私は、エリンシア・リデル・クリミアは隠された存在でした。
長く子供の出来なかった両親にとって私は待望の子供だったのですが、父のラモンは既に次代の王位を弟のレニング叔父様に渡す事を宣言していました。
その後に私が生まれてしまい、国内外の混乱を避けるために私の存在は離宮に隠されたのです。万一のために各国の王たちには存在を知らされてはいましたが、それでも一生をかごの中の鳥となることは生まれた時から決まっていました。
でも、私は幸せでした。
離宮とその敷地の外には滅多に出してもらえなかったけど、王族や貴族の子女なんてみんなそんなものなのです。その分、王位を継ぐことの無い私はなんの気苦労も無くのびのびと暮らせていました。両親や叔父夫婦は私を愛し、可愛がってくれましたし、侍女や乳母、乳姉弟のルキノやジョフレとも仲が良かった。
私は日々を彼らと遊んだり、ジョフレやルキノが馬術や剣術を習っているのを見て、私もやりたいと駄々をこねてやらしてもらったり、毎日訓練で傷だらけになって返ってくる彼らをなんとかしたくて回復魔法を始めとする杖魔術を習ったり、果ては洗濯や掃除、繕いものやお料理まで習いました。
いえ、後半は母がこれ位女性としてできるようになさいと言っただけでその時は興味無かったのですが。やってみると意外と楽しかったのを覚えています。今ではすっかり趣味の一つとなってしまいました。アイク様にも評判良いんですよ? 私の料理。
ですが、そんな私の幸せな子供時代はある日唐突に終わりを告げました。
隣国デインの軍隊がクリミアの王都メリオルを急襲したのです。
宣戦布告もせずにいきなり王都に奇襲攻撃という暴挙。数百年にも及ぶ長い平和の時代に慣れていたクリミア王国騎士団は不意を突かれて壊滅してしまいました。
クリミア一の武勇を誇るレニング叔父様を筆頭に僅かな手勢が、両親と私を守るために奮戦しましたが余りにも多勢に無勢でした。漆黒の鎧兜を纏ったデイン軍兵士たちが大地を埋め尽くし、騎馬や騎竜と共に怒涛の様に王都を、王宮を蹂躙しました。
今になって思うといくら宣戦布告も無しに侵攻されたとはいえ、賢王ラモンと讃えられていた父、知略でも名高い叔父様、国1番の謀略家ユリシーズとその部下たちが王都に奇襲を許し、あまつさえあっさり陥落するなんておかしいのです。
おそらくは自身の欲望と保身に汲々としているクリミアやベグニオンの日和見貴族や、人間を滅ぼすためには手段を選ばず暗躍していたテリウス大陸でも1、2を争う知略の持ち主であるお腹も翼も真っ黒なベグニオンのセフェラン様に情報伝達を妨害されたのでしょう。
ですが、王としての教育を受けていなかった私にはそんなことは分からず、突然の出来事に現実味を感じられぬまま近衛騎士たちに手を引かれて逃げる事しか出来ませんでした。ただ恐怖に震えている事しか出来ませんでした。
わずかな者だけの知る隠し通路を通り、両親と護衛の騎士たちと共に王宮を脱出しようとした時、轟音と共にあの男が現れたのです。
私はその瞬間を今でも忘れることができません。
短く刈り込んだ青い髪と髭の大男が禍々しい巨大な黒竜に乗って、大理石の天井を粉砕しながら大広間に降りてきたのです。
鋭いとげがいくつもついた黒い鎧を身にまとい、右手には刀身がのこぎりの様になっている長大な剣。
何より目を引くのが通常の騎竜の数倍大きな黒竜。その圧倒的巨躯は1頭で大広間をほぼ占領しています。
「くくく、久しぶりだな。賢王ラモン」
「うむ、久方ぶりであるな。アシュナード」
男は笑いを堪えているような口調で挨拶し、対して父はさりげなく左手を上げて、味方の騎士が男に攻撃しようとするのを止めてから、落ち着いて返事をしました。どちらもここが戦場ではなく、会議室にでもいるような感じでした。
狂王アシュナード。
隣国デインの国王であり、極端な実力主義と領土拡大政策、何より彼自身の強さで畏れられていた王でした。その圧倒的強さの前には聖騎士一兵団すら霞むと言われるほど。正に一騎当千の王だったのです。
対して父はラグズの国とも平和的な外交をするなど賢明をもって知られていましたが、とても一騎当千の力など持っていませんでした。
