姐さんのヒーローアカデミア   作:犬吾郎

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戦闘訓練 後半

「ゴホン、えー第3回戦は八百万、峰田ヴィランチームと上鳴、耳郎、進撃ヒーローチームの対決だ!ヴィランチームはビルに入って準備を始めてくれ!」

「私らの番だね」

「いっちょ張り切って行きますか!」

 

 対戦相手が八百万・峰田のチームか。

 

「よろしくお願いします」

「おう。お互い気張って行こうぜ」

「この2人並ぶとか天国かよ!ヒーロー科最高!」

「上鳴、アンタ今峰田みたいなことしたらぶっ飛ばすから」

「勘弁しろって!」

「そして峰田もぶっ飛ばす」

「なんでオイラまで⁈」

 

 移動してビルの外に待機した。待つ間、個性のこと聞いとくか。

 

「個性把握しておいた方が良いな。俺の個性は「狂声」。自分の声を自在に操れる。近距離・中距離・遠距離から攻撃が可能。次いでに個性の特性上、耳が良い。二人の心音がこっから聞こえてくるぐらいは」

「「マジで⁈」」

「この試合勝ったもんじゃね⁈」

「いや、遠くから攻撃はできても近距離・中距離は仲間も巻き添えにするし、遠距離になる分声届かせるために威力が馬鹿おかしくなる。この辺りのビルぐらいだったら軽く更地」

「んなサラッと言うなよ!コエーよ!」

「単体ならメッチャ強い個性って訳ね」

 

 そゆこと。接近戦以外はこの試合で俺の声は使い物にならないと思う。

 

「じゃあウチの番。個性「イヤホンジャック」。このプラグを壁に刺して音を聞いたりできるし、人に刺したら心音を大音量で聴かせれる。足のスピーカーで広範囲に攻撃もできるよ」

「おぉ〜!」

「俺と共通する個性持ちで索敵特化か」

「うん。威力は進撃に負けるけどね」

「次、俺!個性「帯電」!電気ブッパできる!」

「どんな風に?」

「辺り一面を電気で感電させれる!」

「それウチらも感電するじゃん!」

 

 何と耳郎以外は個性が強すぎるのとピーキー過ぎて役に立つか分からなくなってきた。大丈夫だろうか。

 

 その点相手はあの八百万チーム。峰田の個性は今ひとつ分かってないけど、八百万なら有効的に使える策を考えてきそうだし、1番難関な八百万は生物以外の物なら何でも作り出しちまうから対応策を考えないと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

………んあ?あるじゃん対応策。

 

「耳郎ってさ、音で探れるんだよね?」

「うん。でも動いていないのは流石に無理。あくまで音を聴くだけだからさ」

「んー…。ワンチャンいけっか」

「進撃?」

「どうした?」

 

 耳に手をやりある物を抜き取る。商品名インヴィジブル・シンフォニア、通称耳栓である。聞こえ過ぎるというのも中々のストレスになることが多く、日頃から耳栓をつけて生活している。

 

「なぁ耳郎。俺が見てる世界、知りたくねぇか?」

「へ?」

「ちょい待てお前ら!俺のこと忘れて2人だけの世界に入らないでー!!」

 

 上鳴がヒヨコみたいに煩くなったので肩を組んで顔を近づける。

 

「んなに騒ぐなよ上鳴。ちゃんと説明してやるから」

「え?(進撃がイケメンに見える。トクン…)」

「キモッ」

「普通に傷つくわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『第3回戦、START!!』

「始まりましたわね」

 

 開始の合図がなって試合が始まりました。試合が始まる前に既にビル全体にトラップは作成済み。峰田さんの個性「モギモギ」も良く見なければ分からない場所に設置してトラップにかかればモギモギで動けなくなる算段。

 

「これで行けんのか八百万?」

「ええ、想定の範囲では。後はヒーローチームの行動に応じて対処していきましょう」

 

 ですが、ヒーローチームの個性が進撃さんと耳郎さんしか判明していないことが辛い。上鳴さんが、どんな攻撃をしてくるのか…想像できないのがネックですわ。

 でも、勝算は十分にある。個性把握テストで見た限り進撃さんは個性が強力だけど強力過ぎて一歩間違えればビルを壊して失格になってしまう。耳郎さんのイヤホンで索敵されることは考慮済み。対処は既にしてある。出来るだけ動きを少なくして、地道に行動すれば…

 

「おい八百万!何か足音聞こえてくるぞ!」

「え?まさか、もう見つかって」

「いたー!ヴィランチーム全員確認!やっぱアイツら最強過ぎねー

か?」

「「上鳴(さん)!」」

 

何で上鳴さんがここに⁈後のお二人は何処へ⁈

 

「先手必勝!10万V!!

