斬魔の妖精   作:ベジタブル

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お久しぶりです。こんな感じで少なくとも月一では投稿できるといいなぁとおもうのですが……
さて、久しぶりな割にはあんまり話が進んでいなくて申し訳ないのですが、恐らくニルヴァーナ編はそう長くはならないと思いますので、ココからは早い……んじゃないかなぁ。



25話「起動」

▼ウェンディ視点

 

「ん……ここは?」

 

あ、エルザさんが目を覚ましたみたい。

処置に問題はなかったはずだけど、それにしても少し回復が早い気がする。やはりエルザさんは体力も私とは段違いみたいだ。

これくらい体力や魔力があれば、今以上に天空魔法をうまく使えるのだろうか?

 

「どこか調子のおかしい所はありませんか?」

 

エルザさんがのそりと体を起こして私の方を見つめてくる。

 

「あ、あぁ。問題はないが……私は確か毒蛇に噛まれて……」

 

どうやら少し意識が混濁しているようだ。

今の状況を説明しておいた方がいいのかもしれない。

 

「ウェンディがあんたを解毒したのよ。感謝しなさい」

 

そう思っていたところに、シャルルが私に代わって話し始めてくれるが、何もそんな言い方しなくても……

 

「そうだったのか……感謝する」

 

律儀に頭を下げてくれるエルザさん。

 

「い、いえ、そんな!頭を上げてください!」

 

仲間としてできる限りの事をするのは当然の事だ。

ただでさえ戦闘には協力できないのに、今日は()()()()ジェラールを治療しちゃった訳だし、これくらいしないと申し訳が……

って、いけない!

ネガティブな気持ちになっちゃいけないんだった。

 

「それで、あの光の柱は一体……」

 

そう、今、森の奥には黒い不気味な光の柱が立っている。

今はもう、ルーシィさんと一緒にあの光の方へ向かって行ってしまったヒビキさんの話では、あの光こそがニルヴァーナの封印が解かれた証だそうだ。

あの光が発生すると光と闇の狭間に居る者の属性を入れ替える、らしい。

私も一度説明を聞いただけだからよく分からないんだけど……

 

「ニルヴァーナの封印が解かれ始めているようです。あの光が出ている間は悪感情を抱いている人間が悪人になってしまう、という話でした」

 

この場に残っている最後の1人、シャルルと同じネコの女の子、トウヤさんの相棒のアルマが簡潔に説明してくれた。

つまりはそういう事だ。

だから今は気を強く持ってないといけない。

意識すればするほど難しい気もするけど……

 

「なに!?では既にニルヴァーナは敵の手に落ちているというのか!?こうしてはいられん、私たちもあそこへ向かうぞ」

 

えっと……

間違いようのない正論だ。

エルザさんは討伐隊の主戦力の一角であり、ここに留まっている意味もない。

ただ、個人的には今すぐ光の方に向かわれてしまうと少々困ってしまう。

どういう事情があるのかは分からないが、トウヤさん曰く、エルザさんとあのジェラールと会わせてはいけないらしい。

恐らくあの光の元にさっきの人がいるはずだ。

だから、私はエルザさんを少しでも長い間、あそこに向かわないように誤魔化さなければならないのだが……

私にできる事なら、と二つ返事で引き受けてしまったが、私には少々難易度が高いように思います、トウヤさん。

 

「あそこには既にトウヤやナツが向かっています。先ほどもヒビキさんとルーシィがあの光を目指して走って行きましたから、そこまで慌てる必要はないはずです」

 

「そうよ。ウェンディの治療を受けたとはいえ、あんたは病み上がりなんだからもう少し慎重に動いても良いと思うわ。こちらには非戦闘員が三人もいるんだし」

 

私よりネコたちの方がしっかりしているんじゃ……

 

「む、そうか……私の方は問題ないが、お前たちだけを残していく訳にもいかんしな……仲間を信じる事も仕事の内か。周囲を警戒しつつ慎重に向かうとしよう」

 

