もしベル君にもう一人の祖父がいたら?   作:山吹色の大妖精

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練習作と比べるとたった三日でここまで行くなんて思いもしませんでした・・・!本当は受験シーズンなのでこれから遅くなるかもしれませんがこれからもよろしくお願いします。


神の宴

『豊穣の女主人』の宴会が終わって、ロキ・ファミリアの本拠地である黄昏の館の会議室に主神ロキや団長のフィン・ディムナなどの幹部が揃っている。会議の話題は『豊穣の女主人』にいた白髪で赤目の少年ベル・クラネルについてである。ベルから受け取った二柱の神の手紙を読んだ全員はこれからベルをどうするべきかを話し合っていたが、フィンはロキにオーディンについて質問した。

 

「ロキ、ベル・クラネルが言っていた神ゼウスと神オーディンについてだが、神ゼウスは兎も角、神オーディンとはどういう関係なんだい?」

「オーディンは天界でゼウスとは別に神々をまとめていた大神やそこにはウチやフレイヤも入っているんやが、まさかこっちに降りているなんて思ってなかったわ・・・」

 

ロキはオーディンの天界時代の話を掻い摘んで話していた。ロキとしては天界時代に暴れたせいでオーディンに迷惑を掛けまくったことは絶対に話たくなかったが、気まずそうにしてるロキを見た三幹部には直ぐに見抜かれた。

 

「問題はベル・クラネルに何処のファミリアなのかを聞けなかったことだね」

「ゼウスなら兎も角、オーディンに言われたからにはやらんとなぁ」

 

二柱の手紙の内容として共通することは『ベルを頼む』ということである。次に出会ったらこの前の謝罪をする為にも、明日には『神の宴』があるのでロキはベル・クラネルの所属するファミリアを探ろうとしているが、最近、ヘスティアに眷属が出来たと聞いて会ったら揶揄うついでに聞いておこうと決心した。

 

 

 

 

 

後日、アイアム・ガネーシャにて『神の宴』が開催されていた。ヘスティアは自身の眷属であるベルの力になるべく、とある神物を探していた。が、その前に持参しているタッパーに料理を詰め込んでいた。その様を見た紅い髪の女神がヘスティアに近づいた。

 

「何やってんのよ、アンタ」

「むっ・・・へファイストスじゃないか!」

「久しぶりヘスティア。元気そうで何よりよ・・・」

「良かった。やっぱり来たんだね。ここにきて正解だったよ」

「何よ、言っとくけどお金はもう一ヴァリスも貸さないからね」

「し、失敬な!」

 

そんな風に会話を続けていると、一柱の女神が二柱に近づいて来た。

 

「ふふ、相変わらず仲が良いのね」

「ふ、フレイヤ・・・」

 

やって来たのは美の神フレイヤ。オラリオに君臨する二大ファミリアの片方の主神である。

 

「うぅ・・・ボクは君のこと、苦手なんだ」

「うふふ、貴方のそういうところ、私は好きよ?」

「おーい!ファイたーん、フレイヤー、ドチビー!」

 

そこに更なる乱入者が現れる。神ロキである。ロキはそのまま会話に混ざると、ヘスティアに問いかける。

 

「ドチビ、この前自分ところに眷属が出来たそうではないか」

「ん?ベル君のことかい?」

 

ベルの名前が出た瞬間、ロキとフレイヤの雰囲気が僅かに変わった。ロキはドンピシャだと思いながら更に問いかけた。

 

「ちょっと用があるからウチのホームに連れて来て欲しいんや」

「君がベル君に用?何で急に・・・」

「あら、ロキがヘスティアの子供を気にするだなんて、どんな子なのかしら」

 

ヘスティアはロキの言葉を怪しみ、へファイストスは意外そうな表情を浮かべ、フレイヤは探るように問いかけた。

 

「そうだね、ベル君はボクにはもったいないくらいに良い子だぜ!」

 

そう言いながら自分のことのように胸を張るヘスティア。それを忌々しそうに見つめるロキはさっきの話を流さないように掘り返した。

 

「兎に角、怪物祭(モンスター・フィリア)の後くらいにはベルをウチのホームに連れて来いよ?」

「むー・・・わかった。ベル君に言っておくよ」

「じゃあ、私も失礼させてもらうわ。確認したいことは聞けたし」

 

そう言いながら去って行く二柱の神、話が終わったヘスティアは本来の目的を思い出して、へファイストスの方に向いた。

 

「あら、次は何かしら?」

「実はへファイストスに頼み事があって・・・ベル君に武器を作って欲しいんだ!」




今日はここまでです。

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