGIの計算では、N2爆弾はlittle boyの核爆弾とも変わらない威力である。 しかし、本来の核爆弾とは違う点がある。 それは放射能だ。 N2爆弾には、核では無く窒素を使い凄まじい威力を生み出す兵器である。 その為に最初に襲来した使徒での使用後は、周りを爆風で捲き込むが放射能を残さない兵器であった為に使徒相手に使われた。

だが、問題が1つ。 1つのN2爆弾で半径17.1kmの距離を吞み込むほど威力に対して、今現在で製造されている数は5つ。 それを一点に爆発させてしまえば、5つの爆弾が干渉し1つだけでも凄まじい威力が人類で最強の兵器『ツァーリ・ボンバ』とは行かなくとも下手してしまえば過去に起こした『ブラボー実験』に近い事を再現してしまう可能性があった。 そうなってしまえば、日本の一部が吹き飛んでしまい第3新東京市は甚大な被害が被るであろう。

 

「決まってるわ、コンビネーションの案で行くわ! 必要以上にシンちゃんには、傷ついてほしくは無いわよ。 それにそれをしてしまえば…彼に対する裏切りになってしまう……」

 

バシュッ

 

ミサトは、そう言い残して部屋を出て行く。 残されたリツコは、ボソッと呟いた。

 

「…加持君ったら、損な役を進んでやるんだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪〜♩〜 〜♫〜♬〜

 

「はいはい! 2人ともリズムに合わせて! アスカ! 必要以上にテンポを上げない! レイ! 動きが単調になってるわよ!」

 

音楽が流れている訓練室で、指導するミサトの元に2人の少女が音楽に合わせて踊っていた。 しかし、アスカは曲に流されているのかワンテンポ早く踊ってしまい、レイは模範通りに動いてる所為かぎこちない動きになっていた。

 

パンッパンッ

 

「はいはい、2人とも! もっと曲に耳を傾けて、お互いに合わせようとしなさい!」

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

「……いきなり、できる訳無いわよ…。 はぁ…はぁ…」

 

踊り始めて一 時間。 2人は息を切らし、顔から滴るほどの汗を流し肩を動かしながら呼吸をするほど疲労していた。 アスカはレイに合わせて踊ろうとすると必要以上に踊るテンポが遅くなってしまい、レイがアスカに合わせようとするとテンポが早まってしまっていた。

水と油のような2人。 後に休憩を挟みながらも、2人は踊り続けたが1日目はダンスしての質は上がるがコンビネーションとは程遠い物であった。

 

2日目。

 

「アスカ、レイ。 踊っているのは自分だけじゃ無いわ。 隣にいる人間の息を合わせる事を考えつつ…踊りなさい」

 

♪〜♩〜 〜♫〜♬〜

 

「くっ…!」

 

「…っ」

 

ミサトの指示通りに、2人はチラチラと踊ってる間に横目で見ながらも合わせようとするが…。 アスカがレイに合わせようとして踊るがテンポにズレが生じ、変わってレイがアスカに合わせようとすると自分の動きが疎かになっていく。 正にお互いがお互いの動きを駄目にしているのが、目に見えて分かる。

 

「…はぁ〜」

 

流石のミサトも、残り8日間で2人が息を合わせられない未来しか見えないのか溜息を漏らしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネルフ本部の食堂。 ネルフ職員が使われて食堂に重苦しい空気を漂わせる空間が存在していた。 その為か、その空間の近くにはネルフ職員は近寄らず食堂の端でテーブルを挟み少女2人が黙々と食事を摂っていた。

 

「………」

 

「………」

 

不気味に食器が金属に叩かれる音だけが鳴り響く。 レイはシーフードカレーを食べており、一方アスカはパスタを食していた。 2人の顔には生気が無く、レイは常日頃無表情であるが誰が見ても何処か焦っているような雰囲気を漂わせていた。 アスカの方は、疲れの所為か最早パスタを作業のように口に運び味わずに顎を動かすだけの動作を行っていた。

 

(…駄目。 このままじゃあ…葛城一尉が言った通りにシンジ君が…)

 

(……なんだろ、食べてるのに食べて気がしないわ。 踊りだって…ファーストとは合わせられないし。 どうしろって言うのよ…)

 

そんな暗い気持ちになっている2人の所に、紙コップを片手に近寄る男性の姿があった。

 

「よっ、2人とも。 元気無さそうだな」

 

2人に近寄った人物は加持であった。 不満を1つも持っていなさそう顔で、2人に話しかける。

 

「あっ、加持さん…」

 

「……」

 

ぺこり

 

アスカは加持の登場で、少し気持ちに余裕が出来たのか彼の名を口から出す。 レイの方は、彼を見るなり頭を下げてお辞儀をする。 そんな2人の反応を見て、加持は内心溜息を吐く。 今彼女達が、今後のコンビネーションの出来に作戦が決まってしまうのだから。