「それで、何の用かな。デイン王」
「いやなに、こそこそとネズミの様にはい回る奴らがおってな。つぶしに来たという訳だ」
「ほほう、王自らがネズミ取りをするとは余程の人材不足と見える。なんならクリミア騎士を貸そうか」
「ふ、我から逃げ惑うばかりの弱卒などいらぬ。我は貴様の弟のように強い奴が好みでな」
「レニングをやるわけにはいかんな。なにせあいつは次期国王だ」
父はアシュナードと平然と会話しながら背中にまわした手で近衛騎士たちに指示を出していました。近衛騎士隊長のジョフレは微かに頷きます。何の指示だったかは当時の私には分かりませんでしたが、重要な事なのは分かりましたので固唾を飲んで見守っていました。
「エリンシア」
私の隣にいる母が小声で呼びかけてきました。
「お逃げなさい。ガリアまで行けばカイギネス王が貴女を守ってくれるはずです」
「父上と母上は、どうなさるのですか?」
「私達はここであの男を引きつけます」
「そんな……! 母上、どうか一緒に逃げましょう。父上も一緒に」
「なりません。私達にはやるべきことがあります。貴女一人で逃げるのです」
私は母のドレスの裾を掴んで訴えましたが、母は聞き入れようとはしませんでした。
私達を囲むように立っていた近衛騎士たちの輪が徐々に狭くなり、騎士が私と母の間に立って私を出口の方に押し始めましたが、私は絶対に母を離さないつもりでした。
「クリミアという国が無くなれば、国王も次期国王も必要ないと思わんか。ラモン」
「理屈の上ではそうだが、それは困ってしまうな。どうしたものか」
「簡単だ。お前たちが消えればいい。そうすれば悩みも露と消える」
アシュナードが剣を振り上げたその時、
「「トロン!!」」
いつの間にか狂王の後ろに回り込んでいた魔導士たち7人がかりの上級雷魔術が発動しました。轟音と共に天空から雷光が降り、アシュナードを打ち据えます。
「やったか!?」
「あれだけの魔術だ。いくら狂王といえども、炭も残るまい!」
「ざまあみろ! 竜騎士が雷魔術に弱いのは常識だ!」
喜びに沸く兵士たち。舞い上がった埃でデイン王が見えませんが、魔法防御に特化した司祭でもない限り7発のトロンの直撃に耐えられるはずもありません。場に安堵した空気が広がりました。
「そうだ。竜騎士が雷魔術に弱いのは常識だな」
デイン王の声に場は水を打ったように静まり返りました。煙が晴れるとそこには無傷の狂王とそのドラゴンの姿があったのです。
「だが、そんな凡百の理屈は我には通用せぬ」
彼が槍のように長い剣をブンっと振るうと黄金の衝撃波が広がり、7人の魔導士たちの首はまるで人形のようにポトリと落ちました。
「…なん、だと…」
ジョフレが呆然とつぶやきました。それほど魔法防御力の低い事で有名な竜騎士が弱点魔術を防ぐなんて異常な事なのです。
「この女神の鎧ある限り、我は不死。いかなる攻撃も我に傷一つ与えることはできぬ」
女神の鎧。
約800年前負の女神ユンヌが作り出し、自身の軍勢に与えた不朽不滅の加護を持つ神具の1つ。その加護は鎧を纏う者全体を覆い、物理、魔法を問わずあらゆる攻撃を無効化し、しかも味方からの補助魔法は受け入れるという反則のような代物です。
この鎧の加護を破るには対の女神であるアスタルテの加護を受ける必要があり、そのような人材や武具は当時のクリミアには存在しませんでした。
つまりこの時この男を倒す手段など初めから無かったのです。
「さあ、真価を見せろ、賢王。そのために貴様の下らない時間稼ぎにも付き合ってやったのだ」
「ばれていたか……ならばいたしかたない。 『マジックシールド』!」
父とアシュナードの体が青白い光をうっすらと纏いました。
「……何の真似だ。己だけでなく我にまで守護魔術をかけるとは」
「さてな」
「まあいい。一撃だ。貴様ら雑兵にはそれで十分だ」
「っく、陛下たちをお守りしろ!!」
狂王は再び剣を振り上げると、竜と共に猛然と私達に突っ込んできました。
幾人もの騎士が進路に割り込み馬上から槍を繰り出しますが、彼らは馬ごと吹き飛ばされてしまいます。
迎え撃つのは薄青い魔力に包まれた父。
