霊狩中毒   作:WATAHUWA

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〇

「あ。ぼーさん、どうだった?」

「いや全然。肖は?」

「こっちもダメ。気配は感じないし、弓弦もわからないって」

 

肖が言うと弓弦も顔を出し、コクコク頷く。

 

「見えるのにか?」

「うん。様子からして霊とかまた違う存在みたい」

 

肖の説明に「うーん」と滝川は考える。

 

 

ぞわ

 

「「「!」」」

 

寒気が襲った。方向は麻衣がいるベース

 

「まさか!」

「麻衣!」

 

滝川と肖は走った。『廊下は走るな』は今は無視する。ベースに近づくにつれて寒気が感じる。滝川はラストスパートと言わんばかりにスピードを上げた。

 

バン!

 

「ナウマクサンマンダ バザラバンカン!!」

 

戸を勢いよく開けて真言を叫ぶと髪らしきものがシュルンと天井に逃げた。ベース内にいた麻衣は座り込み、ナルは「ここにも現れるようになったらしいな」と言う。しかし肖はそれどころではない

 

 

「麻衣!しっかりして!怪我は?」

 

座り込んでしまった麻衣の傍に行く肖と弓弦。すると麻衣はあることを言い始めた。あの影はベースじゃなくナル自身を狙っていた。違う奴は肖も狙っている。夢で見たと言ったのだ。

 

ー夜ー

 

(夢で見た…か。麻衣も超能力があるんだ)

 

そう思いながら布団の中に居る肖。弓弦は煙管入れで寝ている。その時だ。

 

ぞわ

 

「!」

 

あの時と同じ寒気を感じた。一番寒気がする方向は天井。そこから少しずつ黒い髪が現れる。そして恐ろしい笑みを浮かべる女の顔。

 

(確かに怖い)

 

肖は指ぬきをはめ、弓矢を出した。

 

 

ぱぁん

 

 

こうして女は祓われた。肖はすぐにお札を書き、部屋に貼った。

 

「呪詛ぉ!?」

「そうだ。ここでは人を呪うための呪法が行われている。それが全ての原因だ」

「呪……って、そんなの本当にできんの?」

「誰かがワラ人形にクギでも打ってるってのか!?」

 

ナルいわく、人を呪う方法に厭魅というものがあるらしい。ワラ人形はこの厭魅の術のひとつで、人形に釘を打った人間の恨みの念が相手に伝わることで害をなすと考えられているそうだ。呪いを行う人間は人形に釘を打つことで神や精霊に呪殺を頼む。それを受け入れて神や精霊が相手を呪殺に向かう。

 

「つまり呪者は厭魅の法を行うことによって神や精霊……果ては悪霊を使役することになる」

 

だから弓弦はわからないと答えたのだ。そしてその犯人は肖と弓弦と麻衣以外は笠井に決まっていると言う。とりあえず「呪詛を呪者に返す、または使用した人形を焼き捨てる」と厭魅を破る方法をするために人形を探すことになった。

 

 

ゴソゴソ

 

「あった。弓弦。一旦戻ろうか」

 

また人形を見つけた肖の言葉に弓弦は頷く。後どこを探していないかを確認するために一旦ベースに戻ることにした。しかし

 

 

「なに―――っ?ふざけんなコラそんでなんで」

ジョンに必死に抑えられている滝川がなぜかナルに怒鳴っていた。

 

「ただいま」

「あ、お帰りなさい」

「肖、弓弦ちゃんどうでした?」

 

真砂子の問いに肖は「かなり沢山」と答え、なぜか怒鳴る滝川を見る。

 

「それでぼーさんはなんで怒っているの?」

「いやー陰陽師はナルじゃなくってリンさんだった。」

「なるほど」

 

富子の人形のおかげで解決できたミニー事件。人形を用意したからナルは陰陽師だと思ったがリンだったそうだ。

 

「あら?なんで驚かないのよ」

 

全然驚いていない肖に綾子は不機嫌そうに聞く。

 

「ナル、使い魔連れていなかったから」

 

そして使い魔を連れていたのはリンだったから肖は驚いていないのだ。一通り怒鳴ったおかげか滝川はやっと落ち着く。

 

「肖、弓弦。見つけたか?」

「うん。この通り」

 

ナルに成果を見せた後、この人形を見つけた場所にチェックを入れる。

 

「それなら肖はこの辺りを探してくれ」

「わかった」

 

肖は指示された場所へ向かった。それなりに見つけたため、学校は少しずつ落ち着いていくだろう。こうしてまた人形を見つけた肖たち。ただし

 

「麻衣とナルが戻ってない?」

 

麻衣とナルが戻ってこないのだ。

 

 

 

 

 

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