バトルスピリッツ Legendary Liberator 作:bustered
この前の禁止制限を見てめっちゃ驚きました。まさかあのミカファールが帰ってくるとは……
これからミカファールが環境にどう影響してくるのか、期待と不安が入り交じりますね。
今回は急ピッチで仕上げたのもあって、少し文章がおかしなところがあるかもですが、ご了承ください。
それでは本編へ。
──
町の一等地に建てられたこの学園は、町の学園の1つであり、数少ない公立高校である。
そんな学園の教室の一室で一人の少年が外の景色を見ながら黄昏ていた。
少年──赤星カズマは、数日前に行った初バトルに思いを馳せていた。
『竜に翼を得たるが如し!紅き流星となりて降り注げ!"龍星皇メテオヴルムⅩ"、召喚!!』
『いや、勝つのは俺たちだ!フラッシュタイミング!マジック、"ソウルオーラ"!』
『メテオヴルム!!いっけえええぇぇぇ!!』
「(あれがバトスピ……何というか、何かにあんなに熱くなったのは初めてだったな……)」
「……カズマ?」
「(胸がドキドキワクワクして……ずっと続けていたいって思ったな……)」
「……もしもーし?」
「(それに俺のキースピリットのメテオヴルム……あれは本当にかっこよかったな……)」
「……カズマってば~……」
「(……そういえば、あの帰り道で聞いた声はなんだったんだろう?聞き間違いだって言うにはハッキリ聞こえたし、あれは一体──)」
「──いい加減に反応しろ!!赤星カズマ!!」
「どわあああぁぁぁ!?」
カズマに声をかけていた少女は、あまりにも無反応なカズマ流石に痺れを切らし、怒鳴りつけると、カズマはビックリして椅子から転げ落ちてしまった。
「いてて……いきなり大声で叫ばないでよ、"アヤ"」
"アヤ"と呼ばれた少女は尚も不満そうな顔で続けた。
「だって、さっきからずっと呼んでたのに全然返事をしてくれないんだもの」
「え?ずっと呼んでたの?」
「呼んでたよ!なのにずーっとボーっとしちゃってさ!」
「そ……それは、ゴメン……」
カズマも流石に反省して目の前の金髪の少女に謝罪した。
少女──"
「それで、どうしたの?クラス委員長の仕事?」
そう、アヤはカズマのクラスの委員長を務めており、カズマはその仕事をしに来たか、その手伝いを自分にお願いしに来たのかと考えていた。
しかし、アヤはそれとは違う理由でカズマに話しかけていたのだった。
「ううん。この前、実力テストがあったでしょ?カズマは一体何点とったのかなあ……って」
「う"っ……!?」
アヤの言葉にドキっとしたカズマはまるで図星を突かれたような声を出してしまった。
そんなカズマの様子にアヤもジトーっとした眼差しを向けていた。
「まさかとは思うけど……赤点取ったわけじゃないよね?」
「と、取ってないよ!流石に赤点は!」
「じゃあ、テストの結果、見せてくれる?」
「うぅ……」
カズマは観念したようにカバンに入ってるファイルの中からテストの結果がまとまった紙を取り出してアヤに渡した。
アヤがその紙を見ると、とても微妙そうな顔をした。
それもそのはず、確かにカズマの言う通り赤点は1つもなかったが、点数はかなり中途半端なものが多いのだ。
「国語72点、数学40点、理科総合54点、社会総合61点、英語46点……なあにこれぇ?」
「しょ、しょうがないじゃん。英語はまだしも数学はホントに苦手なんだから……」
「言い訳しない。苦手ならもっと勉強するべきでしょ」
「うぅ……で、でもほら、俺1つだけ100点取れてるし……」
「そうだね。1つだけ取れてるね。家庭科が。
「……」
アヤの少しの嫉妬を含んだような言い方にカズマは引きつった笑顔のまま何も言えなくなってしまった。
そう、この赤星カズマという男、異様なほどに家庭科の分野が得意なのである。
例えば、裁縫の授業で小さなポーチを作ることになった際に、他の人たちが手本通りに作りあげた中、カズマは余った布切れやフェルトを使ってポーチにデコレーションを施し、まるで店に売っているような仕上がりに仕立てたのだ。
ただ、手本通りに作らなかったため、担当の先生に怒られたのは言うまでもないが……
また、調理実習の授業でハンバーグを作る時に、焼き上げるまでは普通だったのだが、ソースを凝りに凝りすぎた結果、店で出てきそうな仕上がりになったことがあった。
もちろん、手本通りに作らなかったため(ry
他にも、料理を食べた際にその料理に使われた材料をだいたい言い当てたり、常に裁縫セットを持ち歩いて即座にほつれを直したりするなど、人一倍の家庭科好きなのだ。
そんなこんなあって、家庭科の成績はもちろん、学園の推薦で受けたコンクールも上位に入賞したこともあり、家庭科関連の部活から何度も勧誘されているのだ。
まあ、逆にそれが要因で一部の女子からは羨望と嫉妬の眼差しを向けられてはいるのだが……
「とにかく、今はよくてもこんな点数ばっかり取ってたらいずれ赤点になっちゃうよ?補習、受けることになるよ?」
「そ……それは、困る……」
そう、この虹才学園では赤点を取ると補習を受けさせられることになるのだが、これがかなり厳しい。
この学園における赤点ラインは30点なのだが、それ以下の点数を取ると"鬼補習タイム"に呼ばれてしまう。
この"鬼補習タイム"は元のテストを2倍難しくしたものを80点以上を取らなければ終わらない、まさに地獄の時間とも言っていい。
ただ、何度挑戦しても問題内容は変わらないことは唯一の救いと言えるが、勉強が苦手な人にとってはそれさえも辛いのだ。
実際、カズマもその一人である。
「はあ、しょうがないなあ……私が教えてあげるから、今回のテストの復習、しよ?」
「……恩に着るよ、アヤ」
ちょっと苦笑いをしながらも、カズマはアヤに感謝した。
そう言われ、アヤはニッコリして、
「そうと決まれば、早速図書館に──」
と言いかけたその時、
「──カズマ!!いるか!?」
というドデカい声と共に、教室のドアが勢いよく開いた。
「うわビックリした!!……ってリョウジか」
「ああ、リョウジだ。それよりもコレ見てくれよ!」
そう言ってリョウジは手に持っていたスマホの画面を見せつけた。
そこに写っていたのは──
「バトルフィールドの整理番号?」
「そう!ショップで予約を取って、整理番号を受け取って、ようやく俺の番が来たってわけだ!」
「そんなに人気なんだね、バトルフィールドでのバトルって……」
「あたぼうよ!……という訳でカズマ!早速、四季へ行くぞ!」
「ええっ!?でも俺これからアヤと……」
そう言ってカズマはアヤの方を向きながらやんわり断ろうとしたが、
「あ、悪い、委員長!今日はどうしても外せない用事があるから、カズマ借りてくな!」
「ちょ、ちょっと!?」