「グワァァァァ!!」

「キャァァァァ!!」

 

何も、できない…。そんな……。

 

「ふぅ、いや〜まさかあんなにトラップあるとは。俺だけじゃ悔しいけど突破できなかったわ。2人共、そっちはどうだ?」

『ビンゴ。ヤオモモ、別のフロアに壁作って核を隠してた。これ絶対ウチらじゃないと気付かないって』

『「こっちは確保した。後はヴィランチームを全員捕まえろ」』

「了解!」

『ヒーローチーム!WIN!!』

 

「さて、第3回戦の評価だが。みんなはどう思った?」

「まさかの完全勝利!」

「何したのか全然分からなかった。ヴィランチームのトラップとかが筒抜けなのは分かったけど」

「ねぇねぇ!どうやったの⁈」

 

みんなが何をしたのか知りたくて詰め寄って来る。

 

「ヒーローチーム、説明をしてくれるかい?」

「はい。えっと、八百万は個性把握テストで物を沢山作ってたからビル内にトラップを張り巡らせてると考えました。でも、峰田の個性が不明で予測できなかったから考えて、ヴィランチームをエコーロケーションで探ることにしました」

『エコーロケーション?』

 

 エコーロケーション。日本語で反響定位。簡単に言えば高い音が跳ね返った音、反響を聴いて物の大きさ、距離、範囲を確認すること。コウモリが超音波で周りを確認しながら飛んだり、餌を探したりする方法は有名だと思う。それと同じ原理を使った。

 俺が1番高い限界の高音、超音波を出す。それを耳郎がイヤホンジャックでビルの壁にプラグを刺して返ってくる反響を聴く。普通は音が返って来るときにラグができる。音と音の間に間隔が空いてるからだ。でも、俺が断続的に超音波を発し続けることでその間隔を最低限に抑えて反響の正確性を上げた。

 それでも返って来るまでに1秒〜2秒のラグがあるけど、俺も耳を使ってるから補正して限りなくリアルタイムに近い情報が耳郎の耳に入ってくる。その情報をビルに入った上鳴と共有してヴィランチームのいるフロアまでの道案内をした。

 

「でも、核は八百万が隠してたんだろ?何で分かったんだよ。反響だけでそんなことも分かるのか?」

「いや、最初は分かんなかった。でも、暫く反響を聴いてたら核のあったフロアの反響だけ少し部屋の広さが狭く感じたんだよね。上鳴がヴィランチームに合流した後、試しにそのフロアに行ったら案の定壁で隠されて壊してみたら核があったって訳」

「上手くいって良かった」

「いや上手くいき過ぎだから!俺なんてさぁ、トラップが何処にあるか教えて貰いながら最短ルートでヴィランチームに辿りつけたんだぜ?何か分かんねーけど、チートツールを使ってる気分だった…」

 

 ぶっちゃけ簡単にまとめると、俺と耳郎が上鳴を全力サポートに回って駒にして動かしたってこと。

 

「にしても耳郎、凄く楽しそうだったな」

「だってビルの上空から内部を全部透かしてる感じがしてすごかったんだよ!あんな感覚今までない!それに進撃だって、悪戯してる顔してたじゃん」

「まぁな」

 

 即興で考えた作戦だったけど、結構良かった。

 

「入学して2日とは思えないコンビ技だったよ!進撃少女、耳郎少女!」

「ありがとうございます「あざっす」」

「あの技は実践でも十分に活用できるモノだった。例えば、ヴィランの人数や災害時の救護者の有無とかね。名付けるなら…

《b》エコーロケーション、反「あ、勝手に決めないでくれません?先生の技じゃないんで」…ごめんなさい

「おい!ちょっとは優しく接しろよ進撃、先生だぞ!」

「え、なんで?」

「素で言いやがった⁈」

「諦めろ上鳴。これが進撃だ」

「切島はなんで悟ってんだ?」

 

「私、何もできませんでした」

「オイラも」

「いや、2人のトラップ凄かったぜ!」

「八百万は何してくるか分からないし、峰田の個性が分かんなかったから長期戦だと俺等が不味い状態になってた」

「そうそう。ウチらがヤオモモと峰田の両方を警戒してのあの方法だったんだから自信持ってよ」

「ほら。キャンディーでも食って元気出せよ」

「ありがとうございます進撃さん」

「男と女で対応の差があんじゃねーか?」

「それが進撃だ」

「だからなんで切島は悟り開いてんだよ」

 

実際問題、あの俺等以外だと突破できたのは爆破で力押しする爆豪と圧倒的制圧力を誇る轟だけだったと思う。

 

「…ありがとうございます。次の機会があれば、もう今回のような有様は見せません!必ず勝利してみせます!」

「オイラもやってやんぜ!」

「そのいきだぞ!八百万少女、峰田少年!この試合は必ず生かせる!次こそはと思う気持ちが大切だ!」

「「はい!」」

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