ほっ……

良かった。

時間稼ぎはしつつも最終的にはニルヴァーナの元へ辿りついている方が良いだろうし、ゆっくりと進めば、トウヤさんやナツさんが何とかしてくれているだろう。

 

「そ、そうですね……ってあれ?」

 

方針を決定して立ち上がったその時、嗅いだ覚えのない匂いが森の中から歩いてくるのに気が付いた。

私だって滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だ。

トウヤさんやナツさん程ではないとはいえ、普通の人より五感は敏感な自信がある。

こんな森の中で覚えのない匂いが近づいてくるという事は……

 

「僕は夢を見る、君も夢を見る……真夜中に」

 

森の奥に目を凝らすと、そこには真っ白な肌に刺々しいメイクを施した紅い目の美青年が立っていた。

気怠げで不気味な雰囲気をまき散らしながらこちらにゆっくりと近づいてくる。

あの姿は恐らくミッドナイトと呼ばれる六魔将軍(オラシオンセイス)の一角だ。クリスティーナが落とされた時には、確か空飛ぶ絨毯のようなものに乗って眠ったまま戦っていたはずだ。

そんな状態でも戦える人間がきちんと覚醒した状態で戦えばどうなるというのか……

よく見れば、その白い肌や、ファーの着いた服に赤い液体が付着しているのが分かった。まさかとは思うが、討伐隊の誰かの返り血……とかじゃないよね?

 

「ふぅん……先ほどのエモノよりは楽しめそうだ」

 

にやりと笑みを浮かべながらこちらに殺気を飛ばしてくるミッドナイト。

即座に戦闘態勢に入るエルザさんに対し、私は腰を抜かしてしまう。

 

「ひ、ひぅ……」

 

「貴様……ミッドナイトだな。既に仲間たちが世話になったらしいが、ここで借りは返しておくとしようか」

 

そう言いながら剣を向けるエルザさん。

奇しくも時間稼ぎがしたいという目的は叶ったが、こんなに刺激的な事態にならなくても良かったのに……

 

 

 

 

▼トウヤ視点

 

……ナツは何やってるんだ?

 

エルザをウェンディ達に任せた後、1人全速力でジェラールが向かった方向へと走り始めた。

数分程経った頃、近くの洞窟から黒い光柱が立ったのだが、どう考えても良いものではないだろう。

肌がざわざわとし、圧迫感もある。

何か、イラつきが大きくなり、自分が自分でなくなっていくような……

 

兎に角、あの光がニルヴァーナに関わるものであるというなら、ナツはジェラールを止められなかった可能性が高いという事になる。

ナツの鼻とハッピーの速度でジェラールを見失ったという事はないだろうから、ありそうなのは六魔の誰かと出会ってしまったという所か。

 

洞窟の中に一歩入る。

中からはやはりジェラールの匂いが感じられるが、ナツの匂いはしない。

今度は逃がさない、そう決意を新たに歩みを進めていく。

開けた場所に入ると、光を発する塔のような物と、見覚えのあるコートを羽織っている――確か、六魔の集めていた闇ギルドの中の1人が着ていた気がする。倒れていた所から拝借したのだろうか――ジェラールが何故か苦しそうに膝をついているのが目に映った。

 

「……ジェラール」

 

俺の声に反応したヤツは体勢は変えずに首だけを徐にこちらに向けてくる。

俺の存在を認めると、その整った顔に警戒の色を露わにし、苦しそうに立ち上がった。

 

「おまえは……邪魔はさせんぞ」

 

どういう理由かは分からないが、既に満身創痍のジェラール。

それでも俺と一戦交えるつもりのようだ。

お互いに構えをとる俺達2人。

 

「ハッ!!」

 

ジェラールが裂帛の気合と共に魔力弾を放ってくる。

しかし、楽園の塔で闘った時は勿論、先ほどの六魔のアジトで退治した時と比べても明らかに威力が低い。

何よりも、この程度の魔力弾では俺相手には目眩ましにしかならないというのに、撃った後にジェラールがその場から動いた気配がない、というのが奇妙だ。

何か狙っているのか……?

