ラブライブ!~school Knight Live~ 作:龍玖
俺が虹ヶ咲学園に来てからどれだけの時間が経ったのだろう
半年以上は経っている。
そう考えていたら、意識は夢の世界へ旅立っていた。
「────先生?───」
部室に忘れ物をした彼方は寝息を立てていた賢人を見つけた。肩を軽く叩いても反応は少し体勢を変えるぐらいだった。賢人の立てていた寝息に誘われ、彼方も眠気を感じた。
「ふぁ〜彼方ちゃんも眠たいなぁ…」
時計は16時30分を指していた。日も暮れて出していた。
そして、部室の椅子に座っていた彼方も眠りについてしまった。
「すやぁ…」
彼方と賢人。同じ夢を見ていたのかもしれない。
賢人は彼方が大変なのも知っている。妹のこと、家の事、週5でアルバイトだったり奨学金の為に好成績を残さないといけないこと。それが祟って授業以外の休み時間、放課後は基本的に寝てしまっている。別に悪いことではないがこの時期だ。外はとてつもなく寒い。ましてや陸の孤島、お台場だ。
彼方は賢人が色々抱え込んでいるのも知っている。
先生としての仕事、生徒会の顧問、同好会の活動がしやすくなったのも賢人が来てからと言っても過言ではない。それに過去のこと、μ'sの顧問だったこと。ある組織に入っていたこと。GBN内でのレムレースの件、ブレイクデカールの件。そして彼方が1番気にかけていたこと、そう、あの時、怪我したら身体が結晶が生えてきて一瞬で元通りになったことだ。
でも、彼方は賢人が先生としてでは無く1人の人間として好きだ。彼方には親はいるが母親は夜勤。父親はほとんど帰ってきてない。仕事に明け暮れている。でもそんな中、白馬に乗った王子様のように賢人が現れた。一見、周りの生徒からは少し怖いけど勉強に関してはしっかり教えるスタンスの先生としてそこそこ人気はあった。栞子が生徒会長になった時も率先して部活動の廃部を阻止。同好会が2度目の存続の危機に陥った時も救った。彼方にとって、同好会はかけがえのないものだ。妹の遥ちゃんとは姉妹でありながらライバル。そのライバルの関係を続けるには同好会も頑張らなくちゃならない。しかし、過労で倒れそうになった時は賢人が一言彼方に「近江は1度休憩だ。」と一言かけて膝枕してくれる。それだけでいい。
スクールアイドルフェスティバルの練習の時胃痛で倒れた時も助けに来てくれた。起きるまで待っててくれた。そんな賢人が彼方は好きだ。だけど、賢人は先生だ。この一線は超えちゃいけないと彼方は思っている。
「─────近江、最終下校時刻すぎるぞ───」
その一言で彼方は目覚めた。
「先生…」
「俺が来て考え事してる間に俺が寝ちゃってたからな…」
「彼方ちゃん、ひとつ先生に言いたいかな〜」
「なんだ?」
彼方はその一線を超える。超えちゃいけないラインを。
「賢人先生が先生としてじゃなくて好きな人として好きです。」
「そうか…そっか、もうそんなに経ったのか。」
賢人も来年には30歳だ。
音ノ木坂学院から虹ヶ咲学園に来て半年と2ヶ月。それだけ経てば賢人に好意を抱く生徒も出てくる。
賢人の答えは─────
「いいよ、とりあえず帰りながら話そうか」
彼方は賢人に抱き着いた。
外は粉雪が降り始めた。
彼方は初恋を経験した。それは永くて優しい恋。
という訳で彼方誕生日おめでとう…推しへの言葉はそれ以上でもない…( ´ཫ`)