パーン・パーン・パーン! ー飛空艇事故の真実と真相ー   作:鈴本恭一

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テーアイ飛空012便墜落事件
テーアイ飛空012便墜落事件①:バルタザーレ捜査官による前段


 

○登場人物

 

・レイル=バルタザーレ(カカナ連邦 飛空艇事故調査委員会。連邦捜査官)

 

・ミリィ=セレネイド(カカナ連邦 連邦飛空局 空獣害防除課。国家魔術師)

 

・アキラ=ムラセ(エデ帝国 キシー藩国トクダ家家臣。派遣調査官)

 

 

 

 

 

 

 古代竜人文明の遺産を解析することで、我々は飛空艇という空の移動手段を得ました。

 しかしその高度な道具による事故は後を絶ちません。

 この番組は、四大陸の空の安全のために戦う人々の記録です。

 

 

 

※これは実話であり、調査報告書および目撃証言に基づいて構成しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○レイル=バルタザーレ(カカナ連邦 飛空艇事故調査委員会・委員長)の証言

 ………かつて地上を支配していた古代竜人文明は、突如として姿を消しました。

 

 その遺跡から彼らの遺物を解析し、復元し、模倣し、我々の文明は大きな飛躍を遂げました。

 

 竜人文明の遺跡の発掘は今なお進められています。

 ですが不思議なことに、竜人の遺跡は地下へ掘れば掘るほど、遺跡の年代は新しくなる特徴があります。

 つまり竜人の遺物は地表に近いものの方が古く、地下の奥深くに行くほど進歩していくのです。遺跡が地下迷宮と呼ばれる理由がこれです。

 

 そのため彼らの遺物を解析して得た技術も、竜人文明の進歩をなぞるように段階的に進化します。

 

 飛空艇も、かつては風車のようなものを何個も翼につけていましたが、ジェットエンジンの解析と実用化に成功してからは、ジェット式の飛空艇が空の主役になりました。

 

 飛空技術がある程度確立すると、空で迷子になる事故が多発しました。

 何もない空では自分の場所も目的の場所も分からなくなるからです。

 そこで通信魔法と探知魔法が発達しました。地上の管制官が飛空艇を道案内するのです。

 

 またゴーレムによる魔導灯台で飛空艇を誘導する方法が確立すると、空路という概念が生まれました。各国の協定により、世界地図に空の道が追加されたのです。空港にも独立した誘導管制官が配置され、細かい指示が出せるようになりました。

 

 こうして飛空艇は、磁石と太陽と星を目印に行う帆船時代の航法から、地上管制と魔導灯台による空路時代の航法へ進化し、安全と確実を人々に提供できるようになりました。

 

 

 が、それでも事故はなくなりません。

 飛空艇を動かすのは人間だからです。

 

 しかし、それを確固たる意志によって抜本的に減らすことは出来ます。

 

 

 あれは22020年の、春のことでした。

 西のエデと東のカカナが、協力して解決した事件がありました。

 

 

 テーアイ飛空012便の事件です」

 

 

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