Girls Code×Boys Tone   作:瀬田

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ロゼリア編一話です。



#30:The Beginning(青薔薇編①)

 私には、双子の妹がいる。名前を日菜といって、夜の字をもらった私と対になっている。

 そう、本当に、あらゆる意味で私と日菜は対の関係──。性格、生き方のすべてがそうだ。

 冗談でも、思い上がりでもなく、私は果たすべき目標に向ける努力を惜しんだつもりはない。全力でそれと向き合っている自信があった。

 そうして築き上げたもの──ここに至るまでの階段を、日菜はいつだって、私の後を笑顔で追いかけてきた。それも、数段飛ばしで。

 追い抜かれて、差が広がって、それでもあの子は笑いかけてくる。その瞳は憧れと期待の輝きに満ち溢れていて、そのことがたまらなく嫌で、私は真似されたものを手放していった。

 

「…………」

 

 そして残ったものが、ギターだけだった。

 それは、唯一、私が日菜の代用品でないことを確かめられる根拠のようなもの。だから私は、それを奪われないように、あの子に知られないようにと、技術を高めるべく、ひたすらに──文字通り、命を削るように──研鑽を積んでいった。

 

 バンドに入って、奏でる音楽で頂点を目指したい。

 

 そう考えて行動していた私にとって、近い価値観を持つ(みなと)さんとの出会いは必然だったのかもしれない。それに比べると、若葉さんとの対面はまさに邂逅──偶然と言い換えられるような出来事だった。

 

『できる妹を持つ者同士の苦労が共有できたのかな?』

 

 それを導いた上原さんが口にした言葉で、私は一年生の定期テストで全教科満点を取った生徒の名を思い出した。若葉凪紗さん──彼女はきっと、彼の妹さんだろうと推察した。その通り、あの夕暮れの帰り道で、彼はそれを認めた。

 堅物というか、真面目そうな顔をして確実に手を抜くという彼の生き方に不満を持っていた私は、しかし自分と近しい境遇にある人物に興味を抱いていた。

 

 だから、問いかけたのだ。

 

『私は、知りたいのです。……なぜ、笑っていられるのですか。妹さんに、悔しさを感じないのですか』

 

 あの時、穏やかとも無愛想とも取れる色のない表情に、わずかな揺らぎを見出したことを覚えている。しかし、当時の(今もだけれど)日菜との関係に対する苦悩が、どうしてそう平然といられるのか、諦めて逃げ出したのではないかという怒りにも似た詰問を噴き出させたのだった。

 

 そして、私は安易な発言を強く後悔することになる。

 

『父を、亡くしたんです』

 

 わずかに視線を伏せて彼が語ったことは、私に大きな衝撃を与えるのに十分すぎた。

 父を亡くし、母が病床に臥したことで、瓦解しつつあった家族の関係を繋ぎ止めたのが彼──そこに付いて回る色々な問題と向き合いながら。

 そのことはつまり、妹である若葉さんと競い合うような関係ではいられないことを意味する。

 

 後から知ったことだが、彼女のバンド活動を支えるため、そしてそのための決断によって、彼女を心配させないようにするために生徒会に入ったというのだから、その覚悟は本物だったといえる。

 

『っ──』

 

 私は二の句が継げなかった。

 それは彼への同情などではない。同情など、できやしない。彼を見て、勝手に諦めたと決めつけて、見下して、安心していたのだ。

 心が弱っていたことは間違いないけれど、それを理由にしてしまうくらいには、その時の私はあまりにも情けなく、哀れだったのだろう。

 

 惨めさに襲われて流した私の涙を、若葉さんは口を固く結んで見つめていた。

 あのとき、彼は何を考えていたのだろうか──

 

 ☆

 

「氷川さん」

「っ、は、はい」

 

 記憶の淵にあった意識が、名前を呼ぶ声に引きずられる。わずかに遅れて視線が追いついた。

 こちらを案じて覗き込んでいたのは、花咲川の生徒会長——鰐部さんだった。

 