それによって、初号機を囮にした作戦が実行されれば機体は大破、そしてフィードバックでシンジに甚大なダメージが予測されている。 作戦の提案は、加持だが彼はシンジが憎くて囮と言う作戦を考えた訳ではない。 1番勝率のある作戦だと踏んでいるだけで、彼の本命はコンビネーションでの作戦であった。

しかし、人の感情だけで使徒を倒すには不可能な為に加持は心を鬼にして囮作戦をリツコに通してミサトに作戦の案を渡させた。

 

「どうだい? ダンスの方は」

 

そう聞かれた2人は、目に分かるほど表情を暗くしていく。 それを見た加持は、少し囮作戦での話を持ちかける。

 

「…そっか、駄目そうなんだな。 これは当日の作戦は囮の方になるかもな」

 

「「っ!」」

 

「言っとくけど、今回の作戦を提案したの俺だけどコンビネーションの案に賭けていたんだが。 これは…期待しすぎたのかもしれんな、2人に」

 

「……」

 

「…くっ!」

 

そんな加持の言葉に、レイは元々表情をそこまで変えない女の子だが誰が見ても怒りの感情で染めた顔で加持に睨みつけていた。 アスカは、尊敬する人から失望したと遠回しの言われ方に悔しそうな表情になる。

 

「そんな2人は今後も、強敵な使徒が現れる度にシンジ君に助けられるだな。 まぁ…確かに彼はシンクロ率も戦闘能力も高い。 だが、彼にも人の心がある。 いつまでも彼に頼りきりだと…見捨てられるぞ?」

 

2人は少しずつと身体を震わせ始めた。

レイは心から大切な人物であるシンジが自分との接し方が変わり、嫌われる想像をしてしまい心の底から恐怖がこみ上がり身体を震わせる。

アスカは自分でもエヴァパイロットとしてのプライドがあり、このまま彼に成績を持っていかれるのと先の戦闘での貸しも返していないのに今回の作戦でシンジを囮にしてしまえば自分が何故、日本まで来たのか分かんなくなってしまう事に身体を震わせる。 そして、2人はお互いに目を合わせるとお盆を持ち始め返却口に向かっていった。 加持は、そんな2人の後姿を眺めながら溜め息を吐く。

 

「…ふぅ」

 

「嫌な役、ご苦労様。 加持君」

 

「おぉ、リッちゃん」

 

加持の後ろから近寄ってきたリツコに、彼は軽い態度で名前を呼ぶ。

 

「どう? 今晩一緒に飲まない? 私の奢りで」

 

「おっ、珍しいね。 リッちゃんからの御誘いなんて」

 

「自分から嫌な事をしてくれる人間には、私は心から尊敬するわ。 だから、そのお礼よ」

 

「…まぁ、あのままじゃあ2人のコンビネーションは高まらないからね。 悪戯に時だけを進ませても彼女達に進歩ないだろうさ。 それにシンジ君が傷付けば葛城は悲しむからね」

 

「加持君…損するわよ」

 

「いいさ、それで良い方に流れれば…」

 

リツコは溜め息を吐き、加持は苦笑しながら子供2人が向かっていった方向を眺め続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日目

 

♪〜♩〜 〜♫〜♬〜

 

音に合わせながら訓練室で踊る少女2人。 そんな2人の踊りを眺めているミサトは思った。

 

(少しだけ…2人の踊りに変化があった。 だけど、まだまだ荒削りね。 確かにお互いに合わせようとする気持ちと動きがあるのだけれど…何かが足りないわね)

 

その後も2人は踊り続けたが、余り進歩は無くまた1日が終えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先の戦闘から4日が過ぎ、病室で眠り続けているシンジ。 規則正しい電子音が病室内に鳴り響く中、突然病室に変化が現れた。 時は夜中、突如彼の胸から小さな光が灯り始めては…光は胸から少しずつ身体全体に広がっていく。 暗闇の病室に小さく灯るシンジの身体であったが、数分経つと静かに光は消えていき眠っていたシンジに変化が見られた。

 

「…っ、う〜ん」

 

少し呻く彼だったが、呻き終わると彼の瞼が開き始めていく。 そして、目を覚ました彼は病室の天井を眺めながら一言。

 

「……お腹空いた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、ハピクリ・メリクリ・ヨピクリ。(去年もやった気がするな…)

どんなイベントが来ても、変わらないヨッピーです!(`_´)ゞ

どうもどうも、前にアンケートをとったので書き上げましたw(3人しか投票されずw)

いやいや、もう2015年も終わりに近づいてきました!

私の中ではエヴァ年でしたわ。( ^ω^ )

何もともあれ…私は、ある重大な事を見つけてしまった…

ある私の作品にお気に入り登録している方で…この作品の『そんな日常…』で書いた前書きと同じ事を自分の作品にやった奴がおる…。



















m9( ´▽`)

お前やー!w

どうぞどうぞ! 好きに使ってくださいw

自分の考えた奴が他に使われるのは嬉しいです。*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

では、後ほどアンケートを取るかもしれないのでその時に。

メリークリスマス!(`_´)ゞ

ジーク・ヨッピー!(`_´)ゞ

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