 

「斬魔ノ太刀 纏の型・風牙」

 

スッと右手を振り上げる。

その動きに少し遅れて追従するように縦に裂ける光線。

ジェラールの狙いが分からないのが不気味で、敢えてこちらもその場から動かずに対処してみるが……

 

「何っ!?」

 

何故か、魔法を打ち消された事に驚くジェラール。

この程度の攻撃にまで斬魔で処理した事に驚いた……?

いや、どちらかというと「なぜ魔法を斬る事が出来るのかが分からない」といった驚き方のような……

 

「うっ…この力は……頭が、痛い……!」

 

そう呟いてから一度喀血し、この洞窟に入ってきた時と同じように膝をついてしまうジェラール。

 

「おまえ、何を……?」

 

思わず警戒を解いてほんの少し歩み寄ってしまう。

今日のジェラールは妙だ。

確かに敵対の意思は感じるが、塔の時のようなネットリとしたドス黒い悪意のようなものを感じない。

 

「ふっ……自律崩壊魔法陣を自分に組み込むのは早かったようだな」

 

自律崩壊魔法陣だと!?

確か、魔法開発局が作ったという組み込んだものを自壊させるとかいう……

よく見ればジェラールの体にはかなり高度な魔法陣が浮かんでいる。

しかも、なぜかニルヴァーナと思しき塔の方にも同じ魔法陣が描かれていた。

 

「だが、この魔法陣がニルヴァーナを消し去るまであとわずか……このような身体であっても、そのくらいの時間を稼ぐことはできる」

 

「何を……」

 

「何となく……どんなにボロボロになっても立ち上がった男たちの姿が頭に浮かぶんだ……オレも最期はそんな風に……」

 

まさか、コイツ記憶が無いのか?

だとすれば色々と辻褄はあう。

だが、それでそのまま死んでしまおうなんて、それはあまりにも……

 

「おまえたちにニルヴァーナは使わせない!」

 

再び立ち上がってファイティングポーズを取るジェラールだが、俺はその姿を見て盛大に溜息を吐いた。

要するに闇ギルドの人間に間違われた訳だ。

本日2度目である。

 

「その体で無茶するな……俺の目的はニルヴァーナの破壊だ」

 

ジェラールは驚いた顔をしているが、特に気にもせず近づいていく俺。

初めは強い警戒を見せていたものの、毒気の抜けきった俺の顔を見てはそれも長くは続かなかったようだ。

気の抜けた様子で、その場に座り込むジェラール。

 

「君はオレの事を知っているのか……?」

 

「あぁ……何も覚えてないのか?」

 

本当に記憶を全て無くしていてコレだというなら、やはりこの男の本質は楽園の塔で見たアレではなく、シモンの手紙にあった子どもの頃の姿なのだろう。

それならここで死ぬのは勿体ない、と思ってしまう。

 

「エルザという名前と……どんなにボロボロになっても立ち上がってくる男達の姿……それと、罪の意識、それだけだ……って、何をしている?」

 

すぐそばまで行って、俺も同様に膝をつき、ジェラールの胸元に――正しくはそこに刻まれた自律崩壊魔法陣に触れた。

するとすぐにその魔法陣はかき消えてしまう。

 

「なぜ……?」

 

「お前はクズだった……が、今のお前がいなくなれば悲しむやつがいる」

 

 

 

そう言った後、俺も腰を下ろし、進んでいくニルヴァーナの自律崩壊魔法陣を2人で見守りながら、俺の知っている限りのジェラールの事を教えてやる。

 

「オレは何て事を……」

 

仲間たちの自由を奪った事、その上で駒のように扱った事、挙句にはエルザやシモンの命を奪おうとさえした事、断片的な俺の言葉を聞いて、それでもジェラールは涙を流した。

今のコイツなら、シモンやエルザに会わせてもいいのではないか、そう感じる。

記憶を取り戻した時にどうなってしまうのか、それだけが心配だが、何となく、本当に何となくだが、こいつはもう大丈夫だと直感的にそう思った。

もうすぐ自律崩壊魔法陣が起動する。

それを見届けた後、一緒にエルザの元に行こう、そう言おうとした丁度その時だ。

 

カツ、カツという足音が聞こえた。

それと同時に嗅ぎ覚えのある匂いも感じる。

話に夢中になっていて接近に気づかなかったのか……!