バトルフィールドでバトルできるということに興奮して周りが見えていないのか、困惑するアヤをよそにリョウジはカズマの首根っこを掴むとそのままズルズルとカズマを引き摺っていった。
「さあ行くぞ!バトルフィールドが俺たちを待っている!!」
「ちょっ、待ってリョウジ!首が痛い!首が痛いって──!アヤ、ゴメン!いつかこの埋め合わせは絶対するから!!」
「ちょっと、カズマ!?」
アヤが呼び止める隙もなく、カズマはリョウジに連れ去られてしまった。
教室に一人残されたアヤは顔をむくれさせながらポツンと呟いた。
「せっかくカズマと二人っきりになれると思ったのに……」
──カードショップ"四季"──
「さあ着いたぞ!」
「ゲッホゲッホ……そんな強く引っ張らなくてもいいじゃないか……」
「いやあ、すまんすまん!早くバトルがしたくてつい、な!」
「ハァ……」
能天気に笑うリョウジをよそに、カズマは先程置いてきてしまったアヤに申し訳ない気持ちでいっぱいになっており、怒っていないかとかどう埋め合わせしようかとか考えていた。
カズマがそんなことを考えているとは知らず、リョウジは意気揚々とショップの中へ入っていったので、カズマも慌ててそれに続いた。
「来たぜ、店長!」
とリョウジが元気よく店に入ると、ちょうど棚に商品を並べていたトウジが気付いて向かってきた。
「いらっしゃい。リョウジ君、カズマ君」
「店長さん、こんにちは」
「店長!バトルフィールドが空いたって聞いたからバトルしに来たぜ!」
「ああ、そうだったね。じゃあ、ステージの方へどうぞ」
「あざす!ほら、こっちだぞカズマ!」
「ああ、うん」
そう言ってリョウジが案内した場所は、最初に来た時に目を引かれた、バトルテーブルの奥にある大画面のモニターとその手前にある小さなステージだった。
よく見ると、そのステージには一人分のバトルテーブルが間隔を空けて二つ分設置されていた。
「もしかして、ここでバトルするの?」
「その通り!このステージがバトルフィールド行くためのゲートってわけだ!」
そう言いながら、リョウジはすでにバトルテーブルにライセンスカードをセットしながらデッキをシャッフルし始めていた。
カズマもそれに続いてライセンスカードをセットしてデッキをシャッフルしていると、ある事に気が付いた。
「あれ、コアはどこにあるんだ?」
そう、前にバトルした時にあったコアとそのコア入れ──もといボイドがないのだ。
それに対してシャッフルを終えてデッキゾーンにデッキをセットしたリョウジは、
「ああ、それなら大丈夫だ。とにかくデッキをセットしてみろ」
と言ったので、
「うん、わかった……」
カズマもそれに従ってデッキをセットした。
「それじゃあ、いくぜ!」
「え!?あ、うん!」
「「ゲートオープン 界放!!」」
その掛け声と共に、二人の姿は光に包まれた。
───────────────────────
光が晴れ、カズマが目を開けると、目の前には広大なフィールド──リミテッドバトルフィールドと見た目は同じものの、大きさは比べ物にならないほどのバトルフィールドが広がっていた。
と同時に、違和感を感じたカズマが自分の体を見ると、先程まで着ていた服が、ウェットスーツのような服の上に腕や胸、膝や耳元にアーマーのようなものが付いたものなっていることに気付いた。
よく見ると、胸のアーマーにはコアのようなものが五つ付いている。
「おーいカズマ、聞こえるかー?」
困惑しているカズマの耳にリョウジの声が聞こえた。
どうやら耳元のアーマーはヘッドフォンの役割をしているようだ。
カズマが正面を見ると、同じくアーマーをつけたリョウジの顔が映っていた。
「驚いているようだからな、このバトルフィールドでのバトルについて教えるぜ」
「あ、うん。お願いします」
「ああ。まず、基本的なことは普通のバトルと変わらないんだが、そこから右の方を見てくれ」
そう言われてカズマが右を向くと、そこにはバトルテーブルが映っていた。
しかし、カズマのライフカウンターの色は赤なのに対し、そのライフカウンターは緑であった。
「これ、もしかしてリョウジのフィールド?」
「そうだ。俺たちは今、かなりの距離でバトルをすることになるからな。これで相手の盤面も把握できるってわけだ。ところでカズマ、さっきコアがないって言ってたよな?ライフとリザーブ、見てみな」
「え?……あ!」
見ると、さっきまではなかったのにライフに5つ、リザーブに3つと1つ、コアとソウルコアが置かれていた。
「驚いただろ?基本的にコアの供給は自動的にやってくれるんだ。コアステップとカード効果によるコアブースト、それとライフのコアの移動もやってくれるんだ」
「へぇ~便利だね」
「あ、あとライフ関連で言うが、ライフが減ると実際に痛みを感じるぞ」
「ええっ!?それ大丈夫なの!?」
「大丈夫、大丈夫!痛みって言ってもちょっと強いデコピンくらいのやつだし」
「そ、そうなんだ……」
「ちなみに、今俺らが身に付けているコレは、"バトルスーツ"って言うもので、このバトルフィールドでバトルする時に自動的に装着されて、強いダメージを受けても軽減してくれるのさ」
「かなり重要なモノなんだね、コレ……」
「最後に、ここでの先攻後攻もこのフィールドが自動的に決めてくれるぜ」
リョウジがそう言っていると、カズマの目の前にコインの映像が流れ、それがトスされ弾けると、
『先攻 緑川リョウジ VS 後攻 赤星カズマ』
という文字が表れた。
「よし、俺が先攻だな。あとはデッキから4枚ドローして手札にしたらバトルスタートだ!」
「うん!こっちも準備万端だよ!」
そう言いながら、二人は手札を構えた。
TURN1 sideリョウジ
「んじゃ、俺からいくぜ。スタートステップ、ドローステップ」
HAND:4→5
「メインステップ!ネクサス、"賢者の樹の実"を配置!」
リョウジが1枚のカードをフィールドに置いた。
するとリョウジの背後に、黄金に輝く実がいくつもついた巨大な樹が生えた。
賢者の樹の実 Lv.1(0)
HAND:5→4
「"ネクサス"……?」
「おっと、この前レクチャーしたのをもう忘れたのか?ネクサスっていうのは、スピリットと同じ様にシンボルとレベルは持ってるけどアタックはできない。だけど配置しておくだけで様々なアドバンテージを得ることができるサポートカードだって説明しただろ?」
「ああ、そうだ思い出した。確か"シンボルがついた置くマジックのようなもの"……だっけ?」
「そうそう、そんな感じだ。じゃあエンドステップ、これでターンエンドだ」
TURN1 sideリョウジ Result
LIFE:5
DECK:35
HAND:4
RESERVE:0
TRASH:4《S》
BURST:なし
COUNT:0
FIELD
Nexus
