D✕D✕D《デュランダル・デート・ドラゴン》   作:デュランダ流

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長くなっちゃった。


序章5

孔を抜けるとそこは寝室の1つだった。

 

抱えている狂三をベッドに寝かせていると精霊達が集まってきた。皆、二亜に呼び出されたようだ。

 

「おぉ!シドーではないか!シドーも二亜に呼ばれてきたのか?」

 

十香が駆け寄ってくる。他の皆も近付いてきた。

 

「士道さんも二亜さんに呼ばれたのですか?」

 

『よしのん達も呼ばれたんだけどー、詳しい事情は全員集まってからって教えてくれなくてさー』

 

十香、四糸乃、よしのんは通信機が壊れて連絡が途絶してたことを知らなかったらしい。不安にさせないで良かった。

 

「ちょっと!急に連絡つかなくなったって聞いて心配したし!どこで何してたし!」

 

「安堵。無事で何よりです。お怪我はありませんか?」

 

「だーりん大丈夫でしたか!?え!?大丈夫じゃない!?んふふー仕方ないですねぇー!それなら私が一日中付きっきりで看病してあげますね!」

 

「いやどう見たって大丈夫だから。とりあえず体は平気みたいね。良かったじゃない。あまり心配させないでよね。」

 

「きゃー!七罪さんの可愛さにやられてしまいましたー!責任を取って1週間、私の抱き枕になって下さーい!」

 

「ちょ、やめ、離れろー!」

 

一方で、事情を知っていたらしい耶倶矢、夕弦、美九、七罪には心配させてしまったようだ。皆にちゃんと謝らないとな。

 

「美九、そこまでにしてあげなさい。通信が途絶した時は焦ったけど無事で何よりだわ。とりあえずおかえりなさい。」

 

琴里にも心配かけたな。今度好きな物を食べさせてやるか。

 

「ただいま、皆。心配かけて悪かった。」

 

皆笑顔で迎えてくれた。

 

「それで?六喰に頼むほどの緊急なんだろ?一体何があったんだ?」

 

「それが…私にもまだ知らされてないのよ。二亜は皆に説明したいって言われて。」

 

するとそこに召集した張本人である二亜が姿を表した。

 

「いやぁ悪いね少年、くるみんとのデートを邪魔しちゃって。」

 

「仕方ないさ。狂三も眠ってしまってたし、あのまま起きるのを待っていもきっとデートの続きはしなかったと思うしな。」

 

「それならよかったよ。じゃあ早速だけど説明させてもらおうかな。」

 

「待って。」

 

声のする方を向くとそこには折紙の姿があった。

 

「折紙?」

 

「おかえりなさい士道。無事で何より。説明をするのは構わない。でもここに時崎狂三がいるのは聞いてない。話を円滑に進めるためにまずはそこを説明するべき。」

 

「あらあら、これはいかがいたしましょうか。」

 

眼帯の狂三が好戦的な笑みを浮かべる。

 

"ナイトメア"時崎狂三は最悪の精霊。

これまで士道と何度か共闘しているため、士道はある程度の信頼を彼女に置いている。だが他の皆は違う。警戒して当然なのだ。

 

それでも俺は…。

 

「私が呼んだんだよ。今回の件はくるみんの協力がどうしても必要だからね。くるみんは私に借りがあるから来てくれると思ってたんだけど…まさか気を失ってたとはね。」

 

皆どうすれば良いか迷っている。なら俺のすることは1つだ。

 

「皆、聞いてくれ。」

 

士道に視線が集まる。

 

「俺は狂三に何度も助けられた。狂三は誰かのために自分を犠牲にできるとても優しいやつなんだ!手段は間違えたかもしれない。でも狂三ならきっと償える!俺はそう信じたい!そして皆も狂三を信じてやってほしいんだ。皆に危害を加えないことは俺が保証する。だから…。」

 

士道は頭を下げる。すると1人の少女が前に出た。

 

「えっと、私は士道さんを信じてます。ですのでその士道さんが信じているのなら私も…彼女を信じてみたいと思います。」

 

四糸乃の言葉に皆が頷いてくれる。

 

「ありがとう、皆。」

 

すると眼帯の狂三は優しい笑顔を作った。

 

「感謝いたしますわ。今の士道さんの台詞、あとで『わたくし』に伝えておきますわね。」

 

「んなっ!?」

 

皆笑ってるし…。

 

「他にはないね?それじゃ、急いだ方が良いからね。」

 

二亜の顔つきが真剣になる。

 

