D✕D✕D《デュランダル・デート・ドラゴン》   作:デュランダ流

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アンチヘイトを外しました。
しばらくイッセーサイドが続くかと思われます。

シンフォギアXDにてダインスレイフの効果がありましたので少し変更しました。


第二話

僕、木場祐斗とオカ研メンバーは冥界のとある病院に来ていた。

 

その理由はイッセー君達が冥界で仲間集めをしていたところ、謎の集団に襲撃され、重傷を負ったとの報告を受けたからだ。

 

案内された病室についた僕達の目に最初に写ったのは、至る所に包帯が巻かれている痛々しい姿のゼノヴィアとロスヴァイセさんだった。殴られたであろう痣や斬られたものによる傷が体中のあちこちに見受けられる。

 

その姿を見た僕は形容し難い程の怒りを覚えた。

他の皆も各々違いはあれど、怒りと悲しみの表情をしていた。特にリアス姉さんは紅いオーラを漂わせている。放っておいたら今にも襲撃者の元へ報復しに行くのではと思わせるほど濃密なオーラだ。

 

そして2人のベッドの傍らには、俯いたまま座っているイッセー君の姿があった。その目はずっと泣き続けていたことがわかるほど腫れていた。

 

僕達が病室に辿り着いてもまだ、彼は口を開いてはくれなかった。そこへ主であるリアス姉さんがイッセー君に近づき声をかける。

 

「イッセー、何があったの?詳しく教えてくれないかしら?」

 

リアス姉さんは優しく問いかけるが…

 

「俺が……皆を守れなかった………」

 

と枯れた声で呟くだけだった。彼の最愛の人であるリアス姉さんが声をかけてこの反応とは…。

一体何が起こったんだ?

 

そこへ魔王様であるアジュカ・ベルゼブブ様が病室へ到着なされた。

 

「皆集まっているかい?」

 

「アジュカ様!一体イッセー達に何が起きたのですか!?」

 

リアス姉さんが質問するとアジュカ様はその時の知りうる状況を説明してくださった。

 

「彼らは昨夜、首都リリスにある喫茶店で大会に出るメンバーについて話し合いをしていたそうだ。ある程度方向性が決まり、用事があったレイヴェル君と紫藤君はそこで別れたそうだ」

 

2人は肯定する。彼女達も相当悔しいはずだ。自分達が一緒にいればこのような事態にはならなかったかもしれないと道中ずっと呟いていた。

 

アジュカ様は続ける。

 

「その日はホテルに宿泊し、翌日に街を歩いていると目の前に現れた謎の男に声をかけられた。街の監視カメラはそこまでを写して突然途絶えた。おそらく相手の能力によるジャミングか人払いのような結界を貼ったのだろう。カメラが次に写したのは血だらけで倒れている2人と龍王ファーブニル、そして3人に駆け寄って助けを呼ぶイッセー君の姿だった」

 

『!?』

 

「ファーブニルは腹部を貫かれ、その体に強力な呪いを受けた。その効果により治癒魔法などが打ち消されているそうだ。今は初代孫悟空殿の仙術により治療を受けているが戦線復帰はかなり先になると思われる」

 

龍王であるファーブニルまでやられたのか?相手はそれほどまでに強大なのか?アーシアさんを集中的に狙われ、それを庇ったために倒されたとか?

 

と僕はそこまで考えてあることに気づく。

おそらく同じことを思ったのだろう。

イリナさんがアジュカ様に泣きながら質問した。

 

「あの…アジュカ様。アーシアは…?アーシアはどこにいるんですか?まさか2人より重傷で別の部屋にいるんですか?お願いです、彼女に…アーシアに会わせて頂けませんか…?」

 

するとイッセー君が頭を抱えながら更に俯き、泣き出した。

 

「アーシア…ゴメンな……守れなくて……」

 

アジュカ様の言葉に僕達は耳を疑った。

 

「この事は各勢力の上層部にのみ伝えてあるのだが…アーシア君は謎の男によって連れ去られた。」

 

「そんなッ…アーシアが…?」

 

アジュカ様の言葉にリアス姉さんは膝から崩れ落ちた。大切な家族は重傷を負い、実の妹のように可愛がっていたアーシアさんが拉致された。その事実に耐えられるはずがない。イリナさんも体を震わせながら嗚咽を漏らしていた。リアス姉さんを朱乃さんが、イリナさんをレイヴェルさんと小猫ちゃんが支えているが3人とも涙を流していた。ギャスパー

君は拳を握りしめ、ずっと目を伏せていた。もちろん僕だって怒りを我慢するのに必死だったけどこういう時こそ冷静でいなくちゃいけない。

そう自分に言い聞かせるので精一杯だった。

 

「……彼女の行方はわからないのでしょうか?」

 

僕はなんとか声を絞り出し、アジュカ様に質問する。

 

「現在、冥界中を捜索しているが手掛かりはつかめていない。これから各勢力と協力して捜査範囲を広げるつもりだ。」

 

敵の正体もアーシアさんの行方も手掛かりはない。

完全に手詰まりの状況だった。

 