迫りくる狂える王の突進は、父の前で唐突にピタリと止まりました。
「なるほど、これが貴様の切り札か! 面白い!」
哄笑するアシュナードは光輝く膜に包まれ、振り上げた腕を引くことも降ろすこともしません。いえ、出来ないのです。
「鎧の加護の隙を突いたか!」
「然り! 狂王アシュナードよ。確かに貴様は上級攻撃魔術をも跳ね返すかもしれん。だが、守護魔術は如何に!」
「確かにそれは盲点だった。さすがは賢王、褒めてやろう。だがこの鎧の加護ある限り、我を傷つけることは出来んぞ」
事実固まった狂王の体や頭に何度騎士たちが渾身の力を込めて銀の武具を叩き付けても、狂王は一滴の血も流さずびくともしません。
「貴様を倒すことはできずとも、娘を守る事くらいは出来る」
「ふ、そういう腹か」
アシュナードが体にぐっと力を込め、己を包む結界を破ろうとします。
きしみだす結界を必死の形相で維持する父が私たちに向かって叫びました。
「何をしている! 早くエリンシアを連れて行かんか!」
「しかし王を見捨てて敵に後ろを見せるなど」
「私はもうこの魔法を維持することだけで精一杯だ。残念ながら我々ではあの男は倒せそうにない。お前たちの仕事はクリミアを守る事。エリンシアさえ無事ならば、また国を立て直すことができる」
「っく……! 王よ、あなたの最期忘れはしません。魔導士隊、神官部隊、王を援護せよ! その他は私に続け!」
「頼んだぞ、クリミアの忠勇なる騎士たちよ」
母は私の指を引き剥がすと、私に神官の白いローブを被せます。
「これでお別れです。エリンシア。健やかに生きなさい」
「そんなの嫌です! どうかお母様もお父様も共に…」
「王位継承権も無い、病弱な私では過酷な旅の足手まといになるだけでしょう。貴女だけでも逃げ延びてください」
「嫌です! お父様、お母様、一緒に逃げましょう!」
「エリンシア。誰より優しい、私の可愛いエリンシア。どうか生きて、どうか死なないで」
お母様は私の顔をすっとなでると、父の魔法を維持するために神官たちの元へ行ってしまいます。
周りの近衛騎士たちが抵抗する私を抱き上げ、無理矢理馬に乗せました。
「さあ行け! エリンシア!」
「嫌です! お父様、お母様も一緒に逃げましょう! ジョフレ、父様達を止めて!」
「申し訳、ありません」
「ジョフレ!?」
ジョフレは私の馬の手綱を取ると、自身も馬に乗り全力で駆け出しました。
「いやぁ! ジョフレ、戻って、戻ってください!」
「申し訳ありません。我々騎士団が不甲斐無いばかりに」
「走れ! 走るのだ! エリンシア! この男の手の届かぬ所まで」
遠ざかっていく両親。私は胸に引き裂かれるような痛みを覚えても、何も出来ない自分に絶望しても、ただ馬に掴まっている事しか出来ませんでした。
「この賢王ラモン。例えこの体が塵になろうとも、ここを通しはせぬぞ!!」
「ふはははは。やれるものならやってみるがいい!!」
アシュナードが笑いながら父と母をマジックシールドごと引き裂き、首だけを残して騎竜に食べさせて、「この首はメリオルの城壁に飾るのだ」と言うのを馬上で震えながら見ていることしかできなかったのです。
「…生きろ……生きる…のだ…エリ…シア…」
父の最期の言葉を遠くから聞きながら、逃げる事しか出来なかったのです。
そしてデイン騎士団の追撃で護衛の騎士を一人、また一人と失っていき、とうとう馬も失って私一人だけとなった時。
「おい、大丈夫か。しっかりしろ!」
私はアイク様と出会ったのです。
アイク。蒼炎の勇者、救国の英雄、ベオクとラグズの架け橋、最強の傭兵、至高の剣の使い手。
彼を称える言葉は大陸中に多々ありますが、私―エリンシアにとっての彼は、絶望しかないはずの未来から救い出してくれた恩人であり、また密かな想い人でもありました。
私はいつから彼に恋していたのか、ですか。それは……分かりません。
デイン王を倒してクリミアを取り戻してくれたあの時でしょうか。
クリミアの女王になる事の責任の重さに怖気づいた自分の手を優しく引っ張ってくれたあの時でしょうか。
