誠に申し訳ございませんでした。
「今日もテイオーさんが勝ったね!」
「うん!!」
私はキタサンブラック。ウマ娘だ。今日は親友のサトノダイヤモンドちゃんと一緒に競バ場に来ているんだ。
「ほんと、今日も競バ場に来てよかったなぁ♪」
「キタちゃん、テイオーさんのこと大好きだもんね!」
そう、私はトウカイテイオーのことを推している。大好きで、いつかは私もトレセン学園に入ってテイオーさんと一緒に走れるウマ娘にと考えている。
「うん、ダイヤちゃんがマックイーンさんを好きなように、私はテイオーさんが好きなんだ。でも、もっと好きなウマ娘さんがいるんだけどね」
「それって、あの名前の知らないウマ娘さん?」
「うん、私があの時であった、名前の知らないウマ娘さん。いつか、あの人のように走れたらなって目標なんだ」
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それは、私が体験入学でトレセン学園に行ったときのことだった。
集団からはぐれてしまった私は、当てもなくさまよい、ある建物に入った。そこは芝のレース場で、一人のウマ娘さんが走っていた。コース上への入り口のところで私は、そのウマ娘さんの走りに見入ってしまった。フォームが綺麗とか、力強いとか、そんなことは覚えてないけど、ただただすごいと思った。
走り終えて息を整えてるウマ娘さんが私気に気づき、声をかけてくれた。私が迷子になったことを伝えると、携帯を出して誰かと電話し、すぐに迎えが来てくれると伝えてくれた。でも、もっとその人の走りが見たいと告げると、また電話で話し、夕方くらいまで練習を見学させてもらえることになった。
走った後は筋トレ、そのあとダンスレッスン。そのウマ娘さん曰く、「ウイニングライブをおろそかにするものは学園の恥」、だからライブに向けた練習もしっかりやっていると教えてくれた。
「よかったら、君も少し踊るかな?」
「うん!!」
誘われた私は、そのウマ娘さんにダンスの基本を教えてもらった。簡単なステップで、これはそのウマ娘さんの幼馴染の人のために考えたものだそうだ。そうしていると、時間になって迎えが来た。まだ帰りたくないと駄々をこねた私だった。
「また会えるさ、君がここに入学するまで、ずっと待っているから」
そのウマ娘さんがそう言って頭をなでてくれた。そうしたら自然と泣き止んで、また会おうと指切りをした。
学園から出た後にそのウマ娘さんの名前を聞き忘れたのを思い出し公開したが、きっとレースに出ると思っていたから、それまでおあずけと思って、競バ場に今まで以上に通うようになった。
そんなある日、私はあのウマ娘さんが教えてくれたステップを見た。それがトウカイテイオーさん。多分、あのウマ娘さんの言っていた幼馴染がテイオーさんだったんだろう。きっかけはそれ。そうしてテイオーさんを見ていたら、その懸命な走りに惹かれ、テイオーさんも応援するようになった。二度の骨折を乗り越え、また復帰したテイオーさん。その走りを見るために、それからあのウマ娘さんが出ていないか見るために、私は毎週末、競バ場に通っている。
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私が回想に浸っていると、サトちゃんが質問してきた。
「ねえ、もし、テイオーさんとそのウマ娘さんの二人が同じレースに出たら、キタちゃんはどちらを応援するの?」
そんなの、即答できる。
「ウマ娘さん。テイオーさんには悪いけど、やっぱり私の一番はあの人かな」
あ~、早くあのウマ娘さんに会えないかな。
そう思っていた私は、もうあのウマ娘さんが走れなくなっているなんて、想像にもしなかった。