ウマ娘短編集SS   作:やまなた

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朝は必ずやってくるように。

短めです。

登場ウマ娘。
・ツインターボ
・ハルウララ
・ライスシャワー


負けても次は来る

「――試合に負けたら、何を思う?」

 

「んー?次がんばろー!ってなるよ!」

 

結った髪をピョンピョン跳ねさせながら答える。

実にウララらしい言葉だ。その言葉があるから、俺も頑張ろうと思える。

 

「――試合に負けたら、何を思う?」

 

「くやしー!ってなる!」

 

両サイドの髪を揺らしながら答える。

これも実にターボらしい答えだ。思ったことをそのままに口にできる。簡単に見えて難しいが、ターボは何も考えずにそれができる。

 

 

 

「――レースは楽しい?」

 

「うん!レースはいつも楽しいよ!何回走ってもその気持ちは変わらない!!」

 

笑顔でそう言いきるウララ。その目に陰りや濁りは一切ない。あるのは明日を見据える輝きだけ。

 

「――レースは楽しい?」

 

「楽しい!ターボ、誰よりも早く走るから!」

 

質問の意図をよくわかっていない返しではあるが、これもまたターボらしい。いつも大逃げをして最後には逆噴射する。それがツインターボのレースだ。でも彼女はレースの後、いつもイキイキとしている。楽しそうに、満足したように。

 

 

 

 

「――走るのは好き?」

 

「うん!だって走るの気持ちいいもん!友達と一緒に走れるレースはもっと好き!」

 

どんな質問にもいつも笑顔で答えを返してくれる。これがウララの凄いところだ。そんなウララを見れるだけで、俺は幸せな気持ちになれる。

 

「――走るのは好き?」

 

「大好き!いつかみんなを倒してやるんだから!!」

 

何度負けても、ターボは前を向くのを止めない。その行動に何度力をもらったことか。何度支えてもらったことか。

 

 

「――仲間が負けて落ち込んでいたらどうする?」

 

「一緒に美味しいご飯を食べる!高知の美味しいご飯を作ってあげるね!!」

 

「――仲間が負けて落ち込んでいたらどうする?」

 

「一緒に走る!走ってたらそんなの吹っ飛んじゃうから!!」

 

後ろを振り返る。

そこには涙を流すライスがいた。

 

 

「――ライスと一緒に走るのは楽しい?」

 

「うん!ライスちゃん凄いんだよー?いつもいつも練習頑張っててね!それでね、凄く速いの!!ウララもあんな速く走ってみたいなーっていつも思うんだ!!」

 

「――ライスと一緒に走るのは楽しい?」

 

「うん!ライスって凄いんだよ!あのトウカイテイオーを倒したメジロマックイーンに勝ったんだから!ライスはターボの倒すリストの一人だもん!!」

 

目を擦り、ふらふらとこちらに歩み寄ってくる。

 

「……ライス、駄目な子だ」

 

腕に抱きつくと、直ぐにそんな風に口を開く。

 

「みんなが悪く言うわけないって知っているはずなのに……信じられなくて……」

 

小さな声で、俺とウララとターボにだけ聞こえるような声で続ける。

 

「たった一回負けただけで…みんながライスを否定するわけないのに……それを信じることができなくて…一人で落ち込んで、拗ねて……ごめんなさい……」

 

「だーいじょうぶ!!」

 

「そんなことで嫌いにならないもん!!」

 

俺はできる限り優しくライスの頭を撫でる。初めは驚いていたライスもそれを静かに受け入れ、されるがままになる。

ウララとターボに目を向ける。二人は笑っていた。不安にさせないように。心の底からの笑顔で。

 

 

「ライスは一人じゃないよ。ウララもターボも、俺もいる。もしまた落ち込んでしまいそうになったらみんなを頼ってくれ。全員で、ライスを笑わせてみせるから」

 

それだけ言うと、もう我慢の限界だったのだろう。静かに聞いていたライスは俺の腕に顔を埋め、嗚咽をこぼし始めた。

 

「一回負けたくらいなんだ。今日レースに負けても、必ず明日はやってくる。だったらまた明日、勝てばいいんだ。それだけでいいんだよ」

 

現に側にいる二人はそういった心意気で毎日を過ごしている。ウララはまだ一度もトウィンクル・シリーズで勝利はないし、ターボも片手で数えるほどしかない。

 

でも、彼女たちは走るのを止めない。いつかたどり着く頂を夢見ているから。

 

「だから、ライスもまた明日、自分にチャンスをあげよう。レースにでるチャンスを」

 

「うん…!うん……!」

 

 

ウララとターボの視線がむず痒いが、それも今は甘んじて受け入れよう。大切なチームメイトの為なのだから。




一期の最初のレースで見たウララちゃんが大好きで大好きで。一目ぼれでした。
二期のあの第四コーナーを回るターボのシーンが大好きで大好きで。遠めから映るあのシーンを見るといつも泣きそうになります。
絵本を読んでいるライスちゃんが大好きで大好きで。祝福してあげたかったと心から思います。
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