それともベグニオン帝国貴族と皇帝の嫌がらせから自分を庇い怒ってくれたあの時でしょうか。
あるいは、初めて出会ったあの時からかもしれません。
初めて会った時、といっても私のピンチに颯爽とアイク様が現れて、デイン軍をやっつけて……というものではなく、逃避行に疲れ果てて意識が朦朧としていた私がやぶの中で倒れていたのをアイク様に救助されるという、私にとっては恥ずかしいファーストコンタクトでした。アイク様が藪の中で泥だらけで倒れている見知らぬ女性を助けてくれるような懐の深い方で助かりました。
傭兵団の砦に運び込まれた私は半日ほど眠った後、身嗜みを整えて、改めてアイク様や彼の父親であるグレイル団長にお会いし、助けていただいたお礼をしました。そして同盟国ガリアまでの護衛を頼んだのです。
アイク様やグレイル傭兵団の方たちと共にデインの侵攻から逃がれ、同盟国ガリアでクリミアの敗戦を聞かされた時、自分にはこれから先絶望しかないと思い、また覚悟もしていました。だけど振り返ってみればそこにはたくさんの希望がありました。とても暖かな希望が。
その中心にいたのが、アイク様でした。
当時、グレイル団長が漆黒の騎士に殺され、古参の仲間は傭兵団を出ていき、グレイル傭兵団は崩壊寸前でした。それをアイク様は慣れない団長の仕事と格闘しながら懸命にまとめようとしました。
傭兵団に残ってくれた方たち、アイク様を慕って新たに傭兵団に参入したワユさんやイレースさん、マーシャたち、ガリアの獣牙兵の方、ネフェニー達クリミアの民兵など。出身も兵科も種族さえも全く違う人たちをグレイル傭兵団として1つにアイクさまは纏め上げていきます。
彼らを率いてアイク様は私を、同盟国ガリアから、クリミアの宗主国ベグニオン帝国へ送り届けました。
私が皇帝や貴族との交渉に従事している傍ら、アイク様は帝国貴族の不法なラグズ奴隷を解放する仕事を皇帝から受けて解決。さらに20年前ベグニオン帝国の暴徒が犯したサギの民虐殺事件から尾を引くセリノスの森の呪いと、サギの民を保護するタカの民の国フェニキスとの外交問題を解決。死んでしまったと思われていたサギの民の末姫リアーネ様も救出して、という八面六臂の活躍ぶりでした。
その功績を認められてアイク様はタカの民、サギの民から信頼を得ます。さらにベグニオン帝国から兵を借り受けることに成功し、アイク様を将に立て傭兵団を中核に新生クリミア軍は進撃を開始します。
ですがその道のりは大変険しいものでした。
当時アイク様は17歳、軍隊規模での戦いの経験は無く、借り物の軍隊な上に内通者までいる有様。対するデイン軍は総数でクリミア軍の10倍近くはおり、客観的に言うと無謀極まりない戦いでした。
それでも結果としてデインとの戦争に勝てたのは、アイク様の個人的戦術はもちろんのことですが、やはり彼の人を惹きつける性質と指揮能力の高さでしょうか。
当時から剣士では軍でトップクラスの腕前でしたし、行軍の合間を縫って兵士たちによく話しかけ心をつかんでいました。人心掌握のためと言うより、戦友を知っておきたいというお気持ちの様でしたが。
敵軍や民間人にも彼に説得されて投降したり、クリミア軍に協力してくれるようになった人は数えきれません。アイク様を慕っている方も大勢いらっしゃいます。ガリアやフェニキスの支援も受けて私達の軍は当初の2倍、3倍と膨れ上がっていき、デイン軍との差を確実に縮めて行きました。
え? 彼のどこがそんなに好きなのか、ですか。難しいです。
時折見せるさりげない優しさなのかもしれませんし、どんな時でも最後は勝利する強さなのかもしれません。本当にアイク様は頼りになるし、無愛想に見えて優しいんですよ。ルキノが処刑されそうになった時もですね、颯爽と現れて……
「もういい! もういいから。エリンシア様、本当にありがとう。あなたの気持ちはよく分かったから!」
突然メリッサ様が叫び出し、私は、はっと正気に戻りました。
そうでした。
呪力をたくさん使ってしまい戦闘が出来ない私は、メリッサ様の看病をしていたのです。といっても彼女はもう肉体的な怪我は治っていますので、お話し相手をしていました。そしたらいつの間にかこんな話に!