「少し、ぼうっとしていたみたいだけど……大丈夫?」

「す、すみません」

「いいのよ。週末のこともあったし、疲れているわよね」

 

 気にしないで、と手を振って、淹れていた紅茶を差し出してくる。受け取ると、心地よいベルガモットが香った。

 

「問題ありません。考え事をしていたただけですので」

「あら、そうなの。もしかして、文化祭でのことかしら。何かあった?」

「いえ、大したことでは……。志哲高校の生徒会の方に、とても手伝っていただいたので」

 

「そういえば、お礼をしていないわね」と、彼女は口元に手を寄せる——嘘は言っていない。

 私の内情へ向けられた意識を逸らすことに成功したようで、それに安堵した。

 

「まあ、そもそも秋には向こうの学校の手伝いをするわけだし、次に集まったときにお話の中でいいわよね」

「はい。私もそれを考えていました」

 

 言いながら頷く。

 来週には羽丘への応援を控えていることもあり、それは案外すぐのことになりそうだった。

 

「あっ、そうだ。その文化祭のことだけど。ひかりちゃんが確か、何か言っていたわよね」

「はい。校内外からガールズバンドを集めて、対バンライブのようなものがやりたいと仰っていました」

 

 生徒会室での一幕のことを話すと、鰐部さんは顎を指で支えるようにしながら「なるほど」と思案に耽っていた。その催しに実現性があるのかは、私には見当がつかなかった。

 

「何か、その提案に問題があるのですか?」

「ううん。問題、というよりも事情……と言えばいいのかしら。志哲高校ならではというか」

 

 こぼれた言葉に、思わず興味が向かう。聞き入る私に、彼女は続けた。

 

「志哲高校は都立高校の中でも屈指の進学校でしょう? だから、日頃から家で勉強したり、塾に通う生徒が多いのよ。そのせいで、どうも文化祭だとか、学校行事が盛り上がらないって、ひかりちゃんが呟いていたから」

「なるほど……」

 

 長い思案をもたらした理由は、よく納得できるものだった。

 よく考えてみれば、志哲高校の執行部はわずか三人の構成になっている。それは、普段の仕事を回すのに精一杯の人数なはずだ。

 その仕事も、盛り上がらない行事のために淡々とやっていたのではやりがいがない。若葉さんのように推薦に必要なものと捉えている生徒もいるかもしれないが、それも日頃の成績があってこそのもので、必要のない労力をかけるくらいならば、と役員にはなりたがらないのだろう。

 

 そんな中で生徒会長になるくらいなのだから、きっと上原さんには学校に対して描いているものがあるに違いない──その手段としての対バンライブなのだと、鰐部さんは言った。

 

「だから、ライブをすることに問題はないし、むしろ積極的にお手伝いするべきだと思うの。ただ、その頃には三年生も受験に本腰を入れる時期だし、対バン先を見つけることも含めて、羽丘とも協力して残りの人員でどれだけ仕事を進めていけるか──この辺りが懸念すべきポイントかな、って思ったのよ」

 

 眼鏡を正す仕草が、言葉から滲む聡慧さを後押しするようだった。

 しかし、それとは別に、私にはまだ、その話がどうにも現実味を帯びたものであることを感じ取れないでいた。

 私たちが──花咲川の生徒会がそこに参加する理由はなんだろうか。

 

「……他校へも、私たちは力を注ぐべき、ということですか」

「そう、ね。もちろん、生徒会は自校の生徒のための存在であることは否定しないけれど……」

 

 どこか嬉しそうな表情で鰐部さんは言う。

 

「生徒や学校のことを第一に考えて働いたり、努力するのを支えることで、私たちも頑張ろうって思えるのよ。この間のお手伝いだって、伝統だから、ってだけじゃない。全部自分たちのことに置き換えて、仕事にやりがいを見つけたり、自信を持つことができる──ひかりちゃんたちも、そう考えているはずよ」