イッセー君は今も泣いていた。仲間を守れなかった己の弱さを彼はずっと責め続けているのだろう。

 

イッセー君…君がそんな様子じゃ駄目だろ…。

僕は彼の方へ向き、そう語りかけようとした。

 

次の瞬間、イッセー君は倒れ込んだ。

胸ぐらを掴まれ、顔を殴られたのだ。

 

「いい加減にしてください…!」

 

彼を殴ったのはギャスパー君だった…。

その光景に皆が驚いていた。

 

「ギャス…パー…?」

 

イッセー君も驚いたようだ。

そして再びイッセー君の胸ぐらを掴み叫び出す。

 

「僕は常に前を向いて、何事にもまっすぐ突き進んでいくそんなイッセー先輩の姿に僕は憧れたんだッ!どんな時も諦めない、そんな先輩がかっこよかったから…ッ!」

 

イッセー君はギャスパー君の目標だった。常にイッセー君のようになりたいと鍛錬を積み重ね、苦手だったものを克服していった。だからこそ目標だった彼の今の姿をギャスパー君は許せなかった。

 

「悔しいのはわかります!僕も自分の無力を嘆いたときが何度もありましたから…!でもだからといって先輩が俯いていたら皆俯いてしまうッ!王である先輩が前に進まなかったら眷属も足を止めてしまう……っッ!」

 

ギャスパー君は声を震わせながら続ける。

 

「僕達はグレモリーの男です……ッ!僕達はいかなる時も女の子を守らなくちゃいけないんだッ!いかなる時も立ち上がらなくちゃいけないんだッ!」

 

そこにいたのは1人の『男』。

 

「絶対に諦めちゃいけないんだッ!!!!!!」

 

それはまだギャスパー君が鍛える前のサイラオーグ眷属とのレーティングゲームの際にイッセー君がギャスパー君に教えた言葉だった。

 

泣くのをずっと我慢していたギャスパー君はそう言い終えた後、イッセー君の胸で号泣してしまった。

 

ギャスパー君の言葉はイッセー君に響いたのだろう。イッセー君はギャスパー君を抱き締め笑顔を作った。

 

「……あぁ…そうだったな………。ありがとうな、ギャスパー。お前の言う通りだ。お前に言った言葉を俺が守らないでどーすんだよな…」

 

そこにはもう先程までの俯いていた彼はいない。

もう1人の『男』は誓う。後輩に、仲間に、最愛の人に、そして…連れ去られた彼女に。

 

「俺もグレモリーの男だからな。約束する。

次こそ必ず皆を守る。

何があってももう下を向かない。

どんな状況でも絶対諦めない。

そして必ず…アーシアを救い出す」

 

「イッセー…」

 

「リアス…皆…心配かけて悪かった。

アジュカ様にもご迷惑をおかけしました」

 

「いいんだよ。君が謝ることではないのだからね。むしろこちらこそ謝罪させてほしい。冥界に敵の侵入を許してしまったのだからね。君が立ち上がったのなら当時の詳しい状況を聞きたい。早速で悪いが話せるかい?」

 

「わかりました」

 

こうしてイッセー君は何が起きたのか語り始めた。

 

「俺達を襲ったのはアイザック・ウェストコット。奴は俺達に自分は異世界から来たと言っていた。」

 

イッセー君の言葉にアジュカ様が思案顔をする。

 

「異世界から?」

 

「あぁ、おそらくホントだと思う。あいつはファーブニルを魔剣で貫いたんだけどその名前をダインスレイフと言っていた」

 

「ダインスレイフだって!?

あれは今僕の亜空間に保管しているはず…ッ!」

 

「おそらく木場のダインスレイフとは違う。氷の攻撃をしてこなかったし、何より呪いなんて効果無いだろ?だからあれは別世界のダインスレイフなんだと思う。他の魔剣をダインスレイフと言い張ってるって線も考えられるけど他にも異世界から来たと思える要素があるんだ。」

 

僕の魔剣とは違う効果を持つ…。

 

「続けてくれ」

 

アジュカ様に言われイッセー君は頷き、続ける。

 

「あいつの能力は神蝕篇帙(ベルゼバブ)という巨大な本を使っていました。あいつが言うには魔王と呼ばれる兵器だそうです」

 

アジュカ様に視線が集まった。ベルゼバブに魔王…。そう言われて僕達が連想するのは間違いなくこのお方だからだ。この世界に生きている人のほとんどが同じのはずだ。

 

「私と同じ名前の兵器を使用していたと」

 

「はい。でも能力はわかりませんでした。能力を使わず、俺の真紅の鎧の一撃を兵器を召喚しただけで防ぎました。とてつもない能力を秘めてることは確かです。

 

「相手はその男1人だけだったのかい?」

 

イッセー君は首を横に振る。

 

「いえ、奴の使い魔か何かと思われる同じ顔をした大勢の少女たちが俺達を襲いました。倒したら光のように消えていったので人間ではないと思います。俺達が最初にアイザックと対面した時には数人しかいなかったのに…ッ!ゼノヴィアとロスヴァイセさんはアーシアを庇いながら少女達を倒していましたが…気がつけばその数は増え、圧倒的戦力差の前に倒れました…」

