教えてくださった方ありがとうございます。
試験後、リカバリーガールこと
何で治与ばぁと呼んでるかと言うと、俺の父さん進撃拳がお婆ちゃんの養子だから。詳細はよく知らないけど、昔父さんを保護してそのまま自分の養子に向かい入れた。
養子になったのは良いものの、親戚関係とゴタゴタがあって父さんは自分で苗字を作って治与ばぁの修善寺の苗字と別姓にしている。
「派手にやったね。建物の被害を最小限とは、アンタにしては珍しく大人しかったじゃないかい」
治与ばぁ、流石にもう高校生になるんだから餓鬼みてーなマネしねぇよ。心当たりがあるから心の声を出しちゃいねぇけど…。
帰り際、切島が走ってきて途中まで一緒に帰ることになった。と言っても校門を出るまでだ。
「それにしても最後のアレ、スゲー威力だったな!」
「サンダーノイズのことか?思ったより威力多めだったから反省しねーとな」
「…全力じゃなかったのかアレで?」
話しててわかったことだが、切島は千葉から来ていてこの後しばらく観光してから帰るらしい。
観光か…広島じゃあこんなにビルとか立ってないから新鮮だな。俺も観光したいけど、先約あるしな。
「響鬼」
「あ、父さん」
「お!親が迎えに来てくれてんのか?仲良、いん、だ、な…?」
「試験終わったか」
「うん。最後に演習場を軽く荒らしちまったけど」
「そんぐらい気にすんな。俺なんてしょっちゅう街中を滅茶苦茶にしてんだぞ」
「それはヤベーだろ。……どした切島?何か静かだぞ」
「あ?…誰だコイツ」
「同じ演習場で知り合った切島」
「き、切島鋭児郎です!!」
「……ふ〜ん」
切島が突然おかしくなった。さっきまで元気だったのにどうしたんだろう。
ん?何、袖掴んでどうした?あ?耳を貸せって?良いけど。
「お前のオヤジさんもしかして「リトル・タイタン」なのか⁈」
「お前父さんのこと知ってんの?」
「あのヒーロースーツ見たら流石にわかるだろ!」
見て分かるのかアレで。
父さん進撃拳はヒーロー名「リトル・タイタン」。持ち前の体1つでヴィランを薙ぎ倒すことで知られてるけど、肝心の父さんが気難しくてマスコミとかの報道人を毛嫌いしてるからあんまり人気が少ない。
そしてヴィランぽいヒーローランキングには必ず上位に組み込んでる程に目付きと粗暴の悪いことも人気の少なさに拍車をかけている。
本当によく父さんのことわかったな。結構マイナーな部類だけど。
「おい」
「は、はい!!」
「俺のこと知ってんのか?」
「勿論です!一方的ですけど、テレビで熱い戦闘繰り広げてて、そん時は思わず叫んでました!漢としてスゲー尊敬してます!」
「………そっか。なら、お前も来るか?切島」
「え?」
「実は試験の後父さんの仕事が終わってから頑張ったご褒美に焼肉に連れて行ってやるって父さんが言ってくれたんだ。よかったらそれに切島も来ないかって」
「え⁈い、良いんですか?」
「…おう、来い」
「ありがとうございます!ご馳走になります!!」
…珍しい。あの気難しい父さんが初対面の切島に自分から焼肉に誘った。あれかな?純粋に尊敬って言葉かけられたことがないから嬉しかったのか。良かったな父さん、切島良い奴で。
焼肉屋で俺と父さんの食いっぷりに驚いてた切島だけど、成長期の男子で食べ盛りだから普通よりかなり食べてた。切島は明るくて所謂ムードメーカー気質だから、いつも静かに食べる俺達親子と丁度いい感じに盛り上がって楽しめた。
でも、後半父さんの話ばっかりするから父さんが羞恥心で潰れかけた。切島…手加減してやってくれ。
進撃拳のヒーロースーツのイメージは上から
肘まで袖を捲り上げた黒いカーゴジャケット
手にシルバーナックル
黒いカーゴパンツ
黒い軍用の半長靴
アクセサリーに手足にシルバーの重しをつけた全身黒一色のシルバーアクセで考えています。