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百目鬼肖(どうめき あやか)
百目鬼静・小羽夫婦の娘で麻衣と同じクラス
・親譲りの祓う力を持っており、両親の友人である四月一日から入学祝いとして桃木の祓具(女郎蜘蛛レベルの人外からの対価)を貰った。
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弓弦(ゆづる)
肖の管狐。
寺の境内で怪我しているところを肖に助けられた(四月一日曰く「寺の清浄な気で回復しようとしてた可能性がある」)。
名前の由来は拾った日が弓張月(半月)だったので弓に張る糸からとった。
***
それでは最初は麻衣視点で始めます!
〇
「ねえ麻衣!」
話しかけてきたのは高校に入ってから仲良くなったミチル。その両隣には祐梨と恵子がいた。
「明日、視聴覚室で怪談を祐梨と恵子とやるんだけど麻衣もやらない?」
「ペンライトを使って略式版の百物語するの!」
「真っ暗の中でやるからけっこう雰囲気あるよ!」
ミチルたちのお誘いにあたし、谷山麻衣は「いいね!やる!」と答えた。すると私はあることを思いついた。
「もう一人いれていいかな?」
「誰を入れるの?」
「………百目鬼さん」
私の高校は中学からいる内進組。違う中学から入る外進組がある(あたしは外進組)。あたしはすぐに友達が出来たけど外進組は仲良くなるには少し時間がかかる。あたしが言っている百目鬼肖さんは外進組。だからこれを機に仲良く!って考えてるんだよねー。それを察したのかミチルたちも「いいよー」「でも代わりにあんたが言ってね」と言ってくれた。
「よし!行ってくる!」
あたしはさっそく百目鬼さんの所へ行った。
「ど、百目鬼さん!」
「何?」
あたしはちょっと緊張気味に話しかける。
「実は明日怪談することになったの!」
「怪談って百物語?」
「うん!それで百目鬼さんもどうかなって」
百目鬼さんお願い!YESって言って!!
「いいよ」
「ホント!?」
百目鬼さんは頷いてくれた。よっしゃー!明日が楽しみ!
こうして次の日の放課後。
「あれ?百目鬼さんは?」
いたはずの百目鬼さんがいなくなっていた。すると祐梨が「準備があるから先に行ってるって」って教えてくれた。
・・・・・・・・・準備って何?ペンライト以外で準備ってあるのかな?ハテナマークを浮かべながら私達は視聴覚室へ行った。
「あ、丁度よかった。終わったよ」
視聴覚室では水が入った皿を置いていた百目鬼さんがいた。
「これって蝋燭ライト?」
「しかも隅っこって」
隅っこに一本ずつ置かれた蝋燭ライト(もうスイッチが入ってる)と水が入った皿一枚。
「えー!これが準備!?」
思わず叫んじゃったよ
「灯りが点った蝋燭と水盆を隅に置く。これが本当の百物語の準備だよ。」
ほ、本当って
「ど、百目鬼さんってよく知ってるね」
「うん。初めて知った」
「私んちは寺だからね。そんな話は小さい頃から聞かされてたの」
あ―――なるほど。
「そうだったんだ」
「私たちの準備って中途半端だったんだ」
これはかなり期待できそう。
「それじゃあ百目鬼さんのおかげで準備出来たからやろうか」
恵子に言われ、視聴覚室の明かりを消した私たちは百物語を始めた。うーん。蝋燭ライトのおかげで雰囲気でるー。
***
祐梨、恵子の怪談が終わり、あたしは小学生の時に聞いた怪談を話す。ミチル、祐梨、恵子は怖がってるんだけど、百目鬼さんは全然怖がってない。なんか落ち込んじゃうよ。次はミチルの番。
「……じゃあ、あたしは麻衣と百目鬼さんもいることだし、うちの学校の話をするね」
あたしたち外進組は知らない我が学校の旧校舎の怪談を始めた。
「取り壊そうとすると不思議にトラブルが起こるわけ。機会が止まったり、作業員が事故に遭ったり、病気になったり。一度なんか屋根が落ちたんだよね。旧校舎の西側を壊してたとき、二階部分が屋根ごと落ちて、一階で作業をしてた人がみんな死んじゃって、それで工事が中止になったんだって」
ミチル曰く前々から火事や事故、自殺等悪いことが色々あったらしい。そしてラストは
「……これはクラブの先輩から聞いたんだけど」
ミチルの先輩の友達が旧校舎で白い人影を見たという話だ。自分が通っている学校の怪談だからちょっと怖かったなー。最後は百目鬼さんの番
「私はトリに相応しい話をしようか」
相応しい!?