・賢者の樹の実 Lv.1(0)
TURN2 sideカズマ
「じゃあ俺のターン。スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ」
HAND:4→5
RESERVE:4《S》→5《S》
カズマがターンを開始すると、スタートステップの時はLBFのアバターと同じ様にテーブルが一瞬光り、コアステップの時は文字通り何も無いところからコアがリザーブに追加された。
「本当にコアは自動的に追加されるんだね……」
「ああ、ビックリだろ?」
「確かにビックリだ」
そんなやりとりをした後、カズマは手札から1枚のカードを手に取った。
「メインステップ!初のバトルフィールドで最初に召喚するスピリットはコイツだ!"煌星竜コメットヴルム"を召喚!」
カズマがスピリットを召喚すると、バトルフィールドにルビーのシンボルが出現し、それが砕けると、まるで星空を模したかのようなカラーリングのドラゴン、煌星竜コメットヴルムが現れた。
煌星竜コメットヴルム Lv.1(1)《S》 BP 3000
「すごい……リミテッドの時よりスピリットを間近に感じられる……!」
「だろ!?ワクワクするだろ!」
「うん!」
カズマがバトルフィールドでのスピリットに興奮していると、リョウジもそれに共感していた。
「よし!このままアタックステップ!コメットヴルムでアタック!」
カズマがアタックを宣言すると、コメットヴルムは吼えながら羽ばたいた。
「コメットヴルムのアタック時効果、発揮!デッキの上から3枚オープン!」
捲れたカード
・ブロンズ・ヴルム
・フェイタルドロー
・ソウルオーラ
「その中から、系統:星竜を持つスピリット──ブロンズ・ヴルムを手札に加えて残りは破棄。そしてメインのアタック!」
HAND:4→5
「ライフで受けるぜ!」
コメットヴルムがリョウジの目の前まで飛んで来ると、リョウジの周りをバリアが囲い、コメットヴルムの直撃を阻止したが、そのバリアもすぐに砕かれた。そしてバリアが砕けたと同時に、リョウジのアーマーのコアが破壊される音がした。
リョウジ LIFE:5→4 RESERVE:0→1
「うおっ!?」
「ほ、本当に大丈夫か?リョウジ……」
「だから、大丈夫だって!」
「そう……か」
心配するカズマをよそに、リョウジはケラケラ笑っていた。
「それに、今のアタックは俺にとってはありがたいしな。ネクサス、賢者の樹の実の効果を発揮!」
リョウジが効果の発揮を宣言すると、賢者の樹がざわめき、樹に付いた黄金の実が1つ落ち、それがコアに変化してリョウジのリザーブに納まった。
リョウジ RESERVE:1→2
「ネクサスの効果……それにコアが増えた!?」
「これが、賢者の樹の実のレベル1、2の効果。相手のスピリットによって自分のライフが減った時、ボイドからコア1個をリザーブに置く。つまり、ライフが減ればコアを1つ多めに獲得できるってわけさ」
「そんな効果が……エンドステップ、ターンエンドだ」
TURN2 sideカズマ Result
LIFE:5
DECK:32
HAND:5
RESERVE:0
TRASH:4
BURST:なし
COUNT:0
FIELD
Spirit
・煌星竜コメットヴルム Lv.1(1)《S》 BP 3000(T)
TURN3 sideリョウジ
「まさか先制パンチを喰らうとはな……だが、まだまだこれからだぜ!俺のターン。スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ」
HAND:4→5
RESERVE:4→7《S》
「メインステップ。じゃあ俺もスピリットを出させてもらおうかな。"ビートビートル(Re)"をレベル2、"殻武人テンドウ"をレベル1で召喚!」
リョウジがスピリットを召喚すると、バトルフィールドにエメラルドのシンボルが出現し、それが砕けると、2体のスピリットが現れた。
一体は、その名の通りカブトムシの姿をしたスピリット、"ビートビートル"。
もう一体は、まさに武士の姿をしたテントウムシのスピリット、"殻武人テンドウ"だ。
ビートビートル(Re) Lv.2(2) BP 4000
殻武人テンドウ Lv.1(1)《S》 BP 2000
HAND:5→3
RESERVE:7《S》→2
スピリットを召喚したリョウジは、さらにここで新たな手を出してきた。
「そして……"バースト"セット!」
HAND:3→2
BURST:なし→セット
「"バースト"!?」
「そういや、あの時はバーストについてあまり説明してなかったな。バーストっていうのは、バースト効果を持ったカードを1枚だけバーストゾーンにセットできるっていう、何が起こるかわからない、ドキドキのギミックのことだ。バースト効果の発動条件を満たした時、初めてバーストを発動できるようになるのさ。もちろん、バーストゾーンが空いたら、また別のバーストをセットすることができるぜ」
ちなみに、バーストはすでにセットしてある状態であっても、別のバーストをセットすることができるぞ。
その場合は、すでにセットしてあるバーストは破棄されてしまうので注意しよう。
「アタックステップ。さて、ライフを削られる用意はいいか?カズマ」
「……来い!」
カズマは内心、ライフダメージによる痛みに恐怖を感じていたが、覚悟を決めたようだ。
「じゃあいくぜ!殻武人テンドウでアタック!アタック時効果、ボイドからコア1個をこのスピリットに追加!さらにレベル2にアップだ!」
リョウジがアタック宣言をすると、テンドウが羽ばたきながらカズマへ向かっていった。
その最中、テンドウは力をみなぎらせ、さらに強くなった。
殻武人テンドウ Lv.1(1)《S》 BP 2000
→Lv.2(2)《S》 BP 4000
「……ライフで受ける!」
テンドウがカズマの目の前まで来ると、カズマをバリアが囲い、テンドウの攻撃を阻止したが、バリアが砕かれ、カズマのアーマーのコアが破壊された。
カズマ LIFE:5→4 RESERVE:0→1
「痛っ……!……あれ?あんまり痛くない……」
「な?言っただろ?ちょっと強いデコピンだって」
「ああ……そう、だね。はは……」
カズマは予想よりかなり弱い痛みに拍子抜けしてしまい、苦笑いするしかなかった。
「エンドステップ、ターンエンドだ」
TURN3 sideリョウジ Result
LIFE:4
DECK:34
HAND:2
RESERVE:2
TRASH:2
BURST:セット
COUNT:0
FIELD
Spirit
・ビートビートル(Re) Lv.2(2) BP 4000(U)
・殻武人テンドウ Lv.2(2)《S》 BP 4000(T)
Nexus
・賢者の樹の実 Lv.1(0)
TURN4 sideカズマ
