復讐者の少女・黒聖女とシンフォギア装者達 作:シス
「よくもまあ……食べますねぇ……」
「うっへぇ!」
と、巷で流行っている楽曲を歌わせたら、さぞ面白い事になりそうな発言をする少女。タイトルは「うっへぇよ!」ですね!え?まんま?そうですけどなにか?
「ああ!もう、食べながらしゃべらない。そんなにガッツかなくても、そこにある料理は逃げないですよ」
私の目の前で行われている
(´・д・`)ソンナー、サクシャガワルイヨーサクシャガー
『バカ言ってんじゃないわよ!この辺り一帯、燃やしつくすわよ!』
『オルタ様!最近、過激発言が過ぎると思います!?』
と、私の目の前で行われている
今日は二課に用事が無い――もとい、行かなくていい日なので、たまには街で買い物にでも行こうと考えた私は、街へ足を運んでいたわけですよ。天気もいいですし、洗濯物もお布団も干してきましたし、部屋の掃除もしっかりしてきましたから、気分は上々ですよ。
『そう言ってると、車に轢かれて、転生させられるわよ』
『最近、金太郎あめ的な漫画のよくある導入じゃないですかー!?やーだー!!』
いえ、それが悪いって言っている訳じゃないんですよ?流行だから仕方ないとは言え、あっちもこっちも転生しました。とりあえず悪役令嬢脱却目指します。とか、婚約破棄狙います。とか言われても、あれ?これ他の漫画で読んだことが――ってなるんですYO!
『なんで最後ラッパー調に言ったの!?』
『なんとなくです!』
『レティ……後で燃やすから』
『結局燃やすんですか!?』
そんなやり取りをオルタ様としつつ、街を歩いていると、ふとファミリーレストランのチェーン店の前で、白いワンピースを着た、銀髪の長いおさげが特徴的な少女が、外に置かれているメニュー表を真剣に見ているではありませんか。見た目的に高校生ぐらいでしょうかね?にしても……胸の方は狂暴的なものをお持ちなようで…….。
『マリアといい勝負かもね』
『ですねー……でも、最後に会ったのはだいたい二年前ですし、もしかしたら、もっと大きくなってるかもですねぇ』
『ありえるわね……』
と、数年前に偶然会ったマリア・カン……キャン、カツヴ?えーと……そうそう、カデンツァヴナ・イブちゃん!あー、言えた言えた。マリアちゃん、セレナちゃん達と仲良くやってますかねぇ……。
『どんな覚え方してるのよ、あんた……』
『いや、噛みますって、オルタ様!』
人の名前間違えるのはよろしくは無いですよ。でも……言い易い・言い難いってのは重要だと思うんですよ!ええ!って、今はマリアちゃんは置いておいて、あの銀髪少女ですよ。ロリ巨乳ちゃんですよ。え?違う?
(´・д・`)ソンナー
『顔文字ぃ!!!!』
『オルタ様、今頃そのツッコミ入れますか!?入れるなら最初じゃないですか!?』
オルタ様とバカなやり取りをしつつ、少女を見ると、どこかやつれているようにもみえます。あ、財布い出して中身見てる。……あ、た、盛大に溜息をついて首を左右に振って、トボトボと帰ろうとしてますね。
両親と思われる人は……いない。虐待か何かで儲けているのでしょうか?それとも、たまたま持ち合わせが無かったのでしょうか?ただ、私の目の前であんな姿を見せたのが運の尽きですよ!
『運が尽いちゃうのね……』
オルタ様、そこはツッコミ入れて欲しくない所です!これでも結構、真剣なんですからね!さて、どうやって接触しましょうかね。パッと見ですが、警戒心の強い野良猫のような……そんな印象を受けるんですよねぇ。うん。考えても仕方ありませんね。と、いう事で、HEY!そこの少女!一緒にご飯食べませんか!
「は?……少女って、あたしのことか!?」
「ええ!ちょっと、一人で食べるの寂しくて、奢りますから、付き合ってくださいな」
と、突然の事に驚く少女の腕をつかみ、有無を言わさず店の中へレッツラゴー!え?誘拐?違いますよ!連行ですよ!
「お、おい!なんであたしが見も知らないお前なんかと食べなきゃいけないんだよ!?」
その言葉に、店に入る一歩手前で、私は立ち止まり、少女に向き合います。結構可愛らしい雰囲気の持ち主ですが、口調はあまり綺麗じゃありませんね。これはカレンさん呼んで、教育してもらうのが手ですかね。そんな事を考えつつ、少女の言葉に私はこう返します。確かにそうですね……でも、食べたいでしょ?