「私のお父さんが高校生だった頃のお話。お父さんも実家の寺で友達と百物語をやったの」
あ、怪談が百物語の体験談だったか
「メンバーはお父さんと、友達のKくん、Hさん、Kくんのバイト先で奇妙な話に詳しいYさん。お父さんたちはYさんに言われ、私達と同じようにちゃんと準備して百物語を始めた」
百目鬼さんはたんたんと語る。
「Hさんは洋館を改装してできたホテルの話。お父さんは祖父、つまり私のひいお祖父ちゃんの体験談。すると隣からがたがたと物音が聞こえてきたの。Kくんは誰かいるのかって聞いた。その問いにお父さんはいるっちゃいるなって答えた」
いるっちゃいるな?なんか曖昧。ミチルたちも?浮かべてるよ
「お父さんは静かに教えたの。檀家の人だ」
『遺体だけどな』
・・・・・・・・・・え?
「「「「きゃああああああああああ(泣)!!!」」」」
遺体!?遺体ってあの遺体!?思わず私達叫んじゃった。
「なんでそんなのあるのさ!!!」
思わず大声で聞いちゃったよ
「お葬式前は寺が預かるのが普通なの」
「ふ、普通って」
寺の裏事情に祐梨は涙目だ。そういえばお父さんたちもそうだったな
「さらにその部屋は窓なんてなかった」
続きやるの!?
「なのにガタガタと音は止まない。Kくんは怖くなって出ようと言ったが出来ない。隅に置いた蝋燭は自分たちを守るための結界。百物語をすべて終わらせないと出てはいけないから。」
・・・・・・・ん?てことは
「えーと百目鬼さん。質問が」
「あたしも」
「私も一つ」
「まさかあたし達も?」
「私の怪談と確認が終るまで出られない」
「「「「ひいいいぃぃぃぃ!!!」」」」
お願い!!早く全部話して終わらせてよ百目鬼さん!!あたしの心の叫びが聞こえてくれたのか百目鬼さんは続けた。
「なのでKくんは自分の体験談を話した。最後はYさん。Yさんは笑みを浮かべて話した。というより聞いてきた」
『うしろの障子にうつってるあれ、なあに?』
「それは女性の影だった。それを言った瞬間色んな音が聞こえてきた。何か叩く音、天井から人が着地したような音、そしてはいずり回る音。さらには地震が起きたけど水盆の水は揺れてなかった」
「え?揺れてない」
普通揺れるよね。
「するとHさんが気づいたの」
「き、気づいたって?」
「たくさんの人が混ざった様な影」
「「「「ひいいいぃぃぃぃ!!!」」」」
「結界切れた瞬間、その腕が障子を貫いてK君を掴んだ。まるでこっちにおいでこっちのおいでとばかりに。絶対絶命のなかYさんはお父さんに言ったの。「弓道部よね」って。飾ってある弓を持たせて一言」
『障子に向かって射て』
「矢もないのに射て。疑問に思いつつもお父さんは射た。そしたらそいつらは消えたの。こうしてお父さんたちは助かったのでした」
「「「「は~~~~~~~~~~~~」」」」
怖かった。あたし達と同じ百物語の体験談たったから余計に。ミチルたちもぐったりしてるよー。確認大丈夫かなー。
「いち……」
まずは祐梨から数え始める
「に……」
続いて恵子。
「さん」
続いてはあたし。
「し……」
今度はミチル。
「ご」
最後は百目鬼さん
「ろく」
「「「「きゃああああああぁぁぁっ!!」」」」
ホントに現れた!!?と思いきや灯りがついた。そこに居たのは真っ黒な服を着た男子。
「あ、あのう──今、『ろく』って言ったの、あなたですか」
恵子が聞いた。恵子の問いに対し、彼は「そう」と気負うふうもなく答えた。生きた人だったようだ。あ―――ビックリした。
「あー、驚いた。腰が抜けるかと思った…」
「それは失礼」
まあ、百目鬼さんの怪談を聞いた直後だから怯えるのは無理もないよね。仕方ない。
「灯りが蝋燭ライトだけで…なのに声がしたものだから、つい──驚かせて悪かったね」
「そんなあ。いいんですよお」
「ええと、転校生ですかあ?」
おーい。あんたらはイケメンだったら許すのか―?
