D✕D✕D《デュランダル・デート・ドラゴン》   作:デュランダ流

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知ってるかもですが主人公は3人です。

ダインスレイフの能力がシンフォギアXDにあったため回復阻害の呪い→強力な呪いに変更しました。


旅立ち・出会い
第一話


「やぁ、はじめまして兵藤一誠君。私の名前はアイザック・ウェストコット。こことは違う異世界から来た者だ。よろしくね。」

 

俺、兵藤一誠は仲間たちと冥界でメンバー集めをしていたんだけど、突然目の前にいる奇妙な男に声をかけられていた。

 

「アンタ、何者だ。」

 

冥界で俺はかなりの有名人であるため声をかけられるのはおかしいことじゃない。だけどこいつの気配はまるで…。

 

(悪魔ではないな。妙な気配を持っているが奴はおそらく人間だ。)

 

ドライグの言う通り、こいつは変な気配がするけど人間だと思う。他の勢力の人間が冥界に来ることはおかしいことじゃない。今は国際大会前だしな。曹操のように神に使えてる人間と言うなら話はわかる。

 

だけどこいつが放った異世界から来たという言葉。俺が以前悪神ロキと戦ったときに交信した乳神様は異世界の神だったはず。ということはこいつは乳神様の世界の人間なのか?なんにしても只者じゃないのは確かだ。

 

「何者…か。そうだな…私は魔王を従える者かな?」

 

「魔王様を従える?それはつまり、冥界への宣戦布告って捉えていいのか?」

 

「半分正解で半分不正解だ。私は君達の魔王を従えている訳じゃない。それに宣戦布告する相手は冥界だけじゃない。各勢力全てだよ。」

 

男、アイザックの言葉に驚愕する俺達。

 

「それなら貴様を叩き斬ってやるまでだ!」

 

ゼノヴィアがアイザックに斬りかかる。

アイザックは避ける素振りすら見せない。

だがゼノヴィアの攻撃が当たることはなかった。

 

「いきなりお父様に斬りかかるなんてこの女ぶっ飛ばしていいかな?」

 

「いいじゃんいいじゃん!やっちゃおうよ!」

 

「綺麗な顔を台無しにしてあげようよ!」

 

「きゃははは!」

 

アイザックの前に同じ顔をした少女達が立ちはだかる。

 

「デュランダルを…受け止めた?」

 

複数人とはいえ、少女達はデュランダルの攻撃を受け止めたのだ。ゼノヴィアはその事実に驚く。

 

「随分余裕ぶっこいてるじゃない?よっ!」

 

「ぐはッ!!!」

 

そしてその隙を突かれ背後からもう1人の少女がゼノヴィアを蹴り飛ばした。

 

「ゼノヴィア!!!」

 

「私は平気だ…それより、こいつらかなり手強いぞ。」

 

「ゼノヴィアさん!大丈夫ですか?今回復させますからじっとしていてください!」

 

アーシアがゼノヴィアに駆け寄り傷を癒やす。

その光景を見てアイザックは不気味に笑う。

 

「ふむ。癒やしの力、それが君の神器と言うやつだね?」

 

奴の言葉を聞き、ロスヴァイセさんは慌てた表情を作る。

 

「イッセーくん!この者達はこちらを調べて襲撃していると思われます!撤退して体制を立て直すべきかと!このままでは我々は不利です!」

 

ロスヴァイセさんがそう提案した。確かに、俺の名前を知っていたりアーシアの力を見て神器だと言った。おそらく俺達の戦力が乏しいときを狙って襲撃したのだろう。このままでは相手の思う壺だった。

 

「わかった!俺が殿を務めるから2人はアーシアを!」

 

「わかりました!気を付けてください!」

 

「アーシアは私達が必ず守る!」

 

「おう!」

 

そう言って俺は赤龍帝の籠手を出現させ、詠唱を始めた。

 

「我、目覚めるは

王の真理を天に掲げし赤龍帝なり!

 

無限の希望と不滅の夢を抱いて王道を往く!

我、紅き龍の帝王と成りて―」

 

俺の周りに紅のオーラが漂う。

 

『汝を真紅に光り輝く天道へ導こうッ!』

 

Cardinal Crimson Full Drive(カーディナル クリムゾン フル ドライブ)!!!』

 

宝玉の音声が鳴り響き、周りのオーラが弾ける。

 

これが俺の禁手(バランス・ブレイカー)真紅の赫龍帝(カーディナル・クリムゾン・プロモーション)だ。

 

これにより俺のオーラは爆発的に高まった。

普通の上級悪魔レベルだとオーラの高さにビビっちまうやつも出てくるんだけど…。こいつはむしろ好奇に満ちた笑みを浮かべた。まるで俺の力を見たかったかのようだ。

 

「素晴らしい!こんな素晴らしい力、彼女たち以外で見たのは初めてだよ。やはり異世界は退屈しないな。」

 

「随分余裕そうだな。お前は俺の大切な仲間を傷つけたんだ。手加減はしない。全力で行ってやる!」

 

「来るといい。少し相手をしてあげるよ。」

 

「舐めるなァァァァッ!!!」

 

俺は『倍加』の力で右手のオーラを増加させ、奴に思いっきりぶっ放した。人間相手にやり過ぎかと思ったけど相手は正体不明。さっきも言った通り手加減せず放った…はずだったんだけど。

 

神蝕篇帙(ベルゼバブ)。」

 

