魔法使いのストーンワールド   作:ししょーの弟子

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もうすでにグダグダしてきた


石化復活液

「よし、大樹。ワイン作んぞ」

 

「おう、俺は何をすればいいんだ?」

 

「とりあえずこのブドウを全部潰して液体状にする。そしたら俺の魔法で発酵させて完成だ」

 

これからの工程を説明すると大樹は「わかった」という返事だけするとブドウを潰し始める。

さすが肉体担当、どんどんブドウが潰されていく。

 

「よし、俺もやるか〜」

 

籠の中からブドウを取り出して身を潰していく。

俺が2つ目のブドウを潰している頃大樹から声がかかった。

 

「魔央!潰し終わったぞ」

 

「おうおう、早いな。それじゃあ、潰したものをこの壺の中に入れてくれ」

 

「任せろ!」

 

俺は大樹がブドウを全て入れたのを確認すると体内の魔力を練り魔法を発動する。

 

「時魔法・クロックアップ」

 

時魔法・クロックアップは魔法をかけた対象の時が進むスピードをあげる魔法だ。

込めた魔力量によってスピードは上がるが今は10分を1週間くらいまで上げている。

 

「これはあとどれくらいでできるんだ?」

 

「うーん、発酵までかかる時間は3週間くらいだから30分くらいでできるな」

 

「3週間が30分か!魔法というのはすごいな!」

 

「まぁな」

 

魔法は確かにすごい。

でもこの魔法使いという存在は昔はたくさんいたようだが今は3人しかいない。

理由は科学サイドの人間に殺されたからだ。

元々魔法使いたちは争い事は好きではなくただ自分の魔法を極めようとしている変人の集まりらしい。

でも変人とはいえ心優しい人たちの集まりだ。

だからこそ科学側の人間に襲われた時抵抗はしなかった。

実際に科学側で死んだものは1人もいない。

 

今存在する3人も魔法使いも俺と同じように魔法を隠して生きてきた。

 

「レオン師匠・・・」

 

つい俺は1人の名を呟く。

 

本名、レオン・シスコード。

3人の魔法使いの1人で俺に魔法を教えてくれた師匠だ。

1人で地球を破壊できるくらい強い魔法使い(自称)だが恐らく本当だろう。

俺は今までレオン師匠に一度も魔法で勝てたことがない。

 

師匠との思い出が色々と蘇ってくる。

 

「レオン師匠、貴方もきっと生きていますよね。まだ貴方に一回も勝てていないんですから勝ち逃げなんて許さないですよ・・・」

 

俺は大樹には聞こえないくらいの声でそう呟く。

そんな師匠とのことを考えていると30分が過ぎようとしていた。

 

「よし、大樹。出来たぞ」

 

「もう出来たのか!」

 

「中をこぼさないように千空のとこ持ってくぞ」

 

「おう!」

 

大樹は軽々と持ち上げると千空の待つツリーハウスへと入っていく。

俺もそれに続いて中へと入っていく。

 

「千空出来たぞ」

 

「そんじゃあ、こっからが本番だ。こっから先はちーっと骨が折れんぞ」

 

「蒸留か?」

 

「あぁ」

 

「そうか、蒸留か!蒸留ってなんだ!?」

 

「いうと思ったぞ。熱して冷まして垂らしてアルコールを濃くすんだよ」

 

「あっ、それなら俺がやってやるよ」

 

「魔法か?」

 

「まぁな」

 

普通に蒸留をやろうと思ったら結構時間がかかる。

でも魔法なら・・・。

 

「大樹、そのワインの入った壺を置いたら少し離れてくれ」

 

「わかった!」

 

大樹は言われた通り壺を置き離れる。

 

「生活魔法・分離」

 

生活魔法・分離は元は衣類や家具などについた汚れを分離する魔法だったが今回はそれを応用してワインからエタノールを分離して取り出すことにした。

 

魔法を使え終えると俺は千空に壺を渡す。

千空はそれを受け取ると中の液体を触ってニヤッと笑みを浮かべた。

 

「千空、これで十分か?」

 

「ククク、上出来だ。疑っちゃあいなかったが本当に魔法とはな。科学でさえも証明できない現象だ」

 

「でも千空これはお前の科学を助ける科学のための魔法だ。とことん利用しろよ?」

 

「あぁ、使えるもんはなんでも使う。なにせ俺たち3人しかいねぇんだ。得体の知れない魔法使いとはいえ休ませておくはずがねえ」

 

「千空らしいな」

 

俺が秘密を開けても千空・大樹の俺への接し方は何一つ変わらなかった。

嬉しかった。

この2人になら命をかけてもいい。

この世界が再び人で賑わい現代文明に戻るその時まで絶対に死なせない。

 

俺は心にそう誓う。

 

「レオン師匠、俺はいい仲間に出会えました・・・」

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