「……そんなものかな」
そんなもの?
「ひょっとして、一年生?」
「……今年で、十七」
また変な間があった。転校生ならば「二年」というはずなのに。
「じゃ、あたしたちより、一年先輩ですね」
すっごい怪しい。近づかないのは百目鬼さんだけだよ。
「こっちこそ驚かせてごめんなさい。恥ずかしいなあ、大騒ぎしちゃって。
あたしたち、怪談をしてたんですよね。だもんで、つい」
百目鬼さんの怪談から大騒ぎしたじゃんか。・・・・・・・あたしも叫んじゃったけど
「どーぞ、どーぞっ」
「先輩、ここ、坐ります? ええと、お名前は?」
「渋谷」
「渋谷先輩も怪談、好きなんですか?」
「……まあ」
「……渋谷さんとやら」
話しかけてみると笑みを浮かべてるけど目が笑ってない!絶対裏がある!こんな奴は無視するのが一番!!
「んじゃ、それをやってください。あたしたちは、もう帰るとこですから」
「それじゃあ、みんな。また明日ね?」
「「「えーっ!」」」
あたしと百目鬼さんの言葉に皆はえーっ!って。何がえーっ!だよ。全部終わったじゃんかー。あたしの先生が来るぞと渋谷さんとやらの笑みのおかげでやっと帰る気になってくれた。あ――――疲れた。
でもあたしたちは気づいてなかった。百目鬼さんの蝋燭ライト、触れても居ないのに灯りが消えていたことに
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「ただいま」
肖が言うと母・小羽が「お帰りなさい」と言う。するとだ
びゅん
白く長い物が飛んできた。よく見ると顔は狐。管の中に住む細長い狐・管狐だ。
「弓弦ただいま。弓弦の狐火のおかげで何も起きなかったよ」
「♡」
肖は弓弦を連れて部屋に行く。
「百物語は大盛り上がりだったよ。終わったら男子が来たんだけど。なんか変だったな」
「?」
「その人、全身黒ずくめで「転校生なんですか?」「一年生?」てみんなの問いに「そんなものかな」「今年で十七」って曖昧に答えるの。だから すごく怪しかったな。」
その言葉に弓弦は「確かに怪しい!」と言ってるかの如くコクコク頷く。
「後でお母さんに占ってもらお」
***
「ねえお母さん。お願いがあるんだけど」
「占いね」
「うん。」
小羽は占い師。何も聞かずにその人が占ってほしいことを占えるのだ。肖は占ってもらう。その結果
「明日からたくさんの深い縁に出会えるって出てる」
「深い縁。その出会いも必然だね。……ありがとうお母さん。対価は何?」
肖の問いに小羽は答える
「玉子焼きが良いな。私、肖と君尋くんの卵焼きが好きだから。」
「私はお母さんと君尋さんの卵焼きが好き。」
「オレは3人の卵焼きが好きだな」
現れたのは肖の父・静だ
「静くんお帰りなさい」
「お帰りなさいお父さん」
「ただいま。」
弓弦もお帰りなさいと言っているのか静の首に絡まる。これが百目鬼家の普通だ。肖はどんな縁に出会えるのか楽しみだった。