「なっ!?ベルゼバブ!?」

 

俺の攻撃を防いだのにも驚いたけど奴の出した巨大な本の名前だ。ベルゼバブ、またはベルゼブブと言うのは魔王様の1人の名前だ。

 

「これは私の魔王、神蝕篇帙。私達の世界で超常の存在が持っている兵器を天使と言い、それが反転した姿がこの魔王なのさ。」

 

(相棒、かなりまずい状況だ。魔王というからには強大な能力を持っているはずだ。だが奴はまだ顕現させただけでその能力は未知数のままだ。)

 

確かにまずい。

これじゃ3人の逃げる隙を作るのは至難の業だ。

 

そう考えていると俺はあることに気づく。

周りから音がしてないのだ。

逃げる音も、戦闘する音も何もかもしてなかった。

 

俺は嫌な予感がして後ろを振り向きながら叫んだ。

 

「アーシア!ゼノヴィア!ロスヴァイセさん!」

 

 

 

目の前には最悪の光景が広がっていた。

 

 

 

全身血だらけになりながらもアーシアを庇うように倒れている2人。そしてそのアーシアも気絶させられていた。

 

目の前の光景に頭が真っ白になった。

 

「こいつら無駄に抵抗してくれちゃってさ。」

 

「かなりの数の『あたし』がやられちゃったよ。」

 

「まぁでもそこそこ楽しめたかなー。」

 

「金髪の女は一発殴ったら気を失っちゃったけどね。きゃはは。」

 

「テメェらァァァァァァァァァ!!!」

 

俺はありったけのオーラを少女達にぶつけた。

急いで皆を抱えて逃げなければ。

 

するとアーシアの周りから金色のオーラが溢れだす。そしてそいつは怒り狂いながら登場した。

 

「お前達はアーシアたんを傷付けた!

俺様はお前達を絶対に許さないッ!」

 

そういって五大龍王、黄金龍君(ギガンティス・ドラゴン)ファーブニルは自身の体内に収納している伝説のアイテムを射出する。

 

辺りにいた少女達は跡形も無く姿を消した。

そしてそのままアイザックの元へ突進する。

 

だが奴はそれを見てニヤッと笑ったような気がした。そしてファーブニルが奴の頭を噛み砕くために口を開いた。

 

だが次の瞬間、ファーブニルの口は閉じることなく、むしろ血を吐き出した。

 

「ファーブニル!!!」

 

アイザックの手元を見てみると黒い禍々しい剣を握っていた。そしてその剣先はファーブニルの腹部を貫いていた。

 

「アー…シア……たん…。」

 

そう言い残してファーブニルは倒れ込む。

彼の周りには大量のが血流れていた。

 

「これは別の世界では聖遺物としても扱われる魔剣ダインスレイフだ。この剣は血を啜る魔剣と言われていてね。これに斬られた者は強力な呪いを受ける。相手は龍王だから死にはしないだろうけどしばらくは戦えないだろうね。」

 

気が付くと俺達の周りを少女達が囲んでいた。

少女達だけじゃない。生き物のように動いている謎の物体もいる。そいつが触れた場所は文字通り『分解』されていた。

 

魔王に、魔剣、大勢の少女達、謎の物体。

相手はまだまだ戦力を温存している。それに比べてこちらは壊滅状態だった。何処で何を間違えたんだ?どうすればよかったんだ?

 

(相棒!しっかりしろ!こうなれば疑似龍神化を使うしかないだろう!それで一気に決めるしかない。)

 

ドライグに諭され俺は冷静になる。

そうだ、まだ俺には疑似龍神化が残ってる。

こいつらを早く片付けて皆を病院へ連れて行かないと。

 

そうして俺が詠唱しようとした瞬間奴が口を開く。

 

「今日はここまでにしようか。」

 

アイザックはそう告げて少女達と謎の物体を引き上げさせる。

俺は訳がわからず奴に問う。

 

「テメェ!どういうつもりだッ!」

 

「今日は元々君に挨拶をしに来ただけなんでね。

協力者が君をとても気にかけていたからね。

ついこの目で見てみたくなったのさ。」

 

「協力者?」

 

「あぁ、とても仲良くさせてもらっているよ。」

 

そう言いながら奴は空間を歪ませる。そして良い事を思いついたかのように告げた。

 

「そうだ、今日のお礼に1つプレゼントをしよう。」

 

奴は不気味な笑顔を浮かべていた。

 

「絶望というプレゼントをね。」

 

嫌な気配がした。

 

「神蝕篇帙――幻書館(シュフィリヤ)。」

 

奴が何をしたかはわからない。だが逃げなければまずいと直感でそう感じた。するとアーシアの下の空間が歪み巨大な本が出現した。このままではまずい!俺はアーシアへ走り出すが間に合わず、巨大な本はそのままアーシアを飲み込んでしまった。

 

「アーシアァァァァァァァァァッッッ!!!!!!」

 

「その顔が見たかったんだ。英雄と呼ばれた君の絶望した顔がね。彼女は預かっておくよ。取り返しに来るといい。私は君が来るのを楽しみに待っているから。」

 

そう言って奴は空間の中へ消えていった。

 

「クソォォォォォォォォォォォッッッ!!!!!!」

 

静寂な辺りには俺の叫び声だけが響き渡った。

 




士道くん視点続くと思わせてイッセー視点でした。

イッセーシドービッキーの邂逅はまだ先です。

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