「(正直、痛みがあるって聞いてビビってたけど……それほどじゃないってわかったし……ここからはバトルに集中だ!)」
カズマは肩の荷が降りたようで、再びバトルに集中することにした。
「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ」
HAND:5→6
RESERVE:5→6
「メインステップ!ブロンズ・ヴルムを2体召喚!」
ここでカズマが召喚したのは、前回のバトルでも使われたブロンズ・ヴルムだった。
ブロンズ・ヴルム Lv.1(1) BP 3000
ブロンズ・ヴルム Lv.1(1) BP 3000
HAND:6→4
RESERVE:6→2
「(でもこのままじゃ、ビートビートルのBPに負ける……なら!)さらに、コメットヴルムをレベル2にアップ!」
煌星竜コメットヴルム Lv.1(1)《S》 BP 3000
→Lv.2(3)《S》 BP 5000
RESERVE:3→0
ふと、カズマが自分の手札を確認すると、あることに気付いた。
「(このカード、"バースト"って書いてあるな……ならこれをセットすればいいのかな……よし!)」
そう考え、カズマはそのカードを手に取る。
「俺も、バーストセット!」
HAND:4→3
BURST:なし→セット
「おっ!そっちもバーストをセットしてきたか!」
「ああ。そして、アタックステップ!コメットヴルム、アタックだ!アタック時効果発揮!」
捲れたカード
・レイニードル(Re)
・ソウルドロー
・龍星皇メテオヴルムⅩ
「来た……!龍星皇メテオヴルムⅩを手札に加える!」
HAND:3→4
「キースピリットを手札に加えたか。運がいいな」
メテオヴルムを手札に引き寄せたことで思わず顔が綻ぶカズマ。
「だが──」
しかし──笑っていたのはカズマだけではなかった。
「カズマ、お前今、
「え?確かに増やしたけど……」
そう聞くと、リョウジはニヤリと笑いながら高らかに宣言した。
「バースト……発動だ!」
「!?」
リョウジがそう言うと、バトルフィールドに突風が吹き、それに乗って、複数の手裏剣が飛んできた。
手裏剣はカズマのフィールドで飛び回るとブロンズ・ヴルムたちに向かって投げられ、2体は地面に磔にされてしまった。
その後、手裏剣が2つリョウジに向かって投げられたが、その手裏剣はコアに変化してリョウジのリザーブに納まった。
リョウジ RESERVE:2→4
何が起きたのかわからない、という顔をしているカズマにリョウジは何が起きたのかを説明した。
「バーストマジック、"千枚手裏剣"。こいつの発動条件は、"相手の効果によって相手の手札が増えた時"。そしてそのバースト効果は、相手スピリット2体を疲労させ、ボイドからコア2個をリザーブに置く。この効果でブロンズ・ヴルムを疲労させたのさ」
「くっ……!」
「それにまだ終わりじゃないぜ?バースト効果を発動させたマジックは、その後コストを支払うことで通常のマジックの効果を発動できるのさ!よって、千枚手裏剣のフラッシュ効果を発動!このターン、ビートビートルのBPをプラス4000!これでビートビートルのBPは合計8000!そのままコメットヴルムをブロックだ!」
リョウジ RESERVE:4→2
千枚手裏剣によって起きた突風がビートビートルを包み込むと、ビートビートルはその突風に乗りながらコメットヴルムの懐に入りこみ、自身のツノをコメットヴルムの胸部に食い込ませる。そしてそのままグルグルと自身の身体を小さな竜巻ができるほど回転させた後、コメットヴルムを思い切り投げ飛ばした。その様子はまるで某甲虫王者の必殺技のようだった。
投げ飛ばされたコメットヴルムは地面に強く叩き落とされ、破壊された。
BATTLE
煌星竜コメットヴルム Lv.2(3)《S》 BP 5000
VS
ビートビートル(Re) Lv.2(2) BP 8000(4000+4000)
ビートビートル(Re) WIN
RESERVE:1→4《S》
「コメットヴルム!」
「どうだ?これがバーストの力だ。ビックリしただろ?」
「……うん、正直かなりビックリしたよ」
たった1枚のバーストが発動しただけで、3体のスピリットの内、2体が疲労、1体が破壊されてしまった。
非公開領域からの奇襲はとても恐ろしいものである。
「……エンドステップ、ターンエンド」
TURN4 sideカズマ Result
LIFE:4
DECK:28
HAND:4
RESERVE:3《S》
TRASH:2
BURST:セット
COUNT:0
FIELD
Spirit
・ブロンズ・ヴルム Lv.1(1) BP 3000(T)
・ブロンズ・ヴルム Lv.1(1) BP 3000(T)
TURN5 sideリョウジ
「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ」
RESERVE:2→7
HAND:2→3
「メインステップ。まずは、ビートビートル(Re)をレベル1にダウン」
ビートビートル(Re) Lv.2(2) BP 4000
→Lv.1(1) BP 2000
RESERVE:7→8
「そしてネクサス、"戦場に息づく命"を配置!」
リョウジが新たなネクサスを配置すると、賢者の樹の実の根本に小さな植物の芽が生えた。
戦場に息づく命 Lv.1(0)
RESERVE:8→7
HAND:3→2
「さらに、バーストセット!」
BURST:なし→セット
HAND:2→1
「2体目の殻武人テンドウを召喚!さらに、先に出していたテンドウにコアを1つ追加!」
フィールドに新たなテンドウが召喚され、2体のテンドウは嬉しそうに向き合っていた。
さらに、元からいたテンドウはコアが追加されてより嬉しそうであった。
殻武人テンドウ Lv.1(1) BP 2000
RESERVE:7→4
HAND:1→0
殻武人テンドウ Lv.2(3)《S》 BP 4000
RESERVE:4→3
「最後に、残りのコアを賢者の樹の実に全て置いてレベル2にアップだ!」
賢者の樹の実 Lv.1(0)→Lv.2(3)
RESERVE:3→0
これでリョウジは手札もリザーブのコアもゼロになってしまった。
それほどにまで強気に攻めるということは、何か秘策があるのだろうか……
「アタックステップ!レベル2のテンドウでアタック!アタック時効果でコア1個をこのスピリットに追加!さらにレベル3にアップ!」
殻武人テンドウ Lv.2(3)《S》 BP 4000
→Lv.3(4)《S》 BP 6000
「ライフで受ける……!」
カズマ LIFE:4→3 RESERVE:3《S》→4《S》
「もう一体のテンドウもアタック!アタック時効果でコアブースト!レベル2にアップ!」
