湯浅高校に到着した渋谷サイキックリサーチと滝川。今回のベースとなる部屋は会議室。すると会議室に案内してくれた先生が相談する。
ノックする音が聞こえ、カーテンを開くと白い手が叩いていたらしい。そして手は消えるのだが、翌日も同じことが起きるとのこと。おかげで先生は寝不足だ。
「ひいー怖い」
「そう?」
麻衣は怖がったが肖は全然怖がっていない。次に生徒たちから聞かされたのは、伊藤のコックリさんをやってキツネに憑かれた生徒の話。ロッカーが倒れてたり備品が散乱する陸上部の部室。体育館の開かずの倉庫で百物語をやって以来、変な影を見るようになった生徒。そして一緒にやった友達の机にはあれ以来霊がでるようになり、授業中突然金縛りにあったり机の中から伸びてきた手にお腹を触られたり……。
学校の怪談以上の怖い話ばかりだ。
「しつれーしまーす。
キャ――っ♡ほんとに来てくれたんだ――♡」
現れたのは二人の女子生徒。その片方は大喜びで滝川に近づく。どうやら彼女が滝川に相談したおっかけのようだ。
「紹介するわ。この顔のいいのが渋谷サイキック・リサーチの所長の渋谷。そっちの嬢ちゃんが助手の谷山。長髪の嬢ちゃんが百目鬼」
滝川はナル達を紹介する。おっかけ女子、高橋優子はニコッと笑い「よろしくね」と言った。高橋が連れてきた女子は問題の席に座って事故に遭った人だ。
「あたしが事故に遭ったのは二番目なんだけどー、電車を降りて歩き出したら急に腕引っ張られて、ドアに挟まれちゃったのよね。したら電車が走りだしたゃってー。一緒に走ったけどコケちゃって、そのまま引きずられてー。んーと。5mくらいかな?そんくらい行った所で電車止まったけど。肩脱臼してー、足折っちゃってー、先週ギプスとれたとこ」
「うわ…重たい」
「うん。生きててよかったよ」
彼女の話に麻衣は青ざめ、肖と髪に隠れている弓弦も同意する。その後も先生たちや生徒たちが相談しに来る。あまりの量に滝川は
「どーなっとんじゃこの学校は――――――っっ!!!
こんだけの量、誰が除霊するってんだよ。俺か?俺なのか?もーいっそ泣かせてーっっ。」
集めた内容が書かれた紙をぶちまけ大泣きする。気持ちはわからんでもない。麻衣はせめての慰めとしてお茶を淹れる。
「ぼーさん。半分くらいは私がやるから大丈夫だよ」
肖がそう言う。出てきた弓弦も励ますかのように滝川にすり寄った。
「あ――ありがとなー(泣)」
肖と弓弦の励ましに少し元気になった滝川だった。でも量が多すぎる。なので真砂子、ジョン、綾子も呼んだ。
「とにかく数が多いのでゆっくり調査していられない。手当たり次第除霊してみるしかないと思う。効果がなければその時に次の手を考えよう」
こうして麻衣を連絡係として残し、ナル達はベースを出た。
「(にしても相談事が多すぎる。霊の気配はしない)弓弦。霊はいる?」
肖と弓弦は歩き回るが霊の気配は全然ない。肖は弓弦に聞いてみる。
つんつんつん
(わからない?)
いつもなら「はい」か「いいえ」なのに答えはわからないだった。
「あ、調査してる子だ」
「原因わかったー?」
原因がわかったか聞いてくる生徒たち。肖は「まだ調査中」と説明する。
「ホントどうなってんだろーね。うちの高校」
「うん。祟りでしょ?幽霊でしょ?さらには超能力」
「超能力?どういうこと?」
生徒たちから出た「超能力」。肖は聞く。
「3年に笠井って女子がいるんだけどスプーン曲げが出来るの。でも信じる派と信じない派で真っ二つになっちゃってその人全校生徒の前でつるし上げになっちゃって……」
「先生が「曲げてみろ」って命令して鍵を渡したらぐにゃって曲げちゃったんだよ!びっくりしたよホント!」
「先生たちは「インチキに決まってる!!」「バカにしてる!!」って怒っちゃって」
「笠井って人怒って「呪い殺してやる」って叫んだんだ。まあ怒るのは無理もないよね」
「ねー。言われたから曲げたのに」
笠井という人物。とても気になる。肖は一旦ベースに戻ることにした。麻衣とナルも高橋から聞き、接触を図った所、ユリ・ゲラーのスプーン曲げをTVで見てスプーン曲げができるようになったそう(その人物をゲラリーニと呼ぶ)。そして呪い殺してやる発言は本人曰くムカついたから言っただけとのこと。
「話しを聞いてる限り無意識に言霊をやったのかもね」
「ことだま?」
疑問符を浮かべる麻衣に肖は説明する。
「昔から言葉には力が宿るって言われているの。例えば自信なさすぎだよ。あぶないから止めてと言われると精神的に弱っていく。または今日はいい天気だからいいことがあると言うと前向きになる」
「一種の催眠術の様だな」
ナルは肖の説明を聞いて考える。
「超能力が使える人が怒って「呪い殺してやる」って言ったからね。言われた人は精神的に弱るのは無理もないよ」
「な、なるほど」
そしてナル達はまた調査に行くことにした。