 

「他には?」

 

「他の人はいませんでした。ですけど謎の動く物体が大量にいました。生き物の気配は感じ取れなかったので兵器か何かだと思います。そいつの能力は分解だと思います。あの兵器が触れた場所が崩れて消えていったんです。もし俺達の攻撃も分解するのなら…」

 

「デュランダルの攻撃は通ったぞ」

 

「え…?」

 

声のした方を振り向くとゼノヴィアがベッドから起き上がろうとしていた。目が覚めて嬉しい…けどあれだけの傷を抱えて起き上がろうとするなんて相変わらず無茶をする彼女に僕は少しだけ呆れてしまう。

 

「まだ起きちゃだめよ!あんなに傷だらけだったんだから…!」

 

イリナさんが静止するがゼノヴィアは安心させるように彼女の頭を撫でる。

 

「ゼノヴィア…ごめんッ!俺は…アーシアを…」

 

「謝るのは私も同じだイッセー。アーシアを必ず守ると言って結局守り切ることができず、無様に負けてしまったのだから。」

 

「それは…ッ!」

 

「いいんだ。お前も私も守れなかった。なら次はもう負けない、それが私達だろ?それより今は情報の共有が先だ」

 

「…あぁ……ありがとう…」

 

ゼノヴィアは普段はあまり見せない綺麗な笑顔を浮かべた。

 

「話の続きだ。私の放ったデュランダルの一撃はあの兵器や少女たちを倒すことができてた。だがロスヴァイセの放った魔法は兵器に対して効いたものと効いてないものがあった」

 

「どのような魔法が効いたんだい?」

 

「"聖"属性といえば良いのかな?私は魔法は詳しくないが光とか浄化とかそういう類のものだと思うぞ。」

 

「なるほど。聖剣の攻撃や聖属性の魔法が効果があると」

 

アジュカ様はそれを聞いて一つの仮説を立てた。

 

「もしかしたら神器による攻撃も通用するかもしれないね。神滅具程の威力がなくともあれは元々、聖書の神が人間に与えた物だ。それに浄化も機能するというのなら天使や堕天使の攻撃と仙術も有効だろう」

 

「問題はその数ですわね。ゼノヴィアちゃん達が何体も倒したのにイッセー君を大量の兵器が囲んでいたということは、かなりの数が量産されていると見て良いかと思われますわ」

 

「朱乃の言う通りね。1人でそれだけの数の戦力を保有している異世界から来たという人物。全部が全部男の能力とは考えづらいわ。協力者がいたとしても不思議じゃないでしょうね」

 

その言葉を聞いてイッセー君は何かを思い出したようだ。

 

「そういえば…あいつは言ってました。協力者がいるって」

 

「それは本当かね?何か協力者について言ってなかったかい?特徴でもなんでもいいんだ。もしかしたらアーシア君捜索の手掛かりになる可能性がある」

 

「いえ、俺をとても気にかけていたとしか…」

 

「そうか…」

 

イッセー君を気にかける人なんてそれこそたくさんいると思うけどね。あまり絞り込めそうな情報ではないな…。

そう思っているとイッセー君は重要なことを思い出したようだ。先ほどとは変わって声量が大きくなる。

 

「そうだ!あいつは各勢力に宣戦布告するつもりだって言ってた!その前に俺に挨拶に来たって!」

 

イッセー君の言葉にゼノヴィアが肯定する。

 

「あぁ、確かにそう言ってたな。不届き者だと思い、私がデュランダルで斬りつけようとしたが同じ顔をした少女たちに防がれたな」

 

………。

ゼノヴィア…お願いだ…

もう少し頭を使って戦ってくれ…

 

「…各勢力に宣戦布告するような人の協力者。

…各勢力が嫌いな人とかでしょうか?」

 

小猫ちゃんの言葉に僕達は一つの答えに辿り着く。

 

「冥府の神、ハーデス…ッ!」

 

イッセー君の想像した人物はおそらく当たっているだろう。アジュカ様も同意してくださる。

 

「おそらく間違いないだろう。

だがその場合、いくつか問題が生じる」

 

「問題というのは?」

 

「アーシア君のいる場所が冥府だという確証がない。こちらは証拠がないため、冥府を調査することはできないだろう。それにクリフォトや邪龍たちがが使用していたアジトや隠れ家も全てが見つかったわけではない。それらのうちのどこかに隠れられた場合、見つけるのは至難の業だ」

 

「やっぱり手詰まりなのか…ッ!」

 

イッセー君が悔しそうに壁を叩く。

何か他の手がかりはないか…そう思って僕がイッセー君に話しかけようとした時だった。

 

「イッセー。我だ」

 

「リリスもイッセーのとこきた!」

 

「オーフィス?リリス?」

 

そこにいたのは2人の無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)だった。

 




ギャスパーがぶん殴りました。
ホントは木場に殴らせようとしてましたがギャスパーの言葉のほうがイッセーに響くと思いました。

またオーフィスとリリスが登場しましたが彼女たちも戦いませんし戦わせたくありません。
真龍と龍神は平和でいてほしい。
でも龍神様大好きなので登場させました。
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