殻武人テンドウ Lv.1(1) BP 2000
→Lv.2(2) BP 4000
「これもライフだ……!」
カズマ LIFE:3→2 RESERVE:4《S》→5《S》
2回連続でテンドウのアタックを受けたカズマ。
しかし、2回目のアタック後、反撃に出た。
「でもこれで……バースト発動だ!」
そう、カズマも前のターンにバーストをセットしていたのだ。
そして、それが今発動された。
「"覇王爆炎撃"のバースト効果!BP4000以下の相手スピリットを3体破壊する!」
「おっと、ビートビートルが破壊されちまうな……」
「いや、それだけじゃないよ。ここで、ブロンズ・ヴルムの"【
「!」
"【
この【強化】を持ったスピリットが存在すると、一部のカード効果の範囲を拡げることができるのだ。
例えば、赤のスピリットが持つ【強化】は、"BPを参照した破壊効果のBP範囲を+1000する"というものだ。
つまり、BP3000以下のスピリットを破壊する効果を発動した時に【強化】を持ったスピリットが1体いれば、"BP3000以下"という上限に+1000され、BP4000以下のスピリットを破壊する効果にパワーアップするのだ。
【強化】は【強化】を持ったスピリットをフィールドに集めれば集めるほど、どんどん強くなる効果なのである。
【強化】はそれぞれの色にあり、その対象も異なるので、興味があれば調べてみてほしい。
「俺のフィールドにはブロンズ・ヴルムが2体いる。よって2チャージ追加でBP6000以下のスピリットを3体破壊だ!」
カズマのフィールドに炎の玉が現れると、ブロンズ・ヴルムの体から光の線が炎の玉に注ぎ込まれる。
そして炎の玉が弾け、2体のテンドウとビートビートルは炎の玉に焼かれて破壊された。
リョウジ RESERVE:0→7《S》
「やるな……早速バーストを使いこなしてるな、カズマ」
「えへへ……」
これにはリョウジもかなり感心した。
カズマは初めてバーストを発動した嬉しさとリョウジに褒められた嬉しさで、はにかんでいた。
「だが、こっちのスピリットの破壊は、このバーストの発動条件だ!バースト発動、"双光気弾(Re)"!バースト効果で2枚ドロー!」
しかし、リョウジもタダでは転ばない。
バーストで手札を潤し、次のターンに備えた。
リョウジ HAND:0→2
「今できることはもうないな……エンドステップ、ターンエンドだ」
TURN5 sideリョウジ Result
LIFE:4
DECK:33
HAND:2
RESERVE:7《S》
TRASH:3
BURST:なし
COUNT:0
FIELD
Nexus
・賢者の樹の実 Lv.2(3)
・戦場に息づく命 Lv.1(0)
TURN6 sideカズマ
「よし!スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ」
HAND:4→5
RESERVE:5《S》→8《S》
「メインステップ!ライト・ブレイドラを召喚!」
ライト・ブレイドラ Lv.1(1) BP 1000
RESERVE:8《S》→7《S》
HAND:5→4
「そして──」
カズマが1枚のカードを掲げる。
そのカードは先程コメットヴルムが持ってきた、カズマのキースピリット──
「竜に翼を得たるが如し!紅き流星となりて降り注げ!"龍星皇メテオヴルムⅩ"、召喚!!」
カズマが、キースピリットを召喚すると、バトルフィールドに無数の隕石が降り注ぎ、地面に激突して爆発し、今度は今までより巨大な隕石が上空から降り、地面に激突し大爆発を起こす。
そしてその爆心地から炎を纏ったドラゴン──"龍星皇メテオヴルムⅩ"が現れ、咆哮した。
『グルアアアァァァ!!!』
龍星皇メテオヴルムⅩ Lv.2(3)《S》 BP 10000
RESERVE:7《S》→0
HAND:4→3
「ついに来たか、メテオヴルム……!」
カズマのキースピリットの登場に、リョウジはかなり警戒していた。
「アタックステップ!行くぞ!メテオヴルム!」
メテオヴルムが咆哮し、リョウジに向かって飛び立つ。
このままフルアタックが決まれば、カズマの勝利だが──
「まだ終わらねえよ!フラッシュタイミング!マジック、"ブリザードウォール"!このターン、ブロックされなかったスピリットのアタックでは1つしかライフは減らない!そしてそのアタックはライフで受けるぜ!」
HAND:2→1
RESERVE:7《S》→2《S》
LIFE:4→3
RESERVE:2《S》→3《S》
メテオヴルムがリョウジのライフを削ると猛吹雪が吹き荒れ、カズマのスピリットの進行を防いだ。
さらに、その吹雪によって賢者の樹も揺られていた。
「ライフが減ったことにより、賢者の樹の実の効果発揮!ボイドからコア1個をリザーブへ!」
RESERVE:3《S》→4《S》
このターンで決めようとしていたカズマだったが、ブリザードウォールでライフを1つしか削れなかった上に余計にコアを与えてしまったことに少し不機嫌になってしまった。
『グルルルル……』
心なしか、メテオヴルムも不機嫌そうだ。
「エンドステップ、ターンエンドだ」
TURN6 sideカズマ Result
LIFE:2
DECK:27
HAND:3
RESERVE:0
TRASH:4
BURST:なし
COUNT:0
FIELD
Spirit
・ブロンズ・ヴルム Lv.1(1) BP 3000(U)
・ブロンズ・ヴルム Lv.1(1) BP 3000(U)
・ライト・ブレイドラ Lv.1(1) BP 1000(U)
・龍星皇メテオヴルムⅩ Lv.2(3)《S》 BP 10000(T)
TURN7 sideリョウジ
「さて……ここで何か引かなきゃ負けちまうな……スタートステップ、コアステップ──に、入ったこの瞬間!ネクサス、戦場に息づく命の効果発揮!」
リョウジがそう宣言すると、小さな植物の芽が淡く光りだした。
「このネクサスがある時、コアステップでコアを増やさないかわりに1枚ドローすることができる。よって、コアブーストを放棄してドロー!」
HAND:1→2
「そしてドローステップ、リフレッシュステップ」
HAND:2→3
RESERVE:4《S》→12《S》
カズマはリョウジのコアの数を見て驚いていた。
「これだけコアがあれば、コアブーストを放棄しても平気だね」
「そ、だけど緑デッキはその分手札が枯渇しやすい。だからドローカードは重宝してるのさ」
「なるほど……」
「続けるぜ?メインステップ。"ブラックマッハジーⅩ"を召喚!」
リョウジが新たに召喚したのは三又のツノが生えた黒いムシのスピリットだった。
……ちなみにモチーフはあえて言わないでおく。
ブラックマッハジーⅩ Lv.1(1) BP 3000