「ご、ごめんなさい」
ま、まあ女性が2人集まれば、といいますか。今私達はそれぞれの理由で動けませんから退屈だったといいますか。
メリッサ様は今は反省しているとはいえ精神感応でここにいる生き物を暴れさせてしまったかどで物理的にも霊的にも拘束されていますし、私は残り少ない呪力でマジックシールドを使って彼女を霊的に拘束し続けるためにできるだけ彼女と近くにいる必要がありました。
転移魔法の失敗でアイク様とはぐれてしまった私達。
敵陣に一人取り残されたアイク様を思うと心配でたまりませんが、光の結界と隔壁で魔力の流れを遮断されてしまったために転移魔法レスキューは使えませんし、私達の呪力を大量に使ってしまったのでしばらくの間あまり魔術や魔法は使えません。
そもそも転移魔法陣に乗ったのに転移出来ないなんて本来ありえないのです。転移魔法陣に乗ったならばそれこそ女神様でもない限り転移出来るはずなのに。転移魔法失敗の原因を特定できるまでとてもアイク様を転移させることは出来ません。
かといって壁や光の結界を破壊してしまってしまったらこの施設の人々と怪物たちを隔離する作戦は失敗です。
それでもアイク様を助けたい。彼らを犠牲にしてでも……そんな我が儘な気持ちを無理矢理抑え込みます。
正直なところ若干心が折れそうになりましたが、アイク様の無事を信じて、彼の救出とマデリーンや職員の方たちを守るために戦い続けることをすでに皆で決めていました。
私はまずこの施設の責任者であるマデリーン様をおこして、何が起きたのか分からず混乱する彼女を落ち着かせました。彼女にこの施設の人を一か所に集めてもらい、事態の説明と協力を求めました。メリッサ様の処分に直接関わった幹部の1人と兵隊さんが3人は来ていませんが、他の人たちは集まってくれたようです。
天馬騎士のマーシャには人の気配に敏いリアーネ様と私の天馬と一緒に他にはぐれてしまった人がいないか怪物が近寄ってきていないか偵察に行ってもらい、ネフェニーさんやワユさんたちは残ってここの警備員さんと一緒にここの施設の人たちを守っています。
食料や水などの手配をして貰っているところでミストちゃんの呪力が限界になり、私がメリッサ様の霊的拘束を引き継ぎました。
私とミストちゃんとイレースさんは精神感応を防ぐために交替でメリッサ様にマジックシールドをかけています。
さっきまでその二人はここでメリッサ様の話を聞いて相談に乗っていたようです。メリッサ様の顔が少し明るい気がします。ちなみにその後2人は……恐らく少しでも呪力を回復するために寝ていると思います。
「も、申し訳ありません。私としたことが、怪我が治ったばかりのあなたに失礼を…」
「い、いえ分かってくれればそれで…」
「私としたことがお茶も出さないなんて。続きはお茶とお食事を用意してからお話しますね!」
「分かってない! 全然わかってないよ、この人!」
マジックシールド大活躍。
何故か私の書くエリンシアさんとアイ―シャさんのキャラが被っている気がしてならない。
エリンシア女王は本当はもっとしっかりしているはずなんだけど。どうもぽえぽえしてしまう。
明後日更新予定。