「少年がくるみんデートをする少し前かな?DEMのトップ、アイザック・ウェストコットがこの世界とは異なる世界に移動したと思われる。」

 

二亜の言葉に一同が驚愕する。

 

「異なる世界って…一体どういうことだよ。」

 

「オリリンのために少年が世界を変えたんだよね?これは本来あった歴史が少しずれた世界、所謂"並行世界"と言われるものに移動したということになる。でも異なる世界っていうのは文字通り、全く異なる歴史を持った別の世界のことを言うのさ。"異世界"ってやつだね。隣界がわかりやすい例えだよ。私が囁告篇帙を持っていた頃に調べたことがあってね。その時私は興味なかったんだけど。」

 

囁告篇帙を持っていた二亜が言うのだから本当なのだろう。あまりの話に言葉が出てこない。

 

「質問。二亜はどうして彼が異世界へ渡ったと知っているのですか?」

 

夕弦の疑問はもっともだ。彼女は囁告篇帙の検索をほとんど使うことができない。ウェストコットに大半の力を奪われてしまったからだ。

 

「囁告篇帙と神蝕篇帙は表裏一体。感覚でわかるんだよね。神蝕篇帙は今確実にこの世界にはいない。なら私が昔調べた異世界にいるってことになる。

そしてそれを私達は見過ごせるわけもないよね?」

 

「そうね。二亜の言うとおりでしょうね。アイザック・ウェストコットは異世界にいる。それで進めましょう。あんな危険なやつが他の世界に迷惑かけるのは確かに見過ごせないわね。」

 

「いやいや妹ちゃん、それだけで私が皆を呼ぶわけ無いっしょ。この後が重要なのよ。」

 

「この部屋を完全防音にするよう、

突然私に言ったのも関係があるのですか?」

 

士道の携帯から突然声がした。

 

「もちろん、どこで誰が聞いてるかわからないからね。」

 

二亜はチラッと眼帯の狂三に顔を向ける。

狂三はそれを軽く受け流した。

 

「どういうことなんだ、マリア」

 

MARIA(マリア)。フラクシナスをフラクシナス・EX(ケルシオル)に改良した際にコミュニケーション機能を搭載された管理AIだ。

 

「どういうことと聞かれても。そこの飲んだくれに頼まれてこの部屋の会話を外部へ漏れないようシャットアウトしただけです。」

 

「相変わらず私の扱い酷いよね。まぁそういうことだから。それは置いといて。皆よく聞いてね。」

 

二亜はとんでもない提案をを言い出した。

 

「私は異世界へ行き、ウェストコットの野郎をぶっ飛ばすべきだと思う。そのためにくるみんの力を借りようと思ってる。」

 

『!?』

 

二亜の言葉にまたもや驚愕する俺達。

 

「ちょ、ちょっと待って。異世界に行ってあいつをぶっ飛ばすって言うけどなんでいきなりそんなことになるのよ?」

 

「あいつはおそらくあの最強の魔術師(ウィザード)と一緒じゃない。理由は簡単。霊結晶がないと異世界へは渡れないから。だからあいつは今1人で向かってる。あいつを守る者がいないのなら倒すなら今しかない思ってね。」

 

その時、ベッドの方から声が聞こえた。

 

「わたくしが眠っている間に随分話が進んでいるではありませんか。これはどういうことですの『わたくし』。」

 

本物の狂三が目を覚まして眼帯の狂三を問い詰める。

 

「あらあら、わたくしはただ士道さんの目の前で倒れるほどお疲れの『わたくし』のために安全な寝床を用意しただけですわ。」

 

「言い訳は後で聞いてあげますわ。それで?わたくしにこの状況を説明してくださるかしら?」

 

「あぁ、任せてくれ。」

 

俺は狂三が眠った後の事と二亜の提案を話した。

 

「異世界というものについてはわかりましたわ。

それで何故わたくしの力が必要になるんですの?」

 

「異世界へ行くメンバーの護衛を頼みたいんだ。

私達の戦闘力では心許ないからね。」

 

「言っていることがおかしいですわよ。

アイザック・ウェストコットを倒すんでしたよね?