RESERVE:12《S》→9《S》
HAND:3→2
「召喚時効果。ボイドからコア1個をリザーブへ」
RESERVE:9《S》→10《S》
「そしてマジック、"ハンドリバース"を使用!」
RESERVE:10《S》→7《S》
HAND:2→1
「ハンドリバース?」
「ああ、このマジックはまず自分の手札を全て捨てるんだ。俺は手札に残ってるこのカード、"ワイルドライド"を捨てる」
HAND:1→0
「ええ!?せっかくの手札を捨てちゃうの!?」
「落ち着けって。まだこのカードの効果は続きがある。その後、相手の手札の枚数と同じになるようにドローするのさ」
「ということは、俺の手札は3枚だから……」
「そう、俺はデッキから3枚のカードをドロー!」
HAND:0→3
「すごい、1枚が3枚になった……!」
「だろ?しかもこのカード、裏技があってな?手札が1枚もなくても使用できるから、その場合はノーコストで大量ドローが狙えるのさ!」
「マジか!」
ちなみにこのハンドリバースにはリバイバル版が存在するのだが、そちらは最低でも手札を1枚捨てなくてはいけないので注意しよう。その代わり、コストにソウルコアを使用すれば、1枚多くドローできるぞ。
「……」
リョウジはドローしたカードを見て少し考え──
「……バーストセット、そしてビートビートル(Re)を召喚」
BURST:なし→セット
ビートビートル(Re) Lv.2(2) BP 4000
RESERVE:7《S》→5《S》
HAND:3→1
「アタックステップは何もしない。エンドステップに入る。トラッシュの"ワイルドライド"は自分のエンドステップに手札に戻る」
HAND:1→2
「そのカードって、さっきハンドリバースで捨てた……」
「その通り。これもハンドリバースのデメリットを回避する方法の一つなのさ。改めて、ターンエンド」
TURN7 sideリョウジ Result
LIFE:3
DECK:29
HAND:2
RESERVE:5《S》
TRASH:5
BURST:なし
COUNT:0
FIELD
Spirit
・ブラックマッハジーⅩ Lv.1(1) BP 3000(U)
・ビートビートル(Re) Lv.2(2) BP 4000(U)
Nexus
・賢者の樹の実 Lv.2(3)
・戦場に息づく命 Lv.1(0)
TURN8 sideカズマ
「よし、リョウジの動きが止まった今がチャンスだ……!俺のターン。スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ」
RESERVE:0→5
HAND:3→4
「メインステップ!レイニードル(Re)を召喚!」
ここでカズマが召喚したのは前回のバトルでメテオヴルムⅩの召喚に大きく貢献したスピリットだった。
レイニードル(Re) Lv.2(2) BP 3000
RESERVE:5→3
「さらに、ブロンズ・ヴルム1体をレベル2にアップ!」
ブロンズ・ヴルム Lv.1(1) BP 3000
→Lv.2(3) BP 5000
RESERVE:3→1
「アタックステップ!メテオヴルム、アタックだ!」
メテオヴルムが咆哮すると、カズマのスピリットの身体が煌めく炎に包まれ、咆哮の衝撃波がリョウジのフィールドにまで及んだ。
「メテオヴルムのアタック時効果、【激突Ⅹ】発揮!相手は可能ならこのアタックを必ずブロックしなければならない!」
「やっぱ強えな、その効果……そのアタックはビートビートル(Re)でブロックするぜ」
メテオヴルムが炎を纏って身体を畳み、そこから一直線に突進すると、その前に塞がったビートビートルをものともせずに突き進み、それを一瞬の内に破壊した。
BATTLE
龍星皇メテオヴルムⅩ Lv.2(3)《S》 BP 10000
VS
ビートビートル(Re) Lv.2(2) BP 4000
龍星皇メテオヴルムⅩ WIN
RESERVE:5《S》→7《S》
「【激突Ⅹ】をブロックしたスピリットが破壊されたから、相手のライフのコア1個をリザーブへ!」
リョウジ LIFE:3→2 RESERVE:7《S》→8《S》
「くぅっ……!だけど今、俺のライフが相手のスピリットによって減らされた。よって、賢者の樹の実の効果でボイドからコア1個をリザーブへ!」
RESERVE:8《S》→9《S》
「次だ!レベル2のブロンズ・ヴルムでアタック!メテオヴルムの効果でブロンズ・ヴルムも【激突Ⅹ】発揮!」
「ブラックマッハジーⅩでブロック……!」
ブラックマッハジーがブロンズ・ヴルムの周りで旋回しながら翻弄するも、ブロンズ・ヴルムはその移動する位置を捉えて攻撃すると、見事にブラックマッハジーに命中し、ブラックマッハジーは破壊された。
BATTLE
ブロンズ・ヴルム Lv.2(3) BP 5000
VS
ブラックマッハジーⅩ Lv.1(1) BP 3000
ブロンズ・ヴルム WIN
RESERVE:9《S》→10《S》
「破壊したことにより、相手のライフを1つリザーブへ!」
リョウジ LIFE:2→1 RESERVE:10《S》→11《S》
「賢者の樹の実の効果……!」
RESERVE:11《S》→12《S》
「これでブロッカーはいなくなった。決着をつけさせてもらうよ、リョウジ!」
「……」
リョウジは黙ったまま俯いている。
しかしこの時、カズマは感じていた。
フィールドに吹く、微弱な風を。
そして──その風が、徐々に強くなっていることを。
「それは……どうかな!」
リョウジがニヤリと笑いながら顔を上げ、大きく右腕を掲げて宣言した。
「"相手による自分のスピリットの破壊"により、バースト発動!」
リョウジがバーストを発動させると、千枚手裏剣の時と比べ物にならないほどの強い烈風が吹き荒れ、バトルフィールドに巨大な竜巻が発生した。
その竜巻の威力は凄まじく、ブロンズ・ヴルムとレイニードルはその風によって吹き飛ばされ、2体とも目を回してしまった。
「このバーストの効果により、ブロンズ・ヴルムとレイニードルの2体を疲労させる。さらに、自分のリザーブ、トラッシュ、フィールドにコアが合計8個以上あれば、このスピリットをノーコストで召喚できる!」
現在、リョウジの総コア数は20。
余裕で条件を満たしている。
「舞え!疾風の麗虫よ!"風の覇王ドルクス・ウシワカ"、バースト召喚!」
リョウジがバースト召喚すると、竜巻の中にシルエットが浮かび、それが羽を広げて竜巻の中から現れた。
鮮やかな翡翠色の体に、秀麗な黄金色の羽、これこそが所謂
ちなみにこのスピリット、見た目はどう見ても鳥なのだが、系統は"殻虫"なのである。
その証拠に、"ドルクス"という名前は、ラテン語で"オオクワガタ"を意味している。
閑話休題。