「……!」

 

 全部、自分たちのことに置き換える。

 

 その言葉が含むものは、どこか聞き覚えがあって──私は、ひゅ、と吸った息の行き場を失くしていた。

 

「文化祭のお礼も兼ねて、私は応援しようと思うけれど──氷川さん、風紀委員としても賛同してもらえないかしら」

「……そうですね。私は異存ありません」

「そっか。ありがとう」

 

 そんなことを言われてしまえば、私が取れる選択肢はただ頷くことだけだ。

 他人を知り、理解することがバンドとしての成長につながるのなら。

 絶望、憎悪、嫉妬──どす黒い感情の沼に浸された心が、そこから抜け出すことができるのなら。

 私はその答えを若葉さんに求め、そして一つの答えになりうるものを得た。それと同じことを、おそらく目の前の彼女は言っているのだと思う。

 

 私の疑問が晴れたことに安堵してだろうか、彼女は一筋の微笑みを浮かべるのだった。

 

 

 

 ♬

 

 

『他人の音を聞くことで、その人を理解できるかもしれない──他人に自分を理解してもらえるかもしれないのではないでしょうか』

 

 いつかの言葉が思い返される。

 控室に満ちた静寂の中で、私はギターに手を置いて残りのメンバーを待っていた。

 あの三人——白金さんを除いても、二人は約束の時間を守らないところがある。というよりも、遅刻の認識が甘いと言えばいいか。

 バンド活動に妥協は必要ない。だから、今までしてきたように、彼女らとの繋がりを断ち切ってもよいはずなのに、それができないでいる。

 

()()()()と、若葉さんの言葉が残り続けているから。

 

「……1分35秒の遅刻よ」

 

 息を切らして飛び込んできた今井さんたちを、できるだけ強く咎める。

 

「ご、ごめんごめん! おーっ! って気合い入れてたからさ☆

 2人とも一緒にやりたかったな~」

 

 鬨の声、ということだろうか。そうだとしても、そんなもので演奏の質が向上するなら苦労はない。

 第一、それをするならもっと早くに集まればいいだけのことだ。

 同じことを考えていたのかは分からないが、近くの椅子に腰掛けていた湊さんが厳しい目つきで立ち上がる。

 

「馴れ合いはやめて。気持ちの整理は個人で済ませてきてもらわないと困るわ」

「……っ! う、うんっ。大丈夫だって。それくらいちゃんとできてるよ~」

 

 やはり、湊さんの考えは私のそれに近いものがある。けれど、完全に同一、というわけにはいかないらしい——『変わった』私とは。

 周りにとっての私を意識するようになってから、気が付くこと、納得できることが増えた気がする。だから、気になってしまう——今井さんが言葉に詰まる様子が見えたことに。

 

「わ、わ……たし……も。みなさんと……演奏するって……決めたから……

 ——が、がんばり……ます……」

 

 震える声で、白金さんはそう言う。その調子で本当に頑張れるのか問い質したいところだが、今は時間がない。彼女なりの決意が、私とは違う形で言葉に表れているのだろうと考えておく。

 ——もっとも、それを確認するためにはもっと効果的な方法がある。

 

「口ではなく、音での証明をお願いね」

 

 私が本当に確かめたいのは——あの音、あの感覚。

 今まで、一人だけで追い求めてきたものがこのバンドにあるとしたら——私は、変われる気がする。

 

 

 ☆

 

 

 結果から言えば、私が願ったものはそこにあった——メンバー全体が一つの『音』に引き寄せられる感覚、そして音を創り上げているという充実感と、一つの弦を弾くたびに、一つの音が重なるたびに胸に湧き上がってくる狂おしいほどの刹那的高揚感。

 若葉さん——凪紗さんのバンドが共有している信念とは、感情とはこのことなのだろうか。そうであったらいいと思えた。

 

