がっこうぐらし 不死鳥の種火と桜色の国語教師   作:唯野婆華

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サ ブ タ イ 考 え る の め ん ど く さ い


その夜、彼は弔う。

「はあはあ…」

 

『奴ら』が来る。数は5人。俺の能力なら直ぐに灰に出来る。…それでも俺には出来ない。したくない。

逃げる逃げる逃げる。共に助かったはずのみんなから。俺が助けたはずのみんなから。

悠里さん、瑠璃ちゃん、丈槍さん、恵飛須沢さん、

 

 

 

めぐねえ。

 

みんな『奴ら』になって襲ってくる。…すくえなかった

 

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

俺には…誰も……すくえない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っはあ!?」

 

今のは…夢?全く最悪だよ。…今何時だ?3:27分、か。

さて、あんなのを視たあとじゃ二度寝する気も起きねえな…。。。ん?あれは…

 

「よ、おはよう、恵飛須沢さん。」

 

「!!、なんだ。お前か…」

 

やはり恵飛須沢さんか。

 

「にしてもどうしたんだ?まあ、粗方『奴ら』が発生してまだ現実を受け入れられないって所か?」

 

「……それもある。でも…そうだな。ついて来い」

 

「?」

 

いったい何だ?

「これって?」

 

そこにあったのはブルーシートに包まれた、人一人分くらいの塊。なにかと思い隣の恵飛須沢さんに目をやると、彼女は悲しいような、悔むような辛い表情をしていた。それで分かってしまった。

きっと、この中には骸が入っているのだろう。彼女の大切な人の。だから俺は…

 

「なぁ、俺の能力(チカラ)なら、火葬ぐらいは出来る…けど。」

 

「………じゃあ、頼んでいいか?」

 

「お安い御用。ンじゃあちょっと待ってろ。」

 

「??」

 

そう言って扉を押さえていないロッカーを開ける。恵飛須沢さんはきょとんとしている。中身を取り出したが、

 

「なぁ、恵飛須沢さん。」

 

「どうしたんだ?」

 

「…俺の持ってきたリュックから雑巾って書いた小分け袋取ってくれ。悠里さんが背負ってた赤い方に入ってるから。」

 

「いいけど、何に使うんだ。……っとこれでいいか?」

 

恵飛須沢さんはそう言って袋をこっちに投げた。

 

「サンキュ。」

 

とお礼を言いつつ、雑巾を水に濡らして絞る。そのままロッカーの中を拭いていく。

 

…よし、こんなもんか。で、ロッカーを運ぶ…死体の隣にそれを降ろして中に死体をいれ、扉を閉める。

 

「なぁなぁ、なんでロッカーに入れたんだ?」

 

と、恵飛須沢さんが小首を傾げて聞いてきた。

 

「理由は3つ。

1つ、灰が舞い上がるのを防ぐため。

2つ、灰を集めやすくするため。どちらも後で埋める事を考えてだ。

3つ、…」

 

「3つ目はなんなんだよ」

 

「え〜、3つ、燃やした証拠を隠すため。」

 

と、俺は最も重要な理由を口に出す。

 

「?、なんで証拠を隠すんだよ。」

 

ともちろん恵飛須沢さんが聞いてくる。

 

「…だって」

 

「だって?」

 

「学校の屋上で燃やしたってバレたらまためぐねえが怒りそうだし。」

 

「…はぁ、子供かよ。」

 

と、恵飛須沢さんが呆れたように呟く。

 

「恵飛須沢さんは知らないだろうけどさ。めぐねえって俺がやらかした事だけ敏感なんだよっと。そろそろ始めるけど、いいな?」

 

「…うん。」

 

と恵飛須沢さんに確認して着火する。しばらくすればパチパチと鳴りながら煙が上がってくる。…隣に座る恵飛須沢さんに目を向けると、静かに涙を流していた。そして俺の視線に気付いたのか、

 

「なぁ、その…やっぱりいいや。」

 

と、言葉を漏らした。が、やはり今日始めて話した奴には言いづらいのかその言葉は途中で途切れてしまう。だからこそ、俺は…

 

「話したい事があるなら、俺なんかが聴いていい事なら…話してくれよ。それで恵飛須沢さんが楽になれるならさ。」

 

沈黙、そして

 

「私には好きな人がいた。一つ上の先輩で元陸上部、今はOBとして時々顔を出してくれてた。走るのが速くて、一生懸命で、カッコいい先輩。」

 

 ロッカーの炎を見ながら恵飛須沢さんは語り始めた。

 

「今日もそうだった。いつもどおりに先輩と練習してたんだ。そしたら突然人が人を襲い始めて、逃げようと思っても腰が抜けて。噛まれかけた私を庇って先輩が噛まれた。急いで屋上まで先輩を連れて避難したけど。先輩も『奴ら』になっちゃって、怖くなってなにも、わからなくなって、ちかくにあった、シャベルで、あたま、をなんかいも、なんかい、もさし、た。由紀、に止められるまでなんかいも、な。