「ぐっ……べ、べつにあたしは腹減って――」
と、言ったところで、少女のお腹が盛大に鳴りました。顔を真っ赤にして、俯く少女。体プルプル震わせていますね。口調は悪いですが、少女らしい可愛らしい所がありますね。ああ、私もこういう少女になってみたかった――
『まあ、あんたの場合、こいつの年齢の時には戦場駆けまわっていたわね』
『そうですねぇ……おかげでもうお嫁に行けません……』
『え、行く気あったの!?』
『昔はありましたよ!?』
「……聞こえたのか?」
顔を真っ赤にして、体を震わせながら小さく聞いてくる少女。私はなんの事かと考えますが、首を傾げて
「はて、なんの事ですか?ほら、ご飯食べに行きますよー」
「だぁぁぁぁぁ!!あたしの合意無しで無理やり連れ込もうとすんじゃねぇー!!」
と、抗議の声を上げる少女ですが、やはり空腹の為か、力が入らない様子。うん、こんな少女放っておくわけにはいきませんね。きっと、(信じてない)主も「たんまり食べさせてやりなさい」って仰られているに決まっています!
『あんたね……まあ、いいわ。信じてないのは私もだし』
『ですよね!信じる者しか救わないせこいかみs――』
『それ以上言ったら燃やすわよ?』
『あれれー?』
と、言うやり取りをしつつ、少女を引き摺りながら店内へと入る私なのです。あ、二名でお願いしますね。あ、窓際、奥のテーブルですね?わっかりましたー。じゃあ、行きましょうか。
「だ・か・ら!あたしはお前と一緒に食べるだなんて一言も――」
「そんな……久々に会ったのに、
と、抗議の声を上げる少女に対し、“親戚の子が我が儘言っている”という演技をかます私。どうですか!このぱーふぇくちな作戦は!!これなら、羞恥心で逃げるに逃げ出せなくなるでしょう!
『あんた……時々、えげつない事やるわね……』
『カレンさんや麻婆神父のお陰ですね!』
『あんたまで「愉悦」とか言い出したら、私、本気で燃やすかも……』
顔は見えませんが、どこか呆れた表情を浮かべているであろうオルタ様の声は少し疲れている様子。いや、燃やすって、これまでに何回燃やされたと思っているんですか!?334回ですよ!?
『数えてたの!?』
「わ、わかったよ!一緒に食べてやるから、下手な演技やめろ!!ってか、やめてくれ!」
「ハイ、言質取りましたー!!あ、食べたいの注文していいですよー。私の奢りです!」
と、ズルズル引き摺ったままテーブルへと向かった私達なのでした。
んでもって、目の前では
あー、もう。ちょっとジッとしててください。口の周りにケチャップがついてますから。そう言ってから、少女の口を拭いてあげます。ああ、これが母性ってやつですかね?え、違う?
「ん……わりぃ」
「いえいえ、これだけ気持ちよく食べてくれていれば、誘った甲斐があります」
「それなんだけど……なんで、あたしを誘ったんだ?」
と、お世辞にも綺麗な持ち方とは言えないフォークを置いて、真剣な表情で私を見る少女。気になりますか?普通の感覚ならそうですよね。見も知らずの女性に声をかけられたと思ったら、奢ってやるだなんて言われるわけが無いですものね。
「私がそうしたかった……と言っても信じてもらえませんよね?」
「ああ。悪いけど、信じられねぇな」
と、正直に答えてくれる少女。ふふ。根はいい子なのですね。そう思いながら私は
「私、孤児なんです」
「は?」
突然の独白に素っ頓狂な声を上げる少女。うん。私が聞き手だったとしても、驚きの声を上げると思います。
「まあ、生い立ちは省略しますけど、自分より下の子がお腹すかせてるの見てしまうと、お節介を焼いてしまうんですよ。年下の子がお腹いっぱい食べられない、寂しそうな表情を見たくない。だから手を差し伸べた……。今日の行動は、全部、ぜーんぶ。偽善で自己満足なんですよ」
「……」
と、苦笑を浮かべながら私は懺悔をするかのように言いました。麻婆神父やコレットと会うまでは、盗みもしましたし、ゴミもあさりましたよ。ええ。
『そう考えると、あんたもかなり波乱万丈な人生送っているわよね』
『そうですねー』
「偽善……ね。偽善かどうかはあたしは分からないけど、あんたが変な奴だというのはよぉく分かった」
「あはは。よく言われます」
少女は何か思う所があったのでしょうかね。偽善って事を肯定するわけでも否定するわけでもなく、私が変な人間だと認識したようですね。まあ、レイカン(翼ちゃんから習いました!)が強いですから、変というか、どこか壊れているのかもしれませんね。
「それで、あんたは――」
「レティシア・ダルクです」
「え?」
私が名乗った事に驚く少女。いえ、いつまでも「あんた」呼ばわりが気に入らなかっただけですよ?それであなたはなんて呼べばいいですか?まさか、私だけ名乗らせるとかないですよね?
「……クリス……雪音クリスだ」
と、恥ずかしそうに名乗る雪音クリスちゃん。その様子が可愛らしくて小さく笑う私。顔を真っ赤にして抗議の声を上げるクリスちゃん。それはそうと……まだ食べます?
「……食べる」
「はいはい。たくさん食べていいですからね」
恥ずかしそうに答えるクリスちゃんに、私はそう言ってメニューを渡すのでした。この時、私もクリスちゃんも、敵対するだなんて思いもしませんでした。それと、その日、私の財布はかなり軽くなった――とだけ記しておきます。うう……諭吉さん帰ってきて……。
連続更新これでストップです。しばらくお休み頂きます。