一刻館『朱美』   作:roketto

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一刻館『朱美』 第02話「別居」

第02話「別居」

 

 

 

 

 

「結婚してください。」

プロポーズを受けた

 

 

 

 

スナック『茶々丸』のマスター

いいひと

 

 

 

 

今まで出会った人の中で 一番いいひと

たぶん

 

 

 

 

 

一番好きな人じゃない。

一番いい人。

 

 

 

 

 

 

結婚する

一番いい人と

 

 

 

・・・

 

 

 

それが一番賢い選択

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

マスターはどうなんだろ?

私に対する気持

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

一番好きな人じゃない。

一番いいひと。

 

 

 

だろうか

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

だったら

 

 

 

 

 

 

結婚してもいいかな

おあいこ

 

 

 

 

 

 

だもんね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

一の瀬

「・・・っていう事なんだと思うよ。」

 

 

四谷

「ほー・・・。 朝から妄想話ですか。」

 

 

一の瀬

「うわさ話だっての!」

 

 

四谷

「似たよーなもんです。

 想像のはなしです。」

 

 

 

「まあ 結婚はホントでしょうけど。」

 

 

 

 

 

 

 

一の瀬

「四谷さんも聞いた?」

 

 

四谷

「ええ 一応は。 二人からききました。」

 

 

一の瀬

「そーか・・・ やっぱり結婚するのか。」

 

 

 

 

 

 

四谷

「今回ばかりは 嘘じゃなさそーです」

 

 

一の瀬

「なんだいその言い方 あたしがいつも嘘ついてる

 みたいじゃん。」

 

 

四谷

「違うんですか?」

 

 

一の瀬

「いつもちょっと勘違いするだけだよ」

 

 

 

 

 

 

四谷

「質が悪いですな。嘘と真実が混じってて」

 

 

「でも 今回の結婚話はマスターからも

 聞いてるので間違いありませんよ。」

 

 

一の瀬

「あたしは朱美ちゃんからね 聞いたのは

 最初冗談かと思ったけど」

 

 

「驚いた」

 

 

 

 

 

 

 

四谷

「同感です 突然の事で驚きました」

 

 

「まぁ・・・」

 

 

「何にしろよかったです 朱美さんの事は

 私も心配でしたから」

 

 

 

 

 

 

 

一の瀬

「でもさぁ・・・」

 

 

「ちょっと拍子抜けするねえ。こんな早く結婚話

 出てくるなんて・・・」

 

 

 

 

「朱美ちゃん 最初会ったとき・・・ ちょっと

 影があるっていうかさぁ・・・」

 

 

四谷

「そうですね・・・ 普段表には出さないよう

 してたでしょうけど」

 

 

「辛そうな感じ有りました」

 

 

 

 

 

「でも・・・」

 

 

 

「一の瀬さんのおかげで 大分朱美さんの

 表情も明るくなりましたよ。」

 

 

「最初会った時より良くなった。」

 

 

 

 

 

「それは この一刻館で楽しく過ごせている

 からでしょう。」

 

 

 

 

 

「やや強引に楽しくですが(笑)」

 

 

一の瀬

「辛いときは楽しくするのが一番!」

 

「笑う門には鬼はなしって奴?(笑)」

 

 

四谷

「ちょっと違うよーな気がしますが。」

 

 

「でもまぁ・・・」

 

 

 

「色々と ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

一の瀬

「いいよ別に(笑) お酒飲むの全然好きだし。」

 

 

 

 

 

 

「賢太郎には嫌われるけど(笑)」

 

 

四谷

「たぶん朱美さんも感謝してるでしょう。」

 

 

 

「あの頃のままだったら まだ朱美さんは

 結婚を考えなかったでしょうし・・・」

 

 

 

 

「一の瀬さんの協力のおかげです」

 

 

一の瀬

「そーかい? そー言われれば嬉しいけどさあ。」

 

 

「でもなんか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「結婚していなくなったら いなくなったらで

 少し寂しい気もする(笑)」

 

 

「結婚したら出ていくんでしょ?」

 

 

四谷

「もう少し此処にいる様ですけど」

 

 

 

 

 

 

一の瀬

「もう少し・・・ ねぇ・・・」

 

 

四谷

「もう少し・・・ です。」

 

 

 

「プロポーズを受けたからといっても すぐには

 気持ちの整理は付かないでしょうし・・・」

 

 

 

「相応の準備も必要では?」

 

 

 

 

 

 

一の瀬

「まぁ そーだけどさあ大丈夫・・・?」

 

 

 

 

「まえも・・・」

 

 

 

 

「子供ができたら引っ越すとか

 言ってたわりに、・・・」

 

 

四谷

「居ついちゃいましたねー・・・」

 

 

 

 

 

 

 

一の瀬

「結局 気持ちの整理が付かずに・・・」

 

 

 

「このままズルズルと 此処に住み続けたり

 しない・・・?」

 

 

 

「朱美ちゃんの為にも マスターの為にも 

 早く一緒に暮らさないとねぇ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

四谷

「そーですよねえ・・・ 早く一緒になって

 ほしいですが・・・」

 

 

 

「今は無理言っても仕方ありません」

 

 

 

 

 

「待ちましょう・・・ よ 朱美さんの気持ちの

 整理がつくまで」

 

 

 

「マスターも待っててくれる様ですし」

 

 

 

 

 

 

一の瀬

「待つしかないか・・・ しばらく」

 

 

四谷

「待つしかないでしょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待ちましょう・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの日 か

彼女が

 

 

 

 

 

 

 

過去の呪縛から解き放たれ

この一刻館を去っていく

 

 

 

 

 

そのときまで・・・

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