 

「…そっか。大変だったんだな。」

 

恵飛須沢さんの苦しそうな話を聴いて、俺はそんな言葉しか出なかった。

 

「…なあ不知火。私はあの時、どうしたら良かったんだろうな。『奴ら』になったらもう駄目だから、先輩はああするしかなかった…けど、さ。やっぱり考えちゃうんだ。あの時あたしが転ばなかったら、あたしも先輩も助かったんじゃないかって。馬鹿らしいよな…。ハハ」

 

そう、自嘲気味に恵飛須沢さんが嗤う。でも、

 

「でも俺は、馬鹿らしいとは思わないな。」

 

「え?」

 

恵飛須沢さんが素頓狂な声を上げる。

 

「だって、当然だろう?自分の好きな人が、死んだ。それも自分のせいでな。そんな事があったのに、恵飛須沢さんは俺が屋上に来た時、誰よりも俺を警戒していた。

自分が辛くてもそういう行動が出来るのは凄いと思う。」

 

「だけど、それでも!私は私が許せない!ゆるせるわけない…」

 

と、恵飛須沢さんは自分を責め始めた。まあ、概ね予想通りだな。やはり自責の念に囚われている。さて、

 

 

 

 

どうしよ?

 

ここまで寄せ集め(ラノベとか)の知識で推測して適当に励ましてみたが不味い。これ以上励ませば恐らく恵飛須沢さんは俺に依存するだろう。かと言って下手につき離せば関係は最悪になる。これから一緒に暮らしていくのにそうなれば俺が社会的に死ぬ。(その社会は崩壊したが)

どちらにしろ、ヤバイのは依存√だ。俺はめぐねえが…と、そんな事はどうでもいいがそれで一時的に安定しても、もし俺が居なくなったら崩壊、なんて事になるから駄目だ。

でも嫌われるのはやだな〜。うん。

そんな事を考えている間も恵飛須沢さんは泣き続けている。とりあえずなんとかしないと、でもどうしたら…

 

「大丈夫よ、恵飛須沢さん。」

 

という声と共に恵飛須沢さんを声の主、めぐねえが覆い被さるようにして抱き締める。

 

「自分の好きな人が死んでしまって辛いのに、貴方は紅汰くんがここに来てからずっと私達を守る為に我慢していたのね。本当なら私がするべき事を貴方に押し付けてしまった。だから、」

 

と、めぐねえは一拍おいて、

 

「今は泣いていいの。でも自分を責めちゃ駄目ですよ?胡桃さんは何も悪くないんだから。」

 

あうっうぁぁぁあ!

 

と恵飛須沢さんは嗚咽を零して泣き崩れた。暫くしてロッカーの中から炎が消える頃には、彼女も泣き疲れて寝てしまっていた。さて、

 

「で、めぐねえは何時から聞いてたの?」

 

と、気になってたことを訊く。

 

「え〜と、恵飛須沢さんが爆笑してたあたりかな?眠りが浅かったみたい。」

 

めぐねえは俺と居るときは素の喋り方になる。なんでこんなに可愛いんだよ。

 

閑話休題(そんな事は置いておいて)

そこから聞いていたという事は…

 

「皆を起こすといけないから今は何も言わないけど、後でOHANASHI(説教)だからね。」

 

「…は〜い。てかありがと。俺じゃあきっとそんなに上手く慰められなかった。」

 

とめぐねえに感謝の意を述べる。

 

「別に気にしないでよ。こういうのは私の仕事なんだから。はぁ…」

 

めぐねえ、お前もか…もうどうにでもなれ(てきとうでいいや)

 

「めぐねえも抱え込み過ぎんなよ?めぐねえには俺がついてるからさ。」

 

ふぇ?

 

と、辺りに響く素頓狂な声。一緒に赤くなっていくめぐねえの顔。…あれ俺今なんて言った?

 

「え、そのこここ紅汰くん?そそれってこここ告白なななのかししら。///」

 

「あ、いやそそうじゃなくくてあの、えと、そ、そう!俺達幼馴染みな訳だし!?め、めぐねえの事ならよくわかるから?相談相手になる的な意味だからそんなこここここ告白じゃあない?よ。///」

 

「なんで疑問形なの?!」

 

「俺に質問するな!」

 

「紅汰くんは照井刑事じゃないでしょ!」

 

「アハハ…」と誤魔化す俺、「まったくもう…」と呆れるめぐねえ、その後ろでニヤニヤしてる丈槍さん達…

 

丈槍さん達!?