 しかし、そこに冷や水を浴びせたのは、重なり合った一つの視線と、わずかな音のズレ。

 音響と照明を操作するステージの後方、まさに思い浮かべた直後の彼女の姿があって、目を大きく見開いたその瞬間、隣の今井さんが弾くベースから不協和音が飛び出て——色が失われゆくその表情が、焼き付くように心に残るのだった。

 

「……」

「いつまでも泣いてんじゃないよ」

 

 ステージがすべて終わった後、私たちは控室に戻ってきた。

 今井さんは塞ぎ込むように座って、途切れ途切れ「ごめん……っ」と漏らすだけで、次第に流していた涙を嗚咽へと変えた。

 

「……ライブってのは、完璧な演奏が百点ってわけじゃない」

 

 続いたオーナーの言葉に、今井さんも私たちも、顔を上げる。

 

「客は、どうしてライブハウスに歌を聞きにくると思う?」

「それは……」

「今この瞬間、目の前のアンタたちがどんなステージを()りきってくれるか——それを楽しみにしてるんだ。

 ——演りきったんだろ?」

「……っ! はい……」

 

 言葉は確かに弱弱しいものだったけれど、頷く勢いには確かに自信と力があった。

 演奏を傍で聞いていた私も、その反応に嘘はないことが分かる——一つのミスに対して、涙を流すくらいの悔しさに頬を濡らすほどに、彼女はこのバンドに懸けているのだから。

 

 それは、宇田川さんにも、白金さんにも言えることだ。

 誰一人、ミスに対して妥協するような温い言葉を掛けることはない——人としての配慮は措くとして、心地よさすら覚えるくらいの冷たさがあった。

 

 だから、言えることがある。

 

「——落ち込んだところで解決はしません。演奏でのミスは、地道な練習で改善すべきです。……音合わせ、付き合いますから」

 

 その場の全員が私に振り返る。……湊さんが瞳に滲ませた吃驚が目立ったのは、気のせいか。しかし、私には似合わない台詞だったのだろう。

 気に食わないが、バンドとしての頂点を目指す以上、奏でる音を聞く経験を増やすことで、今井さんという人間を——ベースとしての能力や性格を理解することが、必要となるのだから、仕方がない。

 

 そのためには、私も変わらなければならないから。

 それが、心の深奥に留めおく()()のためでもある。

 

「っ、ええ。紗夜の言う通りよ。終わったことを悔やんでも意味はないわ」

「みんな……」

 

 僅かな動揺から立ち直った湊さんの言葉に、今井さんは一先ずの落ち着きを取り戻したらしい。

 私たちはオーナーにお礼を言って、SPACEを後にすることにした。

 部屋を出るとき、なぜか戸口に控えていた凪紗さん——とバンドの皆さんと目が合った。

 

「お、お疲れ様です。氷川先輩」

「ええ。凪紗さんこそ、お疲れ様です。今日は、スタッフの代理だそうですね。機材担当、ありがとうございました」

「いえ。私たちも、先輩方の演奏を見て、大きな学びになりました。これからも頑張ってください」

「ええ、お互いに頑張りましょう。……お兄さんにもよろしく」

「はい」

 

「「……」」

 

 とりとめのない後輩との会話は、しかしメンバーにとってはそうでもないらしい。何かしらの説明を求める目線には、できれば答えたくなかった。

 

 ☆

 

「それで、なんでこんなところにいるのかしら」

「まあまあ、せっかくライブ終わったんだし、おつかれ会ってことで☆」

 

 不機嫌な湊さんを宥める今井さんは、すっかり調子を取り戻していて、彼女の言葉に宇田川さんと白金さんは至極楽しそうに頷いた。

 

 ライブ後に襲い来る疲労感を引きずりながら、私たちは駅前のファミリーレストランへ足を運んだ。

 提案した宇田川さんや今井さんに対して、不要な関わり合いを避ける湊さんだったが、一番近い考えを持つだろう私が口出しをしなかったので、あの表情というわけだった。

 

