本当はもうちょっと早く二話を投稿しようと思ってたんですが
なかなか形にならずに時間が経ってしまいました
と、言うことで
前書きはこのくらいにして、本編を楽しんでください
剣介はすぐにスマホを取りだし、理事長に連絡する。
『・・・お掛けになった電話は、電波の届かない所にあるか、電源が入っていないため、掛かりません』
「アイツ電源切ってやがる!」
ハァ、とため息をつき、意を決して扉に手をかける。
「こんにちは~」
返事がないので事務室の中を見るが、
「・・・誰もいないか」
(地下駐車場があるって言ってたな、車置いてくるか)
そう思い、寮の前に止めたままだった車に戻り、地下駐車場へ車を進ませる。
中には十台ほどの駐車スペースとリフトが二台、奥には工具などが置かれている。
そして今、一台の車がリフトアップされていた。
(あの車、アイツじゃないか?)
そう思いながら駐車スペースに車を止めて降りる。
その時、肩よりも少し長くのばした茶色い髪を後ろで縛っている少女が、車の下で作業していたらしく出てきた。
「「あっ!!」」
「森の白乙女!」
「黒い魔王!」
お互いに目が合った瞬間に驚き、言葉を発する。
[森の白乙女]とは、女が駆る車体とウィングを純正色の白で塗装されたS15シルビアの二つ名である。
[黒い魔王]とは、剣介の駆る車体・ホイール・ウィングを艶消しの黒に塗装されたGDB最終型のフェイスを22Bに移植したSTIの二つ名である。
「何でお前がこんな所に?」
「何でって、ここは僕の仕事場だから」
「・・・は?」
女の言ったことに剣介は思わず開いた口が閉じない状態になる。
「ちょっと待て、もしかしてお前がここの管理人か?」
「そうだけど、なんで?」
あからさまに不機嫌そうに言った女に対し、剣介は頭を抱える。
「俺、今日からお前の後輩だわ」
「・・・え?」
今度は女が唖然とする。
「バカじゃない?僕とお前は犬猿の仲って言われてるんだぞ!それなのに仲良く仕事なんて出来やしない」
[森の白乙女]と[黒い魔王]はバトルをしても休憩中でも喧嘩腰で仲が悪いことで有名である。
「一個言っておくが、俺はお前の事を嫌いだとは思っていない、一方的にお前が牙を剥いてくるんじゃないか」
「僕はただ、お前が勘違いしてる事が気に食わないだけだ」
「何を勘違いしてるんだよ、お前は二つ名を持つ走り屋の女じゃないのか?」
剣介が首をかしげながら聞くが、その問いに女の怒りは頂点に達したようだ。
「一つ間違いだよ!僕は男だ!女じゃない!なんでみんな間違えるんだよ!」
「それは見た目が「女に見えるからだろ!みんなが言うよ!」
「・・・え?お前男なのか?」
ワンテンポ遅れて剣介の思考が驚きという感情を弾き出す。
「そうだよ、瑪瑙芽(めのうめい)正真正銘の男だよ!」
また、更新頑張るので
次回も楽しみにしていてください