 

「自律崩壊魔法陣か……」

 

洞窟に入ってきたのは『六魔将軍(オラシオンセイス)』のアジトでも相対した白髪で褐色肌の男だ。

不敵な笑みを浮かべてニルヴァーナに近づいていく。

 

「トウヤ・グレイスよ、そういえば貴様には私のコードネーム名乗っていなかったな……我が名は(ブレイン)。その由来は、かつて所属していた魔法開発局で数百に及ぶ魔法を生み出したこの知識だ」

 

魔法開発局……自律崩壊魔法陣を作ったのもそこのはず……!

嫌な予感がして、ブレインの方へ駆けだす。

 

「ふんっ……」

 

飛び掛かろうとしたタイミングでブレインが、俺の右側を掠める軌道で醜悪な魔力塊を放った。

その向かう先には自律崩壊魔法陣を自分にも掛けていた影響で、もはや限界の近いジェラールがいる。

 

「クソッ……!」

 

咄嗟に斬魔の力を展開するが、ただ斬るだけでは間に合わない。

ブレインへ吶喊する動きを無理やり右側へ曲げて、ジェラールと魔力弾の間に割り込む。

 

「ぐっ」

 

大したダメージはないが、派手に吹っ飛び、ジェラールの横まで転がってしまう。

その間にブレインはニルヴァーナの元へとたどり着き、魔法陣に手を翳した。

すると、パリンパリンとガラスが割れるような音が辺りに響き、自律崩壊魔法陣は脆くも崩れ去ってしまった。

 

「この魔法も私が開発したものだ。解除コードなどなくとも無効化することなど造作もない……そもそもコレをお前に教えたのも私だ。忘れていたのか、ジェラール」

 

こんな事なら魔法陣による自壊を待たずに俺の手でニルヴァーナを壊しておくべきだった!

ジェラールに気を取られていたとは言え、今回の事はあまりにも迂闊だったと言えよう。

 

「そんな……」

 

ジェラールの悲痛な呟きがゴゴゴゴという地鳴りでかき消された。

ニルヴァーナが起動しようとしているのだろう。

だが、まだ今なら止められる可能性がある。

ほんの少しの希望に賭けて、再びブレインとニルヴァーナの方へ駆けだすが……

 

「こ、れは……」

 

襲いかかる猛烈な吐き気に、俺の足は思わず止まってしまう。

 

――まさか、ニルヴァーナって

 

轟音と共に地面が割れ、ブレインの高笑いが響く。

 

「ニルヴァーナは私が頂いたァ!!!」

 

感覚的に分かる。

ニルヴァーナ(これ)は巨大な乗り物だ。

だが、あまりにも大きい。大きすぎる。

俺の足元はズンズンと上へとせり上がり、その下、目の前の塔から続いている部分の全容が露わになっていく。

それは石で造られた灰色の街であった。

 

「街が動いて……」

 

そう呟ききらない内に、足元が完全に崩れてしまう。

既に高度は相当なものになっている。

ここから落ちてしまえば、いくら滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の頑丈な身体であってもただでは済まないだろう。

そう思い、咄嗟にニルヴァーナの外壁の淵に掴まるが……

 

スルッ

 

乗り物酔いで手の力が抜けてしまう。

浮遊感を全身で得ながら、頬で風を感じる。

グングンと地面が近づいていくのが見えた。

 

これは流石にマズいかもしれない……

エルザのフォローに、と思って残してきたが、こんな事ならアルマも一緒に来てもらえば良かった。

すまん、みんな……

 

そうして俺は――

 

 

 

 

▼三人称視点

 

ニルヴァーナが完全に起動する少し前。

ジュラは『六魔将軍(オラシオンセイス)』の1人、天眼(てんげん)のホットアイと対峙していた。

のだが……

 

「金などいりません……世の中は愛、デス♡」

 