わたくしが護衛なら誰が彼を倒すんですの?」

 

「そんなの決まってるよ。くるみん以外にも戦える人物がいるじゃないか、自由にしかも複数の天使を操れる人物が1人だけね。」

 

「まさか…士道さん?」

 

「え?俺?」

 

いきなりの事に頭が追いつかない。俺があいつを倒す?そんなこと可能なのか?相手は全知全能の魔王を所持している。そんな相手に俺と狂三だけで…。

 

「そんなの認められないわ!士道にそんな危険な役目任せられない!それならいっそ私も行って…」

 

「妹ちゃん、気持ちはわかるけど君は司令官だ。重要なポジションの君がフラクシナスを離れる訳にはいかない。」

 

「でも…。」

 

「それにくるみんは唯一霊力を封印されていないからね。しかもくるみんじゃなきゃ精霊もどきの数に対抗できない。だからくるみんじゃなきゃ務まらないんだよ。」

 

「……。わかったわ…。」

 

二亜の説得に琴里は渋々納得したようだ。

 

「そういうことですのね。でもわたくしになんのメリットがありますの?」

 

「少年が負けたらくるみんの目的は果たせなくなるんでしょ?是が非でも守るしかないんじゃない?」

 

狂三は痛いところを突かれたような顔をする。

そして諦めたかのように頷いた。

 

「わかりましたわ。今回だけ特別にですわよ。仕方ありませんから士道さんの護衛を務めて差し上げましょう。」

 

「待ってくれ。俺達2人だけであいつを倒しに行くのはいくら何でも無謀すぎないか?」

 

「誰も2人だけとは言ってないでしょ。他のメンバーも決めてあるよ。むっくちん、なつみん、2人にも異世界に行ってもらいたい。」

 

名前を呼ばれた2人は反応する。

 

「むくか?異世界とやらへ主様たちと行くのかえ?」

 

「え?え!?な、なんで私なのよ?私より強い人いっぱいいるじゃない!折紙とか!」

 

「おそらく異世界へ移動する手段として封解王(ミカエル)

"(ラータイブ)"も有効だと思うんだ。あれは空間を別の空間へ繋げられるから異世界の空間でも出来るんじゃないかな?それに贋造魔女も"(ラータイブ)"を使える。もちろん少年もね?緊急時にいつでも帰ってこられる3人とその護衛のくるみん、この4人が適任なんだよ。」

 

「それなら私も行く。戦力は1人でも多いほうが良い。」

 

折紙が名乗りを上げた。他の皆も思いは同じようだ。

 

「1つよろしいですか?」

 

狂三が手を挙げた。狂三へ皆の視線が集まる。

 

「3日以内にこの艦に向けてDEMの総攻撃が始まりますわ。精霊の偽物さんは主人がいないので出てこないとは思いますが、相手はあの魔術師です。不測の事態があっても対処できるよう最小限で行くべきかと思いますわ。」

 

「少年を狙った襲撃があったって聞いたから、万が一の為守りを厚くしようと思ってたら…嫌な予想が当たっちゃったねぇ。」

 

「でもそれなら私達が囮になってだーりんを匿っているように立ち回ればいいんですよ。そうすればだーりんがあの怖い人を倒す時間を稼げるんじゃないですかー?」

 

「良かろう。我ら八舞も士道のため一肌脱ごうではないか。」

 

「狼狽。耶倶矢がセクハラしています。」

 

「ちょっ!?そういう意味じゃないし!」

 

「気をつけて行ってくるのだぞ!帰ったらデェトをしようではないか!」

 

「そういう事らしいけど士道、後はアンタが決めなさい。」

 

「正直、皆が心配だ。でも俺があいつを倒せば皆平穏に暮らせるんだろ?ならやってやる。皆が幸せに暮らせるの未来のためならどんな事だって!」

 

「無事に帰ってきなさいよ。」

 

「あぁ、なるべく早く帰ってくるよ。

行こう、狂三、六喰、七罪。」

 

3人は頷いた。

俺はアイザック・ウェストコットの痕跡をイメージしながら孔を開ける。

 

「"(ラータイブ)"」

 

「さぁ、私達の戦争(デート)を始めましょう。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ここが異世界?」

 

孔から出た俺達は辺りを見渡す。

そこには大きな施設があり、戦車などが大量に並んでいた。

 

「景色から見て日本ではないでしょう。日本が存在するのかわかりませんけれど。」

 

「軍事施設かしら?あまり長居したくないわね。」

 

「そうだな、とりあえず村とか街とか聞き込みしやすい場所を探すとしようか。」

 

そう言って俺達は施設から離れようとする。

すると六喰が聞いてくる。

 

「のぅ主様よ。何か聴こえて来ぬか?」

 

「え?」

 

そう言われて俺達は耳を澄ます。

 

 

 

聞こえてきたのは少女の歌声だった。

 

 




というわけで長い長い序章は終わり次回から本編です。
残ったメンバーにもきちんと意味がありますので予想してみてください。
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