Bloodborne × ワールドトリガー 血濡れの万能手   作:たっつんG2

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二刀の男

『ずいぶんとやるようになったじゃねえか』

 

 スピーカーからそんな声が聞こえる。

 ニヨニヨと笑うヒゲ面が脳裏によぎる。ただ、その目だけはいつもと違う、獲物を見据える目に感じられた。

 

()、使っていいか?』

「構いませんよ、でなければ百本も挑む意味がない」

 

 太刀川慶。ボーダー最強の虎、忍田真史の直弟子。

 

 手っ取り早くボーダー最強になるには、その男を倒さねばならないが、まず勝負をするには、弟子である太刀川さんを下さねばならない。

 

 そしてその太刀川さんの真価は、両刀孤月。源流はどうにも小南らしいが、ともすると、勝機がないわけではない。

 

 小南には――太刀川さん以上にボコられている。

 

 正隊員に上がりたての頃、身の程知らずにも太刀川さんに挑み惨敗し、それから封印された左の孤月。

 

 今からが本当の再戦である。

 

 視界は一転し、ごく普通の、閑静な住宅街へと場を移した。

 

 ヒゲの眼光は先ほどとは比べ物にならないほど研ぎ澄まされている。

 

「そんじゃま、一丁」

 

 攻勢だった。

 シールドを張って後退し、様子見に徹していた前回とは違う。

 

「速……ッ!?」

 

 銃を構える暇もなく懐に潜り込まれた。すかさず右からの居合斬り。

 

 それはなんとか止められた。孤月にのしかかる重圧は尋常じゃない。今にも割れてしまいそうだ。

 

 太刀川さん。

 左を封じてなお、手を抜いていたということか。

 

 左の抜刀だけは止めなければならない。

 無理をしてでも通常弾(アステロイド)を撃ち込むが、長年の勘か、はたまた野生の本能か、集中シールドで防がれる。

 

 もう対策されたのか。いや、元から、私の

アステロイドの威力などたがが知れている。

 シールドを割れる威力なんてものは、一度限りの初見殺しだ。冷静に銃口を見られれば、そりゃあ集中シールドも張られる。

 

 咄嗟に、逆手で抜いた孤月を乱雑に振り抜く。孤月とシールドで捌く太刀川さんだが、そうしているうちはまだいい。左を抜かれたら、その時は終わりだ。

 

 左を抜く素振りをする度にアステロイドを撃ち込む。

 

 孤月を順手に持ち替える。その隙を突かれたか、旋空発動前の光。

 

 まずい、この距離だと、防げない。

 

 一か八か、塀を使い三角跳びで躱そうとしたが、一歩間に合わず、右脚が飛んだ。

 

 急いで角に身を隠す。トリオンの漏出が止まらない。

 

 塀にもたれかかりながら立ち上がる。なんとか銃を構えて角を覗き込むが、そこには旋空を構える太刀川さんがいた。

 

 追撃をしては、銃に食われると思ったのだろう、慎重策と言えば、そう。

 

 太刀川さんは、塀もろとも私を斬るつもりか――そう結論付けたが、姿勢を下げるのが間に合わなかった。

 

 天地がぐるりと一転した。

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