ニルヴァーナは善人を悪人にする。

それと同時に悪人を善人にする力も持っていた。

尤も、どちらの力もこの時点では境目で揺らいでいる人間のみが対象になるのだが。

ホットアイ、本名リチャードは弟を探す事を目的とし、その資金を稼ぐ為に闇ギルドで活動していた。しかし、その事に対して僅かな罪悪感を抱いていたのである。そのせいでホットアイは悪人から善人へと反転したのであった。

 

ジュラは困惑しつつも、その境遇に同情を示し、しっかりと改心していると判断し、新たな仲間としたのである。

そうこうしている内にニルヴァーナが起動してしまう。

 

地面深くから6本の足が出現する。

森の中に揺れていないところなど存在しなかった。

その振動に足を取られそうになりながらも、聳え立つ六本脚の巨大な怪物を睨む。

 

「アレは幻想都市ニルヴァーナ。古代人ニルビット族の住んでいた街デス……400年前、世界中に溢れる戦乱を嘆いたニルビット族が世界のバランスを取る為に生み出した魔法、それが光と闇を入れ替える超魔法、ニルヴァーナなのデス」

 

「なるほど……それが現代になって、悪の為に利用されようとしているとは、皮肉なものだな……」

 

2人は1度目を合わせ、ジュラの魔法によって蛇のように地面から伸びた岩に飛び乗った。

そのヘビは空中を蛇行しながらニルヴァーナの上層、街の方まで伸びていった。

 

 

 

その他にもニルヴァーナへと向かう影がいくつか。

リオンと共に超スピードの絡繰りを暴きレーサーを下したグレイであったり…

ジェラールの追跡を邪魔してきたコブラを渾身の咆哮で耳を潰して勝利したナツであったり…

ヒビキの魔法によってインストールされた超魔法ウラノ・メトリアでエンジェルを破ったルーシィであったり…

強力無比な魔法の弱点を看破してミッドナイトを倒したエルザであったり…

それに付いてきただけのウェンディであったり…

 

残念ながら、その他の討伐隊のメンバーは既に『六魔将軍』に重傷を負わされ戦闘不能になってしまっていた。不幸中の幸いは、死者が出なかった事だけだろう。

ニルヴァーナの脚を登るメンバーにしても、ウェンディを除いた全員が過酷な闘いを乗り越えてその場に立っており――現状は這うように登っているのだが――気合だけで活動している人間ばかりであった。

 

既にたった一人にまで減ってしまった『六魔将軍』のブレインは、それでもニルヴァーナの中央、王の間にて有頂天となっていた。

 

「既に4つの祈りが消えたか……まさかミッドナイトまでもがこの早い段階で倒れるとは思っていなかったが……まぁいい。このニルヴァーナさえあれば駒などいくらでも用意できる」

 

ブレインの顔面に刻まれていた6つの入れ墨の内、なぜか4本のラインは消えてしまっていた。最後に残った2本を撫でたブレインが呟く。

 

「その為にも私が倒れる訳にはいかない……()()()が出てくれば、どんな事になってしまうか分からんからな」

 

くつくつと笑って、何事かニルヴァーナを操作するブレイン。

少しして、ニルヴァーナの6本の脚はのそりのそりと稼働を始めた。

要するに初めの標的が決まったのである。

 

 

 

こうして舞台は平和都市ニルヴァーナへと移っていく。

 




原作と変わらないので六魔戦は全カットです、申し訳ない。
でも、正直ウラノ・メトリアの詠唱は打ち込みたかったという欲求がある……
妖精の尻尾は魔法モノの割りに詠唱がめちゃめちゃ少ないんですよね。それも魔法が日常に結び付いている証拠として見られるし、だからこそ、わざわざ詠唱する必要のある魔法の凄さが目立つんですが。
という訳で意味もなく書きます。

天を測り 天を開き あまねく全ての星々
その輝きをもって 我に姿を示せ
テトラビブロスよ 我は星々の支配者
アスペクトは完全なり 荒ぶる門を開放せよ
全天88星 光る
ウラノ・メトリア
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