【最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる】
第96話に出てきた
雑誌の一部を抜粋したものである。
該当話はこちら。
https://syosetu.org/novel/249103/107.html
高校LEGEND全国大会で、二年連続で決勝進出を果たした、滋賀県代表、私立琵琶湖女子スポーツ学園高校。
今回はそのなかでも、たゆまぬ努力で奇跡的な狙撃を何度も繰り出してきた安田千佳(やすだ・ちか)選手にお話を伺いました。
-今回はよろしくお願いします
安田「よ、よろしくお願いします…」
-まずは全国大会決勝進出、おめでとうございます!
安田「あ、ありがとうございます…」
かなり緊張した面持ちの安田選手ですが、LEGENDの経歴についてお伺いしてみました。
-さて、まずはLEGENDの経験からお話をお伺いしましょうか。
確か、LEGENDは高校に入ってから始められたんでしたよね?
安田「はい、チームメイトの恵里ちゃん…幼馴染みなんですけど、恵里ちゃんに誘われて一緒に部活に入ったのがきっかけで…」
-幼馴染み…琵琶湖でのチームメイト、宮本選手ですね。青春ですねぇ。
そして兵種としてはブレイカーを選択したわけですが、なぜブレイカーを?
安田「他のやつだと装備が重くて動けなくなっちゃって…一番軽い装備ってことでブレイカーをやることになりました。このあたりはアリスっち…霧島さんにもアドバイスをもらって決めたんですけど」
-装備荷重などの影響はありますから、そこを踏まえての選択だったんですね、なるほど。
防具系はビビッド社のアイドルを選択されていましたが、これはなぜです?
安田「一番かわいかったのがビビッドのやつだったんで(笑顔)」
-ビビッド社のコンセプトは【戦場でもお洒落を】ですからね、納得です。
さて、ここからは戦いの話になるわけですけれど…
確か、初のキルが昨年の全国大会決勝戦、しかも東京代表、私立大神高校のリーダーである白石舞選手へのヘッドショットでしたか。
安田「そう、ですね。ただ、あのときの事ってほとんど覚えてないんです…最後の最後にアリ…霧島さんから一言かけてもらって、そのあとは…撃ったらホントに当たった…って感じで…」
-ですが、あの一撃が琵琶湖の優勝を決めたといっても過言ではないですよね?
安田「んー…どうなんだろ…私、ずっと足を引っ張ってきてて。あのときはホントにみんなの役に立ちたいって思いしかなかったから…」
-確かに、それまでの戦績はキル無しでデスは多数、と正直思わしくない数値でした。
安田「以前に…練習試合で、タイムアップ寸前に私がキルされたことで負けちゃったことがあって…そのときに…これ以上足を引っ張って負けるのは絶対に嫌だって思って。そのあとに、霧島さんにいろいろと教えてほしいってお願いしたんです」
-霧島選手は間違いなく世界でもトップクラスのブレイカーですから、その選択は間違いなかったと思います。
安田「でも、正直めちゃくちゃきつかったですよ(苦笑)復活ゼロカウント設定でひたすらに追いかけられて、撃たれまくって…」
-それは想像以上にスパルタ教育ですね(苦笑)
安田「ただ、そのくらいやらないとみんなに迷惑をかけない、そして役に立つって言えなかったから…」
-なるほど、その努力があの奇跡のヘッドショットに繋がったんですね。
安田「でも、私なんてブレイカーとしてはホントにまだ素人なんで…出来ることなら…霧島さんくらいにはなりたいなぁ…」
-それはそれで目標が高すぎる気がしますけどね(笑)
安田「そうなんですかね…?」
-あと、巷で言われているのは『地雷職人』とも。なぜ地雷を使い始めたんでしょう?
安田「霧島さんに使ってみてってオススメされたからですね」
-そこで出てきた武勇伝は…まさかの【地雷で警棒を受け止めた】!
安田「(苦笑)」
-ですが、実際に地雷は現状の環境にはかなり適合した武装なんですよね。特に高機動型ストライカーであっても撃破しやすい、さらには足止めしやすい環境を作り出した…ということで。
安田「上手な人たちが上手に使ってるから、結果が出てるんだと思います」
-話を変えて今年の大会に焦点を移しますね。
今大会、地区予選から全国大会準決勝まで全てに出場されて、しかも全ての試合で相手リーダーへのヘッドショットキルを決められています。
安田「え…そんなにやってました?」
-ええ、こちらに戦績をまとめてありますのでご覧いただければ。
安田「わぁ…(呆然)」
-さらにはネット上で言われていたのは『琵琶湖戦でアイドル装備を見かけたらリーダーはすぐに逃げるべき』とまで。
そのあたりはこちらのまとめサイトにも書いてあるんですけど…
安田「…そんなに私って怖いんですかね…?」
-相手チームからみたらとんでもなく怖い存在だと思いますよ?
特に相対するリーダーは安田選手が近くにいるというだけで、いつ攻撃が飛んでくるかわからないというプレッシャーになるでしょうし、さらには安田選手の存在自体がプレッシャーになっているかもしれません。
安田「ぅーん…それって光栄、なのかなぁ…」
-それだけ注目されている、ということですね。自信をもっていいとおもいますよ?
準決勝では前回の決勝での対戦相手である東京代表、大神高校のブレイカーで、U-15代表でもある鳥安明美選手との戦いになりました。
安田「やっぱり代表選手だけあってすごく強かったです」
-確かそのときは長野選手と黒澤選手がカバーに入りに行ったんでしたね。
安田「二人が動き出したのを見て、逃げちゃダメだって思って…」
-そうしたら鳥安選手の攻撃を肩に被弾して、若干ぶれたところで撃ち出された弾丸が大神のリーダーである谷町選手へのヘッドショットですよ!
安田「あのときは撃破されただけだったって思ってて…あとから…霧島さんに教えてもらったんです」
-(苦笑)さて、最後になりましたが、安田選手から読者の皆さんへメッセージをお願いします。
安田「正直…私、これまでチームメイトのみんなにすごく迷惑かけてきました。
でも、そんな私でも…こうやって、取材までしてもらえるようになりました。
そのためには…たとえ、苦しくても諦めないことが、すごく大事なんじゃないかなって思います。
だから、勝てなくても、苦しくても、絶対に諦めないでください。
苦しくても諦めずになにか出来ることがあるって考え続けて、行動し続けていたら、いつか報われるときは来ると思います」
-お忙しいなか、ありがとうございました。
言葉を選びながらも、真摯に向き合ってインタビューに応じてくれた安田選手。
これからの彼女の活躍にも更なる期待が寄せられます。
(インタビュアー・文責:北野 きつね)
-+-+-+-+-+-+-
かくして発売された雑誌は発売当日に重刷が決まるほどの売れ行きを博し、十万部を越える大人気となったそうである…
オリジナル版の作者である、のこのこ大王氏に謝意を表します。