居間に開いた穴。よく見ると古井戸を埋めた物だった。
ぐいぐいぐい
「おいおいどーしたんだよ弓弦」
弓弦は古井戸を覗き込んでいる滝川を一生懸命引っ張る。どう見ても「危険だから近づいちゃ駄目!!」と言ってるようだ。
「弓弦ちゃんと同意です。……あたくしには、この井戸が地の底まで続いているようにみえますわ。遥か底に子供たちの霊が澱んでいる………」
真砂子は弓弦の代わりにこの古井戸に居る霊について説明した。この奥に女の霊がおり、そいつのせいで子供たちは亡くなり、更には逃げられなくなった。ミニーの中に居るリーダーの女の子は本当はこんなことをするのは嫌なのだが女のせいで逃げられないのだ。
「『富子』というのは?」
「……女の子供です。女は子供を探しているんですの。自分の娘を……。それで子供が集められているのですわ」
「(自分の娘。だったらその娘の…)皆ちょっと出かけてくる」
「出かけてくる。帰りはいつになるかわからない。後を頼む」
肖とナルは同時に言った。
「ちょっ……ナル!?肖!?」
同時に何処かへ行こうとするナルと肖に麻衣は慌てる。
「麻衣。礼美ちゃん達を救うためだから。信じて待ってて」
「………うん」
肖と弓弦の真剣な表情に頷くしかなかった。
***
「なんでついてくる」
「富子ちゃんの
その言葉にナルは驚いたように肖を見た。
「………よくわかったな」
「ひいお祖父ちゃんが集めた蔵書のおかげ。生没年の調べ方わかる?」
昔の人物の生没年を調べる。かなり大変だ。絶対骨が折れるだろう。
「出来るか?」
「出来る」
なので肖はナルに協力することになった。
「まずずっと昔からあるお寺に行って富子ちゃんの生没年を調べることをお願いする。」
「プライバシーがあると言われたらどうする?」
ナルはどう対応するか少々意地悪な問いをする。
「あの家はたくさん子供たちが死んでいる。ならあそこは異常だとお葬式をあげているお寺も気づいているはず。原因が分かったと言えば聞いてくれるよ。」
(なるほど。よくわかってる)
お寺の娘だからこそ考えられる方法だ。こうして昔からあるお寺へ着いた。
「すみません。こちらに住職はいますか?」
ナルが掃除をしている小坊主に聞く。
「はい!居ますよ!少々お待ちください!」
小坊主は住職を呼びに行った。しばらくして…
「はい。私がこの寺の住職です。どのようなご用件で?」
現れたのは老人だ。
「実はある少女の生没年を探しているんです。この寺で上げた葬式の記録を拝見したいのですが」
その言葉に住職は言う
「これは個人の秘密です。流石にできません」
思っていた通りだ。
「この住所に思い当たることはありますよね?」
ナルは森下家の住所を言う。
「な、なぜその住所を!」
やはりあの家は異常だと気づいている。