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カランカラン
「あの…幽霊を調べてくれる事務所ってここですか」
現れたのは不安げな女子高生だ。
「はい!そうですよ!こちらにどうぞ!」
そう言って麻衣は彼女をソファーに案内する。
「肖まさかこの子」
「うん。湯浅高の子だ」
湯浅高校。この間2件も依頼が来た高校だ。実際、彼女も「湯浅高校の伊藤清美といいます」と自己紹介する。彼女の場合はコックリさんを見ていた子が授業中に机に飛び乗ったり、砂場の砂を食べたりしたので狐に憑かれてしまったのではという噂が流れているそうだ。そしてナルの答えは
「お断りします。ウチじゃなくて病院へ行ってください」
(やっぱりかい!!)
「はぁ」
お断りだった。実は湯浅高校はなぜかお断りするナルはさっさと奥の部屋に戻る。麻衣は心の中でツッコみ、肖はため息をつき、当然依頼人の伊東は依頼を受けてくれなかったことに落ち込んだ。
「あ!とりあえずここに連絡先や依頼内容を書いて下さい!知り合いの霊能力者を紹介しますので!!」
彼女の様子を見た麻衣は慌てて紙とペンを差し出す。
「あ、ありがとうございます」
霊能力者を紹介してくれると聞いて安心したのか伊東は連絡先や依頼内容を書いた。
「それではお願いします」
「はい」
そう言って去った伊東。伊藤が帰った事務所内はというと
「「ふー」」
一安心した麻衣と肖と出てきた弓弦がいた。
「あー心臓に悪かった」
「2件目の子は怒ったから無理もないよ」
肖の言葉に同意なのか弓弦も頷いた。2件目の子はナルの言葉に怒り、肖の「知り合いの霊能力者を紹介する」の言葉で落ち着いてくれたのだ。
ー翌日ー
「ナルちゃんやっほー♪いやー日曜の渋谷なんて来るもんじゃないね。あっ麻衣ちゃん、肖ちゃんアイスコーヒーちょうだい♪」
「……ぼ、ぼーさん、そのカッコ……?」
「……すごい派手」
「(コクコク)」
サングラスに派手なアクセサリー。派手な柄のカウボーイ風の服を着た滝川が現れたのだ。驚く麻衣、肖、弓弦。そんな彼女たちに滝川は「バイトだったのよ」と教える。
「俺の本業はスタジオ・ミュージシャンてヤツなの!いちおー自分のバンドも持ってるけど、ボーカルがいまイチくんでなー。」
「そ、そんじゃ坊主がバイト?」
「じゃあ、高野山にいたという話は?」
麻衣と肖の問いに滝川は説明する。高野山にいたという話は本当。家が肖と同じく寺で、父は後を継がせたかったのだが山はCD等持ち込みはダメ。それで下りたそうだ。
「この業界は、意外に多いんだよ。タタリだのなんだの、何かあるたびもと坊主ってんで担ぎ出されるんで、拝み屋が副業みたくなってんの。…納得?」
「…納得…。」
照明落下事故等で亡くなる。人気のあまり嫉妬で呪う等確かにこの業界にはある。なので一番身近な滝川にお願いするのは納得だった。
「…それで?今日はどのようなご用件でいらしたんですか?」
ナルの問いに「そーそー実は仕事の話でいらしたのよ」と来た理由を思い出す。追っかけの女子高生が通う高校がある席に座ると大怪我する。そのクラスの担任が幽霊がでると騒いで倒れ入院して原因不明の吐血を繰り返しているという事だった。
「ねえ肖、弓弦ちゃん」
「あり得る」
「(コク)」
その内容を聞いて麻衣と肖と弓弦は顔を見合わせる。高校での怪現象。彼女たちに思い当たる場所があった。
「…ねぇ、ぼーさん。その子の学校って湯浅じゃないよね…?」
麻衣もそう思ったのか、滝川に確認した。麻衣の言葉に滝川はキョトンとしてる。
「…知ってんのか?」
「昨日から三件も依頼があったの!湯浅高校!」
「皆、依頼の内容は違ってたよ」
こんな短期間に一つの学校に集中しているなんてただ事ではない。するとだ
「あのう……。」
「あ、はいっ。ご依頼ですか?」
慌てて麻衣が立ち上がり接客する。
「あの、わたくし。こういう者ですが。」
そう言って差し出された名刺には“私立湯浅高等学校 校長 三上 昇”
「……ナル。校長直々の依頼だよ?」
「流石に受けた方がいいんじゃね?」
肖と滝川の言葉にナルは「はぁ」とため息つく。
「校長」
「は、はい」
校長は緊張気味に応える。
「貴方の高校の生徒たちからも依頼をお願いされました。なので受けます」
「あ、ありがとうございます!」
こうしては校長直々の依頼もあって渋谷サイキックリサーチと滝川は湯浅高校へ調査に行くことになった。