風の覇王ドルクス・ウシワカ Lv.3(5) BP10000
RESERVE:12《S》→7《S》
「ドルクス・ウシワカ……これが、リョウジのキースピリットか……!」
Xレアの登場にカズマも興奮していたが、リョウジはあっけらかんとした表情でこう言い放った。
「いや?こいつは俺のキースピリットじゃねえけど?」
「え、違うの?」
「ああ。俺にはもっとグレイトなキースピリットがいるからな!……話を戻すがカズマ、まだお前のアタックステップだぜ?」
「あっ……」
ドルクス・ウシワカに魅了されていて忘れていたが、今はカズマのアタックステップ。
しかし、そのドルクス・ウシワカの効果でブロンズ・ヴルムとレイニードルが疲労させられ、残っているのはライト・ブレイドラ1体だけ。
しかもパワーは10倍も違うのでアタックしても返り討ちにあうのがオチ。
実際、ライト・ブレイドラはドルクス・ウシワカを目の前にしてプルプル震えている。
「……ターンエンド」
TURN8 sideカズマ Result
LIFE:2
DECK:26
HAND:3
RESERVE:1
TRASH:0
BURST:なし
COUNT:0
FIELD
Spirit
・レイニードル(Re) Lv.2(2) BP 3000(T)
・ブロンズ・ヴルム Lv.1(1) BP 3000(T)
・ブロンズ・ヴルム Lv.2(3) BP 5000(T)
・ライト・ブレイドラ Lv.1(1) BP 1000(U)
・龍星皇メテオヴルムⅩ Lv.2(3)《S》 BP 10000(T)
TURN9 sideリョウジ
「ふう危ねえ……さて、そろそろ勝負を決めないとな。スタートステップ、戦場に息づく命の効果でコアステップを放棄してドロー。そしてドローステップ……!」
HAND:2→4
ドローしたカードを見て、リョウジはハっとなり、笑みを浮かべた。
「……リフレッシュステップ、メインステップ!待たせたなカズマ!見せてやるぜ、俺のキースピリットを!」
RESERVE:7《S》→12《S》
リョウジが手札を1枚取って大きく右腕を掲げる。
このカードこそ、リョウジのキースピリット──
「屈強なる甲虫戦士よ!己が魂をその刃に宿し、敵を切り裂け!"甲殻剣士ラミニフェンサー"、召喚!!」
リョウジがキースピリットを召喚した。
すると、バトルフィールドの上空から黄金色の剣が回転しながら落下してきて、その刃がバトルフィールドの地面に突き刺さり、半径20メートル程の地面に亀裂が走る。
そして黄金色の剣が刺さった場所の地面からクワガタムシのツノを想起させる突起が見えたかと思うと、その地面から一体のスピリットが飛び出てきて着地した。
全体的な黒いカラーリングに暗い赤色のライン、そして輝く胸の緑。
これこそが緑川リョウジのキースピリット、甲殻剣士ラミニフェンサーなのである。
ラミニフェンサーは突き刺さった剣を引き抜き、頭の鞘に収めたのだった。
甲殻剣士ラミニフェンサー Lv.3(6)《S》 BP 11000
RESERVE:12《S》→4
HAND:4→3
「こいつが俺の相棒だ!……だが、これだけじゃない。こいつを……こいつらの力を引き出すために、さらにこのカードも出す!」
そう言って、リョウジは手札を1枚取ってフィールドに出す。
「吹けよ、緑の風!剣と化して敵を討て!"異魔神ブレイヴ"、"風魔神"召喚!」
すると、フィールドにまたまた風が吹き荒れ、その風がリョウジのフィールドに集まり、中から翼を模した光背を背後につけた二振の剣を持った騎士──もとい、異魔神ブレイヴ、"風魔神"が現れた。
風魔神 Lv.1(0) BP 4000
「異魔神……ブレイヴ……!?」
新たなタイプのカードの登場に、カズマは驚きを隠せなかった。
「ああ。とりあえずカズマ、"ブレイヴ"について教えたのは覚えてるよな?」
「あ、うん。確か、"ブレイヴ"はスピリットの上に重ねることで、そのスピリットにコスト、パワー、色、シンボル、そして合体時効果を与えるカード……だよね?」
「その通り。そしてそのブレイヴの中でもかなり異質なカード、それが"異魔神ブレイヴ"だ。普通のブレイヴと異魔神ブレイヴの違いは3つほどある。まず最初は……カズマ、ブレイヴはスピリット状態として単体でフィールドに出せることも教えたよな?なら、コイツを見ていると何かに気付かないか?」
そう言われてカズマがそのカードを見ると、あることに気が付いた。
「あっ!このカード、コアが乗ってない!」
そう、本来ブレイヴのスピリット状態を維持するためにはコアが乗っていなければならないが、このカードにはそれがないのである。
「正解だ。これが異魔神ブレイヴの特徴その1、"維持コアが必要ない"、だ。まあその代わり、異魔神ブレイヴ単体ではアタックとブロックができないんだけどな」
付け加えると、異魔神ブレイヴは疲労状態にならないので、疲労状態のカードを参照する効果を受けないという強みがある。
ただ、アタックとブロックができないのでそれは些細な問題かもしれないが。
「そしてこれが2つ目……風魔神!左にドルクス・ウシワカ、右にラミニフェンサーを
リョウジがドルクス・ウシワカとラミニフェンサーのカードの上に風魔神のカードを重ねると、風魔神の剣先から緑色の光が伸びて、それが二体のスピリットと繋がり、風魔神とスピリットを
風の覇王ドルクス・ウシワカ(風魔神と左合体中)
Lv.3(5) BP14000(10000+4000)
甲殻剣士ラミニフェンサー(風魔神と右合体中)
Lv.3(6)《S》 BP 15000(11000+4000)
「2体のスピリットとブレイヴした……!」
「これが異魔神ブレイヴの特徴その2、"2体のスピリットと同時ブレイヴできる"ことだ!」
本来、スピリット1体につき合体できるブレイヴは1つだけなのだが、異魔神ブレイヴは1枚で2体のスピリットに合体して強化できる体数を増やすことができる便利なカードなのだ。
ちなみにカードによってはその逆バージョンもあるのだが……今は割愛させてもらう。
「アタックステップ!ドルクス・ウシワカでアタック!」
リョウジがアタック宣言をすると、ドルクス・ウシワカが羽を広げながら飛び立った。
と同時に、風魔神の左手に持つ剣が緑色に光った。
「風魔神の
風魔神が左手の剣が振るうと、緑色の風の刃が放たれ、それがライト・ブレイドラを切り裂いた。
RESERVE:1→2
「さらに、この効果で破壊したスピリットと同じ色のマジックを相手はこのバトルの間のみ使用できない!」
カズマが驚いて手札を見る。
その中には、赤のマジックが1枚──。
「これでもしファイアーウォールがあったとしても、このバトルの間は発動できない……どのみち、ブロッカーがいないんじゃ、これで終わりだがな!」