「そうですよ! 今日のライブ、今までで一番ばばーんって感じでしたし!」

「あ.た、多分、皆さんと音を.合わせることができた、ということ、だと思います」

「そうそれっ!」

 

 語彙の欠如は本当に中学三年生かが怪しいが、それにしても腕前は本物だったといえる——白金さんも同じように。

 そして、興奮交じりに語ったことも、その注釈を聞いている限り、私の感じたものと大きな乖離はないように思われた。

 しぶしぶそれに頷いていると、今井さんがおもむろに口を開いた。

 

「……みんな。改めて、ごめん。せっかくグリグリとのライブだったのに」

「さっきも言ったでしょう。それはもう——」

「うん。でも、ちゃんと言葉にしておきたくて」

 

 湊さんに重ねるように、力の籠った眼で告げ、頭を下げた。

 

「ミスは、ミスだから。それを認めて、次につなげなきゃ」

 

 私の感じられる限り、そこに不誠実な態度の要素は一つも存在しなかった。湊さんにもそう思えたのだろうか、しばらく瞑目してからこちらに視線を寄せた。

 その合図は、おそらく彼女なりの決意であることが伺えて、私はそれに首肯くことにした。

 

「今井さん、顔を上げてください」

 

 向かいに座った今井さんの揺れる瞳が私を映す。そして、湊さんが続けた。

 

「……この短期間で、Roseliaのレベルは確実に上がった。それは私と紗夜の求めるレベルにはないけれど——あこと燐子だけじゃない、リサ、あなたも含んでのことよ」

「え……」

「今井さん、あなた、ずっと上手くなったと思う」

 

 その言葉に、今井さんは仰天する——誇張な表現が適切に思うくらいに驚いていた。

 つくづく日常的な自分の態度を考えさせられる。

 

「はっきり言って、最初の頃はあなたを誤解していたわ。だけど、今日の涙を見て気付いた」

「ど、どう思われてたのかめっちゃ気になる……! ってか、そのことはもう忘れて! いや、忘れて欲しいわけじゃないんだけど……!」

 

 今井さんの慌てように、宇田川さんは笑い出す。思わず空気を緩めてしまったが、湊さんはこほん、とそれを打ち切った。

 

「ともかく、本格的に5人での活動を始めるなら、あなたたちにも、そろそろ目標を教える」

「! 友希那……」

 

 それは、意思確認の問いかけ。

 これからの長く峻険な道のりに、自分たちの未来を懸けることができるか——湊さんは、それを迫った。

 

「《FUTURE WORLD FES.》の出場権を掴むために、次のコンテストで上位3位以内に入ること。その為にバンドには、極限までレベルを上げてもらう」

 

「練習メニューはあとでメールするわ。音楽以外のことをする時間はないと思って。ついてこれなくなった人には、その時点で抜けてもらう」

「……」

 

 FWFのことを未だ知らない宇田川さんと白金さんは戸惑っているようだが、今井さんは彼女に目を向けると、ごくりと生唾を呑み込んだのが分かった。

 彼女の背後に何があるのかは分からない。けれど、湊さんの堅固な意志に触れて、それが生半可なものではないことを理解して、前に進む覚悟を決めている。

 

「あなた達、Roseliaにすべてを懸ける覚悟はある?」

 

 激しい情熱を胸に訴えかける。それに動かされ、あるいは同調して、私たちは頷く。

 それぞれに理由はあるのかもしれない。しかし少なくとも私は思うのだ。

 結末など分からなくとも、私の醜さが、奏でる音を汚してしまっているこの現状と痛みの中で進んでいきたい。

 

 逃げるわけじゃない。私は戦いたいのだ。他ならぬ私自身と。

 そのためなら、何もかもを危険にさらす覚悟がある。

 

 後から顧みてみれば、このとき私たちが——《Roselia》が始動した瞬間だったのかもしれない。

 




バンドストーリーの時系列が正直めちゃくちゃなので、私なりの解釈で進めています。
多少の齟齬は見逃していただけると幸いです。

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