 

「?どうしたの?そんなに驚いて」

 

顔に出てたのかめぐねえが尋ねてきたが俺には、

 

「めぐねえ、後ろ後ろ…」

 

「後ろ?って丈槍さん!それに他の皆さんも!なんで起きてるの!?」

 

と、めぐねえが驚きつつ尋ねれば、

 

「なんでって…」と丈槍さん

「そりゃあ」と恵飛須沢さん

「もちろん」と悠里さん

「「「恋バナの気配がした」」」

 

「「うそーん(天才物理学者風)」」

 

と3人が言ったことに驚いていると、瑠璃ちゃんが

 

「ほんとはめぐねえの『ふぇ?』でみんなおきたの。」

 

と補足する。あれで起きたってさては全員まともに寝れてないな?

 

「と、とにかく皆さん疲れてるんですから寝ましょう。まだ…えーと何時かな?」

 

と、めぐねえがスマホを取り出すが、

 

「あれ?バッテリー切れてる?」

 

と、オヨオヨする。かわいいほんと。もうちょっと見てたいけど可哀想だし、

 

「時計なら俺の寝てた枕元にあるよ。」

 

と、リュクを漁りながら伝えると、「紅汰くんありがと〜」なんて言いつつそっちの方に向かう。すると横にいた瑠璃ちゃんが

 

「こうたお兄ちゃん、何さがしてるの?」

 

と、尋ねてきた。

 

「ん?ああ。遺灰を入れる巾着をな。」

 

「いはい?」

 

「遺灰っていうのは…なんて言ったらわかりやすいだろ?」

 

う〜ん。そもそも教えていいものなのか?と、迷っていると、悠里さんが

 

「るーちゃん、去年のお母さんのお葬式の事、憶えてる?」

 

「…うん」

 

「あの時、お母さんの体を火葬…燃やしたでしょう?あの灰の事を遺灰って言うの。大切な人が生きていた、証みたいなものなの。だから、ちゃんと埋めて、その上にお墓をたてるの。その人はここで生きていたってみんながわかるように。」

 

「…うん」

 

と、静かに返事をする瑠璃ちゃんと俺の代わりに説明してくれる悠里さん。そして

 

「こうたお兄ちゃん、るーも手伝っていい?」

 

自分も手伝うという瑠璃ちゃん。本当はよくないのだろうが…

 

「恵飛須沢さん、いいか?」

 

「ああ、いいよ。でもあたしも手伝わせてくれ。まだ何もしてないからな。」

 

「オーケー。ということで3人でやろうか。瑠璃ちゃん、スコップを悠里さんと持って来て、恵飛須沢さんはそれを使ってこの巾着に遺灰を入れていってくれ。俺ちょっと他にやる事があるから。」

 

と、指示を出し、俺が背負ってたリュックを漁る。

 

「「わかったの(わ)」」

 

「りよ〜かい。」

 

と、若狭姉妹はスコップを取りに行き、恵飛須沢さんはその場に残った。そうすると恵飛須沢さんが

 

「で、お前は何をするんだ?」

 

と尋ねられた。うん、まあ…

 

「ちょっと1階の防火扉閉めてくる。」

 

と、正直に言うと、

 

「はあ!?」

 

と恵飛須沢さん。

 

「何言ってるの!?」

 

と、戻って来ためぐねえ。

 

「あの、不知火くん。やめたほうがいいよ。なんていうか、上手く言えないけど不知火くん。帰って来る気ないでしょ?」

 

と、丈槍さん。それに対してリュックから遠征用ナップサックを取り出して、

 

「あ、めぐねえ今何時?」

 

「え、午前4時45分だけど?」

 

「よし!行って来る!!」

 

と、言い放ち(誤魔化し)めぐねえの横をすり抜けて屋上から飛び出す。と、同時に炎の翼、まあ、炎翼とでも呼んでくれ。を広げる。

 

「「「「「!?」」」」」

 

「あぁ!晩飯までには帰るつもりだけど駄目そうだったらリュックの無線に連絡入れるから〜!!」

 

その言葉と共に、夜明け前の空に火ノ鳥が駆け出した。絶対「帰ったらきっちりお説教なんだから〜!!」なんて無慈悲な言葉はなかった。いいね?




え〜、はい。取り敢えず原作改変要素について。

主人公 もこたんの子供。炎を出すととても疲れる。

めぐねえ まだ覚醒してない。かわいい。

ここの由紀ちゃん 遠い先祖の旧姓は博麗。そういう事

KRM姉貴 覚醒素材(先輩)を火葬出来たから安定してる

りーさん るーちゃんが生きてるから病まない…はず。

るーちゃん うわようjょつよい

屋上 りーさんがいないのに開いてたのは
   1.モブ園芸部が開ける。
   2.モブ園芸部、トイレに行く。
   3.噛まれる。
   以上。

モール アニメ版準拠でKとMはふたりきり

作者 原作をBook ○ffで六巻まで購入。
   読んだ。
   病んだ。
   続きを買うか検討中。now

よって原作未読は半分消えた。

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