「いや、まだ終わらない!フラッシュタイミング!マジック、"ピュアエリクサー(Re)"!不足コストはレイニードル(Re) から確保!」
レイニードル(Re) Lv.2(2) BP 3000
→Lv.1(1) BP 1000
RESERVE:2→0
「んなっ!?そのマジックは店長の……!」
「うん、あの後店長に貰ったんだ。ピュアエリクサーの効果で、俺のスピリットを全て回復する!」
カズマがピュアエリクサーを発動すると、前と同じ様に口が3つあるフラスコが現れ、口から一滴の水滴が垂れ、波紋を起こすと、その波紋を浴びたカズマのスピリットたちはたちまち力をつけて立ち上がった。
「そしてそのアタックはレイニードルでブロック!」
飛んで来るドルクス・ウシワカの前にレイニードルが立ち塞がるが、ドルクス・ウシワカの風圧に吹き飛ばされてレイニードルは破壊された。
風の覇王ドルクス・ウシワカ(風魔神と左合体中)
Lv.3(5) BP14000(10000+4000)
VS
レイニードル(Re) Lv.1(1) BP 1000
風の覇王ドルクス・ウシワカ WIN
RESERVE:0→1
「バトル終了時、ドルクス・ウシワカの効果発揮。このスピリットを手札に戻すことで、ラミニフェンサーのBPをプラス3000する!」
リョウジの元に戻ったドルクス・ウシワカが風を吹き上げながらリョウジの手札に戻る、と同時にその風がラミニフェンサーの剣に纏い、さらに威力を増した。
甲殻剣士ラミニフェンサー(風魔神と右合体中)
Lv.3(6)《S》 BP 18000(11000+4000+3000)
「ごめん、レイニードル……でもこれで、このターンは耐えられる!」
レイニードルが破壊されたことに悲しみつつも、希望を繋いでくれたことに感謝するカズマ。
しかし──
「──それはどうかな?」
それを遮るはリョウジ。
そして次は──キースピリットのアタックだ。
「いくぜ!切り裂け、ラミニフェンサー!」
ラミニフェンサーが頭の剣を取って構え、走り出す。
と同時に、風魔神の右手に持つ剣が緑色に光った。
「風魔神の
風魔神が右手の剣を振るうと、風がラミニフェンサーに纏わり翼の形となった。
「さっきと効果が違う!」
「これが異魔神ブレイヴの特徴その3、″カードによっては左右で効果が違うものがある″ってことだ!さらにアタック時のフラッシュタイミング!マジック、"ワイルドライド"!このターン、ラミニフェンサーのBPをプラス3000!しかもバトルに勝てば回復する!」
甲殻剣士ラミニフェンサー(風魔神と右合体中)
Lv.3(6)《S》 BP 21000(11000+4000+3000+3000)
「BP21000……!」
「さあ、どうする!?」
「……!2体のブロンズ・ヴルムでブロック!」
ここでブロックしなければ、ライフが2個しかないカズマは負けてしまう。
ここはブロックせざるを得なかった。
「メテオヴルムではブロックしてこなかったか……まあいい、この効果でブロックされた時、どちらかを選んでバトルできる。俺が選ぶのはもちろん、レベルが高い方のブロンズ・ヴルムだ!」
ラミニフェンサーの風の翼がはためくと、1体のブロンズ・ヴルムは地に伏せてしまったが、もう一体は果敢にラミニフェンサーに向かっていった。
しかし、そのブロンズ・ヴルムもラミニフェンサーの翼の風圧に対抗できず、その場で踏ん張るのが精一杯だった。
そんなブロンズ・ヴルムに、ラミニフェンサーの刃が迫る──。
「でもこれで、赤のマジックが使える!フラッシュタイミング!マジック、"ファイアーウォール"!不足コストはブロンズ・ヴルムをレベル1にして確保!自分の赤のスピリットを1体破壊することで、このバトル終了後、アタックステップを終了させる!」
その瞬間、カズマがマジックを発動し、ラミニフェンサーの刃が当たる直前に、ブロンズ・ヴルムは炎を纏いながら破壊され、その炎が壁となった。
「これでリョウジのアタックステップは終了だ。あとは次のターンで──」
「──悪いが」
またまた遮るリョウジ。
その顔には笑みが浮かんでいた。
「この勝負、俺の勝ちだ」
リョウジがそう言うと、フィールドのラミニフェンサーが持っていた剣を掲げた。すると、その剣から巨大な竜巻を生み出された。
「ラミニフェンサーの効果、バトルしていた相手のスピリットが破壊か消滅した時、このスピリットのソウルコアをトラッシュに送ることで──相手のライフのコア2個をリザーブに送る!」
「──え」
竜巻が出ている剣をラミニフェンサーはまるで野球のバットのように水平に振った。
その剣から出ている竜巻はファイアーウォールを越えるどころか、その炎まで巻き込み、火炎竜巻となってカズマに迫る。
そしてそれがカズマのバリアも破壊し、最後の2つのライフを破壊した。
「そ、そんなあああぁぁぁ!?」
LIFE:2→0
「これが、全てを切り裂く緑の刃だ!」
リョウジが決め台詞を言うと、ラミニフェンサーはポーズを取りながら、愛刀を頭に収めたのだった。
「うぅ……負けた……」
「そんなに落ち込むなって。俺だってかなりヤバかったからな?あの時ドルクス・ウシワカを引けてなきゃ、俺が負けてたぜ?」
バトル後、二人は河川敷を歩きながら先程のバトルについて話し合っていた。
「それにしても、リョウジのキースピリットがXレアのドルクス・ウシワカや風魔神じゃなくてコモンカードのラミニフェンサーなのはちょっとビックリしたよ」
「おいおい、キースピリットにレア度は関係ないぜ?カズマのメテオヴルムや店長のシラヌイだってXレアじゃないだろ?」
「うっ……それは、確かに……」
カズマは自分の言動に恥じ、肩をすくめた。
「それに、こいつは俺の特別なんだ」
「特別?」
リョウジはデッキケースからラミニフェンサーのカードを取り出すと、それを掲げながら続けた。
「俺がバトスピを始めるようになった切っ掛け、それがこのカードなのさ。それに──」
と言いかけ、リョウジはハッとなってカードをデッキに戻した。
「うんにゃ、何でもない!……とにかく!そいつが特別だと思ったら、どんなカードだろうとそれがそいつのキースピリットってこった!んじゃあなカズマ!また明日!」
そう言ってリョウジはそそくさと先に帰ってしまった。
「おう!また明日!……特別、か」
カズマはそう呟くと、デッキからメテオヴルムⅩのカードを取り出して、先程のリョウジのように掲げた。
「俺にとっての特別は──」
カズマはそう言いながら、メテオヴルムのカードを眺めた。
そのカードは夕日に照らされ、より紅く輝いていた──。
私事になりますが、これから少し忙しくなりますので投稿頻度がさらに減るかもですが、更新されていれば、よければ読んでいただけると幸いです。
それでは。